
- 検索順位によってクリック率(CTR、Click Through Rate)は変化するのか?
- PCとスマホのどちらで検索するかによって検索順位のクリック率に違いはあるのか?
この記事は、上記のような疑問に答えるために執筆したものです。
PC検索における検索順位のクリック率(CTR)を調査した結果は見たことがあるかもしれませんが、意外とPCとスマホのCTRの違いを比較したデータはご存知ないかと思います。
そこで当ページでは、検索順位チェックツールを提供するルーマニアのAdvanced Web Rankingが行った調査fa-external-linkにもとづいて、PCとスマホそれぞれにおける検索順位でのクリック率の違いをご紹介。
この調査は、約56,000のWEBサイトにおいて、300万個を超えるキーワードから算出したもので、そのデータ数から高い信頼性がおけるものです。
それでは早速、検索順位別のクリック率を見ていきましょう。
目次
検索順位のクリック率はPCとスマホで違う?【2019年4月のデータ】
PCとスマホのクリック率に違いはあるのでしょうか。次が、Advanced Web Rankingが調査した結果(2019年4月時点)です。横軸が検索結果順位、縦軸がCTR(クリック率)を示しています。
PCとスマホの両方において、検索結果での掲載順位が上位の方がクリック率高いことが見て取れます。ただ、この画像だけでは少々見づらいかと思いますので、PCとスマホの平均CTRの違いを以下の表にまとめました。
検索順位結果 | PC | スマホ |
---|---|---|
1位 | 31.19% | 22.44% |
2位 | 15.91% | 14.06% |
3位 | 10.07% | 9.27% |
4位 | 6.32% | 6.09% |
5位 | 4.28% | 4.17% |
6位 | 3.03% | 2.87% |
7位 | 2.19% | 2.08% |
8位 | 1.71% | 1.67% |
9位 | 1.38% | 1.31% |
10位 | 1.12% | 1.01% |
このように、PCとスマホのクリック率(CTR)で最も顕著に違いが出たのは検索結果1位のとき。検索順位が1位のときのクリック率はPCがスマホより約10%も高い結果となっています。ただ、検索順位が2位になるとCTRの差は大幅に縮まり、2%未満の違いとなっています。
検索順位が1位から2位に落ちたときのインパクトを計算した結果は以下です。
検索順位結果 | PC | スマホ |
---|---|---|
1位 | 31.19% | 22.44% |
2位 | 15.91% | 14.06% |
検索順位が落ちた時の影響 | クリック率49%減 | クリック率37%減 |
このことからPCの検索順位1位になる価値の方が大きいことがわかります。
また、検索順位3位以降のCTRに関しては、特に目立った違いはありませんでした。
- PCの方が1位のCTRが高い
- 検索順位3位以降はPCとスマホに大きな違いはない
- PCの1位の方が、スマホよりも価値が高い
上記のデータは2019年4月のものでしたが、実はこの調査は2014年から行われています。2014年のデータを見てみると、2019年のデータとは全く違う特徴を持っていました。
続いては、2014年のデータを見てみましょう。
2014年はスマホの方がクリック率は高い!
2014年7月のデータを見てみると、検索順位を問わず、スマホのクリック率の方が高いことが伺えます。各検索順位ごとの平均CTR値をまとめた次の表も併せてご覧ください。
*5位以降のデータが6-10位、2ページ目、3ページ目と表示されていることにご注意ください
検索順位結果 | PC | スマホ |
---|---|---|
1位 | 25.1% | 32.54% |
2位 | 10.02% | 15.98% |
3位 | 7.9% | 10.89% |
4位 | 4.89% | 7.69% |
5位 | 4.49% | 5.7% |
6-10位 | 2.82% | 3.84% |
2ページ目 | 2.23% | 5.04% |
3ページ目 | 0.73% | 2.9% |
2014年時点では、検索順位が1位のときのクリック率(CTR)はスマホの方がPCよりも約7.5%高いことがわかります。さらに掲載順位が2位の場合のCTRも約6%とその違いは非常に顕著です。
その後は、徐々にスマホとPCのクリック率の差が縮まりますが、2ページ目では約2倍、3ページ目では約4倍もスマホのCTRが高いことが伺えます。
また、PCとスマホで検索順位が1位から2位に落ちたときのクリック率減少の影響は以下の通りです。
検索順位結果 | PC | スマホ |
---|---|---|
1位 | 25.1% | 32.54% |
2位 | 10.02% | 15.98% |
検索順位が落ちた時の影響 | クリック率60%減 | クリック率51%減 |
このように2014年時点においては、スマホの方が総じてクリック率は高いですが、検索順位下降によるクリック率減少の影響は、PCで検索順位1位のときの方が高いことが伺えます。
- スマホの方がPCより総じてCTRが高い
- 検索結果2ページ目、3ページ目ではCTRの差がより大きい
- PCの方が1位から2位に落ちた際の影響が大きい
モバイルのCTRがPCに近くなった理由
2014年と2019年のクリック率(CTR)を分析した結果、5年かけてスマホのCTRがPCのCTRにより近い値になってきていることがわかりました。
なぜこのような変化があったのかについて、ここでは、その理由を次の3つの観点から考察していきます。
- ユーザーの検索行動の違い
- デバイスサイズの変化
- モバイルアップデート/MFIによってモバイルページの質が上がった
ユーザーの検索行動の違い
1つ目の理由には、スマホを利用するユーザーの検索行動が変化したことが挙げられます。
以前のユーザーは、より単純で素早い答えを求める傾向にありました。目的地までの行き方や近くのカフェ・レストランの検索などがそれに当たります。
スマホのユーザーは、今でも上記のような答えを求めていますが、同時にかつてはPCのみで行うような、より深い情報をスマホで検索するようになっています。
