SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で、日本語で「検索エンジン最適化」を意味します。
よりわかりやすくお伝えすると、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに対し、適切な状態のWEBサイトを作り、検索結果でWEBサイトを上位表示させ、アクセス数やコンバージョン数を増やす取り組みがSEOです。
また、コンテンツ作成やHTMLタグの適切な使用、内部リンクの最適化、被リンクの獲得など、検索エンジンの最適化に向けた施策や対策をSEO対策といいます。
このページでは、SEOの意味や基本情報だけでなく、SEO対策の違いや検索エンジンの仕組み、具体的な対策方法を詳細に解説します。
SEOの基本や対策方法を押え、自社サイトへのアクセスやコンバージョンを高めましょう。
この記事でわかること
SEOとは?
SEOとは、検索エンジンの最適化を意味し、Search Engine Optimizationの頭文字をとった言葉になります。
具体的には、GoogleやYahoo!、Bingなどの検索エンジンで、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に表示される検索結果で、自社のWEBサイトを上位に表示させる取り組みを指します。
また、検索結果で自社サイトを上位表示させるための「コンテンツの作成」や「内部リンクの最適化」、「被リンクの獲得」などの施策や対策をSEO対策といいます。
検索エンジン最適化を意味するSEOと、検索結果で自社のWEBサイトを上位表示させるための対策を指すSEO対策は、どちらもWEBサイトを上位表示させ、アクセス数やコンバージョン数、売上を増やすことが目的です。そのため、どちらもほぼ同じ意味だと覚えておきましょう。
SEOでは、検索エンジンの仕組みやアルゴリズムなど、検索エンジンにとって最適な状態を理解し、WEBサイトを訪れるユーザーの検索意図に適したコンテンツやサイトを継続的に作成および改善することが求められます。
SEO対策を行う4つのメリット
最近では、SEO対策を進める企業や個人が増加しているため、SEOのメリットを既に知っている方も多いかと思いますが、再確認としてご紹介していきます。
まずは、SEO対策を行う4つのメリットを確認していきましょう。
顕在顧客と潜在顧客を効率的に集客できる
SEO対策を行う1つ目のメリットは、顕在顧客と潜在顧客を効率よく集客できることです。
SEO対策を行うことで、WEBサイトが検索エンジンにより高く評価され、検索結果の上位に表示されるようになり、顕在顧客と潜在顧客の目に触れる機会が増え、効率的な集客が可能となります。しかし、これは単に集客できるだけでなく、より質の高い集客が可能となるものです。
例えば、自社や自社商品と関係性の強いキーワードで上位表示できた場合、検索するユーザーの関心やニーズが高くなっているといえるため、購入意欲が高い顕在顧客の獲得ができたといえます。
また、SEO対策を通じて、自社サイトへのアクセスが増えることは、自社のブランドや商品を知ってもらう機会が増えるため、これまで自社の存在を知らなかった潜在顧客にアプローチできるともいえます。
このように、顕在顧客だけでなく、未来の顧客となる潜在顧客へもアプローチできることは、SEO対策を行うメリットの1つといえます。
広告宣伝費がかからず、費用対効果が高い
SEO対策の2つ目のメリットは、費用対効果が高いことです。
インターネットを利用した集客には、リスティング広告やSNS広告などのWeb広告があります。
例えば、検索エンジンのリスティング広告では、自然検索よりも上部に表示されたり、SNS広告ではユーザーの目につきやすい投稿の合間に表示されたりと、時間をかけずにユーザーの目につきやすい位置に、自社の宣伝を掲載可能です。
しかし、いずれのWEB広告も、広告の掲載には費用が必要となります。また、WEB広告は、広告費用を支払い続けなければ表示されなくなるため、ある程度のまとまった予算が継続的に必要となります。
一方、SEO対策は、広告宣伝費をかけずに、自社サイトを検索エンジンの上位に表示させることが可能です。
SEO対策を行い、自社サイトを上位表示させるのは容易ではありませんが、インターネット上にサイトやページを公開することに費用はかかりません。また、一度サイトが検索結果で上位表示されてしまえば、WEB広告のように広告費用をかけずとも長期的に上位表示される傾向があります。
つまり、一時的に広告費用が必要なWEB広告と比較して、SEO対策は圧倒的なコストパフォーマンスを誇るといえます。
WEBサイトが資産になる
3つ目のメリットは、WEBサイトが資産になることです。
SEO対策が功を奏し、上位表示させることができれば、WEBサイトは単なる情報発信ツールから、ビジネスの成長を牽引する貴重な資産へと変わります。
というのも、SEO対策によって自社サイトの認知度と自然な流入数が向上することは、アクセスの安定を意味し、収益の安定につながるからです。
また、検索結果で上位に表示され、頻繁にユーザーの目に留まることは、潜在的な顧客からの信頼を得やすくなるともいえます。新たなサービスや商品を提供する際に、無名のよく知らない企業よりも、よく知られている企業の方が安心するという理由から、新たな収益確保にもなります。
他にも、ユーザーが求める情報を提供することで、ユーザー体験が向上し、リピート訪問の可能性も高まります。
このように、WEBサイトそのものが安定した認知と収益をもたらすため、企業にとって資産になるといっても過言ではありません。
ブランディング効果がある
SEO対策を行う4つ目のメリットは、ブランディングにつながることです。
SEO対策は、単にWEBサイトを検索エンジンの上位に表示させることだけでなく、企業のブランド価値を高める役割も果たします。
例えば、自社の商品に関係するキーワードで、検索エンジンの上位に表示されることは、ユーザーに対する認知度や信頼性が向上するため、ブランディングにつながります。
また、ユーザーからの信頼を得ることができれば、ユーザーは自然とそのブランドの製品やサービスを選ぶようになります。他にも、検索エンジン上での露出が増えることは、検索エンジンからも信頼されているという印象をユーザーに与えるため、ブランドの信頼性を高める効果もあります。
このように、結果的に商品の購入に繋がらなかったとしても、多くのユーザーがWEBサイトを訪れたり、見たりする機会がふえることは、自社のブランディングになるといえるのです。
SEO対策における注意点
SEOは費用対効果が高く、潜在層と顕在層の両方にアプローチできることから、スタートアップの企業で取り組まれることが多い対策です。しかし、注意点も理解しておく必要もあります。
ここからは、SEO対策を取り組む際に押さえておきたい4つのデメリットを確認していきましょう。
