SEO対策を進める場合、自社の商材と関連性のある一般的なキーワードの対策が重要ですが、それ以上に自社や自社商材の名称への対策も重要です。
検索エンジンでキーワード検索する際に「企業名」や「商品名」などを入力して検索することを、「指名検索」と言います。
2026年現在、指名検索対策は、SEOという枠を超えた“ブランド検索体験の最適化”であると言えます。従来のようにGoogleやYahoo!の検索窓に入力する行為だけでなく、ChatGPT・Gemini・Perplexityといった対話型AIに対して、企業名や商品名をそのまま質問する行動も、実質的には指名検索と同じ意味合いを持つようになっています。
指名検索するユーザーは、自社や商品に対する強い興味関心を持っていたり、高い購買意欲を持っていたりする可能性が高い顕在顧客といえます。
このページでは、指名検索とは何かという基本から、対策するメリットや重要性、指名検索数を増やす具体策をご紹介します。
指名検索は売上に直結するものなので、ベンチャー企業や中小企業の場合は、最優先にSEO対策を進めましょう。
この記事でわかること
指名検索とは
指名検索とは、単なる「検索窓への入力行為」ではなく、あらゆる検索・回答エンジンにおいて、固有名詞を使って情報を求める行動全般を指すものとして捉えられるようになってきています。
指名検索とは、検索エンジンで企業名やサイト名、店名、商品名、サービス名、ブランド名のような、具体的な名称を指名して検索することを指します。
当サイトで言えば、「Emma Magazine」や商品名である「EmmaTools」が指名検索による調べ方になります。
では、指名検索とは対義語にあたる「一般検索」とは何が違うのでしょうか?
一般検索との違い
まず、一般検索とは、ブランド名や商品名などの具体的な名称を検索キーワードに「含まない」検索です。
具体例を挙げると、「seo ツール」や「ライティングツール」は一般キーワードによる検索(一般検索)に該当し、「EmmaTools 評判」や「ライティングツール Emmatools」は指名検索になります。
指名検索は検索キーワードに商品名などが入っていることから、ユーザーは「すでに知っている」ことが分かります。一方で、一般検索は自社を「認識していない」ユーザーだとわかります。
つまり、一般検索の対策が潜在層へのアプローチなのに対し、指名検索の対策は、コンバージョン率(CVR)が高い顕在層へのアプローチであると言えます。
近年では、一般検索の検索結果画面がAIによる要約や比較情報で埋め尽くされるケースが増え、オーガニック検索で上位表示を獲得する難易度は、以前と比べて明らかに高くなっています。そのため2026年現在では、「一般検索でいかに集客するか」以上に、すでに興味関心を持っているユーザーからの指名検索を、いかに確実に獲得し、自社につなげるかが、SEO戦略上ますます重要なテーマになっています。
次に、指名検索がなぜ重要なのか、対策することで得られるメリットについて解説します。
指名検索の重要性と対策するメリット
指名検索は、自社や商品を知っているユーザーが行うものであることをご紹介しました。
では、指名検索のSEO対策を行うと、どのような意味やメリットがあるのか、その重要性について解説します。
コンバージョン率が高く、収益アップにつながる
1つ目のメリットは、コンバージョン率が高く、収益アップにつながることです。
一般検索に比べ、指名検索をするユーザーは、自社や商品を知っているかつ検索していることから、強い興味や関心を持っていると言っても間違いではありません。
すなわち、指名検索から自社サイトを訪れたユーザーに自社のサービスや商品を使うメリットや、問題に対する解決策が伝えられれば、購入や成約につながる可能性が高いです。
指名検索の対策は、コンバージョン率が高い顧客にアプローチできるため、重要な対策といえます。
ただし、指名検索の中には「評判」「口コミ」「解約」「悪い」といった、購入前の不安を解消する目的で行われる検索も含まれます。そのため、指名検索対策とは単に購入導線を強化することではなく、ユーザーが感じやすい疑問や不安に対して、公式としてきちんと説明できる情報を用意しておくことも含めた、ブランド管理の一環として考える必要があります。
指名検索は上位表示しやすく、アクセス数の増加につながる
2つ目のメリットは、上位表示しやすく、アクセス数の増加につながることです。
自社名や取り扱う商品の公式サイトは自社サイトであり、SEO対策をしておくと上位表示されやすいメリットがあります。
指名検索をするユーザーの検索意図は、商材を使いたいといったものであり、競合他社やランキングサイトで自社や自社商材が紹介されていても、最終的に購入するためには自社ページを見ることになります。
