モバイルファーストインデックス(MFI)とは?

Googleは現在、スマートフォンやタブレットなどで閲覧するモバイルサイトを基準に検索順位を決めており、これを「モバイルファーストインデックス」と呼びます。

パソコン用Webサイトでは、このモバイルファーストインデックスに対応できないため、今では多くのWebサイトが変更を済ませています。

このページでは、なぜモバイルファーストインデックスが生まれたのか、導入された後に影響を受けたWebサイトや対策方法について解説します。

まだモバイルファーストインデックスに対応できていない、または一部のみ対応しているWebサイト運営者の方はぜひ、このページの情報を活用し、完全対応させておきましょう。

モバイルファーストインデックス(MFI)とは

モバイルファーストインデックスとは、検索エンジンが検索順位の評価基準を、パソコンサイトからスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末用サイトに変更したことを指します。

Googleは、2019年7月よりモバイルファーストインデックスを導入しました。

それ以前は、パソコン用ページとモバイル用ページに対する評価が統一されておらず、パソコンで検索した場合とスマホやタブレットで検索した場合に表示される順位がそれぞれ異なっていました。

モバイルファーストインデックスに対応したWebサイトでは、クローラーがモバイルページの情報を収集し、インデックスします。そのため、評価対象がモバイルページになります。

なぜ、Googleはモバイルファーストインデックスの導入を決めたのでしょうか、続いてその理由について解説します。

モバイルファーストインデックスに移行する理由

SEO対策を進める上で、重要な要素となっているモバイルファーストインデックス。

なぜ検索エンジンは、パソコンサイトではなくスマホやタブレットなどのモバイルサイトを評価するようになったのか、その理由について解説します。

モバイルユーザーが増加したため

インターネット検索に使われる端末は、パソコンからスマホやタブレットなどのモバイル端末にシフトし、2010年を境にモバイル端末でインターネットを利用するユーザーが増えたことを総務省が発表しています。

上記データによると、インターネットの利用時間そのものは、大きな変化がないものの、パソコンよりもモバイル端末を使ってインターネットを利用する時間が増え続けています。

Googleは、ユーザーのインターネット閲覧に使う端末がモバイルにシフトしたことに合わせ、モバイル端末でも快適に情報を集められるサイトに変えるべきだと判断し、モバイルファーストインデックスを導入したわけです。

モバイル端末での検索の利便性を改善するため

モバイル端末ユーザーは、パソコン用に作られたWebサイトの場合、そのままだと快適に閲覧できません。デザインやレイアウトがモバイル端末向けになっておらず、文字や画像のサイズが合わないため読みづらかったり、画像幅がズレたりします。

Googleは、ユーザーがモバイル端末でも快適にインターネットを利用できるように2015年4月からWebサイトをモバイル端末で快適に閲覧できるよう「モバイルフレンドリーアップデート」を実施、2021年3月末には強制的に全てのWebサイトを移行すると発表しました。

その結果、モバイルフレンドリーに対応しているWebサイトの多くが、Googleの検索結果で上位表示するようになっています。

モバイルファーストインデックスに合わせ、自社サイトをパソコン用のページだけでなく、モバイル端末用のページを用意し、スマホなどでも見やすく操作しやすいサイトに変えることが、SEO対策においても重要になっています。

モバイルフレンドリーとは何か、別ページで詳しく解説しているのでぜひ、ご参照ください。

Googleがモバイルファーストインデックスを導入した2つの理由をご紹介しました。

では、このモバイルファーストインデックスの導入によって大きな影響を受けたWebサイトにはどのようなものがあったのか、次に解説します

モバイルファーストインデックスの影響を受けるWebサイトとは?

