Googleが3月12日のコアアルゴリズムアップデートを行ったと発表してから1ヶ月以上経ちました。
アルゴリズムアップデートの発表があってから、様々な憶測が飛び交いましたが、実際にどのようなアップデートであったかはGoogleのみぞ知ると言ったところでしょう。
ただ、どんなアップデートにも一定の規則性はあるものです。
当ページでは、情報が早くて質の高い海外のSEOブログの記事を日本語で紹介し、3月12日コアアルゴリズムアップデートがどのような変化をもたらしたか考察していきます。
クライアントのコンサルティングを行っている方、SEOツールを販売する営業の方、オウンドメディアを運営している方など、SEOに関わる方であれば必見の内容です!
この記事でわかること
March 2019 Core Update/3月12日コアアルゴリズムアップデート とは
March 2019 Core Update/3月12日コアアルゴリズムアップデート とは、2019年3月12日にGoogleが実施したグローバル規模でのコアアルゴリズムアップデート。年に一度あるかないかの大きなアルゴリズムの更新です。
以下が、GoogleのSearchLiaisonがTwitterで正式に出したアナウンスとなります。
SearchLiaisonのツイッター内容和訳:
毎年数回行っているように、今週、大規模なコアアルゴリズムのアップデートを行いました。こういったアップデートに関する我々の指針は以前発表したものと変わりません。詳しい情報はこちらのツイートを参考にしてください。
ツイッターの中の引用内容:
検索アルゴリズムに関するアップデートに関しての情報です。以前説明したとおり、Googleは日々少しずつ検索アルゴリズムに変化を加えます。多くの場合は、小さい変化ですが、それでも検索を少しずついいものにしていきます。
このアップデートは、アメリカの3月12日に起こり、日本では、時差の影響で13日に変化が見られ、その後SEO業界で様々な憶測が飛び交いました。
ここからは、アメリカの有力なSEOブログから考察して、アルゴリズムアップデートの動向を見ていきます。
2018年8月アップデートの揺り戻し
アップデートから4日後の早い段階で、Search Engine Journalでは、この3月12日コアアルゴリズムアップデートは2018年8月に起こったアップデートの揺り戻しなのではないかという憶測に答える記事*を発表しました。
>2018年8月のアップデートといえば、メディックアップデートとも呼ばれ、E-A-TやYMYLに関して強化し、特に権威のないサプリメントや美容系のサイトがダメージを受けたもの。今回のアップデートがメディックアップデートの揺り戻しとはどういうことなのでしょうか。
記事内では、Sistrixが収集したイギリスでのデータに触れ、考察しています。そのイギリスのデータによると、3月12日コアアルゴリズムアップデートでトラフィックを伸ばした75%のサイトは2018年8月のアップデートでトラフィックを失ったサイトだったというのです。
確かにこれだけの相関関係が見られれば、揺り戻しに見えるかも知れません。しかし、記事では、このアップデートは 揺り戻しではないと断言しています。
それは、Googleがアップデートは揺れ戻すことはなく、その代わり、検索結果を最良のものとするべく常に微調整を施すものであるため。
つまり、3月12日コアアルゴリズムアップデートは、一見揺り戻しに見えるのは、状況証拠に過ぎないとし、 揺り戻しであることを否定しています。
*Data Confirms Why Google March 2019 Update Feels Like a Rollback
Googleとの対話から
Search Engine LandはGoogleから公式にいくつかの答えを引き出したと発表しました。ここでは、その概要をご紹介いたします。
前回のアップデートとの関連性を示唆
今回の3月12日コアアルゴリズムアップデートは2018年8月のアップデートの 揺り戻しかとGoogleに訊いたとき、スポークスマンは次のように答えたと言います。
「Googleは継続的にアルゴリズムが更に向上するように更新し続けている。」
この回答で 揺り戻しを否定しなかったことから、3月12日コアアルゴリズムアップデートでは、 揺り戻しでは無いにしても、2018年8月のアップデートでの不完全な部分に焦点を当てて、改善をした可能性が高いとしています。
その証拠として、Search Metricsの調査では、2018年8月のアップデートでトラフィックを失ったサイトの多くが、トラフィックを戻していることに触れ、その説を支持しています。
ペンギンアップデートとの関連は?