商材購入まで辿り着ける自社サイトの方が、ユーザーの検索意図にマッチすることから上位表示されやすいです。
2026年現在では、指名検索であっても検索結果の最上部にAIによる概要(AI Overview / SGE)が表示され、ユーザーがサイトをクリックすることなく情報収集を終えてしまう「ゼロクリック検索」が増えてきています。そのため、指名検索対策では「自社サイトを上位表示させること」だけに注目するのではなく、検索結果画面やAI要約内に表示される情報が、自社にとって正しく、かつポジティブな内容になっているかまでを含めて管理していく視点が欠かせません。
検索アルゴリズムの変動による影響が小さい
3つ目のメリットは、検索アルゴリズムの変動による順位影響が少ないことです。
一般検索で上位表示できたとしても、Google(検索エンジン)のアルゴリズムアップデートが実施されると、急に順位を落とすことは少なくありません。
指名検索はアルゴリズムのアップデートによる影響が少ないです。 ただし、指名検索であってもアルゴリズムアップデートによる影響を受けることもあります。
例えば、ユーザーが自社サイトよりも、他のユーザーが実際に使った体験談などが記載された外部サイトを多く閲覧する場合、自社サイトよりも上位に表示されることがあります。
指名検索では順位変動は比較的少ないですが、「検索結果画面(SERP)の構成」はアルゴリズムの影響を大きく受けます。強調スニペット、ナレッジパネル、動画枠、SNSの表示枠などがどう配置されるかは常に変動するため、順位だけでなく「画面上の占有面積」や「情報の見え方」を意識することが重要です。
指名検索を行うと得られるメリットをご紹介しました。続いて、もし、対策をしないとどのようなことが起こるのか、そのデメリットをご紹介します。
指名検索の対策をしないと起こるデメリット
もし、指名検索の対策を行わないままだと起こりうるデメリットについて解説します。
他社サイトへの流入してしまう
1つ目のデメリットは、指名検索であるにもかかわらず、ユーザーが他社サイトへの流入してしまうことです。
商品によっては、競合他社が運営する比較まとめサイトなどで紹介されるものもあります。指名検索の対策ができておらず、それらの競合他社ページが上位表示していると、コンバージョン率の高いユーザーがそちらに流れてしまいます。
自社名や商品名で検索されたときに、自社サイトが上位表示されるよう指名検索のSEO対策をしっかり行いましょう。
望んでいないページが上位表示されてしまう
2つ目のデメリットは、指名検索で臨んでいないページが上位表示されてしまうことです。
他社サイトが作成するページは、当然ながら自社で管理やコントロールできません。もし、自社や自社商材について、思わしくない紹介をされると、ユーザーに悪い印象を与えてしまいます。
せっかく自社、自社商材を知ってくれているユーザーに、悪印象を与えるリスクを避けるためにも、指名検索の対策を行い、自社ページが上位表示されるようにしておきましょう。
対策を行わない場合、検索エンジンだけでなくAIが生成する回答においても、古い情報や誤った情報(ハルシネーション)が表示されるリスクが高まります。公式から正確な情報を発信し続けることは、AIに正解データを学習させるためにも不可欠です。
次に、指名検索される月間検索数が増えると自社サイトにどのようなSEO効果が得られるのか、解説します。
指名検索数が増えることで得られるSEO効果とは
指名検索を対策するメリット、それから対策をしないと起こりうるデメリットについて解説しましたが、実は、先に紹介したメリット以外にもSEOへ影響を与えるものがあります。
それは、「自社サイトの評価が高まる」ということです。
指名検索の対策を進めていき、指名検索数が増えていくと、Googleからは会社名や商品名、ブランド名に対する信頼性が高まります。
というのも、近年Googleでは、被リンクやコンテンツの質や量だけでなく、商品の口コミや評判、言及されている回数(サイテーション)などを重要視している傾向が大きくなっています。
つまり、指名検索の月間検索ボリュームが増えたり、様々な場所で言及されたりするようになると、そのサイトや商品に対する評価が高まります。
指名検索の対策は、安定したアクセス数の確保や売上アップに効果的な施策であるだけでなく、自社サイト全体の評価にも好影響を与えるものだと覚えておきましょう。
正確に言うと、指名検索数そのものが直接のランキング要因になるわけではありません。しかし、指名検索が増える状態というのは、ユーザーからの認知・信頼・評価が一定水準以上に達しているブランド状態であることを意味します。このような状態は、結果として検索エンジンからも評価されやすく、またWeb上での言及や信頼性の高いメディアでの掲載は、AIが生成する回答の正確性や信頼性を高める役割も果たしています。