モバイルファーストインデックスにシフトしたことで大きな影響を受けたのは、以下の2つの特徴を持つWebサイトです。

モバイルファーストインデックスの影響が多いWebサイトの特徴
  1. パソコン用ページとモバイル用ページで表示されるコンテンツに差がある
  2. モバイル対応ができていない

1つ目は、パソコン用ページとモバイル用ページでコンテンツに差がある場合です。

パソコンで見る時と、スマホやタブレットを使って見るときに表示されるコンテンツが異なるWebサイトは、モバイルファーストインデックスの影響が大きくなります。

パソコン用とモバイル用でページが大きく異なる最悪の場合、スパム行為に当たるクローキングとみなされ、大きく順位が下がる可能性やペナルティを受ける可能性があります。

2つ目は、モバイル対応ができていないサイトの場合です。

Webサイトがパソコン用のみのページしかなくモバイルの対応ができていない場合も、モバイルファーストインデックスの影響が大きいです。

モバイル非対応のパソコン用ページを、モバイル端末で開くと文字が小さすぎて読めない、画像が大きすぎて画面幅から飛び出すなどの問題が発生し、ユーザーはコンテンツの内容を正しく理解できません。

モバイルファーストインデックスの対応を進めるには、HTMLの知識や、場合によってはphpなどの知識も必要であり、専門的な知識を持つスタッフがいなければ、外部に注文せざるを得ないため、費用が必要なことも少なくありません。

もし、自社サイトがモバイルファーストインデックスに着手していない、または一部のページのみ対応しているなら、急ぎ全体ページをモバイル端末でも見やすいように変更し、自社サイトを正しく評価してもらいましょう。

続いて、自社サイトがモバイルファーストインデックス対応できているか確認する方法をご紹介します。

モバイルファーストインデックスになっているか確認する方法

自社サイトをモバイルファーストインデックスに対応させた後、確認するために役立つ2つのツール(いずれも無料で利用可能)をご紹介します。

1つ目は、モバイルフレンドリーテストを利用する方法。

インターネットに公開したページの場合、そのURLを、まだ公開していないのであればHTMLコードを入力します。

モバイルフレンドリーテストにURLを入力してチェック

それぞれ結果を見て、もし「モバイルフレンドリーではありません」との表記が出たら、問題点も表示されます。ビューポート(画面幅)やテキストサイズ(小さすぎる)、クリック可能な要素の距離(近すぎる)などの問題点を解決しましょう。

2つ目は、Googleサーチコンソールを利用する方法です。 Googleサーチコンソールにログインし、メニューの中からインデックス作成の「ページ」をクリックします。

クローラーがスマートフォンかPCのどちらかを確認する

自社サイトへのメインクローラーが「スマートフォン」と表示されていれば、モバイルファーストインデックスが適用されています。一方、「PC」となっている場合は、まだモバイルファーストインデックスへ移行されていません。

もし、「PC」と表示され、自社サイトがモバイルファーストインデックスに対応できていない場合、どのような対応をすれば良いのか、次にご紹介します。

モバイルファーストインデックスに対応させる3つの方法

自社サイトをモバイルファーストインデックスに対応させるためには、自社サイト内のページをモバイルフレンドリーな状態にする必要があります。

パソコンページをモバイル端末でも見やすいページに切り替える方法を以下3つ、ご紹介します。

レスポンシブウェブデザインを取り入れる

1つ目のモバイルファーストインデックスへの移行方法は、レスポンシブウェブデザインを取り入れることです。

レスポンシブウェブデザインでは、ユーザーが使用する端末の画面幅に合わせて、ページのレイアウトが変わります。 大きなメリットとして、パソコンとモバイルで共通のURLとHTMLを管理できます。

Googleもレスポンシブウェブデザインを推奨しています。

ユーザーのデバイスの種類(パソコン、タブレット、モバイル、非視覚系ブラウザなど)に関係なく、同じ URL で同じ HTML コードを配信しつつ、画面サイズに応じてコンテンツの表示方法を変更します。Google では、実装と維持が最も簡単なデザイン パターンとしてレスポンシブ ウェブ デザインをおすすめしています。

レスポンシブウェブデザインの初期設定には時間を要しますが、モバイルファーストインデックスを進める上でおすすめの対応方法です。

ダイナミックサービングで動的にモバイルファーストインデックスに対応

2つ目は、ダイナミックサービングを利用したモバイルファーストインデックスへの対応方法です。

ダイナミックサービングとは、サーバーサイドでアクセスする端末に合わせてパソコン用またはモバイル用のページを表示させる方法です。

パソコンページのみでWebサイトを運営してきた場合、モバイル端末用の別ページを追加します。

ダイナミックサービングは、レスポンシブウェブデザインでモバイルファーストインデックス対応するよりも個々のページがより早く表示されるメリットがあります。

一方で、サーバーサイドのコントロールにphpなどが必要となるため、専門知識が求められること、それから検索エンジンからのクローラーがパソコン、モバイルそれぞれのページを読み込む必要があるため、クローラビリティが低下するデメリットもあります。

