Googleが2019年6月4日から6日にかけて実施したDiversity Update。同時期に実施された6月のコアアルゴリズムアップデートに関しては解説している記事が多くありますが、Diversity Updateに関しては日本語での解説があまり見られませんでした。
そのため、この記事ではDiversity Updateに関するGoogleのツイートから、どのようなアップデートで、どういった影響を及ぼすのかを解説していきたいと思います。
この記事でわかること
GoogleのDiversity update とは?
Diversity Updateとは、検索結果ページの多様性を促進するために、1ページ目に同一ドメインから2ページ以上を表示させないようにするアップデートです。
下記のGoogle公式Twitterをご覧ください。
This site diversity change means that you usually won't see more than two listings from the same site in our top results. However, we may still show more than two in cases where our systems determine it’s especially relevant to do so for a particular search….
— Google SearchLiaison (@searchliaison) June 6, 2019
ただし、一部の検索にてGoogleが検索語句と関連性が高いと判断した場合には、2ページ以上を表示することもあるとのこと。
このDiversity Updateは、Google同一サイトのページばかりが上位に来るために多様性が失われることから、ユーザーがより多種多様な検索結果を望んでいるというフィードバックをもらったために実施したとしています。
Have you ever done a search and gotten many listings all from the same site in the top results? We've heard your feedback about this and wanting more variety. A new change now launching in Google Search is designed to provide more site diversity in our results….
— Google SearchLiaison (@searchliaison) June 6, 2019
アップデートの影響はドメイン単位
Googleは、このDiversity Updateは同一ドメインを同一サイトと言う認識をするとしています。
Site diversity will generally treat subdomains as part of a root domain. IE: listings from subdomains and the root domain will all be considered from the same single site. However, subdomains are treated as separate sites for diversity purposes when deemed relevant to do so….
— Google SearchLiaison (@searchliaison) June 6, 2019
サブドメインはルートドメインと同一サイトということです。
ただ、Googleのツイートにあるように、関連性がある際には、サブドメインを別サイト扱いすると言います。
6月のコアアルゴリズムアップデートとは無関係
このDiversity Updateは6月のコアアルゴリズムアップデート、June 2019 Core Updateと同時期に起こりました。
2つのアップデートが重なったせいで、GoogleAnalytics上の数字の変化(トラフィックの増減等)は何が原因かわからなくなるのでは?と考えるのも自然なことです。
しかし、GoogleのDanny Sullivanによれば、June 2019 Core UpdateとDiversity Updateは基本的に無関係のため、どちらが影響したのかは見分けがつくとしています。
We launch things almost every day. Sometimes several in a single day. This is far enough out from the core update release that any stat changes can probably be distinguished.
— Danny Sullivan (@dannysullivan) June 6, 2019
メインの検索結果にのみ影響を及ぼす
GoogleのDanny Sullivanによれば、このDiversity Updateが影響を及ぼす範囲は、メインの検索結果ページのみとしています。
つまり、強調スニペット(フィーチャードスニペット)や、Googleマップなどの検索順位には影響を及ぼすことはありません。
Yes. This is only about the main web search listings. It not including things like featured snippets, map listings, etc.
— Danny Sullivan (@dannysullivan) June 6, 2019
ランキングに関わるものではない
アップデートがあると気になるのは、どれだけ検索結果のランキングが変わるのか、トラフィックの大きな増減はあるのか、という点です。
ただ、GoogleのDanny Sullivanは、あくまで個人の見解としては、Diversity Updateはランキングに影響を及ぼすものではないとのことでした。
It started a little bit about two days ago but went fully live today. Personally, I wouldn't think of it like an update, however. It's not really about ranking. Things that ranked highly before still should. We just don't show as many other pages.
— Danny Sullivan (@dannysullivan) June 6, 2019
Diversity Updateの歴史
これまでも、Googleは検索結果に多様性に関するアップデートを行ってきました。今回の動きは原点回帰という声もあります。
と言いますのも、2010年までGoogleは1サイトからの検索結果表示を2ページまでというルールを持っていました。
この頃は、まだブラックハットSEOが通用していた時代で、リンクを多く当てているサイトが強いがために、このルールを適応し、多様性を確保せざるを得なかったとも考えられます。
転機は2010年。2010年より1サイトから3ページ以上の表示を許すようになりました。
しかし、それによって同じサイトから20~30ものページが検索結果に出てくるようになり、ユーザビリティが落ちる事態に。その結果、2012年、2013年と検索結果の多様性を実現するようにアルゴリズムを変更していきました。
今回のDiversity Updateは実に2013年以来、久しぶりのアップデートなのです。
Just fyi, we rolled out a small algo change this week that improves the diversity of search results in terms of different domains returned.
— Matt Cutts (@mattcutts) September 14, 2012
【まとめ】対策することはないが、影響は測るべき
ここまで、Diversity Updateに関して解説してきましたが、いかがでしたか。
Diversity Updateはランキングに関わるものではないため、多くの方はそれほど心配する必要はないでしょう。
ただ、同一ドメインサイトから複数ページランクインすることができなくなったために、トラフィックの減少が見られると考えられます。
しかし、このDiversity Updateは検索結果の多様性を守るというGoogleのポリシーであるために、今の所対策法は見つかりません。
そのため、このDiversity Updateに関しては「同一ドメインのサイトからのランクインは2ページまで」と覚えていることが重要です。また、影響が及ぶサイトを運営している方は、数字の増減を確認しておきましょう。
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