SEOやMEOとの違いと重要性、対策方法について

ローカルSEOとは、「地域名+キーワード」のような地域性をもった検索が行われた際に、検索エンジンの検索結果やGoogleマップの検索結果でWEBサイトを上位表示させる対策を指します。

昨今では、外出先でスマートフォンを使い、お店やサービス、施設を検索するユーザーが増えているため、ローカルSEOの重要性が高まっています。中でも、飲食店や医療施設、士業サービスなど、地域住民の影響を大きく受けるようなサービスでは、ローカルSEOの対策が必須とも言えます。

このページでは、ローカルSEOとMEOの違いやメリット・デメリットなどを解説します。また、ローカルSEOの対策を進める際に知っておきたい、順位を決める要素や具体的な対策方法も解説します。

地域性のあるサービスや店舗、施設を運営している方は、ぜひローカルSEOを対策していきましょう。

記事の監修者
株式会社EXIDEA 代表取締役社長
小川 卓真
SEO歴18年。2006年にSEOツールの開発企業を共同創業して以来、SEOを軸にデジタルマーケティングに従事。2013年に「株式会社EXIDEA」を設立。現在はEXIDEAの代表取締役社長として、Webメディア事業、マーケティングDX事業、SEOライティングツール「EmmaTools」の事業に携わる。
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ローカルSEOとは

ローカルSEOとは、「地域名+キーワード」のような地域を指定した検索や、ユーザーが実際にいる場所周辺での検索など、地域性がある検索をした際に表示される検索結果やGoogleマップで、自社の情報を競合よりも上位に表示させる対策のことです。

例えば、「東京 居酒屋」ようなキーワードで検索した場合に表示させる以下のような検索画面で、自社サイトを上位表示させることが該当します。

東京居酒屋検索例

また、「ランチ おすすめ」のように特定の地域名を入れず、ユーザーの位置情報を元に表示される以下のような検索結果もローカルSEOの対策に該当します。

ランチおすすめ検索例

このような、「地域名+キーワード」や「位置情報を元に検索されたキーワード」を対策するローカルSEOは、実店舗を持つ飲食店や、医療施設や教育施設、弁護士や税理士などの士業サービス、スポーツジムやカラオケなどの商業施設など、地域性のあるビジネスにとって重要な対策です。

ローカルSEOとMEOやSEOは何が違う?

SEO対策を進めている方の中には、ローカルSEOとは別に「MEO」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

ここからは、ローカルSEOとMEOの違いと、ローカルSEOとSEOの違いについて詳しく解説します。まずは、MEOとの違いについて確認していきましょう。

ローカルSEOとMEOの違い

MEOとは、「Map Engine Optimization」の略称で、日本語で「マップエンジンの最適化」を意味します。

具体的には、Googleマップなどの地図ツールを利用したユーザーに自社の情報を見てもらえるように、検索上位に表示させる取り組みのことです。

つまり、MEOはローカルSEOと同じことを意味します。また、より正しくお伝えすると、ローカルSEOは「海外」で使われる呼称で、MEOは「日本」での呼称になります。

ローカルSEOとMEOのどちらも、「ユーザーの位置情報に基づいた検索」や「地域性のあるキーワードの検索」で上位表示を狙うことを目的としているため、同じものだと覚えておきましょう。

ローカルSEOとSEOの違い

ローカルSEOはSEOの一部

SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字をとったもので、日本語で「検索エンジンの最適化」を意味します。

具体的には、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードが検索された際に、自社のWEBサイトを上位に表示させる取り組みのことです。これは言い換えると、地域性を問わず、検索結果でWEBサイトを上位表示させることを指します。

つまり、SEOとローカルSEOの大きな違いは、地域性のあるキーワードに限定した対策か否かという点です。また、ローカルSEOはGoogleマップ上で、競合よりも上位に自社情報を表示させることも含まれるため、より地域性がある対策といえます。

しかし、SEOとローカルSEOのどちらも、検索エンジンの検索結果で自社の情報やWEBサイトを上位表示させることを目的としているため、ローカルSEOはSEOの一部として考えても問題ありません。

