
オウンドメディアのSEO対策をどのように行えば良いのか?
このページでは、オウンドメディア運営において押さえておくべき基本のSEO対策から、オウンドメディアを使ったWebマーケティングの成功事例、さらには2022年のトレンドを踏まえたSEO対策について解説いたします。
この記事を読み、ぜひオウンドメディアの運営にお役立ていただければ幸いです。
目次
オウンドメディアが注目されている理由
そもそもオウンドメディアとは?
オウンドメディア(Owned Media)とは、その字の通り、企業が保有し、自社で運営するWebサイト(Webメディア)のことを差します。
採用系のオウンドメディアや、自社製品サービスの販売を目的としたオウンドメディアなど、その目的は様々。
オウンドメディアはトリプルメディアと呼ばれる代表的なメディア形式の一つでもあります。自社運営のオウンドメディア(Owned Media)、広告で集客をするペイドメディア(Paid Media)、SNSなどの他社メディアを用いて認知を広げるアーンドメディア(Earned Media)を合わせて、トリプルメディアと呼びます。
オウンドメディアのメリット
多くの企業がオウンドメディアに注目をしていますが、そのメリットや優位性は何なのでしょうか?
オウンドメディアを運営するメリットには、次のようなものが挙げられます。
情報発信が無料のため、費用対効果が高い
まず一つは、オウンドメディアは自社で保有するメディアなので、情報発信にコストがかからないということです。
SEO対策やSNSマーケティングなどの活動しなければアクセスは増えないため、対策の人件費はかかりますが、広告費はかからないのが大きなメリット。
もし月に10万人の集客ができていた場合、その10万人に無料で情報を届けることができるため、非常に費用対効果の高いWebマーケティング手法だと言えます。
コンテンツがWeb上の資産となり、永続的な自社サービスの販促が可能
コンテンツは一度発信してしまえば、あとはずっと残り続けます。そして、SEO対策にも力を入れた評価が高いコンテンツは、検索順位の上位に表示され、自社サービスページへの安定的な集客が可能になります。
この2つは、オウンドメディアを運営する上での大きな優位性だと言えるでしょう。
オウンドメディアのSEO対策~基本の考え方~
次に、オウンドメディア運営におけるSEO対策の基本について見ていきましょう。
ここで紹介するのは、SEO対策を行う上で基本且つ本質的な考え方です。
オウンドメディアを運営していくのであれば、必ず押さえておきましょう。
①ユーザーファーストの質の高い記事を制作する
SEOやコンテンツマーケティングの海外カンファレンスでは、“Content is King.” という言葉が繰り返し使われています。
これは"コンテンツが王様"、つまりはSEO対策で最も重要なのは質の高いコンテンツ(記事)であるという事です。
「質の高いコンテンツって具体的には何?」と思う方もいらっしゃるかと思います。
これについては、Googleがコンテンツを自己評価するための質問を公式ブログで発表しています。以下より一部抜粋します。
・コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供しているか?
・コンテンツは、特定のトピックに対して包括的または完全な説明を十分に提供しているか?
・コンテンツは、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
・コンテンツが他の情報源から得られたものである場合、単なるコピーや書き換えでなく、付加価値とオリジナリティを十分に提供しているか?
・見出しやページタイトルは、内容を説明する有用なものになっているか?
・見出しやページタイトルは、コンテンツを誇張したり、読者に強いショックや不快感を与えたりするものでないか?
・ブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか?
・コンテンツは、雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値があるか?
引用:https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/core-updates.html
つまり、ユーザーファーストの質が高いコンテンツを作成するということです。
オウンドメディアのSEO対策においては、何よりもコンテンツが大切であるということを理解しておきましょう。
②リライトを繰り返し、上位表示を狙う
オウンドメディアを始めたての企業が陥りがちなのが、「記事を執筆・公開して放置してしまう」ことです。
初稿の記事を公開して、そのまま上位表示されるケースは稀です。そのため、記事公開後は検索順位の変動を見ながら必要に応じて、記事のリライトを繰り返す必要があります。
リライトを行う際は、以下の4つを意識してみてください。
- ユーザーが思わずクリックしたくなる魅力的なタイトルになっているか?
- 記事の情報が古くなっていないか?誤りはないか?
