リンクジュースをコントロールして評価を集めよう

リンクジュースとは、特定のページから特定のページへリンクを貼ることでリンク元からリンク先ページに流れる評価を指すSEO用語です。

外部サイトから自社サイトへのリンクだけではなく、自社サイト内の内部リンクを調整することでもリンクジュースは流れます。

このページでは、SEO対策を進める上で知っておくべきリンクジュースに関する基礎知識と、増やし方について解説します。リンクジュースは、SEOについて調べていると必ず耳にする用語です。

よくある質問コーナーも用意したのでサイト運営にお役立てください。

リンクジュースとは

リンクジュ―スは、それぞれのコンテンツが持っている検索エンジンからの評価を液体であるジュースに例え、リンクを貼ることでリンクジュースはリンク先ぺージへ注がれます。

リンク先ページは、リンクジュースを注がれることで、評価を受け取ることから、さらに高い評価を受けられるようになります。

リンクジュースイメージ

SEO対策を進め、検索順位をアップさせるためには、各コンテンツの「Google Page Rank」を高める必要があり、リンクジュースはその要因の1つになります。

リンクジュースについて学ぶ上で外せない「Google Page Rank」とは何か、リンクジュースとの関係について、次で解説します。

リンクジュースとGoogle Page Rankの仕組みについて

SEO対策に取り組んでいると、必ず見かけるリンクジュースという言葉ですが、実はGoogleはリンクジュ―スというものについて否定的です。

Googleのジョン・ミューラー氏の以下のツイートは、リンクジュースについて調べていると必ず目にします。

「リンクジュースについて知ったことは全て忘れた方が良い、すでに廃れていて間違っており、勘違いをさせてしまう。それよりユーザーに役立つWebサイトを作るべきだ」

なぜこのような発言が出てきたのか、本当にリンクジュースのことは忘れるべきなのか。検索順位の決定と関係する「Google Page Rank」の仕組みと一緒に解説します。

Google Page Rankの仕組み

「Google Page Rank」とは、各コンテンツが「他のページからのリンクをどれだけ受けているか」を1~10までの数字で表していたものです。1が最も小さく、10が最も高い数値となっており、Google Page Rankが高いほど評価も高く、検索順位で上位に表示されていました。

これはGoogle最古のアルゴリズムであり、多くのサイトから信頼(リンク)を受けたページならユーザーの役に立つと考えられていました。

ところが、このGoogle Page Rankを逆手にとったSEO対策(ブラックハットSEO)が横行し、中身のないサイトからのリンクを貼ったり、リンクそのものの売買まで行われたりするようになり、Google Page Rankが意図的にコントロールされてしまいました。

これに対し、Googleはパンダアップデートを実施し、ユーザーの役に立たないページや無関係なページからのリンクにペナルティ対象としました。

こうしたことから、Googleはリンクジュースについて「全て忘れ、ユーザーに役立つページ作りを目指そう」と提起したわけです。

リンクジュースとGoogle Page Rankの関係

それでは、今もリンクジュースとGoogle Page Rankは忘れるべきか、と言えば必ずしもそうではありません。

外部サイトからリンクが貼られると自社サイトにはリンクジュースが流れ込み、今は目に見えないGoogle Page Rankを上げることができます。

今、リンクの売買や関係のない外部サイトからリンクを受けても、検索エンジンからの評価は得られません。しかし、自社サイトと関連性がありり、検索エンジンが評価している外部サイトから、被リンクを得ることが出来ればGoogle Page Rankが上がり、自社サイトの評価を高められます。

Googleはリンクそのものを否定しているのではなく、外部サイトからリンクを貼っても良いと思ってもらえるほど、ユーザーに寄り添った質の高いコンテンツ作りを求めています。

リンクジュースを増やす方法

リンクジュースとは何か、またその歴史と重要性について解説してきました。

自社サイトや各ページの評価を高めるため、リンクジュースを増やす2つの方法をご紹介します。

高品質で専門性の高いWebサイトを作り外部サイトからの被リンクを獲得する

1つ目は、質の高いコンテンツ作りを続け、外部サイトからリンクを貼ってもらう方法です。

自社サイトの対策キーワードに対し、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを作り続けていれば、検索エンジンからの評価を得られるようになり、上位表示されるようになります。

多くの人の目に止まるコンテンツが増えれば、外部サイトからリンクを貼ってもらえる可能性も高まり、リンクジュースを獲得できます。

高品質なコンテンツを作り続けることは決して楽ではありませんが、妥協することなくユーザーに役立つコンテンツを作ることで外部サイトからのリンク獲得を目指しましょう。

被リンクについてもっと詳しく知りたい方は、以下のページをぜひ、ご参照ください。

自社サイトの内部リンクを最適化する

2つ目は、自社サイト内の内部リンクを最適化させる方法です。

自社サイト内のコンテンツで、関係性の強いコンテンツ同士を内部リンクで結ぶことで、リンクジュースの受け渡しを行えます。リンクジュースを集めることで、自社サイト内でどのページに最も評価を集めたいかをコンロ―ルできます。

SEO対策の1つに、クラスターコンテンツを作成する手法がありますが、これもリンクジュースを集める戦略です。自社の商品やサービスと関連性が強く、月間検索ボリュームが多いメインキーワードを対策したピラーコンテンツと、メインキーワードと関係のあるキーワードを分析して作成するクラスターコンテンツを内部リンクで結び、メインキーワードの上位表示を狙います。

内部リンクを最適化することは、リンクジュースの受け渡しであることはもちろん、検索エンジンからのクローラーが巡回しやすいサイト作りにもつながります。コンテンツ数が増えてきたら、内部リンクの最適化を行い、SEO対策を進めていきましょう。

以下のページに、内部リンク最適化に向けた情報をまとめているので、ぜひ、ご一読ください。

過剰なリンクジュースのコントロールはNG?