それでは、指名検索の月間検索ボリュームを増やす対策方法を次にご紹介します。
指名検索数を増やす9つの対策方法
ここからは、指名検索に使われるワードの検索数を増やすための9つの対策方法をご紹介します。
覚えやすい、読みやすい、ユニークな名前にする
1つ目は、ユーザーが覚えやすく、読みやすいユニークな名前にすることです。
ユーザーが指名検索をする場合、その商材をどこかで見聞きして覚えていることが前提です。
Web広告やSNSで見かけたとき、または友人や家族から聞いたときに印象に残る名前にしておけば、インターネット検索してもらいやすくなります。
指名検索してもらいやすいよう、競合他社の商材と似ていない、覚えやすく読みやすい名前を自社商材につけましょう。
ユニークな名前は、人間にとって覚えやすいだけでなく、AIが特定のエンティティ(実体)として認識する上でも有利に働きます。他社と混同されにくい名称は、AI回答の精度向上にも寄与します。
話題性のあるコンテンツや商品を作る
2つ目は、話題性のある商材を作り、そのコンテンツを作成することです。
ユーザーが指名検索をしたくなる理由の1つが、話題性です。同業他社の商材と大きく違う特徴を持ち、思わず人に知ってもらいたくなるような商材を作りましょう。
また、その商材を紹介するコンテンツは、その特徴を分かりやすく伝える内容にしておきましょう。
指名検索への対策だからこそ質の高いコンテンツを作る
3つ目は、作成するコンテンツの質を高めることです。
自社サイトは、指名検索において、自社や自社商材については何より知識や権威性を持ち、情報発信の元であるため、競合他社に比べると上位表示を狙いやすいです。
ただし、だからといって商材のアピールだけに集中するコンテンツを作成するのではなく、ユーザー視点で役に立つ質の高いコンテンツを作成しなければなりません。
ユーザーはどのような情報を求めているのか、また利用するとどんな悩みや問題が解決できるのかを網羅し、読み終えたユーザーが満足できるコンテンツを作成しましょう。
TwitterやInstagramなどのSNSを運用して情報を発信する
4つ目は、TwitterやInstagramなどのSNSを運用して情報を発信することです。
指名検索を増やすためには、まず自社名や商品名をユーザーに知ってもらわなければなりません。
TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSで画像や動画をアップしつつ、ファンを増やしながら認知してもらえるようにしましょう。
SNSで「いいね!」を増やしたり、商品やサービスを実際に使った体験談を載せてもらえれば、情報が拡散して興味を持ったユーザーが指名検索をしてくれるようになります。
2026年現在では、Twitterは「X」という名称に変更されています。また、Instagramに加えて、TikTok・YouTube Shorts・Instagram Reelsといった縦型ショート動画プラットフォームが、指名検索の大きなきっかけとなるケースが増えています。これらのSNSは、単なる情報拡散の場というよりも、検索を行う前段階でブランドを想起させたり、場合によっては検索行動そのものを代替したりする役割を担うようになっています。
リスティング広告やディスプレイ広告などを配信する
5つ目は、リスティング広告やディスプレイ広告などを配信することです。
Web広告は、ユーザーに視認されやすく、自社の商品やサービスをユーザーに知ってもらうには最適な施策です。
リスティング広告や、リターゲティング・リマーケティング広告、SNS広告など、出稿には予算が必要ではあるものの、SEOと比べ時間をかけず認知度を上げることができ、指名検索するユーザーを増やすことができます。
キャンペーンやイベントを実施する
6つ目は、キャンペーンやイベントを実施することです。
商品やサービスにもよりますが、期間を決めて無料で配布したり、格安価格で販売するなどのキャンペーンを実施し、話題性を作りに行く方法もあります。
また、ターゲットとなるユーザーが参加するイベントに参加し、商品やサービスをアピールできれば、興味を持ったユーザーが指名検索をしてくれる可能性もあります。
共催セミナーを実施する
7つ目は、共催セミナーの実施です
同業他社が一斉に参加する共催セミナーを開催することも、認知を広げる施策になります。
また、仮に自社の商品やサービスがあまり知られていない状態でも、同業他社に有名な商品やサービスがあれば、それに乗じて認知を広げることもできます。
更には、競合他社が参加する共催セミナーでは、顧客に直接、商品やサービスのセールスポイントをアピールできるだけでなく、他社との違いも伝えられます。