- ユーザーが求める情報を網羅しているか?情報に過不足はないか?
- コンテンツ内でユーザーが離脱している箇所はどこか?またその原因は何か?
4に関しては、ヒートマップツールを使ってコンテンツ内でユーザーが「離脱した箇所」や「熟読している箇所」を視覚的に分析しましょう。
ユーザーが離脱する原因は「記事の内容が薄い」「難解で理解できない」「次の遷移先がない」といった原因が考えられるので、記事をリライトしたり関連性の高い内部リンクを設置したりしましょう。
③ツールを活用し、検索順位をモニタリングする
オウンドメディアのSEO対策をする際は、検索順位のモニタリングをしましょう。検索順位は日々変化しますし、大きなアップデートがあった際は急激に変化します。
常にモニタリングをしながら、検索順位が上がらない原因を探りましょう。
④オウンドメディアの運用目的からキーワードを選定する
SEO対策のキーワードを選ぶ時は、オウンドメディアの運用目的から考えることが大切です。
例えば、オウンドメディアの運用目的が「リード獲得」の場合と「認知・ブランディング」の場合とでは、選ぶべきキーワードが異なります。
- SEOとは(月間検索数:22,200回)
- SEOツール(月間検索数:2,400回)
例えば、上の2つのキーワードでは「SEOとは」の方が10倍近くの検索回数なので、「SEOとは」のキーワードで記事を作った方が良いと考えがちです。
しかし、2つのキーワードは全く違うニーズを持ったユーザーが検索していることを忘れてはいけません。
前者は「SEOをこれから始める人で、意味を知りたい人」が検索するキーワード、後者は「SEOにある程度取り組んでいて、SEO対策をより効率的に行いたくてSEOツールを探しているユーザー」が検索するキーワードであることが推測できます。
認知やブランディング目的でオウンドメディアを運営するなら、検索数の多い前者のキーワードは適していますが、SEOツールを提供をしていて、リードを獲得したいのであれば、後者のキーワードが適しています。
オウンドメディアの運用目的と検索ユーザーのニーズが一致するキーワードを選ぶことが、オウンドメディアのSEO対策を行う際には重要です。
キーワード選定について詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
オウンドメディアSEOの内部施策
ここからはオウンドメディアのSEO対策で取り組んでおきたい内部施策についてお話しします。
①クローラーを意識したサイト構造・コンテンツにする
ここまでは、"ユーザーにとって"利便性の高い記事を作成することの重要性や、オウンドメディアのSEO対策で重要となるキーワード選定についてご紹介しました。
ここで、一点注意すべきことがあります。それは、ユーザーがオウンドメディアやコンテンツを見る以前に、ロボットがコンテンツの良し悪しを判断しているということです。
Googleなどの検索エンジンでは、クローラーと呼ばれる、Webサイトの情報を収集するプログラムが動いています。
つまり、このクローラーに認識されなければ、そもそもオウンドメディアに実施したSEO対策の評価はされません。クローラーに認識してもらうには、以下の点に留意する必要があります。
サイト構造をシンプルにする
オウンドメディアのサイト構造をシンプルにすることで、クローラーが全ページを見つけやすくなります。
目安は、オウンドメディアのトップページから3クリックでどのページにも到達できること。階層を深くし過ぎないことはSEO対策の基本ですが、これはオウンドメディアのSEO対策全においても重要なことです。
これを行うことで検索エンジンにより伝わりやすい、且つユーザーから見てもわかりやすいオウンドメディアになります。
SEOタグを最適化する
SEOタグとは、タイトルタグ、メタタグ、hタグの3種類のタグのこと。
クローラーに記事内容を分かりやすく伝えるために、オウンドメディアのトップページはもちろん、各ページに至るまで、正しくタグを使うことは必要不可欠です。
パンくずリストを設置する
パンくずリストとは、現在見ているページの位置を示すリンクを指します。オウンドメディアの立上げには多くの会社がwordpressを用いますが、wordpressのテンプレートにはパンくずリストは標準で搭載されていることが多いです。
- トップページ > カテゴリーページ > 個別記事
パンくずリストは、上記のようなツリー構造をしています。
