AIの進化により、仕事が効率化されたり、完全に仕事を自動化していたりと、私たちの働き方を大きく変えようとしています。
その中で「自分の仕事は大丈夫?」「これからどんなスキルが必要になるの?」そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
このページでは、AIの発展によってなくなる仕事や残る仕事、新しく生まれる職業について紹介します。
また、AIと共存していくために意識すべきことも分かりやすく解説します。AIの時代が既に到来しているといえるため、今から準備を始めておきましょう。
この記事でわかること
AIの発展でなくなる10の仕事
まずは、AIの発展によってなくなる10種の仕事を、なくなる理由も併せて紹介していきます。
まず、AIでなくなる仕事は以下の10種類です。
- 一般事務員
- コンビニやスーパーの店員
- ライター
- タクシー運転手
- 工場などの単純作業
- 建設現場の作業員
- 薬剤師
- ホテルフロント
- 税理士
- 鉄道の運転手・車掌
一般事務員
1つ目は一般事務員です。
データ入力やスケジュール管理、経費精算といった、これまでは一般事務員が担ってきた単純作業が、AIに代替される可能性があります。
例えば、AIを搭載した経費管理システムを導入すると、領収書の画像を読み取るだけで経費データを自動で取り込むことが可能です。
また、自動で経理システムに連携されるため、人の手で入力していた入力ミスは減り、作業時間も大幅に短縮できます。
このように、AIによって事務作業が自動化されることで、一般事務員は減少していくといえます。
コンビニやスーパーの店員
2つ目はコンビニやスーパーの店員です。
現在、Amazon Goのような無人店舗の登場やAIによる在庫管理システムが出現したことにより、コンビニやスーパーでのレジ打ちや発注といった単純業務はなくなりつつあります。
また、Amazonや楽天市場のようなECサイトなど、ネット通販の利用が加速する現在では、欲しいものが自宅にいながら手に入りやすくなり、実店舗の存在意義も危うくなっています。
さらには、POSレジやセルフレジを導入するコンビニやスーパーが増えていることを鑑みると、コンビニやスーパーの店員は減少していくといえます。
ライター
3つ目はライターです。
こちらは、弊社で実施した「AIを活用したライティング」に関するアンケート結果です。画像の通り、勤め先のライターは減少していることがわかります。
AIによる文章生成の技術は、ライター業界ではAIライティングの到来と言われています。
ChatGPTのような生成AIでは、コンテンツのテーマや指示を与えれば、それらに沿って自然な文章がすぐに生成されるようになりました。そのため、単純な文章の執筆や添削、校正だけでなく、既存コンテンツのリライトはAIに代替されはじめています。
今後は、AIライティングによってスピードが向上し、ライターコストを削減できるため、徐々にライターからAIに置き換わっていくと予想されます。
タクシー運転手
4つ目はタクシー運転手です。
自動運転技術が急速に発展している現代では、車の自動操縦や自動ブレーキなどのAIを活用した技術によりタクシー業界は劇的な変化を迎えています。
すでにアメリカのアリゾナ州ではUberタクシーの自動運転が実施されていることから、いずれは日本でも自動運転タクシーが導入されることが考えられます。
また、現在の日本のタクシー業界では、低所得、長時間労働やドライバーの高齢化が深刻化しており、タクシードライバーが減少しています。
車の自動運転は、交通ルールを正確に守り、効率的に目的地まで乗客を運ぶことができるだけでなく、自己のリスクも軽減できるため、今後、運転手の仕事は少しずつ減っていくでしょう。
工場などの単純作業
5つ目は工場などの単純作業です。
工場のライン作業のような、同じことを繰り返す仕事は、AIの得意分野なので、AIの発展と共に自動化され仕事がなくなるといえます。その中でも、今まで人の目でチェックしてた部品や製品などの検品作業は、AIに代替され始めています。
株式会社フツパーは、製造業向け外観検査の自働化AIサービスを提供しており、人間が見落とすような小さなトゲをAIで検品できるようになりました。また、99%を超える精度も実現しています。
このように、自動化しやすい工場では、AIに仕事を奪われています。
建設現場の作業員
6つ目は建設現場の作業員です。
昨今では、建設業界の人手不足問題を背景に、AIやロボットの導入が進んでいます。
従来は人力で行っていた重機の操作や、資材の運搬、清掃のような単純作業をAIやロボットが担うことで、人材不足を補い、自動化させることが可能です。例えば、ドローンによる現場全体の進捗管理や、AIを活用したシフト管理など、その仕事の場は多岐にわたります。
