
内部リンクとは、自社サイト内のページ同士をつなげるリンクを指します。
内部リンクを最適化することで、アクセスしたユーザーが別ページに移動しやすくなるだけでなく、クローラーが自社サイト内を回りやすくなります。さらには、内部リンクを辿って検索エンジンがコンテンツを見つけやすくなり、結果として、インデックス(登録)されるタイミングも早くなります。
しかし、無闇に内部リンクを設置することはかえって、ユーザビリティの低下やクローラビリティの低下に繋がります。
この記事では、SEO対策を進めていく上で重要な内部リンクの貼り方や位置、抑えておくべきポイントを詳しく紹介します。適切な内部リンクの設置を方法を理解し、SEO対策を進めていきましょう。
内部リンクとは
内部リンクとは、自社サイト内で作成したページとページを繋ぐリンクのことです。
内部リンクとよく混同されがちな外部リンクは、「他社サイトから自社サイト」または「自社サイトから他社サイト」へのリンクを指すため、内部リンクとは異なります。内部リンクは、自社サイト内のページ同士を繋ぐリンクのみを指すと覚えておきましょう。
また、内部リンクには、テキストによるリンク(テキストリンク)と画像やバナーによるリンクに分けられます。テキストリンクは、文章や言葉に対しリンクを設置し、画像リンクやバナーリンクは、文字通り画像やバナーに対しリンクを設置するものになります。
どちらも、内部リンクとしての役割と効果は同じです。以下で紹介していく内部リンクの最適化が与えるSEO効果や内部リンクの貼り方、コツを確認し、適切な内部リンクを選びましょう。
内部リンクの最適化が与えるSEO効果
続いて、内部リンクの最適化が与えるSEO効果について解説します。
度々、SEO対策に関する記事で、対策キーワードを検索結果画面で上位表示させる施策のひとつとして紹介される「内部リンクの最適化」にはどのような効果があるのでしょうか。
ユーザーの求めている情報が見つけやすくなる
まずSEO対策に良い影響として、「ユーザーの求めている情報が見つけやすくなる」という効果があります。内部リンクを適切に設定できていれば、内部リンクを通してユーザーは求めている情報をさらに深く知ることが可能です。
例えば、検索エンジンでキーワードを入力し、表示されたページを読み進めていく中で、「もっと詳しく知りたい」あるいは「別の内容を知りたい」とユーザーが思ったとします。
その際に記事内で内部リンクが設定されていなかった場合、ユーザーは読んでいた記事を閉じて別のキーワードで検索することが予想されます。一方、記事内で内部リンクが設定してあれば、簡単に次の情報収集ができます。
このように、記事内で内部リンクを適切に設定することで、ユーザーが次の情報を見つけやすくなるだけでなく、ユーザーの離脱を防ぐことも可能です。
自社サイトに訪れてくれたユーザーが、なるべく自社サイトの情報のみで検索行動を完了させることができるようにするためにも、内部リンクは設定しましょう。
しかし、無闇に内部リンクを貼る行為はおすすめしません。人間の心理として、クリックできるもの(ボタンなど)があるとクリックしたくなることや、間違えてクリックしてしまったりする可能性があることが理由です。
あくまでも、コンテンツを作成する際に、ユーザーが「詳細を知りたいであろう情報」や「次に知りたいであろう情報」の部分にのみ、内部リンクを設定しましょう。
クローラーが巡回しやすくなる
2つ目の内部リンクの効果として「検索エンジンのクローラーが巡回しやすくなる」というものがあります。
検索エンジンのクローラーは、ユーザーと同様にコンテンツ内に設置されている内部リンクを頼りに、各コンテンツを巡回し評価しています。そのため、内部リンクの最適化が行われていると、ユーザーが記事を読み進めやすくなるだけでなく、クローラーも記事を巡回しやすくなります。
このクローラーが記事を見つけやすくなることは、インデックスまでの時間が短くなるということです。クローラーが巡回しやすいように内部リンクを最適化することで、記事公開から検索結果画面に表示されるようになるまでの時間が短くなります。
逆に言えば、内部リンクの最適化がされていないサイトの場合、クローラーは新しい記事を見つけることができず、インデックスされるまでに長い時間を要します。
ユーザーのために作成したコンテンツだとしても、そもそも記事の存在に気づかれない状態では、作成した意味がありません。ひとりでも多くのユーザーに読んでもらえるように、まずは記事を見つけやすくさせる内部リンクの最適化を進めましょう。
関連度が高まり評価が上がる
3つ目の内部リンクの効果は、「記事の関連度が高まり評価が上がる」というものがあります。クローラーは、内部リンクが設置されているページ(リンク元)の情報と内部リンクで遷移したページ(リンク先)の情報の関連性も巡回時に見ていると言われています。
また、関連性があるページへの内部リンクは、リンク先記事のSEO効果を高めるとも言われています。それでは、下記3種類の記事を例にみていきましょう。
- 記事A:マーケティング関連の記事
- 記事B:SEO対策関連の記事
- 記事C:SEO対策ツール関連の記事
まず「記事A」と「記事B」の関連性から見ていきます。記事Aはマーケティングについて書かれており、記事BはSEO対策について書かれています。SEOはマーケティング施策の1つとして考えられるため、記事Aと記事Bは情報が関連しているといえます。