ペンギンアップデートとは、2012年に行われた、主に低品質なリンクに焦点を当てたアップデート。Googleは、3月12日コアアルゴリズムアップデートはペンギンアップデートには関係なく、あくまでもコアアルゴリズムアップデートだと言います。
最大のものではない
どれだけ大きなアップデートかをGoogleに訊いたところ、詳細は語れないが、過去に行ったものと比較すれば最大のものでは無いとしています。
ニューラルマッチング
Googleによれば、今回のアップデートとニューラルマッチングのアップデートは関係ないとしています。更に、Googleはコアアップデートとニューラルマッチングのアップデートが同時期に行われたことは無いと結論づけました。
参考記事:Google on the March 2019 core update: This is not the biggest update we’ve released
Last few months, Google has been using neural matching, --AI method to better connect words to concepts. Super synonyms, in a way, and impacting 30% of queries. Don't know what "soap opera effect" is to search for it? We can better figure it out. pic.twitter.com/Qrwp5hKFNz
— Danny Sullivan (@dannysullivan) 2018年9月24日
ニューラルマッチングとは、GoogleのAI技術が検索結果で、より人間らしい答えを出すためのアルゴリズム。特定のキーワードが検索されていなくても、AIが関連のある検索結果を表示することが可能になります。
例えば、GoogleのスポークスマンであるDanny Sullivanによると、『なぜ、TVの調子がおかしいのか?』という検索キーワードに対して、キーワードが含まれない『ソープオペラ効果とは?』のページを1位に表示したことからも、ニューラルマッチングの効果が確認できます。
データから読み解く
Searchmetricsによれば、今回の3月12日コアアルゴリズムアップデートで大きな変動があったのは、やはり2018年8月アップデートで影響を受けた医療系サイトだと言います。更に、それらのサイトを詳しく分析した考察を、信頼とブランドというキーワードから解説いたします。
信頼とブランド
Searchmetricsのデータは、Googleが信頼とブランドを重視することを示していると言います。その証拠に、よりブランド力が強いサイト、より広域のトピックを網羅しているサイトがアップデートを受けて以前よりもトラフィックを獲得しています。
逆に、1つのコアなトピックにフォーカスしているサイトはトラフィックを失いました。
ユーザー動向が鍵
Searchmetricsがアルゴリズムのアップデートを受けてトラフィックが増えた100サイトと減った100サイトを分析した結果、ユーザー動向が鍵になってくるのでは無いかと言う結論を出しています。
滞在時間、平均ページビュー、直帰率の3項目で、上位100サイトはいずれもいい数字を叩き出しているというのです。
実際に、数字を分析してみると、上位100サイトは、下位100サイトと比較して、以下の数字となっています。
- 滞在時間 27%+
- 平均ページビュー 16%+
- 直帰率 11%ー
この結果から見るに、Googleは直接的なランキングファクターよりも、ユーザー動向のような間接的かつ本質的な要素に重きを置いているとも読み取れます。
参考記事:Google Update 2019: Winners and Losers of the March 2019 Core Update
まとめ
ここまで、3月12日コアアルゴリズムアップデートに対する海外ブログの考察を紹介してきましたが、いかがでしたか?
どの様なアルゴリズムアップデートが起こったかはGoogleにしかわかりませんが、このようにデータから読み解くことで、パターンが見えてきます。
今回の3月アップデートでは、やはりE-A-Tに対するアルゴリズムの変更があったことが読み取れるかと思います。
E-A-Tは2018年8月のアップデートから急速に重要性を増し、2019年のSEOにおいても最重要対策項目の一つのため、常にアンテナを張っておく必要があるでしょう。
3月12日コアアルゴリズムアップデートでトラフィックが減ったなど、マイナスの影響を受けた方はE-A-Tを重点的に対策していくことを試してみるのもいいかも知れません。
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