すでに株式会社EARTHBRAINでは、AIが地形データや施工計画などのデータを理解して、最適な施工計画を瞬時に計算し施工計画の最適化を行っております。
これらの技術革新が進むことで、建設現場における単純作業や危険な作業はAIやロボットに任せられ、現場で活躍する人の仕事が少なくなると予想されます。
薬剤師
7つ目は薬剤師です。
薬剤師の役割は薬の供給だけでなく、処方薬の調剤や患者データの管理など、反復的な仕事はAIによって自動化されています。
AIを活用したロボットはすでに一部の調剤業務を行っており、これがさらに発展すれば、薬剤師の手を借りずに薬を正確に準備できるようになります。
さらに、AIチャットボットや音声認識技術により、患者の問診や薬の使い方、注意事項を説明する部分も自動化が進んでおり、梱包などの単純作業を行う薬剤師は減っていきます。
ホテルフロント
8つ目はホテルフロントです。
現在、アパホテルのような一部のホテルではAIを搭載した「1秒チェックインシステム」や、コンシェルジュロボットが導入され、チェックインや精算といった仕事が自動化されている事例が増えています。
さらに、コンシェルジュロボットのようなAIは多言語での対応も可能なため、外国人が多く泊まるホテルでは導入が加速されるでしょう。
このように、チェックイン業務や精算業務の自動化、多言語の翻訳がされ、ホテルフロントで仕事する人は減少する可能性があります。
税理士
9つ目は税理士です。
AIを活用した会計ソフトでは、画像認識でレシートや領収書などを取り込み、勘定科目を自動で判断したり、財務分析を自動で行ったりと、人の手で行われていた入力業務が代替されています。
さらに、AIは法改正や税制変更にも迅速に対応できるため、最新の税務情報を常に反映したアドバイスを提供することができます。これにより、クライアントは常に最適な税務対策を受けることができるため、税理士の役割が相対的に低下する可能性が高まります。
今後、税理士が行っていた単純作業はAIによって代替されるといえるため、税理士にはより複雑な業務や法的な知識がないと厳しくなるといえます。
鉄道の運転手や車掌
10個目は鉄道の運転手や車掌です。
鉄道の運転手や車掌の仕事は、AI技術の進化や自動運転技術の発展により、自動化される可能性が高まっています。現在、鉄道業界では自動列車運転装置(ATO)の技術が発展したことにより、JR東日本や東急電鉄など、一部の路線では既に自動運転が実現されています。
鉄道業界におけるAIの導入は、運転手や車掌の役割を大きく変えるだけでなく、AIが遅延情報をリアルタイムで表示したり、乗客に接客したりと鉄道運行全体の効率性と安全性を飛躍的に向上させています。
まだ先の話にはなりますが、このような技術により鉄道運転手や車掌の仕事がなくなりつつあります。
AIが発展してもなくならない6つの仕事
AIが発展していく中で多くの仕事が自動化され、人の手による仕事がなくなっていきます。しかし、中にはAIには代替できない、人間ならではのスキルや能力が必要とされる仕事も数多く存在します。
ここでは、AI技術が進歩しても残る可能性が高い仕事を6つ紹介します。
営業職
1つ目は営業職です。
営業職はAIには難しい、人の感情や人間関係の微妙なニュアンスを理解し、適切に対応する能力が求められるため、なくならないといえます。
AIが感情解析を行う技術は進歩しているものの、完全に人間の感情を理解し、共感するにはまだ限界があるので、顧客の表情や声のトーンから感情を読み取り、それに応じた対応をすることができる人の営業担当は重宝されています。
また、営業職はチームワークとリーダーシップも重要です。営業チームをまとめ、目標達成に向けてモチベーションを高める役割や、メンバーそれぞれの強みを活かしながら成果を上げるための指導力が求められます。これらは人間の感情や動機付けに深く関わるため、AIだけでは補えない部分といえます。
上記の理由から営業職はAIによって奪われず、今後も必要とされる職業であるといえます。
医者・看護師
2つ目は医者・看護師です。
医療現場では、患者の症状を的確に診断し、適切な治療を提供することが求められるため、なくならないといえます。
現在、診断支援ツールとしてAIが活用されることもありますが、最終的な判断や治療方針の決定は、単にデータに基づくだけでなく患者の個別の背景や症状、心理的な要素も考慮に入れる必要医師の経験と知識に基づいて行われます。
また、看護師は患者のケアや精神的なサポートなど、人間的な温かさが求められる業務を担っていることから、AIでは代替できない仕事といえます。
介護士
3つ目は介護士です。
介護の仕事は、身体のケアだけでなく、利用者やご家族の心に寄り添うことも求められるため、AIに奪われない仕事といえます。