ローカルSEOのメリット

ここからは、ローカルSEOにおける2つのメリット「周辺地域で暮らすユーザーの集客効果が高いこと」と「SEOに比べ競合性が低く対策しやすいこと」を解説します。

ローカルSEOの対策を進めているか悩んでいる方は、是非参考にしてください。

周辺地域で暮らすユーザーの集客効果が高い

ローカルSEOにおける1つ目のメリットは、周辺地域で暮らすユーザーに対する集客力が高いことです。

ローカルSEOは、「地域名+キーワード」のように特定地域に絞った検索の検索結果で上位表示することなので、その地域で暮らすユーザーやその地域を訪れるユーザーの行動における選択肢となり、結果的に集客につながります。

また、「地域名+キーワード」や「ランチ おすすめ」のようなキーワードを検索するユーザーは、ニーズが顕在化していることが多いため、地域性のないキーワードと比べ、集客力が高くなります。

中でも、飲食店や美容室、医療施設などの場合、周辺地域に住むユーザーの生活の一部として影響を与えるため、ローカルSEOでの集客効果はかなり高くなります。

SEOに比べ競合性が低く対策しやすい

ローカルSEOにおける2つ目のメリットは、SEOに比べ競合性が低く、対策しやすい点です。

SEOの場合は、地域を問わずビジネスを展開している企業や、インターネット上でビジネスを展開をしている企業がライバルにあり、その数が多いことから、SEO対策の難易度は高いです。また、インターネット上でビジネスを展開する企業にとって、SEOによる集客はライフラインともいえるため、SEO対策のレベルが高くなっています。

一方で、ローカルSEOの場合、ライバルとなる企業は同じ地域でビジネスを展開している企業だけなので、数は少なく、対策の難易度も低くなります。また、個人で経営する飲食店やサービスは、ローカルSEOの対策を進めていない場合があるため上位表示が容易です。

ローカルSEOにおける検索結果の種類

ここからは、ローカルSEOで対策できる検索結果の種類について解説していきます。

ローカルSEOの対策では、「ローカルパック」や「ローカルスナックパック」、「ローカルファインダー」、「ナレッジパネル」が表示されるようになります。

ローカルパック

ローカルパック(PCおよびモバイル)

1つ目は、ローカルパックです。

ローカルパックとは、「地域名+業種」などのキーワードを検索した際に、Googleマップと一緒に店名や住所、業種、電話番号、営業時間、口コミ、予約、サイトリンク、タグなどが表示される部分を指します。

また、位置情報を有効にしている場合、地域名を入れなくても調べた場所の近くにあるお店やサービスを探していると検索エンジンが判断し、ローカルパックが表示されます。

ローカルパックは、オーガニック検索(通常の検索結果)よりも上位に表示されることが多いため、多くのユーザーの目に留まりやすいといえます。

ローカルスナックパック

ローカルスナックパック例

2つ目はローカルスナックパックです。

ローカルスナックパックは、ローカルパックとほぼ同じように表示されるもので、主に写真が表示されるローカルパックです。また、写真により視覚情報を多く伝えるため、電話番号やWEBサイトのリンクは表示されません。

飲食店や美容室、アミューズメント施設を検索した際にローカルスナックパックが表示されやすくなっています。

ローカルファインダー

ローカルファインダー例

3つ目は、ローカルファインダーです。

ローカルファインダーは、ローカルパックの下部にある「さらに表示」というリンクをクリックした際に表示される、店舗情報の一覧リストページを指し、ローカルパックに表示される情報よりも広い地域かつ多い情報が表示されます。

ローカルファインダーは通常の検索結果とは異なり、Googleマップがメインになります。また、地図をスクロール、縮小・拡大にあわせた地域の変更や地域の絞り込みなどが可能です。

ナレッジパネル

ナレッジパネル表示例

4つ目は、ナレッジパネルです。

ナレッジパネルとは、企業名や作品名、建造物、商業施設名などを検索した際に、パソコンであれば、検索結果の画面右側に表示される詳細情報の部分を指します。また、スマホやタブレットなどのモバイル端末の場合は、検索結果の上部に表示される部分が該当します。

ナレッジパネルは、Googleが保有する検索データベース(ナレッジグラフ)にある人や組織、場所、物事に関する情報に対し、正式な情報源や信頼できるデータをもとに自動で表示しています。