パンくずリストを設置することで、クローラーがサイトの隅々まで巡回できるようになり、インデックスが最適化されることが期待できます。
また、ユーザーにとっても、どの階層のページを閲覧しているかを把握しやすいため、ユーザービリティの向上にも繋がります。
XMLサイトマップを送信する
XMLサイトマップとは、検索エンジン向けにサイト内のページ構造を詳細に伝えるファイルのことです。
ユーザー向けにサイト内の記事一覧を見せるHTMLサイトマップとは異なるので注意です。
XMLサイトマップを送信するには、Google search consoleにサイトマップ登録をする必要があります。
サイトマップ登録したら、サイトを更新する度にサイトマップ送信しましょう。クローラーをすぐに呼び込めるので、評価のスピードも早くなります。
②スマホの利便性を考える
スマホでの検索利用者の割合が2015年に50%を超えたとされ、2018年にMFI(モバイルファーストインデックス)が導入されました。これによりSEO対策におけるモバイル対策はこれまで以上に重要になってきています。
モバイル対策項目の中でも筆頭なのは、レスポンシブデザイン(デバイスの大きさに合わせて自動で表示を変更するデザインの仕組み)。
レスポンシブデザインはGoogleが公式に推奨しており、また、1つのHTMLコードで対応できることによる効率面から考えても、オウンドメディア運営ではレスポンシブデザインを導入するべきだと言えます。
ここまでオウンドメディアにおける基本のSEO対策について紹介してきました。では、上記のようなSEO対策に取り組んだ結果、どのような効果が得られるのでしょうか。
次はSEO対策の中でも最重要である記事制作に力を入れ、Webマーケティングを成功させた事例を見ていきましょう。
オウンドメディアSEOの成功事例~【ニキビア】の場合~
ここでは、SEO対策に成功した、株式会社ニューアート・ラ・パルレ様(以下ニューアート・ラ・パルレ様)のオウンドメディア『ニキビア』の事例を紹介いたします。
ニキビアは男性ニキビケアに特化したオウンドメディア。ニキビケアのニーズがある男性とWEBでの接触を図るために立ち上げたオウンドメディアです。
ニューアート・ラ・パルレ様が取り組んだのは、対策キーワードの選定と、それに対して質の高いコンテンツを作成すること。40年の事業運営を通じて、ニキビに向き合ってきたノウハウを詰め込み、ニーズの悩みに沿った質の高いコンテンツを制作していった結果、わずか半年で目標流入数の90倍にあたる、300,000セッションを達成しました。
この成功事例を質の高いコンテンツのガイドラインと見比べると、下記のハイライトしたようなキーワードに当てはまるかと思います。
- コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供しているか?
- コンテンツは、特定のトピックに対して包括的または完全な説明を十分に提供しているか?
- コンテンツは、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
- コンテンツが他の情報源から得られたものである場合、単なるコピーや書き換えでなく、付加価値とオリジナリティを十分に提供しているか?
- 見出しやページタイトルは、内容を説明する有用なものになっているか?
- 見出しやページタイトルは、コンテンツを誇張したり、読者に強いショックや不快感を与えたりするものでないか?
- ブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか?
- コンテンツは、雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値があるか?
このように、質の高いコンテンツを制作するという大原則にのっとれば、オウンドメディアのSEO対策はうまくいく可能性が高いのです。
ここまでは、基本のSEO対策を行い、成功に至った事例を紹介しました。
しかし、Googleのアルゴリズムは日々テストやアップデートを繰り返しており、それに伴いランキングも入れ替わります。
そのため、基本のSEO対策以外にも、今後のSEO対策の動向を予測した上で、対策をとる必要があるのです。
では、2021年以降は、上記でお伝えした基本のSEO対策以外に、どのようなSEO対策をしていくべきなのでしょうか。
ここからは、2021年以降のSEO対策のトレンドについて解説し、具体的な対策方法をお伝えしていきます。
2022年以降のSEO対策は?