高齢者や要介護者に向けのアイテムとして、アップルウォッチなどの転倒感知や転倒時のクッションなどのものはあっても、AIによる直接的な身体のサポートはできないことから介護はなくなりません。
ロボットが生活支援やリハビリなどをサポートする機会は増える可能性はありますが、コミュニケーションや心のケアといった人間ならではの温かさは、これからも介護士にしかできない大切な仕事として残っていくと考えられます。
教育者
4つ目は教育者です。
教育者の役割は、単なる情報の伝達にとどまらず、学生一人ひとりの理解度や感情を把握し、個別に対応することにあります。AIが進化しても、教育における人間的な要素を完全に代替することは困難です。
例えば、学生のモチベーションを引き出すための励ましや、学習の進捗に応じた柔軟な指導、さらには学習障害や個別のニーズに対応した特別支援教育などは、教育者の経験と感性が重要です。
また、倫理教育や道徳教育など、単なる知識の伝達ではない分野においても、教育者の役割は重要です。これらの教育は、人間関係や社会的な価値観を理解し、実践する力を育むものであり、AIには難しい領域です。さらに、教育者は学生とのコミュニケーションを通じて、社会性や協調性を養う役割も担っています。
これらのスキルは、実生活での人間関係や職場でのチームワークに直接影響を与えるため、AIでは補完できない部分です。
教育者はAIの発展により役割が変わることはあっても、なくなることはありません。むしろAIの導入により、教育者はより高度な教育を提供するための新しいスキルを身につけ、進化していくことが期待されます。
料理人
5つ目は料理人です。
料理はひとつの芸術であり、AIにはまだ再現できない人間の創造性や感性が不可欠です。
AIや機械によって、決まったレシピで料理を作ることは可能ですが、独創的なアイデアや繊細な味覚を生み出すことはできないため、料理人の仕事はAIに奪われることはありません。
また、料理の提供は美味しい料理を作るだけでなく、顧客に対するサービスも重要です。AIは感情や人間関係の構築には不向きなため、この点も人間の存在が欠かせません。
さらに、料理の現場では食材がなくなったり、従業員が欠勤したり、など予測不可能な状況が発生するといえるため、柔軟性に欠けるAIには、臨機応変な対応が求められる仕事は代替できないといえます。
スポーツ選手
6つ目はスポーツ選手です。
スポーツ選手は、卓越した身体能力と技術で人々を魅了し、感動を与える存在です。
ロボットでも高度なパフォーマンスは可能かもしれませんが、人間の限界に挑戦する姿や、そこから生まれるドラマこそが、真の感動を生み出すといえます。
そのため、AIには決して真似できない、人間ならではの情熱と努力が、スポーツの感動を支えているので、スポーツ選手はいなくならないといえます。
AIが発展して新たに生まれた5つの仕事
ここまでに、AIの発展でなくなる仕事やなくならない仕事を紹介してきましたが、AIの発展と共に新しく生まれた職業もあります。
ここでは、AIの発展で生まれた職業を5つ解説します。
AI倫理専門家
1つ目はAI倫理専門家です。
AI倫理専門家は、AI技術がもたらす影響を倫理的な視点から評価し、AIの開発と利用に関するガイドラインやポリシーを策定する職業です。
また、AIの公平性、透明性、説明責任を確保し、AIが社会に及ぼす影響を多角的に分析し、AIのデメリットや新しい問題を考慮することが求められます。
例えば、AIによる差別や偏見、プライバシー侵害、人間の尊厳の尊重など、さまざまな問題が生まれることが考えられます。AI倫理専門家は、これらの問題を深く理解し、技術者や政策立案者、一般市民との対話を通じて、AIが社会にとって有益な形で発展していくための道筋を示す必要があります。
AI倫理専門家には、AI技術に関する知識だけでなく、倫理学、哲学、法律、社会学など、幅広い分野のスキルが求められるため、今後重要になります。
AIコンサルタント
2つ目はAIコンサルタントです。
AIコンサルタントは、企業のAI導入を成功に導く新たな専門職です。企業の現状分析から最適なAIソリューションの選定、導入計画の策定、導入後の運用支援まで、幅広いサポートを提供し、AI導入率を高めます。
また、AI技術に関する教育やトレーニング、法規制や倫理面についてのアドバイスも行い、企業がAIを最大限に活用できるよう支援し、AIの効率化を促進します。
AI技術の発展が加速する中では、企業の競争力の強化やAIの導入が求められているため、AIコンサルタントの需要はますます高まるといえます。
AIセキュリティエンジニア
3つ目はAIセキュリティエンジニアです。
AIセキュリティエンジニアは、AIシステムの保護とサイバーセキュリティの強化を専門とする職種で、AIシステムの安全性を確保し、サイバー攻撃から守る役割を担います。
