
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)とは、Googleが無料で提供する分析ツールです。
GoogleサーチコンソールではWebサイトの検索パフォーマンスやインデックスに関する問題をチェックすることができ、SEO対策やサイト改善に大いに役立ちます。
とはいえ、その機能は幅広く、サイト運営に必要な機能や使い方がイマイチよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、これからGoogleサーチコンソールを使い始めるという方にもわかりやすいようにその機能や使い方を徹底解説いたします。
重要度や具体的にどんなシーンで利用するのかも合わせて紹介するので、サーチコンソールをこれから使い始めるという方はぜひ参考にしてください。
それではさっそく見ていきましょう。
目次
サーチコンソール
(Google Search Console)とは
サーチコンソールと
Googleアナリティクスとの違い
Google search Console(グーグルサーチコンソール)とは、Googleが無料で提供しているSEO分析ツールです。Googleが提供する分析ツールといえばGoogleアナリティクスが有名ですが、両者には一体どんな違いがあるのでしょうか。
まず、Googleアナリティクスは、主にユーザがサイトに流入した後のデータを分析するのに役立つツールです。例えばユーザーがどのページを遷移してコンバージョンしたか等のデータが取得できます。
それに対しサーチコンソールでは、ユーザーがサイトに訪れる前のデータを取得することが可能です。
具体的には、各ページの検索クエリ(実際に検索されているキーワードのこと)や検索結果での表示回数などのデータを取得でき、SEO対策においては必要不可欠なツールになっています。
2020年10月のGoogleアナリティクスのアップデートにより、これまで行えていたGoogleアナリティクスとサーチコンソールの連携は廃止されています。
どんな人が使うツール?
Googleサーチコンソールは、主に以下に当てはまる方向けの分析ツールです。
実際にWebサイトを運営していない方でも、サーチコンソールの存在を認識すること、またSEO対策(検索エンジン最適化)を行う上での基本を押さえておくことは重要です。
・Webサイト運営者:
サーチコンソールはWebサイトの問題検出や改善に大いに役立つツールであり、Webサイト担当者の方であれば利用必須。
・SEO対策従事者:
各ページでの検索クエリのチェックや掲載順位など、より実践的なデータを取得できます。SEO対策を行うには、サーチコンソールは基本のツールなので、SEO対策従事者はこのページに記載してあることは完璧に行えるようにしましょう。
・マークアップやコーディングを行う方:
サーチコンソールを利用することで、AMP対応や構造化データの問題検出などを行うことが可能です。
初期ログイン・設定方法
ここではサーチコンソール導入時の設定方法について見ていきましょう。既に登録やログインが終了している方は、次項目の「サーチコンソールの基本機能と使い方」をご覧ください。
サーチコンソールの登録手順は以下の5ステップです。
- Googleアカウントを作成する
- サーチコンソールの公式ページに飛び、「今すぐ開始」をクリック
- 取得したGoogleアカウント情報を入力する
- プロパティを追加する
- DNS設定
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Googleアカウントを作成する
サーチコンソールを利用するには、Googleアカウントを取得する必要があります。既にアカウントをお持ちの方はそれを利用して問題ありません。
サーチコンソールの公式ページで登録をする
サーチコンソールの公式ページにアクセスし、「今すぐ開始」をクリック
取得したGoogleアカウントでログインします。
プロパティを追加する
ログインをすると、以下のような画面が表示されます。ドメイン情報またはページURLを入力を登録しましょう。(既に他のプロパティを作成済みの場合は、画面左上の「プロパティの追加」をクリックします)
Webサイト全体のデータを取得したい場合は"ドメイン情報"に入力、ページ単位でデータを取得したい場合はページのURL登録を行います。
DNS設定
ここまできたらあと少しです。最後にDNS設定を行います。
・サーチコンソール側での設定
以下の画面が表示されるので、TXTレコードをメモします。このとき、「確認」ボタンはまだ押さないでください。
・サーバー側での設定
お使いのサーバーにログインして、"DNSレコード設定"を開きます。そこに上記でコピーした必要情報を入力して保存しましょう。
サーバー側の設定が終了したら、サーチコンソールに戻り、「確認」ボタンを押します。
5分ほどたつと、所有権の確認が終了します。これでサーチコンソールの登録は完了です。
WordPressをご利用の場合
「All in One SEO Pack」というプラグインからの設定も可能です。