そのため、上記のように関連性の強い記事同士が内部リンクでつながっていると、記事Bの評価が高まることになります。
続いて、下記のようなSEOについて書かれている「記事B」とSEO対策ツールについて書かれている「記事C」の内部リンクを見てみましょう。

上記も先程の記事Aから記事Bへの内部リンクと同様に、SEO対策について書かれた記事BとSEO対策のツールについて書かれている記事Cは関連しているといえます。この場合は、記事Cの評価が高まるといえます。
最後は、SEO対策ツールについて書かれている「記事C」からマーケティングについて書かれている「記事A」に対し、内部リンクが貼られている場合を解説します。

この場合、記事同士の直接的な情報の繋がりはあまりないと言えるため、記事同士に関連性はないと判断します。また、記事Aが重要であるとも認識しないため、記事Aの評価が高まることはありません。
このように、関連していると記事同士をつなぐ内部リンクには、リンク先の評価を高める効果があります。新たに作成したページと既存ページの内容に関連性があり、ユーザーにとって重要だと感じた場合は、内部リンクで結ぶようにしましょう。
ユーザーの滞在時間が長くなる
4つ目の内部リンクの効果は、「訪問したユーザーの滞在時間が長くなる」というものがあります。内部リンクが正しく設定されていれば、ユーザーはリンクをクリックして次のコンテンツを読み進めてくれます。
また、内部リンク先の情報が有益であれば、ユーザーはしっかりと内容を読んでくれるため、滞在時間も長くなります。(Googleは滞在時間や直帰率が検索順位に直接的な影響はしないと公言しているものの、オーガニック検索結果のランキングシステムに影響を与えている可能性があると当サイトは考えます。)
実際に内部リンクを最適化しユーザー動向を改善した結果、順位が上昇してアクセス数が増えたサイトがあります。(参照サイトURL:https://moz.com/blog/moz-qa-migration-case-study)
現時点では内部リンクがランキングシステムに直接的な影響を与えないとしても、ユーザーの滞在時間が長くなることにデメリットはありません。今後のアルゴリズムアップデートでユーザーの滞在時間や直帰率がランキングシステムに関与するようになることを見越して、内部リンク対策を進めておきましょう。
以上が内部リンクを最適化することで得られるSEO効果になります。
失敗しない内部リンクの貼り方とコツ
内部リンクの最適化は、SEO対策において重要な施策の1つです。しかし、無闇に内部リンクを設置することや何も考えずに設置することは、マイナス評価に繋がる可能性があります。
ここからは、内部リンクを貼っていく際に抑えておきたい貼り方やコツをご紹介します。
内部リンク先ページの情報が分かるアンカーテキストにする
1つ目は、内部リンクをアンカーテキストにする際はリンク先の情報が分かるような文章にすることです。アンカーテキストとは、内部リンクを設置する際のテキスト部分を指します。
下記に例をあげて考えてみましょう。
- リンクはこちら
- xxに関する紹介をしているページはこちら
上記2つの内部リンクをユーザーが見比べたとき、「リンクはこちら」ではクリック先のページが何にが書いてあるかは分かりません。
一方、「xxに関する紹介をしているページはこちら」という文章に内部リンクが貼られていた場合は、リンク先のページに何が書かれているかがイメージしやすくなります。
また、これはユーザーだけでなくクローラーも同様に、アンカーテキストから内部リンク先の情報を理解します。このようにアンカーテキストは内部リンク先情報が分かりやすい文章にしましょう。
画像やバナーで内部リンクを作る場合はalt属性を設定する
2つ目は、画像やバナーによる内部リンクを設置する際はalt属性を設定することです。(alt属性とは、画像やバナーが表示されない場合に、それらの代わりに表示させるテキストを指します。)
alt属性を設定する理由は、アンカーテキストと同じように、クローラーはalt属性で設定された文字からリンク先の情報を取得しているからです。
画像やバナーなどに内部リンクを貼る際は、alt属性を活用しリンク先の情報を説明しましょう。
URLを正規化する
3つ目は、URLを正規化することです。URLは、作成したページがインターネット上のどこに設置されているかを知らせる住所のような役割があります。そのURLを正規化するというのは、URLの表記が異なるが同じ内容となるコンテンツを1つの記事としてまとめるという意味があります。
例としてよく挙げられるものに、「.html」や「www」の有無、SSL化を実施有無、パラメーターの設置有無などが挙げられます。
- .htmlの有無(https://sample.com/〇〇.html と https://sample.com/〇〇)
- wwwの有無(https://sample.com と https://www.sample.com)
- SSL化の有無(http: と https:)
- パラメーターの有無(https://sample.com/△△?XX=〇〇 と https://sample.com/△△)
上記のような、いずれのURLも同じページが表示される場合は、URLを正規化しなければなりません。
また、GoogleはURL正規化について、canonicalタグ(カノニカル)かサイトマップ、または301リダイレクトを使用するよう促しています。
以上、内部リンクの貼り方やコツをご紹介しました。続いては具体的に内部リンクを設置する場所について解説いたします。
必ず設置したい内部リンクの場所
内部リンクの最適化を進める際に、自社サイト内で必ず設定しておきたい設置場所について解説します。
SEO対策を進めている多くのサイトが実施している内部リンク施策でもあるので、競合サイトに負けないように正しく内部リンクを設置していきましょう。
パンくずリスト