この職種では、技術的知識だけでなく、セキュリティリスクの評価や脅威の予測、インシデント対応のスキルが求められます。
AIセキュリティエンジニアは、今後のデジタル社会を安全に保つための重要な存在となるでしょう。
特に、AIが医療や金融、交通などの重要なインフラに深く関わるようになるにつれて、その役割は重要性を増していくことが予想されます。
プロンプトエンジニア
4つ目はプロンプトエンジニアです。
プロンプトエンジニアとは、AIに効果的なプロンプト(指示文)を設計や最適化したり、AIの応答の質を向上させ、ビジネス要件に応じたカスタマイズを行ったりする職業であり、AIの技術や仕組みを駆使して仕事の効率化を図ります。
また、自然言語処理(NLP)や大規模言語モデル(LLM)などの知識を活用し、AIが正確かつ有用な応答を生成できるようにプロンプトを調整し、仕事の自動化も求められます。
プロンプトエンジニアは、チャットボットやカスタマーサポートシステム開発、コンテンツマーケティングなどにおいて重要な役割を果たしています。
データサイエンティスト
5つ目はデータサイエンティストです。
データサイエンティストは、大量のデータを分析し、そこから価値あるインサイトを引き出す専門家として登場しました。
例えば、データサイエンティストは顧客の購買履歴や行動データを分析し、消費者の嗜好やトレンドを予測することで、ターゲット広告やカスタマイズされた製品提案を行います。
このように、彼らのスキルセットには、統計学や機械学習の知識、プログラミングスキル、データビジュアライゼーションの技術が含まれ、データを活用した戦略的な意思決定を行うことが可能です。
データサイエンティストは、データを活用したビジネス戦略を構築するために不可欠であり、従来はアナログで泥臭く行われていた業務も、人手不足の影響もあり、少ないリソースで効果を最大化するためにデータ分析が重視される現在のビジネス環境では、高い評価を受けています。
日本の職場におけるAIの導入状況
以下の画像は、日本、米国の企業を対象とした「業務でAI技術を利用している」調査結果による企業の割合です。
参照元:https://www.datascientist.or.jp/dssjournal/dssjournal-1903/
2021年のデータでは、日本企業のAI利用率は意外にも24.3%と低く、AIの浸透が予想ほど進んでいないことが判明しました。
加えて、AIの技術力が低いことも、日本における導入率や利用率が低い理由の一つともいえます。
世界のAI導入状況 | |||
---|---|---|---|
国名 | 中国 | アメリカ | 日本 |
特許数 | 31,124件 | 12,530件 | 1,408件 |
参照元:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02792/032900002/
このように、日本の企業は、他の先進国と比較してAI技術の研究開発や実用化が遅れていることが多く、最新の技術を取り入れるスピードが遅いといえます。
しかし、アメリカ、中国など海外では、AIの導入が進んでいることから、日本でも今後は同様にAIの導入が増えると予想されます。
AIの発展が仕事を奪う理由とは
ここからはAIが仕事を奪う理由について解説します。
AIが発展するとなくなる仕事が出てくる背景には、以下の2つの理由があります。
単純作業を自動化できる
AIの発展により仕事がなくなる1つ目の理由は、単純作業を自動化できるからです。
例えば、データ入力やレジ打ちといったルーティンワークは、AIに任せることで高速かつ正確に処理することができます。これにより、企業はヒューマンエラーをなくし、生産性の低い仕事や、管理コストを削減することが可能です。
特に、検品作業やレジ打ちにおいて、AIを導入することで業務の自動化が進み、従業員が必要なくなるケースが増えてきています。
このように、AIは特定の作業において、人間の手を介さずに高い精度で業務を遂行することができるため、特定の職業がなくなる可能性を高めています。
人件費よりもコストが安い
AIが仕事を奪う2つ目の理由は人件費よりもコストが安いからです。
人件費は企業の運営コストの中で大きな割合を占めますが、AIを導入することで人件費を大幅に削減することが可能です。
例えば、24時間対応のカスタマーサポートを行うために、人間のスタッフを雇用すると、シフト管理や時間外手当などで多大なコストがかかります。
AIチャットボットを導入すれば、常に稼働していても追加の人件費はかからず、かつ同時に複数の問い合わせに対応可能です。このため、企業にとっては大幅なコスト削減が実現します。