「SEO設定」をクリックして、以下の場所に先ほどコピーしたTXTレコードのうち「content=”●●”」の●●の部分のみを入力します。
基本機能と使い方
初期登録が終わったら、いよいよサーチコンソールの使い方を見ていきましょう。サーチコンソールの機能は大きくわけると以下の5つです。
- サマリー(重要度:低)
- URL検査(重要度:中)
- 検索パフォーマンス(重要度:高)
- インデックス(重要度:高)
- 拡張機能(重要度:中)
サーチコンソールでできる分析結果の概要が一覧でわかる。全ページを総合して表示される。
上記サマリーで表示されているデータを各ページごとに確認できる。
ページごとに検索クエリのチェックや順位チェックができる
インデックス=Google検索エンジンから認識されているかどうかということ。各ページにおけるインデックスのエラー状況などが確認できる。
AMP対応、構造化データなどのエラー状況などが確認できる
ここからは、これらの機能の詳細や使い方について見ていきましょう。
サマリーの見方(重要度:低)
サマリーをクリックすると、以下のような画面が表れます。
TOPにあるグラフは、サイト全体のクリック数の推移です。その下に検索結果(自然検索からの流入)とDiscover(Google Discover*からの流入)の内訳が表示されています。
*Google Discoverとは:Googleアカウントにログインしているユーザーに対し、「おすすめの記事」を表示する機能です。
スクロールすると「カバレッジ」が出てきます。ここは、インデックスに対してのエラーや有効なページの数を確認できます。
エラーのあるページが多いと焦ってしまうかもしれませんが、意図的なnoindexなどがエラーと表示されていることもあります。焦らずに、まずは詳細を確認してみましょう。
エラーの詳細を確認するには、さらにスクロールをして、「拡張」を確認します。
ここでは、ページのユーザー体験に対するレポート(ページ速度など)や構造化データなど、エラーの概要をチェックすることが可能です。気になるエラーをクリックすることで、さらに詳細を確認できます。
URL検査(重要度:中)
URL検査では、各ページのインデックス状況やインデックス登録のリクエストを送信することが可能です。
分析をしたいページのURLを、画面上の検索窓に入力してみましょう。
「URLはGoogleに登録されています」と表示されていれば、正常にインデックスされているということです。
なお、「カバレッジ」をタップするとクローラーが回ってきた最終日時を確認できます。
「記事を更新してからクローラーが来ていない」「新規記事を作成したから早くインデックスをしてほしい」という場合は、画面右下にある「インデックス登録をリクエスト」を送信しましょう。
・インデックスが反映されていない場合、インデックス登録のリクエストを送信する
・モバイルユーザービリティ(モバイルから見たときの使い勝手)をチェックする
※2020年10月よりインデックス登録のリクエスト送信ができなくなっていましたが、2020年12月に再開されました。
検索パフォーマンス(重要度:高)
SEO対策従事者であれば、この機能を使いこなすことは必須。検索パフォーマンスでは、検索結果とDiscoverの2種類について分析することが可能です。それぞれ見ていきましょう。
検索結果
検索結果では、以下の項目を分析することが可能です。
- 検索キーワード:初期設定で行ったドメインまたはURLが、どんなキーワードで検索されているか
- クリック数:検索結果画面でどれくらいクリックされたか
- 表示回数:ユーザーの検索結果画面に表示された回数
- CTR:クリック率。表示回数のうち、どれくらいクリックされたかの割合。
- 掲載順位:検索キーワードの掲載順位の平均値。
実際に検索結果を見てみると以下の画面が表示されます。
いずれも「+新規」から、ページ単位やキーワード単位でフィルターをかけることができます。
Discover
仕様は検索結果と同じです。“Discover”をクリックすると以下のような画面になります。
ただし、Discoverはユーザーに合わせてコンテンツを自動配信するため、平均掲載順位の項目はありません。
・検索クエリをチェックして、対策できていないキーワードを発見する
>>SEO対策でサーチコンソールを活用する方法は、次の項目で紹介しています。
インデックス(重要度:中)
各ページにおけるインデックスのエラー状況やその詳細がチェックできます。インデックスの項目は以下の3点です。
- カバレッジ
- サイトマップ
- 削除
それぞれ見ていきましょう。
カバレッジ
メニューの「カバレッジ」をクリックすると、以下のような画面に遷移します。
ページのインデックス状況に応じで、エラー/有効(警告あり)/有効/除外の4種類に分けて表示されます。各項目の説明は以下です。
エラー | ページが何らかの原因によりインデックスされていない。改善が必要。 |
---|---|
有効(警告あり) | インデックスはされていますが、Googleが意図的かどうかを判断できていない。 |