ローカルSEOの順位を決める3つの要素

続いて、上記で紹介した「ローカルパック」や「ナレッジパネル」など、ローカルSEOの検索結果で順位が決まる3つの要素について解説します。

前提として、ローカルSEOで表示される情報の多くは、Googleビジネスプロフィールに登録している情報をもとに表示する仕組みとなっているので、Googleビジネスプロフィールの登録が必須です。

関連性

ローカルSEOの順位を決める1つ目の要素は、関連性です。

ローカルSEOの順位には、ユーザーが検索したキーワード(検索クエリ)と、Googleビジネスプロフィールに掲載している内容の関連性が関係しており、関連性が高いものほど、上位に表示されるようになります。

例えば、「新宿 ランチ」が検索クエリの場合、Googleビジネスプロフィールに登録している店舗の住所が「新宿」にあり、提供しているサービス内容が「飲食、ランチ」であれば、関連性が高いといえます。

また、検索クエリと登録情報における関連性の中でも、業種やサービスカテゴリと検索クエリの関連性が最も重要です。

物理的な距離

ローカルSEOの順位を決める2つ目の要素は、物理的な距離です。

ローカルSEOで上位に表示される情報は、ユーザーが検索した場所から実店舗までの物理的な距離が関係しており、ユーザーあるいは検索した地域に近いものほど、上位表示しやすくなります。

例えば、「東京駅 ラーメン」で検索した場合には、東京駅に近い店舗がローカルSEOに表示され、距離が離れると表示されにくくなります。

なお、物理的な距離はユーザーが検索する場所に左右されるため、正しい住所の情報をGoogleビジネスプロフィールに登録することが大切です。

視認性の高さ(知名度)

ローカルSEOの順位を決める3つ目の要素は、視認性の高さ(知名度)です。

ローカルSEOでは、会社や店舗、施設、サービスなどが人々にどの程度知られているか(知名度)が関係しており、オフラインでの知名度や実店舗の見つけやすさ、口コミの数、インターネット上での認知度などが高いものほど、上位表示しやすくなります。

また、この視認性の高さには、オーガニック検索(SEO)での順位も、ローカルSEOの順位に影響を与えています。

ローカルSEOの対策方法

ここからは、ローカルSEOの順位を決める「関連性」や「距離」、「視認性の高さ」を対策する方法を解説します。

ローカルSEOの対策の中には、今すぐにでも実行できるものもあるため、地域性のあるサービスを提供している方は、是非この機会に取り組んでいきましょう。

Googleビジネスプロフィールに詳細な情報を入力する

1つ目のローカルSEO対策は、Googleビジネスプロフィールへ詳細情報の入力です。

Googleビジネスプロフィールとは、Googleが無料で提供している情報管理ツールで、住所や電話番号などの情報を登録することで、GoogleマップやGoogle検索で表示される店舗や会社などの情報を管理することができます。

ローカルSEOを対策として、Googleビジネスプロフィール内にある「取り扱う商材・サービスの種類」や「会社名(または店舗名)」、「住所」、「営業時間」、「電話番号」、「ホームページのURL」を登録することで、ユーザーが地域性のあるキーワードを検索した際やGoogleマップで検索した際に、自社の情報が表示されるようになります。

また、店舗や会社の外観、商品などの写真を登録しておくことで、実店舗に足を運ぼうとしているユーザーの目に留まりやすくなります。

Googleビジネスプロフィールへの登録方法や使い方については『Googleビジネスプロフィールとは?登録方法やメリット、使い方を解説』にてまとめているので、ぜひ、ご参照ください。

口コミの獲得と対応

2つ目のローカルSEO対策は、口コミの獲得と対応です。

Googleビジネスプロフィールの登録が完了すると、ユーザーはGoogleマップ上から口コミを入力できるようになるので、口コミの獲得と対応が必要となります。

口コミの獲得は、実際にサービスを受けたユーザーに書いてもらう必要があり、一朝一夕で増やせるものではないですが、口コミの数がローカルSEOの順位を決める要素の1つに該当するため、積極的な獲得が重要です。