このように、人件費よりもコストを抑えられるケースが多いと言えるでしょう。
人とAIが共存して働くために必要なこと
AIと共存して働くためには、以下の2つのポイントが重要です。
- AIに関するリテラシーを高めて使う側になる
- 柔軟な思考・アイデアの発想力を鍛える
AIに関する知識を身に付けて、AIによる効率化を図りつつ、人ならではのアイデアを活かしていきましょう。
AIに関するリテラシーを高めて使う側になる
1つ目は、AIに関するリテラシーを高めて使う側になることです。
AIに関するリテラシーとは、AIの基本的な概念や仕組みを理解し、それを実際の業務や生活に適用できる能力のことを指します。
リテラシーを高めることで、AIによって仕事を奪われるのを待つのではなく、逆にAIを活用し、さらにはAIの開発や改善に関与することで、AIとの共存が可能となります。
例えば、データ分析の自動化や顧客対応のチャットボットなどを導入することで、普段行っていた業務を自動化させるだけでなく、効率化させることで、より創造的なタスクに時間を割くことが可能です。
また、AIでは、倫理観や道徳的な判断はまだ難しい範囲といえるため、データのプライバシーやバイアスの問題、倫理的観点などを高めることで、AIを活用する側になることができます。
ですので、早い段階からAIに触れてリテラシーを高め、使う側になることが重要です。
柔軟な思考やアイデアの発想力を鍛える
次に、柔軟な思考やアイデアの発想力を鍛えることが重要です。AIはデータに基づいた予測や自動化が得意ですが、創造性や感情に基づく判断はまだ人の領域です。
例えば、新しいビジネスモデルの構築や顧客のニーズを捉えるためのマーケティング戦略の立案などは、人ならではの柔軟な発想が求められることがあります。
日頃から感性を磨いたり、複数の分野を学んだりして、AIにはない独創的な思考やアイデアを鍛えましょう。
AI導入の活用事例3選
AIはすでに一部の自治体で導入されており、職員の業務効率化や住民のサービス向上に役立てられています。
ここでは、自治体におけるAI導入の活用事例を3選紹介しています。
引用元:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000820109.pdf )
AIを活用した総合案内サービス(愛知県内39市町村)
愛知県は、AIやロボティクス技術を活用した業務効率化と共同利用を推進するため、「あいちAI・ロボティクス連携共同研究会」を設置し、AIチャットボットの導入をしています。
このチャットボットは、主に市民の生活に関する幅広い問い合わせに対応し、個人情報や非公開データを含まない形で運用されています。愛知県が作成したQAデータを各市町村が修正して活用することで、共同利用を実現しています。
導入効果としては、単純な問い合わせへのAI対応により職員の負担が軽減され、24時間対応や問い合わせ方法の増加により市民の利便性も向上しました。
AIを活用したごみ出しに関する自動電話音声対応(大阪府守口市)
大阪府守口市では、ごみ分別に関する電話での問い合わせに対して、AIによる音声対話形式の自動応対サービスを導入しました。
導入の背景は、市民からの電話相談件数が多く、AI電話の自動応対を通じて市民サービス向上と業務効率化を図る目的があります。
導入したことによって、ごみの分別方法や収集日程などを24時間365日、複数回線で待ち時間なく案内することが可能となり、相談件数が約15%減少、時間外の応対が増加するなど、市民サービスの向上が確認できました。
AIを活用した道路管理システム(千葉県千葉市)
My City Reportは、千葉市の「ちばレポ」を進化させたもので、東京大学が所有するAI技術を使い、道路の損傷状況を判定する道路管理システムです。
道路管理者向けアプリ「MCR for Road Managers」は、修繕すべき道路を判断するため、AIを活用し、車載スマートフォンで撮影した路面画像から道路の損傷を抽出します。
このアプリは東京大学との共同研究から生まれ、複数の自治体での使用を前提としています。
まとめ
AI技術の進化は、多くの職場に新たな可能性をもたらしています。しかし、それに伴い、従来の仕事が消え、新しい仕事が生まれるという変化も避けられません。
AIの進展によって、私たちの働き方は大きく変わりつつありますが、その一方で、AIと人が共存するための工夫や準備が求められています。
これからの時代、AIと人の協働がどのように進化していくのか、そしてそれぞれの役割がどのように変わっていくのかを理解することが重要です。AIのもたらす変革を恐れることなく、積極的に受け入れ、適応する姿勢が求められます。
未来の職場環境をより良いものにするために、私たち一人ひとりができることを見つけ、実践していきましょう。