SEO対策の効果が出るまでに時間がかかることが多い
1つ目の注意点は、SEO対策に取り組み始めてから成果につながるまで、時間がかかることです。
SEO対策は、新たに行った対策が検索エンジンに認識され、その結果が検索順位に反映されるまでには数週間から数ヶ月、場合によっては半年以上もの時間が必要となることがあります。
これは、検索エンジンの仕組みで解説したGoogleやYahoo!などの検索エンジンが、WEBサイト全体をクローリングし、インデックスの登録、その後のサイト評価というサイクルに時間がかかるためです。
そのため、SEO対策は一度実施して終わりではなく、継続的に取り組む必要があり中長期的な視点で成果を待つ必要があります。
SEO対策は、短期的な成果には向いていない施策となりますが、一度、上位に表示されるようになれば、安定した集客が可能になるため、根気強くSEOを進めましょう。
検索エンジンのコアアルゴリズムアップデートが順位に影響する場合がある
2つ目の注意点は、Googleが不定期に実施するコアアルゴリズムアップデートの影響がSEOに大きな影響をもたらすことです。
Googleなどの検索エンジンは、より良い検索結果を提供するために、頻繁に検索エンジンのアルゴリズムを更新しています。また、年に数回ほど、コアアルゴリズムのアップデートを実施しています。
そのため、SEO対策を施したWEBサイトの順位が一夜にして大きく変動する可能性があるのです。
しかも、検索エンジンのアルゴリズムは、詳細が公開されていないだけでなく、いつコアアルゴリズムをアップデートするかが決まっていたいため、アップデートによる影響は不可避と言えます。
これはSEO対策を行う上でのリスクであり、デメリットともいえます。コアアルゴリズムアップデートの影響を最小限に抑えるためには、常にユーザーへ価値あるコンテンツを提供し、ユーザーの満足度を最優先に考えることが大切です。
業界によってSEO対策の難易度が異なる
3つ目の注意点は、業界によってSEO対策の難易度が大きく異なることです。
SEO対策に注力している競合他社が多い業界や情報に信頼性や権威性が求められる業界では、上位表示を目指すことは困難であり相応の時間と労力を必要とします。
具体的には、人材やマーケティングに関する業界はSEO対策のレベルが高く、医療や金融、保険や投資、不動産といった業界では、発信するサイトや情報の信頼性や専門性が重視されるため、上位表示が難しいです。
一方、ニッチな業界では、競争他社が少ないため上位表示しやすくなります。しかし、その分、検索するユーザーが少ないため、努力に見合うだけの成果が得られない可能性もあります。
これらの点を考慮すると、SEO対策は必ずしも全てのビジネスにとって最適なマーケティング手段とは言えない場合があります。
お金や時間などのコストがかかる
4つ目のSEO対策における注意点は、お金や時間などのコストがかかることです。
SEO対策を行うためには、まず検索エンジンのアルゴリズムを理解し、それに基づいてWEBサイトを最適化する必要があります。
そのため、専門的な知識と経験が必要不可欠であり、それらを習得するには時間と労力が必要です。また、SEOは一度対策して終わりではなく、検索エンジンのアルゴリズムの変更や競合他社の動向に対応するため、常に更新と改善を重ねる必要があります。
しかも、仮にSEO対策の経験と知識を有している方だとしても、コンテンツの作成や執筆には、それなりの時間がかかります。
そのため、社内でSEO対策を進める場合には、担当する人員の確保だけでなく、継続的なSEO対策とコンテンツ作成を行うための時間確保が必要です。
一方、サイトの分析やコンテンツの作成など、SEO対策の時間が社内で取れない場合は、記事制作会社やSEOのコンサル会社などの外部へ依頼することも可能ですが、それなりの費用が必要です。加えて、コンテンツの作成は、一度作成し公開したら終わりではなく、継続的なコンテンツの公開と、定期的なリライトが必要となるため、コストも膨らみます。
したがって、SEO対策は高いリターンをもたらす可能性がありますが、それには相応の時間とお金の投資が必要となるのです。
SEO対策を始める前に知っておくべき検索エンジンの仕組み
SEO対策を始める前に、検索エンジンの仕組みを理解しておくことが重要です。
検索エンジンはインターネット上にある情報の中から、ユーザーが入力した検索クエリ(キーワード)に対し、最も関連性の高い情報を提供するために、「クロール(クローリング)」「インデックス登録(インデクシング)」「順位付け(ランキング)」を行っています。
クロール(クローリング)
クロール(クローリング)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンがインターネット上の情報を収集する1つ目のプロセスです。
具体的には、検索エンジンのクローラー(ロボット)を、インターネット上に巡回させ、各WEBサイトを訪問し、そのページの内容を解析します。
このクロールでは、各ページのHTMLソースコードから、ページのタイトルや内容、画像などの情報を把握しています。また、クロールの際にページ内のリンクを辿り、リンク先やWEBサイト全体を巡回します。
ただし、クローラーはすべてのWEBサイトとページを平等にクローリングするわけではありません。
というのも、検索エンジンは、WEBサイトごとにクロールバジェット(クロールできる上限)を決めているため、立ち上げたばかりのようなサイトの場合は、クロールバジェットが少なく、逆に検索エンジンから既に高く評価されており、アクセスが多いWEBサイトはクロールバジェットが多くなります。
そのため、WEBサイトによっては、新しく公開したページがクローリングされない場合があります。
このクローラーが定期的に自社サイトに訪れ、ページの内容を正確に把握してもらうことが、SEO対策を進めるうえで重要なポイントの1つとなると覚えておきましょう。
詳しくは『クローラーとは?種類や検索エンジンの仕組み、効果的なSEO対策を紹介』で解説していますので、ご一読ください。
インデックス登録(インデクシング)
検索エンジンが検索結果を表示させるための2つ目のプロセスが、インデックス登録(インデクシング)です。
インデックス登録とは、クローラーが収集した各WEBページの情報を整理し、データベースに登録する作業を指します。このインデックス登録があることで、検索エンジンでユーザーが何かを検索した際に、その検索クエリに最も適したページを検索結果に表示させることを可能にしています。
ここでのポイントは「インデックス登録されているページの中」から検索されたキーワードに適したページを表示させているという点です。
検索エンジンの検索結果には、インデックス登録されたWEBページのみが表示されます。これは逆に、インデックス登録されていないページは、検索結果に表示されることはありません。