1つ目に、内部リンクの設置でおすすめなのが「パンくずリスト」です。
パンくずリストとは、サイトのページ構造をリスト化し現在位置を表すものです。パンくずリストには、大きく以下3つの種類があります。
- 位置型パンくずリスト(例 トップ > サービス・商品 > 現在のページ)
- 属性型パンくずリスト(例 トップス > ャケット > 黒 > 現在のページ)
- パス型パンくずリスト(例 最初に見たページ > 次に見たページ > 現在のページ)
位置型パンくずリストは、記事と記事の関係性を入れ子構造で表しており、現在主流となっているリストです。位置型パンくずリストの設定はユーザーだけでなく、検索エンジンのどちらにも分かりやすいという点でおすすめとなります。
属性型パンくずリストは、不動産物件サイトや家具家電、洋服などのショッピングサイトでよく用いられるリストです。特徴として、検索フィルターのように使うことが可能で、ユーザーによって表示されるリストが異なります。
パス型パンくずリストは、ユーザーのサイト内閲覧履歴が表示されるリストです。最近では、戻るボタンや検索履歴からページを戻すことが容易になっているため、あまり見かけないリストになります。
最適なパンくずリストはサイトによって異なりますが、不動産やショッピング系のサイトであれば「属性型パンくずリスト」、一般的なサイトは「位置型パンくずリスト」と覚えておきましょう。
グローバルナビゲーション

2つ目におすすすめの内部リンク場所は「グローバルナビゲーション」です。グローバルナビゲーションとは、WEBサイト(ホームページ)の全てのページに共通して表示される案内リンクを指します。
グローバルナビゲーションに表示させる項目は、サイト内の構造や見せ方によって異なりますが、サイト全体のコンテンツ構成がユーザーにわかるように設定します。
企業サイトを例にした場合、「サービス・商品」「経営方針」「会社概要」「採用情報」「お問い合わせ」「アクセス」などの内部リンクを設置していることが多いです。グローバルナビゲーションの項目やデザイン、構成にルールはありませんので、ユーザーがサイトの構成をわかりやすいように設定しましょう。
ただし注意点として、グローバルナビゲーションの項目が多すぎたり、テキストから何に関するページになっているか分かりづらいとユーザーはクリックしません。
グローバルナビゲーションに内部リンクを設定する際は「自社が何を伝えたいか」で考えるのではなく「ユーザーが求めている情報は何か」を前提に設定を進めましょう。
サイドバー

