SERPsマーケティングとその対策方法とは?

早速ですが皆さん、SERPsマーケティングという言葉を聞いたことはありますでしょうか?

SERPsマーケティングは、従来の検索結果1位を取るSEOから派生し、SERPs(検索結果ページ)全体で最適化していくマーケティング手法。SERPsの変化が顕著になっている今、SEO対策において重要なトレンドと言えるでしょう。

このページでは、SERPsマーケティングに関し、そのコンセプトや考え方から具体的に何をすべきか解説します。

SERPsとは?

SERPsとは、Search Engine Result Pagesのことで、日本語では検索エンジンの結果ページ、検索結果のことです。

なぜ今になって、SEOではSERPsマーケティングが注目されているのでしょうか?

SERPsマーケティングの重要性

Googleの検索結果ページは、年々変化をしており、それに伴い、検索結果の1位を目指すだけでは十分なSEO対策とは言えません。

SEO対策で上位表示を狙うだけでなく、SERPsの変化に合わせた対策を行っていく、SERPsマーケティングが求められるようになっています。

では、SERPsにはどのような情報が表示されるのでしょうか?次に、2024年現在、自然検索の結果以外で、SERPsに表示される項目を紹介いたします。

GoogleSERPsに表示される情報

アンサーボックス

アンサーボックス
アンサーボックスは、パブリックドメインの短い情報をSERPsに表示するものです。

写真のような『アメリカ 大統領』や『富士山 標高』のような検索に対して表示されます。

強調スニペット

強調スニペットとは?
強調スニペット(Featured Snippets)は、Googleが検索キーワードに対して、最も関連性が高いと評価した情報をSERPs上部に載せるもの。

アンサーボックスとは違い、情報があるページにリンクが貼られるのが特徴です。

強調スニペットには、上記のようなパラグラフ型以外にも、表で表示されるテーブル型、箇条書きで表されるリスト型が存在します。

強調スニペットに関しては以下のページに情報をまとめているのでご一読ください。

YouTube動画

youtube
『〇〇 仕方』『〇〇 方法』といったHow-to系の検索語句に対しては、YouTubeの動画がSERPsに表示されることも多いです。

リッチスニペット

リッチスニペット
通常のタイトル、メタディスクリプション以外に、写真にあるような評価のレートや、値段が併せてSERPsに表示されることがあり、これをリッチスニペットと呼びます。

リッチスニペットとしてSERPs表示させるには、構造化データのマークアップが必要です。

構造化データに関する情報は以下のページにまとめているので、ご参照ください。

Search by Photos(画像で検索)

search_by_photos
Search by Photosは、『ラーメン おすすめ』『ペットショップ おすすめ』などのローカルサーチで表示される検索結果です。SERPsの中部、5位あたりの位置に表示され、写真とGoogle マップ上での評価が共に示されます。

ナレッジグラフ

ナレッジグラフ
ナレッジグラフは、人物や組織、都市などを検索した際に左側に表示されるSERPsで、Googleのデータと一部の外部ソース(多くの場合Wikipedia)から抜粋されます。

ナレッジパネル

ナレッジパネル
ナレッジグラフと非常に似ているのですが、ナレッジパネルの場合は、Google マップとGoogle My Businessからの情報のみを取得し、SERPsに表示します。それ故、ナレッジパネルには、ローカルビジネスが載ることが多いです。

また、あなたのビジネスをナレッジグラフに表示させたい場合は、Googleビジネスプロフィールに登録し、必要情報を入力しておきましょう。

ローカルパック

ローカルパック
ローカルパックは、ローカルなレストランや病院などがGoogleマップと共にSERPsに表示されるものです。『〇〇 近くの』『〇〇 おすすめ』などの検索キーワードで見られます。

地域密着型のビジネスの場合、Googleビジネスプロフィールに登録を済ませ、ローカルパックに表示させることで集客力をアップできます。

Googleビジネスプロフィールの登録方法については、以下のページで解説していますのでぜひ、ご参照ください。

People also ask

people_also_ask
日本語の検索ではあまり見られませんが、People also askは、英語での検索では頻繁に出現します。要は検索したキーワードに関連して、他の人はこんなことも聞いてますよという提案をするものです。

SERPsで1位のページの下に出現し、一つでも開くと、またさらに別のPeople also askが開くようになっています。

サイトリンク

サイトリンク
サイトリンクは会社や教育機関といった組織を検索した際に表示され、SERPsがそのサイトのサイトリンクのみで埋め尽くされます。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)
Googleが定期的に更新しているX(旧Twitter)をSERPsに表示するものです。

例はダルビッシュ選手ですが、公式のマークがついていなくても、有名人でなくてもX(旧Twitter)は表示されます。

ニュースボックス

ニュースボックス
話題のニュースなどがボックスでSERPsに表示されるものです。

検索クエリに関する大手ニュースサイト(Yahoo!ニュースやBBCなど)のトップ記事が表示され、ユーザーは最新情報を閲覧できます。

リスティング広告

これは言わずもがなですが、リスティング広告も検索結果に出るものの1つ。最大で上部に4つ、下部に4つ表示されます。

SERPsマーケティングの重要トピック4つ

これまでで見てきたように、SERPsにはこれまで以上に多岐に渡るものが表示されるようになっています。このSERPsの何を意味するのか、加えて、これから重要になってくるにはどういった対策なのか、見ていきたいと思います。

ゼロクリックサーチ

これだけの項目がSERPsに表示されるということは、自然検索のページがクリックされる確率が下がることを意味します。

実際に、検索結果ページを訪れないでSERPsを去る現象は、ゼロクリックサーチと呼ばれており、その割合は、年々増加傾向にあります。
zero-click-search
引用元:https://sparktoro.com/blog/less-than-half-of-google-searches-now-result-in-a-click/
上記の画像を見ていただくとわかるように、ゼロクリックサーチは実に60%以上を占めます。では、ゼロクリックサーチに対応するには、これからどうすればいいのでしょうか?