また、「料理が美味しかった」、「サービスが行き届いていた」などの嬉しい口コミが入った場合にはお礼を、逆にネガティブな口コミが投稿された場合には、事実確認や謝罪、改善など真摯な対応が求められます。なお、良い口コミや高い評価が集まれば、自社の情報を見てくれるユーザーが増え、集客力も高まります。

口コミの対応は楽ではありませんが、こまめな確認と対応を心がけましょう。

指名検索などの基本的なSEO対策

3つ目のローカルSEO対策は、指名検索などの基本的なSEO対策です。

ローカルSEOの検索順位を決める「視認性の高さ」では、オンライン・オフラインを問わず、会社や店舗、サービスなどを人々が「どの程度知っているか」が関係するため、ユーザーからの認知度を高めることが必要となります。

ユーザーからの認知度を高める方法には、テレビCMやWEB広告、SNS運用など様々なものがありますが、SEO対策も認知度を高める方法の1つです。

SEO対策はローカルSEOと比べ難易度は高いですが、会社名や店舗名などを検索する「指名検索」であれば、同じ会社名や店舗名を持つサービスがない限り、ライバルはいないため、上位表示しやすくなります。

また、自社サイト内に掲載しているNAP情報(Name:名前、Address:住所、Phone:電話)は、Googleビジネスプロフィールに登録している情報と統一することで、ローカルパックが表示されやすくなります。

ローカルSEOを行う上での注意点

最後に、ローカルSEOの対策を行う上で注意するべき2つのことを紹介します。

地域密着型でビジネスを展開している方にとって、売上げや集客に大きな影響を与えるため、必ず覚えておきましょう。

Googleが設けるガイドラインの遵守

ローカルSEOの対策を進める際に注意するべき1つ目のポイントは、Googleが設けるガイドラインの遵守です。

Googleが設けているローカルビジネス情報のガイドラインでは、「ユーザーの混乱を招く誤情報」や「低品質な情報」、「キャンペーンの記載」、「URLの記載」は、掲載が禁止されています。

もし、それらの情報を誤って、Googleビジネスプロフィールに登録してしまうと、ガイドライン違反として検索結果に表示されなくなります。

中でも、キャンペーンを始めた際や営業時間が変わった際など、Googleビジネスプロフィールに登録している情報を変更する際に、ガイドライン違反に該当する登録になりやすいため、注意が必要です。

Googleビジネスプロフィールの登録と管理では、あらかじめ担当者を決め、ガイドラインの把握と登録情報の管理をするようにしましょう。

低評価や厳しい意見、口コミへの対応

ローカルSEOの対策を進める際に注意するべき2つ目のポイントは、評価や厳しい意見、口コミへの対応です。

ローカルSEOで上位表示した後、ユーザーが実店舗に訪れてサービスを受けた際に、商品やサービスに不備や不具合、不満があると、ユーザーはそれらのネガティブな評価を口コミとして投稿したり、SNSで発信したりする可能性があります。

また、それらのあまり良くない口コミや評判は、ローカルSEOで上位表示したとしても、ユーザーに悪い印象を与えてしまうため注意が必要です。

もし、ネガティブな口コミや厳しい意見が書かれた場合には内容を確認し、事実であれば投稿に対して謝罪と改善する姿勢を回答するなど、真摯な態度で対応することが求められます。

ビジネスを長く続けていれば低評価やネガティブな口コミは、必ず出てしまいますが、なるべく低評価や悪評をつけられないように、接客などのサービス品質も向上させましょう。

まとめ

ローカルSEOは、地域性のあるキーワードでの検索やユーザーの位置情報に基づいた検索で、自社のWEBサイトを上位表示させる対策を指します。

また、ローカルSEOの対策は、ローカルパックやナレッジパネルなど、通常の検索結果よりも上位に表示され高い集客効果があるため、実店舗を持つ飲食店や医療施設、士業サービス、商業施設にとって重要な対策といえます。

一方、Googleが設けるガイドライン違反や悪い口コミへの未対応は、情報が表示されなくなったり、悪い印象を与えかねないので注意しましょう。

以下のページでは、SEO対策の最新トレンドや対策方法を網羅的に解説していますので、SEO対策を本格的に始める方はお役立てください。