そのため、検索エンジンがページをクローリングしやすい構造にすることも重要ですが、ページの内容を正確に解析しインデックス登録できるようにすることが重要です。
SEO対策では、検索エンジンにインデックスしてもらわなければ、どんなに素晴らしWEBサイトやページでも検索結果には表示されないことを覚えておきましょう。
アルゴリズムによる検索順位付け(ランキング)
検索エンジンが検索結果を表示する最後のプロセスがアルゴリズムによる検索順位付け(ランキング)です。
検索エンジンは、ユーザーが入力した検索クエリに対して最も関連性が高く、有益な情報を提供するWEBページを提示するため、数百もの項目を評価する計算式(アルゴリズム)を使い、ページを評価し順位を決定しています。また、この順位付けは、先ほどまでに紹介したインデックス登録されているページの中から行われます。
この順位を決めるアルゴリズムには、「コンテンツの品質」や「WEBサイトの構造」、「被リンク」、「ユーザーの動向」など様々なポイントを評価し、順位を決めているといわれています。(※アルゴリズムの詳細は公開されていません)
しかし、検索順位を決めるアルゴリズムの評価指標は、定期的に実施される検索エンジンのアップデートに合わせて変化するため、アップデートの傾向や上位表示しているWEBサイトの特徴、検索エンジンが提供するガイドライン等の内容を読み解く必要があります。
SEO対策の基礎となるGoogleの考え方を知ろう
検索エンジンに評価されるWebサイトを作り続けるSEO対策を始めようと思っている場合は、検索エンジンがどのような考え方を元に運営されているかを知っておくとアドバンテージになります。
ここからは、検索エンジンのシェア率No1のGoogleの、考え方をいくつか紹介していきます。
Googleが掲げる10の真実
Googleは「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」を使命に、検索エンジンの提供と改善を繰り返しています。
また、運営方針として、以下の「Googleの掲げる10の真実」を公開しています。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
上記のそれぞれを意識しておくと、コアアルゴリズムアップデートが来ても、大きなマイナスの影響を受けることはありません。
というのも、例えば1番の「ユーザーのに焦点を絞れば」という点は、ユーザーにとって有益なことを発信しているサイトを評価するということや、2番の「1つのことを極める」という点は、専門性が高いサイトを評価するということに繋がっています。
他にも、4番の「民主主義」は被リンクの重要性、5番の「パソコンの前だけではない」はスマホや地図などでの検索ユーザーを意識すること、10番の「すばらしいでは足りない」は常に利便性を追求しているためSEO対策も継続が必要と、解釈することも可能です。(ここはあくまでの当サイトの解釈ですので、正解や不正解はありません)
このように、Googleが何を大切にしているのか、どのように考えているのかを把握することは、Webサイトを運営し、SEO対策を行う際に役立ちます。
Googleが設立され、数年後に発表されたこの「Gooigleの掲げる10の真実」は、現在も運営方針として掲げらているため、覚えておきましょう。
検索品質評価ガイドラインの確認
Googleはその他にも、「検索品質評価ガイドライン」というものを設けています。
これは、Googleの外部でWebサイトを評価するスタッフに作成されたガイドラインであり、彼らが特定のWebサイトを閲覧し、内容を評価する際の基準となる項目が記載されています。なので、いわば「検索品質評価ガイドライン」は、検索エンジンのアルゴリズムを言語化したものです。
検索品質評価ガイドラインには、ユーザーが求める情報とWEBページの情報が一致することやコンテンツの品質、Webサイト全体の使いやすさなど、GoogleがWebサイトに求める基準が記載されています。
ただし、具体的に「こうする」という指示があるわけではなく、あくまでも抽象的に「これのほうがより良い」程度の書き方になっていることや、英文のみで作成されていることに留意が必要です。
続いて、この「検索品質評価ガイドライン」にも記載されているSEO対策で重要なポイントについて解説します。
SEO対策を進める上で押さえておくべき3つのポイント
SEO対策を進める上で押さえるべきポイントを3つ紹介していきます。
この3つのポイントは、先に紹介した「検索品質評価ガイドライン」で記載されているものから、ユーザーがWebサイトを訪れた際の経験の質を測る新しい基準まであります。
YMYL(Your Money or Your Life)
1つ目は、Your Money or Your Lifeの頭文字をとった「YMYL」です。
YMYL(Your Money or Your Life)は、Googleが特に重視するポイントの一つで、ユーザーのお金や生活(人生)に大きな影響を及ぼす可能性のある情報を指します。
具体的には、「金融」「健康」「ニュース/時事問題」「ショッピング」「人権や宗教」「大学進学や就職健康」に該当し専門的な知識を必要とする情報や、個人的な情報を開示することを求めるサイトに対するガイドラインです。
Googleは、YMYLに関する情報に誤りがある場合、ユーザーへ深刻な影響を及ぼす可能性があると考え、その情報の信頼性や専門性を非常に重視するようになりました。
そのため、YMYLに該当するWebサイトを運営する際には、その情報が正確であり、かつその分野の専門家によって確認されていることが求められます。
逆に、YMYLに関するジャンルで、専門家でもない人がインターネットで集めた根拠のない情報や、あるいは信頼性や専門性が低い場合、検索順位が大幅に下がる可能性があります。
このように、Googleは検索品質評価ガイドラインの中で、YMYLに関連するコンテンツでは、特に質の高いコンテンツを求めています。
もっと詳しくYMYLについて知りたい方は、『YMYLとは?対象となるジャンルやSEOの対策方法を解説』で解説しているので、ぜひ、ご一読ください。
E-E-A-T(E-A-T)
2つ目はE-E-A-T(E-A-T)です。
E-E-A-Tは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)および信頼性(Trust、旧Trustworthiness)の英語の頭文字から作られたE-A-Tに、Experience(経験)が加えられてできた言葉を指します。(ダブルE-A-Tとも呼ばれています。)
元々は、「何も知らない誰かがインターネットで集めた情報ではなく、専門知識を持った人が情報を掲載する(Expertise)」や「コンテンツ内で紹介する情報のジャンルにおいて、権威ある人や組織が執筆または監修する(Authoritativeness)」、「掲載している情報が確かなものであることをデータに基づいて証明する(Trust)」を、WEBサイトの評価基準とするE-A-Tという考えがありました。