パソコンとモバイルを別個のURLで配信する

3つ目は、パソコンとモバイルでそれぞれ別のURLを用意する方法です。

既存のパソコンページを、モバイル端末で見やすい形にレイアウトし、別ページとして異なるURLで管理します。

レスポンシブウェブデザインで求められる知識が不要で、ページを作成しやすい反面、別々のページとなってしまうため管理には手間がかかります。

また、パソコンとモバイルのどちらのページにも同じ情報を掲載するよう注意しましょう。 更には、別々のURLで内容が同じページを配信するため、alternateタグで端末ごとにページを用意していることを知らせるアノテーションの設定と、canonicalタグを設置してURLの正規化を行わなければなりません。

自社サイト運営のCMSにWordPressを使用している場合、レスポンシブウェブデザインに対応したテーマがいくつか用意されています。Googleも推奨するレスポンシブウェブデザインを取り入れ、自社サイトをモバイルファーストインデックスに対応させましょう。

上記のいずれかの方法で、モバイルファーストインデックスに対応させる場合、注意しなければならない点もあるので、次にご紹介します。

モバイルファーストインデックスに対応させる際の注意点

SEO観点からも、自社サイトをモバイルファーストインデックスへ対応させることは重要ですが、注意しなければならないポイントもあります。

モバイルファーストインデックスに対応させる際、以下の項目に該当している部分がないか、チェックしましょう。

Googleがレンダリングできるようにする

レンダリングとは、Webページに記載されているHTMLやCSS、画像や動画などのデータをユーザーが閲覧できる状態に描画することです。

モバイルファーストインデックスの対応を進める場合も同じように、レンダリングされたページをGoogleからのクローラーが認識できる状態にしておく必要があります。

パソコンとモバイル、それぞれのページを用意する場合に異なるメタタグ(noindexやnofollowなど)を設定していると、レンダリングに失敗してしまうことがあるので、統一させておきましょう。

広告の配信位置を確認する

レスポンシブウェブデザインを採用する場合、ページ内のレイアウトが変更になるため、広告の位置も変わります。

サイドバーに広告を設置している場合、画面下部に配置されたり、ハンバーガーメニュー内に入れられたりします。

ユーザーにクリックしてもらえるよう、レスポンシブウェブデザインのどこに広告が配置されるか、確認をしておきましょう。

画像や動画を確認する

画面幅によってサイズが変わるレスポンシブウェブデザインだと、画像や動画の表示方法もパソコンでの表示とは異なります。

画面幅に合わせて自動で伸縮するのか、それとも幅が維持されてスライドさせなければ全体表示されない状態になっているのか、それ確認しておきましょう。

画像によっては画面幅に合わせて縮小することで、文字が読みにくくなってしまったり、画像の詳細が分かりにくくなることもあります。モバイル端末の場合はパソコン画面用の画像とは別の画像を用意するなど、対応させておきましょう。

構造化データを確認する

パソコンとモバイル、それぞれの端末で別URLを用意する場合、各ページで構造化データのマークアップを行っているか確認しておきましょう。

Googleは、パソコン用ページとモバイル用ページ、それぞれに構造化データのマークアップが行われているか確認するとしています。

漏れがないよう必ずそれぞれのページの構造化データがマークアップされているかチェックしましょう。

まとめ

モバイルファーストインデックスへの対応は、ユーザーがモバイル端末を利用して情報を集める今、非常に重要な対策です。

モバイルファーストインデックスへの対応方法は、レスポンシブウェブデザインを採用したり、パソコンとモバイル用に別々のページを作成したりする方法があります。その中でも、Googleは同じURLとHTMLで管理できるレスポンシブウェブデザインを推奨しています。

ページ情報にズレが出にくく、それぞれのページ管理をしなくて済むレスポンシブウェブデザインはおすすめです。

自社サイト内のページをモバイルフレンドリーな状態にし、モバイルファーストインデックス対応後も検索順位を落とすことなく、最新情報を更新しながらSEO対策を進めましょう。