有効 | 正常にインデックスされている。 |
除外 | 意図的にインデックスしていないとGoogleが判断したページ。 |
下にスクロールすることで、エラーの詳細を確認できます。
気になるエラーをクリックしてみると、以下のようにどのページがエラーと認識されているのかを確認できます。
上記の場合、申し込み終了後のThanksページにnoindexタグを付けていたところ、エラーとして認識されていることがわかりました。
意図的なnoindexタグなので、特に対応しないという判断することができます。
サイトマップ
サイトマップとは、サイトページ一覧を記載したページのことを言います。サイトマップを作成することで、ユーザーやGoogleのクローラーがサイト内を回遊しやすくなるメリットがあります。
サイトマップには主に以下の2種類があり、サーチコンソールからこのサイトマップを送信可能です。
HTMLファイル形式:ユーザー向けのサイトマップ
XMLファイル形式:Googleクローラー向けのサイトマップ
削除
ページのインデックスを削除したい場合に使えるページです。赤字の新しいリクエストをクリック→削除したいURLを入力→リクエストを送信で削除できます。
6ヵ月間Google検索からブロックされ、この処理はいつでもキャンセル可能です。
・サイト内で重複コンテンツを作成してしまったので一方のインデックスを削除したい
・低品質コンテンツを削除したので、インデックスからもいち早く削除したい
拡張機能(重要度:中)
サーチコンソールの拡張機能では、主に以下の項目を確認できます。
- ウェブに関する主な指標:PC/モバイルそれぞれのUXについての評価
- モバイルユーザービリティ:モバイルからの見やすさについての評価
- AMP*:AMP表示のエラーチェック
- パンくずリスト:パンクくずリストがGoogleに認識されているか
- よくある質問:構造化データのよくある質問がGoogleに認識されているか
- How-to:構造化データのよくある質問がGoogleに認識されているか
- サイトリンク検索ボックス;サイトリンク検索ボックスがGoogleに認識されているか
ここで注視すべきは、ウェブに関する主な指標です。現状はUXが悪くてもランキングに直接は影響はありませんが、2020年5月にランキング要因に組み込まれます。
エラーページは確認できても、具体的に何を改善すればいいのかはサーチコンソール上では確認ができません。つまり要因を自分なりに探り一つずつ解決していく必要があるのです。
そのため、少し先の話でも、今のうちからできる対策をしておくことをおすすめします。
SEO対策における
サーチコンソールの使い方
ここまでサーチコンソールの基本機能や使い方を紹介してきました。
サーチコンソールはユーザーがサイトに流入する前のデータを取得できることができるツールです。それはつまり、SEO対策に大いに役立つということ。
ここではサーチコンソールを用いてどのようにSEO対策をするのでしょうか。ここでは事例をもとに紹介していきます。
検索順位のチェック
SEOの検索順位はリアルタイムで変動します。順位の下落にいち早く気付き対策を行うためにも毎日検索順位のチェックは行いましょう。
サーチコンソールで順位をチェックする方法は、以下の通りです。
「検索結果」を開き、画面上の「+新規」タグで、抽出するデータにフィルターをかけます。
ここでチェックしたいキーワードを入力します。完全一致のキーワードのみをチェックしたい場合はプルダウンで「正確なクエリ」を選択しましょう。
リライト時の分析
SEO対策にはリライト(記事の更新)が必須です。サーチコンソールはリライト時に大いに活躍します。具体的な分析方法は以下の通りです。
リライトしたいページの
検索クエリをチェックする
「+新規」でページフィルタを選択し、チェックしたいページのURLを入力します。
以下のように、検索クエリが一覧でチェックできます。
本来対策していたキーワードの
クエリがあるかどうか確認
検索クエリを見て、本来対策しているキーワードの検索クエリで表示されているのかを確認します。
ない場合は、対策キーワードのニーズを満たせていないので、内容の見直しが必要です。
ある場合は、さらにロングテールキーワードを見て、それらのキーワードのニーズがコンテンツ内で満たせているかをチェックします。満たせていないニーズがある場合は、コンテンツに加筆します。
この作業を行うことで、メインの対策キーワードだけでなく、ロングテールキーワードからの流入を増やすことが可能です。
まとめ
サーチコンソールの基本機能や使い方について紹介してきました。サーチコンソールはWebサイトのあらゆる問題点の抽出や、ユーザーがサイトに流入する前のデータを取得できる分析ツールです。
特にSEO対策には必須のツールなので、このページに書いてあることは最低限理解をしておきましょう。
また、SEOツールにはサーチコンソール以外にも様々なものがあります。
以下記事で、SEO記事を年間100本以上作成している筆者が選んだサイト運営で使えるSEO分析ツールをまとめているので、合わせてご一読ください。