
近頃、効果的なマーケティング手法として注目を集めるコンテンツマーケティング。コンテンツマーケティングを始めようとしている、もしくはもう取り組んでいる企業も少なくないかと思います。
であれば、コンテンツマーケティングの市場規模、気になるところですよね。
当ページでは、様々な統計データを調査して、2019年現在におけるコンテンツマーケティングの市場規模を明らかにしていきます。また、日本のみならず、コンテンツマーケティングが先進しているアメリカの市場規模も併せてご紹介。
世界中でコンテンツマーケティングの市場規模が成長している理由に関しても考察しております。
読んでいただければ、日米におけるコンテンツマーケティングの市場規模だけでなく、なぜ成長市場であるかもお分かり頂けるでしょう。
目次
日本においての市場規模
2014年くらいから言葉として広まってきたコンテンツマーケティングですが、その市場規模はどのくらいなのでしょうか。
ここで一点留意して頂きたいのが、コンテンツマーケティングという1つの市場はないということです。
コンテンツマーケティングは様々なマーケティングが合わさった手法であるため、その要素を分解して見ていく必要があります。ここではまず、コンテンツマーケティングを構成する以下の4要素の市場規模をそれぞれ紹介。
- SEO対策
- コンテンツ製作のアウトソーシング
- インフィード広告
- インフルエンサーマーケティング(SNS)
そして、最後にそれらを合わせた市場規模をご紹介いたします。
SEO対策市場規模
インターネット広告やSEOを支援する企業「クロスフィニティ株式会社」が2016年7月に発表した「SEO市場規模予測2014-2018」によると、2014年には356億円だった市場規模は、2018年には500億円を突破するとのこと。
出典:https://www.crossfinity.co.jp/news/957/
年々、スマホユーザーが増え、ご高齢の方にもインターネットが身近なものになりつつ現代では、SEOの市場規模は今後も右肩上がりに伸びていくことは間違いないでしょう。
コンテンツ制作のアウトソーシング市場規模
オウンドメディアなどのWEBサイトを運営する企業も増えてきており、コンテンツ制作のアウトソーシングが活発化しています。コンテンツを制作する側としての市場規模はどれくらいあるのでしょうか。
「コンテンツマーケティング調査レポート2016年(Ginzamarkets株式会社)」のアンケート結果によると「コンテンツの制作体制はどうしていますか?」の質問に対して、61%が外注を利用していると答えています。
また、外注される仕事の94%が「制作」で、要はコンテンツの制作です。
このように企業からのニーズが非常に高いアウトソーシング。矢野経済研究所が出した推計によれば、2019年には2360億円、2020年には外注化市場は約3000億円に到達すると予想されています。
出典:矢野経済研究所
インターネット広告市場規模
インターネット広告市場の動向も見ていきましょう。
サイバーエージェントが調査結果を公開している「インフィード広告市場規模推計・予測」では、2016年では1401億円だったのに対し、翌年には1903億円まで市場規模は拡大しています。
その後も年々市場規模は拡大し、2019年には2740億円、2020年3077億円、2022年3645億円、2023年には3921億円と右肩上がりに市場規模は拡大していくと予想されています。
出典:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21333
インフルエンサーマーケティング(SNS)
インフルエンサーとは、特定のユーザー層に対して大きな影響力を発揮する人たちのことです。インスタグラマーやユーチューバーなどSNSを使ったマーケティングが該当します。
そんなインフルエンサーを使ったマーケティング、インフルエンサーマーケティングは2017年くらいからトレンドになり始め、その市場規模は年々拡大しています。
下記の表をご覧ください。
出典:デジタルインファクト調べ
2017年には175億円だったインフルエンサーマーケティングの市場規模は、翌年に219億円、2019年現在では267億円となっています。
インフルエンサーマーケティングの市場規模は、今後も毎年120%前後の伸びが予想される、超成長市場なのです。
つまり日本におけるコンテンツマーケティングの市場規模は?