しかし、2022年12月以降では、そのE-A-Tに「体験談や商品に対する口コミは、必ず実際にそれらを体験した上で情報を掲載する(Experience)」が加わった、E-E-A-TがWEBサイトに求められるようになりました。
現在、E-E-A-Tは先にご紹介したYMYLに該当しないサイトでも、サイトの評価に関与する指標となっているため、SEO対策を進める上で押さえておくべきポイントとなっています。
加えて、検索品質評価ガイドラインでも、E-E-A-Tが整ったWebサイトを高く評価することと、特にTrust(信頼性)を重要視することを明言していることを覚えておきましょう。
『E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOにおける重要性と対策方法を解説【2024年最新版】』で、より詳しくE-E-A-Tについて解説をしているので、ご参照ください。
コアウェブバイタル
3つ目は、WebサイトのUX(ユーザーエクスペリエンス)に影響を与えるコアウェブバイタルです。
コアウェブバイタルとは、Googleが提唱するWEBサイトのパフォーマンスを測定する指標を指します。
具体的には、LCP(Largest Contentful Paint)といわれる「最大コンテンツの読み込み速度」や、FID(First Input Delay)といわれる「ページ読み込みの応答性」、CLS(Cumulative Layout Shift)といわれる「ページの視覚的な安定性」の3つの指標から成り立っています。
このコアウェブバイタルは、元々はサイトのパフォーマンスを確認する際にしか利用されていませんでしたが、2021年6月にGoogleが実施したページエクスペリエンスアップデートで、検索順位の評価に組み込まれたため、その重要性が上がりました。
コアウェブバイタルは、WEBページのパフォーマンスとユーザー体験を向上させるための重要な要素となるため、SEOの対策で必須な指標だと覚えておきましょう。
そんなコアウェブバイタルについてもっと詳しく知りたいなら、『コアウェブバイタル(CoreWebVitals)とは?LCP・FID・CLSの3つ指標と改善方法』をご一読ください。
SEOの基本となる4つの対策
ここまで、SEO対策を始める前に知っておくべき情報を詳しく解説しました。
いよいよ、ここからは、SEO対策の具体的な施策をご紹介していきます。SEO対策の軸となる4つの施策を、それぞれの相関関係と一緒に解説します。
内部対策
1つ目は、内部対策です。
内部対策とは、自社サイト内で行うSEOの対策全般を指し、オンページSEOや内部施策とも言われています。
具体的には、検索エンジンのクローラーがクローリングしやすい環境を作ることや、サイト内の情報を正しくインデックスされるようHTMLタグを最適化すること、コンテンツの作成や更新が内部対策に該当します。
SEO対策の多くは、この内部対策に該当する施策をこなしていくことであり、実行量が成果に結びつきます。
本ページ内でも内部対策における具体的な対策は紹介しますが、内部対策に絞った概要や詳しい情報を確認したい方は、『SEOにおける内部対策とは?目的や絶対にやるべき施策19選をご紹介』をご覧ください。
外部対策
2つ目は、外部対策です。
外部対策は、内部対策とは逆で、自社サイト以外で行うSEO対策を指し、オフページSEOや外部施策とも言われています。
具体的には、外部サイトから自社サイトのリンクを獲得する被リンクの獲得や、外部サイトに自社商品やサービスなどの情報を掲載、言及してもらうサイテーションの獲得が該当します。
外部対策は、自社以外のサイトに協力してもらう必要があるため、コントロールはできませんが、SEO対策では重要な対策です、
内部対策と同様に、外部対策に絞った概要や詳しい情報を確認したい方は、『SEOにおける外部対策とは?内部対策との違いや目的、被リンクの獲得方法について』をご一読ください。
コンテンツSEO
3つ目は、コンテンツSEOです。
コンテンツSEOとは、コンテンツ全般に関するSEO対策を指し、商品やサービスに関連するキーワードに対し、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを作成または改善することになります。
具体的には、対策キーワードの選定や、タイトルや見出しの策定、コンテンツの構成作成(ディレクション)、記事の執筆(ライティング)がコンテンツSEOに該当します。
一般的に「SEO対策」というと、このコンテンツSEOに関する施策を回すことが多くなっているため、SEOの基本といっても過言ではありません。
『コンテンツSEOとは?メリットや実施手順をわかりやすく解説!』にて、さらに詳しい情報をご覧いただけます。
テクニカルSEO
4つ目は、テクニカルSEOです。
テクニカルSEOとは、検索エンジンに向けてWebサイトを最適な状態にしていく対策全般を指し、サイト内の情報を正しく読み取ってもらう「クローラーに対する施策」や、サイトを正しく評価してもらう「インデックスに向けた施策」の2つに分けられます。
具体的には、内部リンクの設置やリダイレクトの設定、URLの正規化、metaタグの設置、構造化マークアップデータの追加などがテクニカルSEOに該当します。
テクニカルSEOは、一度最適な状態にしてしまえば繰り返し実施する必要がないため、コンテンツSEOとは異なりますが、SEOとWebサイトの両方の知識が必要な施策のため、着手する難易度は高い傾向があります。
テクニカルSEOについては『テクニカルSEOとは?コンテンツSEOとの違いと11種の施策を解説』でも詳しく紹介しておりますので、ご一読ください。
コンテンツの作成と改善
ここまでで、SEO対策を大きく4つに分けた際の概要をご紹介しました。
ここからは、それぞれの具体的な施策について解説していきます。まずは、内部対策とコンテンツSEOに該当する「コンテンツの作成と改善」について、確認していきましょう。
対策キーワードを決める
1つ目のコンテンツSEOのポイントは、対策キーワードを決めることです。
対策キーワードとは、自社サイトが検索エンジンで上位表示されることを目指すキーワードのことを指し、対策キーワードを決めることを「キーワード選定」といいます。
キーワード選定では、ユーザーがどのようなキーワードで検索するのかを理解することから始まります。
例えば、当サービスであるEmmaToolsであれば「AI ライティング ツール」や「SEO ライティング」、「SEO 対策」などのキーワードが候補となります。
ここでは、ユーザーのニーズに対応したキーワードを選ぶことで、検索エンジンから質の高いトラフィックを獲得することが可能です。
キーワードは「SEO」や「SEO対策」などの単一の単語だけでなく、「SEO 初心者」や「SEOとはなにか、わかりやすく」のようなフレーズや質問形式も考慮しましょう。