3つ目におすすめの内部リンク場所は「サイドバー」です。サイドバーは、コンテンツの横にある余白を活用した内部リンクになります。
サイトトップページやサービスページなどを除く、多くのコンテンツページでは、主に文章を書くメインカラムと左右の余白に該当するサイドカラムがあります。
このサイドカラムを活用した内部リンクがサイドバーです。サイドバーは、グローバルナビゲーションには入らないものの、サイト内で重要なカテゴリやページ、検索バー、バナーなどを内部リンクとして設置します。
また、ユーザーがコンテンツを読んでいる途中でも表示される部分になるため、設定する項目によっては、ユーザーの利便性を大きく高めることも可能です。
ただし、パソコンでのサイドバーとスマホでのサイドバーには、表示方法が異なるケースが多いため注意が必要です。スマホの場合、表示できる画面幅に制限があるため、サイドバーではなく、ハンバーガーメニューなどを使用します。
ハンバーガーメニューとは三本線で表示されるナビゲーションメニューを指し、クリックすると情報が表示されるものです。

パソコン版のサイドバーとスマホ版のハンバーガーメニューは統一するのではなく、それぞれのデバイスを使っているユーザーに適した内部リンクを項目として設定しましょう。
フッター
4つ目におすすめの内部リンク場所はフッターです。フッターはコンテンツの最下部に表示される全ページ共通の部分を活用した内部リンクになります。フッターには、プライバシーポリシーや利用規約、お問い合わせフォーム、企業情報など、サイトに関する重要な情報を載せているサイトが多くあります。
フッターはサイドバーと異なり、コンテンツを読み終えないと表示されないものになるため、ユーザーの利便性を高める効果はあまりありません。
しかし、記事を読み終えたユーザーにとって「このページの運営会社はどこだろう」や「問い合わせはどこからすればいいのだろう」と思った方の疑問を払拭する際に役立ちます。フッターに設定する内部リンクは、記事を読み終えたユーザーが次にどの記事を読むだろうかを考えて設定しましょう。
HTMLサイトマップ
5つ目におすすめの内部リンク設置は「HTMLサイトマップ」です。
サイトマップには、訪問アクセスしたユーザーにサイト構造を伝える役割があるHTMLファイルと、検索エンジンのクローラーにサイト構造を伝える役割があるXMLファイルの2種類があります。
内部リンクの最適化で活用できるのは、前者のHTMLサイトマップになります。HTMLサイトマップは、サイト内にある全ページのリンクが貼られたリンク集のようなページを指します。
実際、HTMLサイトマップを見て、お目当ての記事を見つけるユーザーはあまり多くないですが、自分たちがサイト内で公開している記事を把握するためにも活用できるページです。
コンテンツ内
6つ目はコンテンツ内に設置する内部リンクです。これまでに紹介したパンくずリストやグローバルナビゲーション、サイドバー、フッターは全ページに共通して表示される内部リンクのため、重要度は高いものになります。
しかし、最もユーザーにとって有益でクリックされる可能性が高いのは、コンテンツ内に設置した適切な内部リンクになります。
コンテンツ内に設置する内部リンクは、ユーザーが読み進めていく上で、行動や情報の分岐が起きる部分に貼ります。つまりは、グローバルナビゲーション設定されている項目以上に、読み手にとって関係性がある内部リンクといえます。
内部リンクの最適化が与えるSEO効果でご紹介したように、ユーザーが詳細を知りたいであろうポイントや行動や考えの分岐がおきるであろうポイント、さらにはコンテンツを読み終えた先に関係するコンテンツへの内部リンクを設置しましょう。
ユーザーのためになる内部リンクを心がけよう
今回はSEO対策のコンテンツ作成を進める上で重要な内部リンクについて解説しました。
内部リンクの最適化ができていれば、訪問したユーザーが求める情報までたどり着きやすくなるだけでなく、ページの滞在時間も長くなります。さらには、クローラーが巡回しやすくなることで、新しいページを見つけやすくなりインデックスされるまでの時間も短くなります。
このように内部リンクを最適化することは、ユーザーだけでなく、クローラーにとっても重要な施策です。内部リンクと同様に、SEO対策の重要な指標として、外部からの評価(被リンク)があります。
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