上記それぞれの調査結果を合計すると、2019年現在の日本におけるコンテンツマーケティングの市場規模は約6000億円であることが分かりました。
コンテンツマーケティングの市場は毎年120%前後の成長をしているので、今後も右肩上がりに成長すると予想されます。
さて、ここまでは日本のコンテンツマーケティングにおける市場規模を見てきました。
ここからは視点を変えて、日本より数年先行すると言われているアメリカの市場規模を見ていきましょう。
アメリカにおけるコンテンツマーケティングの市場規模
アメリカはコンテンツマーケティングの最先端ですが、市場規模の動向はどうなっているのでしょうか。
グローバル・コンテンツマーケティング予測2017(PQ Media)発表のデータでは、なんと120億ドル(約1.3兆円)超え。この市場規模は2021年には240億ドルまで成長すると見込まれています
さすがはアメリカですね。 日本の市場規模とは文字通り、桁が違います。
*参考:Global Content Marketing Forecast 2017
コンテンツマーケティングの必要性とベネフィット
これだけコンテンツマーケティングの市場規模が伸びていることがお分かり頂けたかと思いますが、何故なのでしょうか。また、コンテンツマーケティングを取り入れることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、コンテンツマーケティングの市場規模が伸びている理由を探っていきます。
コンテンツマーケティングが必要な理由
従来、商品やサービスの認知を広め、販促を行う場合には「広告」を利用します。CM・雑誌・看板・Web広告・チラシなど広告媒体は多岐に渡りますが、現代において「広告」を使っての販促は効果が薄くなっているのが実情です。
Economist Groupの「Missing the Mark」という調査結果によると、なんと広告を見た人の71%が「うんざりする」とのこと。さらに、インターネット広告をブロックする広告ブロッカーの利用者がアメリカでは39%いるなど、世の中では広告離れが起こっています。
一方で、コンテンツマーケティングでは、コンテンツを用意し、ユーザーの方からコンテンツにアプローチをすることで接点を創り出すマーケティング手法です。
つまり、従来の広告のように不必要なものを押し付けてくるプッシュ型ではなく、コンテンツマーケティングはユーザーが自ら情報を求めてやってくるプル型。
広告のシャワーに打たれ、広告に嫌悪感を示すユーザーが多い現代において、非常に有効なのです。
コンテンツマーケティングのメリット
ここでは、コンテンツマーケティングが持つメリットを3つご紹介いたします。
コンテンツが蓄積資産となる
コンテンツを制作することでそこからの顧客獲得だけではありません。一度制作したコンテンツは価値を提供し続けます。
10記事、50記事、100記事とコンテンツが増えていけば、見込み顧客の流入経路が増え、商品を認知するきっかけになってくれるのです。
このように、顧客獲得ができる資産となることが、コンテンツマーケティングのメリットと言えます。
顧客ロイヤリティがアップ
顧客ロイヤリティとは愛着や忠誠心のことです。有益な情報を惜しみなく読者に提供することで「こんなに素晴らしい情報を提供してくれているから信頼できる会社なのだろう」と評価されやすくなります。
その結果、その会社の商品にも信頼感がわき、商品を購入する際は他社ブランドではなく、その会社のブランドを選ぶようになります。
顧客ロイヤリティを上げることで、競合他社と比較されにくく、幾度と商品やサービスを利用してもらう機会が増えるため、LTV(顧客生涯価値)が上がるのです。
Apple製品をこよなく愛する顧客は、他社がどんなパソコンを出そうとも、Apple社のパソコンが一番良い!他のパソコンは使わない!と言い切ります。Apple社はこの「顧客ロイヤリティ」を高める施策が非常に上手なのです。
広告費をかけなくても認知は高まる
コンテンツマーケティングのメリットの1つには、費用対効果が高いことが挙げられます。
ブログなどで記事を配信する場合にかかる費用は、サーバー代とドメイン代くらいで、年間でも数万円程度です。また、YouTubeのようなプラットフォームに動画を配信するのにも費用はかかりません。
このように、ほとんど無料にもかかわらず、うまく行けばブログやYouTubeから数億円のビジネスチャンスが生まれることがあります。
これほど、費用対効果が高いこともコンテンツマーケティングが市場規模を伸ばしている理由でしょう。
コンテンツマーケティング市場規模は伸び続ける
コンテンツマーケティングの市場規模をご紹介してきましたが、いかがでしたか。
日本においてはもちろんのこと、アメリカにおいても大きな市場規模であることがお分かり頂けたかと思います。
そして、コンテンツマーケティングの市場規模は今後もハイペースで成長を続けると予想されており、ますます目が離せなくなることでしょう。
また、コンテンツマーケティングに関しては、他にも記事を執筆しております。下記の記事も併せてご覧いただければ幸いです。