さらに、対策キーワードを選ぶ際には、競合他社がどのようなキーワードを使用しているかも確認することが重要です。競合他社が高くランクインしているキーワードを知ることで、自社のキーワード戦略を見直すことが可能となります。
対策キーワードの調査方法や選び方については『SEOにおけるキーワードの重要性や種類、選び方や入れる際の注意点など』がお役に立ちますのでぜひ、ご覧ください。
構成(ディレクション)を作成する
2つ目は、コンテンツの構成を決める構成(ディレクション)の作成です。
構成の作成では、対策するキーワードに対し、どのようなタイトル、見出しで、どのような内容を掲載するのかを決める作業を行います。
具体的には、ユーザーがどんな情報を求めているのかや、競合他社がどのような情報を発信しているのかを調査し、ユーザーの検索意図を把握。その後、それらを元にユーザーのニーズを満たせる構成を作成します。
この作業を怠ると、ユーザーの検索意図を無視した独りよがりな記事になりやすく、上位表示できない可能性が高くなるので注意が必要です。
コンテンツSEOを進める際に、キーワード選定が完了したからと、すぐに執筆作業に入るのではなく、上位表示サイトを確認したうえで、構成を作成しましょう。
独自性や一次情報を含めたコンテンツを作成する
3つ目は、独自性や一次情報を含めたコンテンツの作成です。
ここまでに紹介した、対策キーワードの選定や構成の作成は、あくまで準備になります。また、コンテンツを作成する際に、ユーザーが求める情報を正確に把握し、ニーズを満たす形でコンテンツを書くことはSEOの基本となります。
そのため、実際にコンテンツを作成する際には、独自の調査レポートやアンケート結果などの独自情報や、実体験に基づくレビューや体験談などの一次情報をコンテンツ内に入れることが重要です。
E-E-A-Tの詳細でもお伝えしましたが、経験(Experience)はGoogleのガイドラインでも重要な指標となっています。独自情報や一次情報を含めたコンテンツの作成は、競合他社サイトと差別化でき、ユーザーに提供する価値を高めることが可能となると覚えておきましょう。
コンテンツの作成方法については『SEOライティングとは?基礎知識や意識すべき8つのポイント』にて詳しく解説しています。
対策キーワードや関連キーワードを適度に使用する
4つ目は、コンテンツ内で適度に対策キーワードや関連キーワードを使用することです。
SEO対策において、コンテンツ内に対策キーワードや関連キーワードを適度に使用することは、周知の事実かもしれませんが、検索エンジンがコンテンツを適切に評価し、上位表示させるためには必要な施策となります。
まず対策キーワードは、上位表示を目指すキーワードであり、検索エンジンからの評価を高めるために重要な要素となります。一方、関連キーワードは、対策キーワードに関連する単語やフレーズのことを指し、これを使用することでコンテンツの質や情報の網羅性を高めることができます。
対策キーワードや関連キーワードを、タイトルや見出し、本文などに適度に配置することで、検索エンジンからの評価が高まります。
しかし、単にキーワードを詰め込むのではなく、「適度な頻度」で使用することが求められます。また、適度な頻度とは、過度に繰り返すのを避け、一方でキーワードが全体の文脈に自然に溶け込むことを意味します。
これは、Googleなどの検索エンジンが過度なキーワードの使用をスパム行為と見なし、ペナルティを与える可能性があるからです。
ユーザーが求めている情報を提供することが最優先になるため、キーワードの使用や配置に迷った時は、常にユーザー目線に立ち返り、ユーザーが求めている情報を提供することを心掛けましょう。
情報を常に最新な状態に保つ
5つ目は、コンテンツ内の情報を常に最新な状態に保つことです。
コンテンツの有効性は、その情報が最新であるか否かに大きく影響されるといっても大袈裟ではありません。
古い情報を提供しているWebサイトは、ユーザーにとって魅力が少ないだけでなく、検索エンジンにも評価されにくくなります。また、コンテンツに掲載した情報が古いままだと、ユーザーに混乱を与えてしまう可能性が出てきます。
例えば、割引などのキャンペーンが終了しているにもかかわらず、Webサイト上の情報が古いまま掲載していると、その情報を見たユーザーが誤ってキャンペーンを見て、申込みを行い、金額に差額が発生するなどが考えられます。
そのため、コンテンツは公開して終わりではなく、定期的に見直しを行い、改善と更新することが重要です。
既存の記事の情報が、時間の経過と共に変わった場合や古くなった場合、それらを更新することで情報の鮮度を保つことができます。時間経過で情報が変化しそうなコンテンツは、あらかじめリストアップしておくことで、情報が更新された際は迅速に内容を変えられるように対策しておきましょう。
ページ情報を最新の状態に保つためのリライトについては『SEOで効果的なリライト方法とは?検索順位を上げるコツや注意点を解説』でより詳しく解説しています。
内部要因の最適化
ここからは、SEO対策における「テクニカルSEO」と「内部対策」に該当する内部要因の最適化について解説します。
内部要因は、サイト全体や各ページごとのタグや設定など、SEO対策の知識だけでなくWEBサイトの知識も必要となる施策です。
タイトルタグや見出しタグを正しく使う
1つ目は、タイトルタグや見出しタグを正しく使うことです。
検索エンジンの仕組み「クローリング」でもお伝えしましたが、検索エンジンは各ページの情報をHTMLソースコードから、読み取り把握しているため、ページ内に設定するタイトルタグや見出しタグを正しく使用する必要があります。
タイトルタグは、検索するユーザーと検索エンジンのクローラーが、コンテンツの内容を理解するのに役立つため、対策キーワードを使い、コンテンツの中身と一致するようなものにすることが重要です。
一方、見出しタグも、ページを見たユーザーとクローラーが、コンテンツ内の情報を瞬時に把握するのに役立つため、情報のまとまりごとに中見出し(H2)や小見出し(H3)を使い、整理することが重要となります。
ただし、見出しタグを使用する際は、H2の次はH3、H3の次はH4(H2→H3→H4…)となるように階層(順番)を意識する必要があります。サイトやページによっては、稀に文字の装飾として見出しタグを使用されるケースもありますが、使用方法としては間違いになるので、注意しましょう。
HTMLタグを正しく使う
2つ目は、HTMLタグを正しく使うことです。
HTMLタグとは、Webページの作成に使用される言語であり、先にご紹介したタイトルタグや見出しタグをはじめ、文字サイズや背景色などの指定、画像や動画の挿入、ハイパーリンクの作成にも使われます。
その中でも、先ほど紹介したタイトルタグや見出しタグの他に、altタグやaタグ、メタディスクリプションタグはSEO対策で重要なタグになります。