このことが、スマホユーザーの検索行動を変え、CTRの動きに変化をもたらしたと考えられます。
デバイスサイズの変化
2つ目の理由には、スマホのサイズが変化した(巨大化した)ことが挙げられます。
iPhoneを例に見てみるとわかりやすいでしょう。
2014年7月時点で、最新のiPhoneはiPhone5Sで、サイズは4インチです。
一方で、2019年4月時点での最新端末はiPhone XS Max。デバイスサイズは6.5インチとなっています。iPhone XS MaxはiPhone5Sよりも1.625倍もサイズが大きいのです。
デバイスサイズが大きくなったということは、より多くの検索結果を表示できるPCに近くなったということ。
つまり、モバイルのCTRがPCに近くなったのは、デバイスサイズが大きくなったことによって、ユーザーの検索行動の利便性が向上したためだと考えられます。
モバイルアップデート/MFIによってモバイルページの質が上がった
最後の要因として考えられるのは、Googleが行ったアップデートによって、モバイルページの質が上がったことが挙げられます。
2015年には、スマホがPCでの検索数を越したために、Googleがスマホでの検索体験向上を狙い、モバイルに関する下記のアップデートを行いました。
- モバイルフレンドリーアップデート(2015年)
- モバイルファースト インデックス(2018年)
これらのアップデートによって、WEBページのスマホ対応が加速し、スマホのためのSEO(モバイルSEO)が重要視されるようになりました。
以前は、スマホとPCでコンテンツを変えていたり、数ページのみをスマホ向けのページにしたりといったことが行われていましたが、現在では無くなっています。
また、モバイルSEOのためにレスポンシブデザインや、AMPの導入などが進みました。
つまり、スマホでの検索体験がより重要視された結果、スマホとPCの検索体験に差がなくなりつつあるのです。このことが、スマホのCTRをよりPCに近づけた要因だと考えられます。
【最新】2020年11月時点でのPC/スマホ検索順位の平均CTRデータ
Google検索における検索順位とクリック率(CTR)の関係を調査した、Advanced Web Rankingの最新データ(2020年11月)が公開されていたのでご紹介します。

順位別平均CTR | PC | スマホ |
---|---|---|
1位 | 34.84% | 31.71% |
2位 | 16.45% | 17.19% |
3位 | 9.82% | 11.03% |
4位 | 6.62% | 7.61% |
5位 | 4.73% | 5.53% |
6位 | 3.50% | 4.08% |
7位 | 2.67% | 3.05% |
8位 | 2.10% | 2.31% |
9位 | 1.69% | 1.78% |
10位 | 1.41% | 1.37% |
11位 | 1.34% | 1.09% |
12位 | 1.41% | 0.94% |
13位 | 1.45% | 0.96% |
14位 | 1.43% | 1.10% |
15位 | 1.37% | 1.40% |
16位 | 1.27% | 1.62% |
17位 | 1.19% | 1.79% |
18位 | 1.09% | 1.80% |
19位 | 1.03% | 1.75% |
20位 | 0.96% | 1.68% |
[データ参照元]Google Organic CTR History(International)- Advanced Web Ranking(2020年11月データ)
[データ数]PC:934,667WEBサイト、8,060,201キーワード / スマホ:852,068WEBサイト、12,792,739キーワード
ご覧のように、最新のデータでも検索順位とクリック率の間には強力な正の相関関係が見られます。掲載順位が1位のときはスマホよりもPCの方がクリック率が高いですが、2位以降ではスマホの方がクリック率が高い傾向にあるようです。
また、PCの検索順位が1位のときクリック率は約35%ありますが、検索順位が2位になるとクリック率は約16.5%と半分以下にまで下がります。モバイルでも検索順位が1位だとクリック率は約32%あるのに対して、検索順位が2位になるとクリック率は約17%と1位と2位で大きく差が開く結果に。
検索順位結果 | PC | スマホ |
---|---|---|
1位 | 34.84% | 31.71% |
2位 | 16.45% | 17.19% |
検索順位が落ちた時の影響 | クリック率53%減 | クリック率46%減 |
このように、2020年ではもはやPCとスマホのクリック率の違いはほぼないと言ってもいいほどで、むしろPCよりもスマホの方がクリック率は高くなる傾向にあります。
2020年9月に予定されていたモバイルファーストインデックス(MFI)強制移行は2021年3月まで延期されていますので、まだMFIに移行していないサイトは以下のページも参考にして必ず対応しておきましょう。
まとめ:CTRを上げる方法とは?
ここまでは2014年と2019年におけるスマホとPCのクリック率(CTR)の違いを紹介し、CTRが変化した理由を考察してきました。
CTRは上記でご紹介したPCやスマホといったデバイスの違いだけでなく、キーワードの意図(情報系か商標系か)や業界、ブランドサーチか否かといった要因によっても左右されます。
そのため、上記のクリック率のデータは、すべてのパターンに当てはまるものではなく、あくまで平均値をとった一般的な平均CTR値であることをご留意ください。
また、検索結果でのクリック率は「タイトル」や「ディスクリプション」によっても大きく変わります。もし、あなたが「WEBページのCTRを伸ばしたい」とお考えであれば、下記のページもご参照いただきCTR改善にお役立てください。
それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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