トレンドから対策方法を解説
2022年以降のトレンド
アメリカの有名なSEO調査会社であるBACKLINKOの発表によると、SEO対策の2022年のトレンドは、以下の8個があるといいます。
- コアウェブバイタル
- Passage Indexing
- 強調スニペットの最適化
- 画像検索の増加
- ドメインオーソリティ2.0
- 動画の最適化
- 検索インサイト
- CTRの減少
2022年のSEO対策では、上記のことが重要視されると予測されています。といっても「具体的にどんなSEO対策をすればいいの?」と思われる方もいますよね。
上記のトレンドを踏まえた、オウンドメディアで実践すべき5つのSEO対策方法お伝えします。
オウンドメディアのUXを改善する
2021年5月、コアウェブバイタルがランキング要素に組み込まれます。コアウェブバイタルとは、UX指標を表わす概念のことで、以下に分類されます。
- LCP(Largest Contentful Paint):ユーザーが認識するページ表示速度を測る指標。
- FID(First Input Delay);ユーザーが最初にページ内でアクション(クリック・タップ・テキスト入力など)した時に、ブラウザが反応するまでにかかった時間。
- CLS(Cumulative Layout Shift):ユーザーが意図しないレイアウトのずれ。
オウンドメディアのコアウェブバイタルでこれらの指標が最適かどうかを判断するには、Googleが公式で提供するツール「PageSpeed Insights」があります。改善点も合わせて示してくれるので、一つずつ改善していきましょう。
被リンク対策は引き続き重要
2021年のSEO対策のトレンドに上げた"ドメインオーソリティ"を上げる対策として、重要になるのが被リンク対策です。
被リンクは、ただ数が多ければいいというわけではありません。今後のSEO対策においては、その質(分野が近しいか、被リンク元のドメインの強さ等)も重要になってきます。
被リンクを得るにはいくつかの方法がありますが、引用されやすいコンテンツとは何か?を考えるのが近道です。
例えば有益なデータを公開する、徹底的に情報を網羅した記事を制作するなども一つの手。
被リンクチェックツールを使い、実際に被リンクされている記事を分析してみるのもよいでしょう。
”誰が発信するか”を明確にする
上記に上げたオーソリティを高めるためには、リンクだけでなく権威性、信頼性、専門知識(E-A-T)も重要な指標です。これは、Googleの公式ガイドライン「General Guidelines(英語サイト)」においても重要であると明記されています。
つまり2022年のSEO対策においては、誰が発信しているのか?信頼できる情報なのか?をより重要視する傾向になると予測されます。
例えば、全く同じ質のコンテンツでも、一般人が書くより、その分野に精通した人が書いた記事の方が、順位が上がりやすくなるということです。
オウンドメディア内でSEOコンテンツを作成する時は、"その分野に精通している人が書いている"ということを示すこと、または専門家に記事を監修してもらうなどの工夫が必須になるでしょう。
動画のSEO対策を行う
この記事をご覧になっている方の中には、"検索結果に動画がでてきた"という経験がある方も多いのではないでしょうか。
近年は動画から情報を得るユーザーが莫大に増えており、それに伴い動画のSEO対策の重要度も増しています。
オウンドメディアのコンテンツ内に動画を埋め込むこと、また動画にはタイトル、説明、タグを使用して、動画の内容をGoogleに知らせることなどの対策を行いましょう。
タイトルやメタ情報を最適化する
BACKLINLOの調査によると、スマートフォンのオーガニック検索のクリック率(CTR)は、2015年から41.4%減少しています。
CTRが減少している要因は、Googleが検索結果にスニペット表示やFAQを表示させるなど、より早くユーザーが課題を解決できるような検索結果に進化しているからだと考えられます。
つまり、SEO対策でオウンドメディアの集客に繋げるためには、タイトルやメタ情報をユーザーにとって魅力的なものにする努力も必要なのです。
まとめ
このページでは、オウンドメディアにおける基本的なSEO対策に関して解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
要点をまとめると、オウンドメディアのSEO対策においては、以下の4点を押さえることが重要です。
- 質の高いコンテンツを制作すること
- キーワード戦略をしっかりと練ること
- クローラーに伝わりやすいサイト構造、記事にすること
- 2022年のSEO対策のトレンドも追うこと
これからオウンドメディアを立ち上げる方、オウンドメディアを既に運用されてい方も、上記で紹介したSEO対策のポイントを押さえたオウンドメディア運営を心がけましょう。
なお、当社ではオウンドメディアのSEO対策を成功させるためのSEOライティングツール「EmmaTools」を提供しています。ご興味があれば是非ご覧ください。