例えば、画像や動画をコンテンツ内に挿入する際には、altタグを使用し「どのような画像(または動画)か」を検索エンジンに伝えることが可能です。また、リンクを入れる際にaタグを使用しますが、aタグでは「リンク先がどのようなページか」を検索エンジンに伝えられます。
このように、HTMLタグを正しく使うことで、効果的かつ適切に検索エンジンへ情報を伝えることができます。タイトルタグや見出しタグを適切に使うことはもちろんですが、altタグやaタグなども重要だと覚えておきましょう。
HTMLタグに関する詳しい情報は『SEOに効果的な10個のHTMLタグの書き方とは?【2024年最新版】』にて紹介していますので、お役立てください。
URLの正規化
3つ目は、URLの正規化です。
URLの正規化とは、Webサイト内にある「内容が同じでURLの異なる複数のページ」を1つのURLにまとめることを指し、検索エンジンがコンテンツを重複と誤認することを指します。また、それぞれを別々のページとして認識してもらえるため、評価の分散も回避できます。
例えば、説明文や内容は同じで、色だけが違う服のページが複数のURLである場合に、評価を1つのページに集約させるため、URLの正規化を行います。
他にも、「wwwの有無」や「index.htmlの有無」「httpとhttps(SSLの対応)」「パラメータの有無」など、URLだけが異なり、内容が同じページに対しても、URLの正規化が必要です。
正規化されたURLは、検索エンジンがWEBサイトの構造を正確に理解し、ユーザーにとって最も関連性の高いコンテンツを提供することができます。
URLの正規化に関する情報は『canonical(カノニカル)とは?URLの正規化でSEO対策を進めよう』で詳しく解説しています。
リダイレクトの設定
4つ目は、適切なリダイレクトの設定です。
リダイレクトは、ユーザーや検索エンジンがWebページを開こうとした際に、別の指定したページへ転送する技術を指します。
具体的には、サイトの構造変更やページの削除や統合などによりURLが変更された場合に、ユーザーや検索エンジンが古いURLにアクセスすることを防ぎ、新しいURLへ導くために使用します。
リダイレクトの設定が適切に行われていないと、404エラーページが表示されてしまうため、ユーザー体験の低下を招くだけでなく、検索エンジンからの評価も下がると覚えておきましょう。
他にも、リダイレクトには「恒久的な転送を行う301リダイレクト」や「一時的な転送を行う302リダイレクト」があったり、「.htaccessを使用したサーバーでのリダイレクト」や「JavaScriptを使用したページ内でのリダイレクト」などがあったりします。
適切なリダイレクトのタイプやリダイレクトの方法を選択し設定することで、検索エンジンのクローラーが適切に新しいURLを認識し、旧URLの評価を新URLに引き継ぐことが可能です。
リダイレクトのやり方や違いについては、『リダイレクトとは?種類や設定方法、エラーの対処法を解説』をご覧ください。
内部リンクの最適化
5つ目は、内部リンクの最適化です。
内部リンクの最適化とは、WEBサイト内にある関連性の高いページ同士を、キーワードを含んだテキストを用いたリンクで繋ぎ、ユーザーやクローラーが自然と情報を探しやすい構造を作ることを指します。
内部リンクの最適化は、WEBサイト全体の構造を理解しやすくすることなので、ユーザー体験を向上させると同時に、検索エンジンがサイトを適切にクロールしやすくなります。
ただし、内部リンクを設置しすぎる行為は、かえって構造が複雑になりクローラビリティを下げる可能性が高いため、「ユーザーのニーズや話の分岐点となる箇所」にのみ内部リンクを設置するのが好ましいです。
他にも、内部リンクには、全ページに共通して設置されるグローバルナビゲーション(グロナビ)や、WEBサイトのページ階層をリスト化したパンくずリストも含まれるので、それらを駆使し、内部リンクを最適化していきましょう。
内部リンクの最適化に関する詳しい情報は、『内部リンクとは?最適化が与えるSEO効果や失敗しない貼り方、設置場所を解説』をご参照ください。
モバイルフレンドリーの対応
6つ目は、モバイルフレンドリーの対応です。
モバイルフレンドリーの対応とは、スマートフォン(スマホ)やタブレットなどのモバイル端末で、Webサイトを閲覧しやすくするために、ページの表示を最適化することを指します。
スマホの普及に伴い、モバイルで検索するユーザーが増加傾向にあるため、WEBサイトがスマホからのアクセスに対応していないと、ユーザー体験が低下してしまいます。また、ユーザー体験の低下は、結果的に検索エンジンからの評価を下げることにつながるため、対応が必要となっています。
更には、Googleは2015年4月に、検索順位の評価ではモバイル端末用のページを基準にするモバイルフレンドリーアップデートを実施したため、必須の対策となりました。
モバイルフレンドリーの対応には、画面サイズに合わせて自動でレイアウトを変えるレスポンシブデザインの採用や、モバイル端末用のサイトの作成などがあるため、それらを使い、ユーザーと検索エンジンからの評価を向上させましょう。
さらに詳しい情報は『モバイルフレンドリーとは?SEO対策で必要な理由や確認・対応方法』にて解説しています。
XMLサイトマップ(sitemap.xml)を設定する
7つ目は、XMLサイトマップ(sitemap.xml)の設定です。
XMLサイトマップとは、WEBサイト内にある全ページのURLが一覧になったファイルを指し、そのファイルを検索エンジンに提出することで、WEBサイト全体を検索エンジンがクロールしやすくなります。
具体的には、新しく作成したページや更新したページがある場合に、XMLサイトマップを更新し、それらページの情報を検索エンジンに伝えることで、新しい情報が早くインデックスされる可能性が高まります。(一度もXMLサイトマップを作成していない場合には、作成して、検索エンジンに提出しましょう。)
また、XMLサイトマップは、WEBサイトの構造を検索エンジンに伝える役割もあります。
WEBサイトの階層構造が深くなっている場合やリンクが少ないページがある場合、検索エンジンはページを見つけにくいため、XMLサイトマップが役立ちます。
しかし、ただ作成して提出するだけでなく、XMLサイトマップも最適化が必要です。例えば、404エラーのページや、noindex設定のページを含めないようにするなど、検索エンジンにクロールを促すべきページだけを含めることが重要です。
XMLサイトマップの詳細や作成方法は、『XMLサイトマップ(sitemap.xml)とは?SEO効果や作成、設置方法を解説』に詳しい情報をまとめています。
ユーザー動向の改善
ここからは、SEO対策における「コンテンツSEO」と「外部対策」に該当するユーザー動向の改善について具体的な対策を解説していきます。