少しでも興味関心をもってもらうことができれば、ユーザーは指名検索から問い合わせもしてくれるでしょう。
オフラインやリアルタイムのセミナーだけでなく、その内容をアーカイブ動画としてYouTubeに残したり、文字起こし記事として公開したりすることで、長期的な指名検索の受け皿となります。イベントを一過性のもので終わらせず、検索可能なデジタル資産として残すことが重要です。
プレスリリースを打つことで指名検索数を増やす
8つ目はプレスリリースを打つことです。
自社の商品やサービスに関するプレスリリースを配信することは、ユーザーに指名検索を促すことができる施策の1つです。
プレスリリースを出すと、複数のメディアからのニュースなどにより発信され、ユーザーの目に届くことで指名検索される可能性が高くなります。
プレスリリースの配信代行業者もあるので、作成後に依頼してみましょう。
単にプレスリリースを配信するだけでなく、それがSNSやWebメディアで「二次拡散」されることで初めて大きな指名検索効果が生まれます。メディアに取り上げられやすい切り口や、SNSでシェアしたくなる画像を準備する工夫が求められます。
第三者メディアへ掲載を依頼する
9つ目は、第三者メディアへの掲載依頼です。
第三者メディアとは、口コミサイトや個人SNS、Youtubeなどのアーンドメディアとも呼ばれる、文字通り第三者が運営しているメディアを指します。
実際に使った使用感や評判は、購入意欲に大きな影響を与えます。また、第三者視点で自社商材と競合他社の商材を比較、メリットとデメリットが分かり、ユーザー自身の目的に合っていることを知ってもらえれば指名検索をしてもらえます。
指名検索を増やすには、上記の施策を駆使し、認知力を高め、ユーザーに自社商材への興味を持ってもらいましょう。
特に動画インフルエンサーによるレビューは強力です。テキスト記事だけでなく、動画での実際の使用シーンを見ることで、ユーザーはより具体的な指名検索(例:「商品名 使い方」「商品名 評判」)を行うようになります。
これら9つの対策を進め、指名検索数が増えてきたらWeb広告の1つ、リスティング広告でも対策が必要です。その理由を次にご紹介します。
指名検索に使われるワードでリスティング広告を出す意味
指名検索は、自社または自社商材に関するキーワードだからとリスティング広告を出すまでもない、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、指名検索数を増やす対策を進めると競合他社が対策をし、顧客が流れてしまう可能性が出てきます。
指名検索数を増やし、自社サイトや自社商材ページがオーガニック検索で上位表示されても、その上に他社のリスティング広告が出てしまうと先にそちらをクリックするユーザーが出ます。
自社商材がインターネット上で検索されるようになり、月間検索数が増えてきたらリスティング広告のキーワードに指名検索ワードを入れるようにしましょう。
ユーザーが自社や自社商材名で検索をかけた際、上位表示されるのが自社サイトまたは自社ページになり、クリック率を高められます。
まとめ
SEO対策を進め、各種キーワードでアクセス数を増やすのも重要です。
しかし、指名検索で自社サイトが上位表示されていなければ、購入意欲を持った顕在顧客を逃してしまい、本来得られるはずの収益を落としてしまいます。
指名検索は、自社に関することなので専門性や権威性、信頼性はどこよりも強く、上位表示しやすいです。また、指名検索でのアクセスは、コンバージョン率が高いため、対策を行っていないのであれば、すぐにでも着手しましょう。
自社や自社商材の月間検索数を増やすことができれば、検索エンジンからの信頼を得やすくなります。このページで紹介した9つの対策を進め、指名検索数を増やしましょう。
指名検索の検索ボリュームが増えてきたら、リスティング広告に指名検索で使われる自社名や商材名を加えておくことも重要です。
自社の商品やサービスに興味を持ってくれたユーザーを、みすみす競合他社やランキングサイトに流してしまわないよう、指名検索されたら自社サイト内のページが上位表示されるよう整えておきましょう。
指名検索で上位表示させるためにも、以下のページをご覧いただき、SEO対策を十分に進めておきましょう。
2026年現在、指名検索対策は「自社サイトを1位に表示させるSEO施策」だけを指すものではありません。検索エンジンや対話型AI、SNSなど、ユーザーが情報を得るあらゆる接点において、自社や自社商材がどのように理解され、どのように要約され、どのような印象で伝わっているかまでを含めて設計していく必要があります。指名検索対策とは、検索順位の最適化であると同時に、ブランド検索体験そのものをマネジメントする取り組みであると言えるでしょう。