リンクを貼ることでリンク先へ譲渡されるリンクジュース。

リンクでつながることで評価が譲渡できるなら、サイト内のページ同士を積極的にリンクしたくなりますが、リンクの貼りすぎは、ペナルティ対象になるため注意しなくてはなりません。

また、リンク設定時には「どのようなリンクなのか」を検索エンジンに伝えるヒントを与える方法もあります。リンクの貼り方について、解説します。

適切なリンクにnofollowやsponsored、ugcを設定する

リンクを貼る際、どのようなリンクなのかを検索エンジンに伝えるタグには以下の3つがあります。

リンクにヒントを与えるタグ
  1. nofollow
  2. sponsored
  3. ugc

nofollowタグは、リンク元とリンク先の関係を持たせないために設定するタグで、メタタグとしても利用できます。nofollowタグが設定されると、リンク元からリンク先へ、ユーザーは遷移できるものの、検索エンジンからのクローラーは移動できなくなります。

自社サイト内で、1つのページからいくつかのページにリンクを貼る際にnofollowタグを上手に使えば、重要度の高いページへのリンクにはnofollowタグを入れずにリンクジュースを注ぎ、それ以外のあまり重要度が高くない内部リンクにはnofollowタグを設置し、リンクジュースを与えないようコントロールできます。

sponsoredタグは、自社サイトからECサイトなどの商品紹介ページへのリンクに使い、検索エンジンに広告のためのリンクであることを伝えます。ugcタグを入れておくと、口コミやランキングなどからリンクであることを検索エンジンに伝えることができます。

それぞれ、リンクの種類に合わせて正しい設定を行い、リンクジュースをコントロールしましょう。

nofollowタグについて、以下のページに情報をまとめていますので、ご参照ください。

意図的に内部リンクを集める行為はペナルティのリスクが高まる

先ほど内部リンクの最適化を行うことで、自社サイト内でどのページを最も評価してもらいたいか、コントロールする方法をご紹介しました。内部リンクを貼ることで、リンク先のページにはリンクジュースが集まりますが、関係のないページをリンクで結んでも意味がありません。

また、リンクは数が多ければ良いものではなく、ユーザーがリンクを使って次のページへ遷移することで求めている情報を得られるものである必要があります。

コンテンツ数が増え、内部リンクの設定数が増えてきたら、ページ間のリンクを本当に行うべきか確認し、不要なものについてはリンクを外しておきましょう。

まとめ

リンクジュースという言葉はGoogleが認めているものではなく、リンクによる評価の譲渡を表現する際に使われる言葉です。

Googleは、Google Page Rank時代の評価を元にしたリンクジュ―スに関する考え方は、忘れてしまった方が良いと言っています。しかし、現在でも検索エンジンから評価を受け、自社サイトで紹介している内容に近いコンテンツを含む外部サイトからの被リンクを受けると、信頼が得られるものとし、高い評価を得られるようになります。

リンクジュースという概念は忘れても良いですが、外部リンクから被リンクを受けられるような、ユーザーに役立つ質の高いコンテンツを作成することが重要です。

 

リンクジュースに関するよくある質問

リンクジュースに関して、よくある質問をまとめました。

Q1.外部サイトへのリンクにはnofollowやsponsored、ugcを入れるべきか?

A.nofollowやsponsored、ugcそれぞれのタグには、自社サイトと外部サイトをリンクで結ぶ際に「関係性」を検索エンジンに伝えるヒントになります。これらのタグを入れないまま、外部サイトとのリンクを貼れば自社サイトと関係があり、リンク先を信頼し、リンクジュースを渡すことになります。

検索エンジンは、Google Page Rankによってリンクが悪用されたこともあり、非常に厳しい目で管理しています。自社サイト内にリンクを貼る際は、nofollowやsponsored、ugdを入れることで、ペナルティを受けるリスクを回避すべきです。

Q2.相互リンクはリンクジュースの獲得に効果的か?

A.自社サイトのコンテンツがまだ多くない状態で、情報が網羅出来ていないと外部サイトからの被リンクを獲得することはできません。相互リンクは、自社サイトだけがリンクを受けるだけでなく、外部サイトにも自社からリンクを貼り、リンクジュースを流すことになるため比較的獲得しやすいと言えます。

とはいえ、自社サイトの内容と関連性があり、かつ高品質なコンテンツを作成して検索エンジンから評価されているサイトとの相互リンクでなければ、リンクジュースは得られません。

相互リンクを貼る際は、相手サイトの内容をチェックして低品質なコンテンツがないか、その他Googleのガイドラインに抵触している内容がないかを確認した上で慎重に選ぶ必要があります。

Q3. 内部リンクはどの程度なら集めてもいいのか?

A.本文内に、検索エンジンに評価してもらいたいページへ内部リンクを集め、最適化することが重要であることをご紹介しました。

では、どの程度までなら集めて良いか、Googleはガイドラインで「1ページのリンクを妥当な数に抑えます(最大で数千個)。」としています。一方で、Googleはリンクスパムについて「Google 検索の検索結果ランキングを操作することを目的としたリンクは、リンクスパムと見なされる場合があります。」とも記述しており、コンテンツ同士に関係がないにも関わらずリンクを貼ってGoogle Page Rankを上げるなどの行為はペナルティの対象になることについても言及しています。

複数のページを1つのコンテンツとリンクで結び付けても良いですが、関係のないページ同士のリンクを作成してしまわないよう注意しましょう。