Google以外の媒体でも対策する

1つの対策としては、Google以外の媒体でも最適化することが挙げられます。例えば、SERPsの上にYouTubeのビデオが表示されているのであれば、YouTubeで対策していくことが、Googleでも表示されることにつながります。

また、Wantedlyといった求人媒体が表示されるのであれば、Wantedlyのアルゴリズムに対して最適化をしていく対策が求められます。

このように、Google以外の媒体でも上位を取ることで、Googleでも表示されるようにしていくのがこの対策です。

ただ、現実的にそれだけ複数の媒体を対策する余裕があるのか、リソースがあるのかは考えなければいけません。

対策しないキーワードを決める

2つ目の策としては、対策しないキーワードを決めることです。

上記のように、他の媒体でも対策していくのは非常にリソースがかかりますし、ノウハウが無い場合は、そもそも手探りとなり、時間もかかります。

また、対策したところで、どうにもできないキーワード(例:富士山 標高)もあります。

そのようなキーワードは、Googleが生成するアンサーボックスなどがSERPs上部に来るために、1位を取ることは不可能。つまり、捨てた方がいいキーワードだと言えます。

ただ、上位表示は捨てても、サイトにおける情報の網羅度の観点から言えば、あった方が良い情報、キーワードだとも言えるでしょう。

こういった場合には、上位表示は狙わないながらも、情報として網羅した方が良いのか?を考えて、対策するか否かを決めることをおすすめ致します。

ポジションゼロ

SERPsの変化で、見逃せない大きな変化が2020年1月に起きました。それは、強調スニペットに載ったページは、その後の検索結果からは姿を消すというアップデートです。

このアップデートによって、今までは強調スニペットは絶対に狙うべき対象でしたが、場合によっては、強調スニペットには載らない方が良い可能性が出てきました。

理由は、強調スニペットのCTR(クリック率)です。

強調スニペットは従来ポジションゼロと呼ばれ、1位よりも上部に配置されていました。しかし、その存在感とは裏腹に、Ahrefsのデータによれば強調スニペットのCTRは8.6%。1位が40%前後のCTRであることを考えると、相対的に低いCTRの強調スニペットに載る意味を考えさせられます。

もし、強調スニペットに載ることで、トラフィックが減っているのであれば、強調スニペットに載らない選択をすることも考えられるでしょう。

構造化データ

構造化データとは、検索エンジンに情報を伝えるための特殊なマークアップ方法です。

検索エンジンがサポートするデータをマークアップしておくことで、検索結果にリッチリザルトが表示されるようになります。

リッチリザルトは、SERPsの大部分を占め、純粋な検索結果以外にユーザーの目を引く情報が多く表示されます。

まだ、マークアップできてない方は、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか?

音声検索

最後に挙げるのは、存在感が上がってきている音声検索です。アメリカでは、全検索の50%が音声検索になると言われているほど。

日本でも、5Gの導入やMR/ARグラスの普及が進むと、音声検索のプレゼンスを変えていくはずです。そのため、未来を見据え、早めに対策をしておくべきです。

ただ、音声検索対策というと、複雑なものだと思われがちですが、この抜粋箇所からもわかるように、重要なのは従来のSEO対策。

・音声検索に採用される割合の約75%が、検索結果の上位3位以内のページコンテンツ
・音声検索結果で読み上げられた内容の約41%が、強調スニペット(Featured Snippet)の内容

https://emma.tools/magazine/voice-search-seo/

音声検索については別途、以下のページに情報をまとめています。ぜひ、ご参照ください。

SEO対策で一番重要なのは、ユーザーの役に立つ質の高いコンテンツ作りです。

高品質なコンテンツを作成するためのチェックリストは、Googleが正式に発表しているこちらの記事を参考にしましょう。

・コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供しているか?
・コンテンツは、特定のトピックに対して包括的または完全な説明を十分に提供しているか?
・コンテンツは、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
・コンテンツが他の情報源から得られたものである場合、単なるコピーや書き換えでなく、付加価値とオリジナリティを十分に提供しているか?
・見出しやページタイトルは、内容を説明する有用なものになっているか?
・見出しやページタイトルは、コンテンツを誇張したり、読者に強いショックや不快感を与えたりするものでないか?
・ブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか?
・コンテンツは、雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値があるか?

https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/core-updates.html

まとめ

この記事では、著しい変化を見せているSERPsに対し、これから必要になる「SERPマーケティング」という考え方に関して紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

簡単に内容をまとめると以下となります。

SERPsマーケティングまとめ
  • SEO対策で上位表示するだけでは、足りなくなること
  • 理由としては、SERPsが変化しすぎていること
  • 検索結果全体で対策するSERPマーケティングという考え方が重要になること
  • その主な対策として、次の4つがあること(ゼロクリックサーチ、強調スニペット、構造化データ、音声検索)

SERPマーケティングは、決して当社独自の考えではなく、アメリカではPubconなどで早くも叫ばれつつあるマーケティング手法です。日本ではまだそれほど浸透していませんが、これからのSEO対策の鍵を握る考えとなるのではないでしょうか。

それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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