ユーザーの動向をより良くする改善は、自社サイト内のページに対して実施することから内部対策ということもできますが、直接的にユーザーの動向はコントロールできないことから、外部の対策として考えるとよいでしょう。
検索結果でのクリック率(Click Through Rate)を改善する
1つ目は、検索結果でのクリック率(Click Through Rate、CTR)を改善することです。
検索結果で上位に表示されると、必然的にクリック率は高くなりますが、ユーザーによく見られている(クリックされている)ことから、検索エンジンは評価し上位表示させていると、言い換えることもできます。そのため、当サイトではクリック率の改善もSEO対策において重要だと考えています。
具体的なクリック率の改善では、魅力的なタイトルの作成や具体的なメタディスクリプションの作成、構造化マークアップの実施が該当します。
内部要因の改善で、タイトルやディスクリプションの最適化について解説していますが、検索エンジンが正しくサイトを把握するだけでなく、ユーザーを引き付けるという点でタイトルやディスクリプションの改善は重要です。
また、構造化マークアップは、検索エンジンがページ内の情報をより正確に理解できるようにするもので、レシピやレビュー、営業時間、料金などの情報を検索結果へ表示させることを可能にします。
クリックするか否かは、ユーザーにゆだねられてしまいますが、クリック率が高いサイトは上位表示しやすくなるといえるため、対策を進めましょう。
詳しいCTRの改善方法は、『CTR(クリック率)とは?各検索順位の平均値と3つの改善方法を解説』をご覧ください。
ユーザーの直帰率を下げる
2つ目は、ユーザーの直帰率を下げることです。
クリック率の改善は、ユーザーがサイトへ訪れるまえの数値の改善であり、直帰率の改善は「訪れた後の改善」になります。
直帰率とは、WEBサイトに訪れたユーザーが1つのページしか見ずに離脱する割合を指し、その数値が高いとWEBサイトがユーザーにとって魅力的でない、またはユーザーが求める情報が見つからないという状況を示します。
直帰率を下げるためには、ページ内のコンテンツを充実させることや、ユーザーが求める情報を提供することも大切ですが、どこでユーザーが離脱しているのかを把握することが重要です。
ユーザーの離脱=満足したと捉えることも可能ですが、最後まで読まれていないページは、わかりにくい、求めている情報がない可能性が高いため、離脱された箇所を改善しましょう。
他にも、ユーザーの直帰率を下げる方法には、内部リンクを適切に設定し、ユーザーが自然に他のページへと誘導されるような構造を作ることや、使いやすいデザインにすること、ページの表示速度を早くすることがあります。
これらの対策は、ユーザー体験を向上させ、WEBサイト内の滞在時間が延びるため、結果として、サイトのSEO評価が向上すると覚えておきましょう。
被リンクの獲得
最後は、SEO対策における「テクニカルSEO」と「外部対策」に該当する被リンクの獲得について解説していきます。
被リンクの獲得は、ユーザー動向の改善と同様に、コントロールできないことから、SEO対策の中でも難易度が高い施策の1つになります。また、被リンクの獲得は、SEO対策において、サイトの信頼性と権威性を向上させるため、しっかりと対策を進めましょう。
高品質なコンテンツの作成
1つ目の被リンクの獲得に向けた施策は、高品質なコンテンツの作成です。
一昔前では、被リンクの獲得に相互リンクやリンクの購入、人工的なリンクなどがありましたが、現在ではそれら全てスパム行為として、ペナルティの対象となっています。また、現在では、自然な形で獲得するリンク(ナチュラルリンク)が適切になります。
ナチュラルリンクを獲得する方法には、高品質なコンテンツの作成が適切です。というのも、独自の調査データや実体験に基づく情報を載せた質の高いコンテンツは、外部サイトが引用したいと思う可能性が高く、自然とリンクを張ってくれる可能性があるからです。
ただし、必ずしもリンクを張ってくれるわけではないため、SNSなどを通した積極的なPR活動も必要となります。
高品質なコンテンツの作成と被リンクの獲得は、中長期的な視点で辛抱強く進めていきましょう。
事例やインタビュー記事の作成
2つ目の被リンクの獲得に向けた施策は、事例やインタビュー記事の作成です。
これは、法人向けの商品やサービスを提供している場合に限り有効な施策となりますが、購入または契約した企業を事例として、紹介する記事を作成し、リンクを掲載してもらうやり方があります。
また、成果や変化があった企業に対しインタビューを行い、その企業を紹介しつつ自社も紹介するという記事であれば、win-winな形で、被リンクを獲得することも可能です。
ただし、自然な形で発生するナチュラルリンクと比べ、被リンクの効果はあまり強くないと覚えておきましょう。
第三者メディアへの掲載依頼
3つ目の被リンクの獲得に向けた施策は、第三者メディアへの掲載依頼です。
具体的には、自社サイトや商品、サービスに関連するメディアや総合比較メディアに対し、自社のWEBサイトや商品、サービスについて記事を書いてもらい、その中で自社のWEBサイトへのリンクを挿入してもらう方法になります。
もし、第三者メディアに掲載してもらうことができれば、被リンクを獲得できるだけでなく、そのメディアからの集客も期待できます。
ただし、金銭やもの、サービスの提供などを条件に獲得する被リンクは、スパムリンクに該当するため注意が必要です。そういった提案をしないことはもちろん、提案があったときには、清く諦めるようにしましょう。
また、任意のメディアへ無差別に掲載依頼をするのではなく、自社の業界やターゲットとなるユーザーと関連性の高いメディアを選び、ユーザーにとって有益な情報を提供するよう、適切な形でアプローチすることが大切です。
被リンクの重要性や獲得方法を知りたい方は『被リンクのSEO効果とは?対策と獲得方法を徹底解説』をぜひ、ご一読ください。
SEO対策の成功事例
ここでは、SEO対策で成果が出たWebサイトと効果があった施策を紹介します。
結婚指輪・婚約指輪
こちら結婚指輪の紹介ページでは、自社独自のアンケートを実施、一次情報となるそのアンケ―ト結果をページ内に記載することで検索順位が大きく上昇しました。
情報の独自性や一次情報となるデータを掲載することでその情報を担保できたことが、検索エンジンからの評価につながったと考えられます。
ウォーターサーバー
競合率が高いウォーターサーバーを紹介する上記ページは、実際に商品を取り寄せて試飲、その実体験に基づく記事を公開したことで検索順位が上昇しました。
2023年11月に実施されたレビュー(プロダクトレビュー)アップデートでも触れているように、水の専門家であるアクアソムリエが記事を作成し、実際に試した上でのレビューであったからこそ高い評価につながったものと考えられます。
通信機器(WIMAX)
Wimax比較.comは、SEO対策の1つとして動画を作成し、コンテンツに含めています。
最もお得にWimaxを利用する方法を、初心者にも分かりやすく解説し、契約時の目玉となるキャッシュバックの問題点に言及し、受け取り漏れしない方法について説明しています。
Wimaxをお得に利用したいユーザーの検索意図にマッチしたわかりやすい動画を挿入したことで、検索エンジンからの評価が得られたと考えられます。
2024年におけるSEOのトレンド
SEOは年々、変化を続け、ユーザーが求める情報を得られるよう進歩し続けています。
2024年、これからのSEO対策には何が求められるのか、昨年までのSEO動向を振り返りながら、注力すべきポイントをご紹介します。
2023年のGoogleアップデートであったこと
Googleは2023年3月と8月、10月と11月の合計4回、コアアルゴリズムアップデートを実施し、その都度、大きな順位変動が発生しました。
そのアップデートの中でも、2021年頃からSEO対策のトレンドとなっていた「ドメインパワーの強いWebサイトのサブディレクトリやサブドメインを利用したSEO対策」、いわゆるドメイン貸しを行っているWEBサイト(寄生サイト)への影響が大きく順位が低下しました。
ただ、ドメインの貸主が紹介している情報と同じジャンルの専門的な情報をE-E-A-Tに沿って提供しているWebサイトは比較的、順位変動が少なくなっていました。
この点については、2023年9月に実施されたヘルプフルコンテンツアップデートで、サブドメインやサブディレクトリ上で目的が異なる情報を提供している場合は、ドメインを借りている寄生サイトだけでなく、貸主側ドメイン事態もインデックスをブロックするとも言及がありました。
生成AIを使ったコンテンツを肯定しはじめている
2023年はSEOだけでなく、世界的に見て大きな変化があった年になりました。その要因は、ChatGPTを始めとする生成AIの登場です。
2022年11月ごろのGPT3.5から2023年3月にリリースされたGPT4により、生成AIに対する期待が高まり、導入する企業が増えてきています。
生成AIでは、対策キーワードに対しタイトルや見出しだけでなく、文章そのものも自動生成してくれるようになりました。
それに対しGoogleは、かつてシステムなどにより自動生成され、キーワードを詰め込んだコンテンツをスパム対象としていましたが、2023年2月に発表された「AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス」にて、制作方法を問わず高品質なコンテンツを評価することを公表しています。
ただし、検索結果のランキング操作を目的とする、コンテンツ生成に自動化(AIを含む)を利用することはGoogleのポリシーに反するためスパムに該当するため注意が必要です。
このような、AIで生成したコンテンツだとしても、独自性や専門性を持ち、ユーザーにとって有益なコンテンツであれば評価するという点は、大きな変化といえます。
また、言いかえると、AIで作成していなかったとしても、独自性や専門性がなければ、評価されないとも受け取ることができるため、コンテンツの品質はより重要になっている言えるでしょう。
SGEを見据えた対策
2023年8月にGoogleは、SGE(Search Generative Experience)という生成AIによる検索体験という機能を発表しました。
SGEとは、ユーザーが検索エンジンに入力するキーワードに対し、インデックスされたWebサイトの情報の中から最適なものを抽出したものをわかりやすくまとめ、検索結果画面(SERPs)のトップに表示させる機能です。
SGEは、2024年2月までを試験運用期間とされていますが、以降は一般利用ができるようになると考えらているため、SEOへ与える影響は大きく、SGEへの対策が必須になると言えます。
しかし、まだ成長過程にあるSGEは「常に正しく機能するとはいえない」状態にあると、Google Japanで告知されているため、現時点では臨機応変な対策ができるようにしておく程度に考えておきましょう。
恐らく、基本的に「問いに対する答え」を表示させる機能であることから、FAQコンテンツの作成や構造化データによるマークアップや「~とは?」という質問に対し、簡単でわかりやすい答えとなる「まとめ」が求められると考えられます。
SEO対策に必須なツール2選
最後に、SEO対策を行う上で必須となる便利なツールを2つ、ご紹介します。
どちらも無料で利用することができるため、SEO対策を行う際には、利用できるようにしておきましょう。
Googleサーチコンソール
1つ目は、Googleサーチコンソールです。
このツールでは、Google検索を利用するユーザーが流入してくる前のパフォーマンスを分析できます。
具体的には、「検索クリック数や検索クエリと順位の確認」や「インデックス状況の確認や登録リクエスト」、「XMLサイトマップの登録」、「ペナルティ有無のチェック」、「外部サイトからのリンクおよび内部リンクの確認」が可能です。
それぞれ、基準をクリアできているか、エラーが発生していないかを確認し、最善の状態を保つように心がけましょう。
Google Search Consoleの詳しい情報や設定方法は、『Googleサーチコンソールとは?基本機能と使い方をわかりやすく解説』でご確認いただけます。
Google アナリティクス
2つ目は、Googleアナリティクスです。
こちらのツールは、Webサイトに流入した後のユーザー動向や属性を分析に利用します。
具体的には、「リアルタイムを含む指定期間のアクセス状況」や「性別や国、年齢などのユーザー属性」、「各種イベントによるユーザー動向の確認」などが可能です。
WEBサイトの分析を行いたいと思った際には、まずは無料で使えるGoogleアナリティクスから利用してみましょう。
Google アナリティクスの設定方法は、『GA4(Googleアナリティクス4)とは?UAとの違いや設定方法、注意点をわかりやすく解説』で紹介していますのでご確認ください。
まとめ
SEOとは何か、SEO対策との違いやSEOのメリットとデメリット、具体的な施策と今後のSEOトレンドについて解説しました。
SEO対策では、多くの知識やポイントを押さえなければいけないため、難しいと感じる方もいるかと思います。当サイトでは、初心者でもわかりやすく、SEO対策を行えることをコンセプトに開発したSEO対策ツール「EmmaTools」を提供しています。
EmmaToolsでは、対策キーワードを入力することで上位表示されている競合他社のWebページを分析し、求められる関連キーワードを提示してユーザーの求める情報を掲載、さらに他社と比較した時のSEOスコアを算出することが可能です。
また、AIを搭載したライティング機能や他社サイトに似たような表現がないかを確認するコピー率チェック機能も搭載しています。
現在、EmmaToolsでは、7日間の無料トライアルもお試しいただけるため、ご興味がある方はぜひ、お試しください。