PAAとは?仕組みや対策方法を知る

検索エンジンで情報を探しているときに目にするPAA(People Also Ask)は、ユーザーの検索意図に関連する追加の質問を表示する機能です。

PAAは、ユーザーが関心を持ちそうな関連情報を提供することで検索体験を向上させるだけでなく、Webサイトが新たなユーザーに発見される機会を増やす重要な役割を担っています。。

このページでは、PAAの基本的な仕組みや表示位置、強調スニペットとの関係について詳しく解説します。また、PAAにコンテンツを表示させるための具体的な対策方法も紹介します。

検索結果での可視性を高めるために重要な要素やコンテンツ作成時のポイントを理解し、SEOの効果を最大化やユーザーのニーズを満たす方法を学びましょう。

記事の監修者
株式会社EXIDEA 代表取締役社長
小川 卓真
SEO歴18年。2006年にSEOツールの開発企業を共同創業して以来、SEOを軸にデジタルマーケティングに従事。2013年に「株式会社EXIDEA」を設立。現在はEXIDEAの代表取締役社長として、Webメディア事業、マーケティングDX事業、オールインワンSEOツール「EmmaTools」の事業に携わる。
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PAA(People Also Ask)とは

PAAって何?

PAA(People Also Ask)とは、Google検索結果の画面上で「ほかの人はこちらも質問」や「関連する質問」として表示される機能のことです。この機能は、2017年頃に海外で確認され、2022年以降、日本の検索結果にも導入されるようになりました。

PAAは、ユーザーが検索したキーワードに関連する追加の質問とその回答を提示するもので、ユーザーは検索結果画面上で多様な情報を簡単に得ることができます。また、PAAに表示される回答はテキスト形式が多いですが、場合によっては表やリスト、画像、動画といった視覚的に分かりやすい形式が用いられることもあります。

この仕組みにより、ユーザーは目的の情報に素早くアクセスでき、より深い理解を得ることが可能です。

「他の人はこちらも検索」との違い

PAAと「他の人はこちらも検索」は、どちらも検索結果画面で追加の情報を提示する機能ですが、その役割と形式に明確な違いがあります。

PAAは検索結果の中で、ユーザーの検索意図に関連する質問とその回答をリスト形式で表示する機能で、ユーザーは同じ画面で追加の情報をすぐに確認できます。

一方、「他の人はこちらも検索」は、関連キーワードを表示する機能で、検索結果画面の下部に表示される項目で、ユーザーが新たに検索する可能性のある関連キーワードやフレーズをリスト形式で示します。

PAAは具体的な回答を伴うため、検索結果ページでユーザーが必要な情報を得られることが多いのに対し、「他の人はこちらも検索」は単なる検索キーワードの提案であり、直接的な回答は含まれません。

どちらもGoogleの検索体験を向上させるために設計されていますが、PAAは即時性のある情報取得を、後者は検索範囲の拡張が目的といえます。

PAAの仕組みや表示個数と位置について

PAAは、Googleが既存のWEBサイトからコンテンツを自動抽出し、質問と回答として表示する仕組みです。

Google検索セントラルでは、以下のように説明されています。

関連質問グループは、ユーザーの元の検索に関連する質問のクラスタです(この機能は「他の人はこちらも質問」とも呼ばれます)。ユーザーが質問を開くと、強調スニペットが表示されます。

引用元:https://developers.google.com/search/docs/appearance/visual-elements-gallery?hl=j

例えば、「SEOとは」と検索すると、「SEOの基本的な仕組みは?」や「SEOの効果を高める方法は?」といった関連質問が表示されます。これらはGoogleが作成したものではなく、アルゴリズムが関連性の高い情報を選んで表示しています。

PAAは検索結果の上部に表示されることが一般的ですが、表示位置は固定されておらず、検索結果の構造や表示内容により異なります。また、初期表示される質問数も変動し、1つの質問をクリックすると新たな質問が生成されてリストが拡張される仕組みです。

ただし、自動生成の特性上、関連性の低い回答や誤った情報が含まれる場合もあります。例えば、「SEOとは」の質問に対して、特定の地域に関する情報が不適切に表示されることがあります。このような場合は、「フィードバック」機能を使って修正を求めることが可能です。

フィードバックを送信できる

このように、PAAの仕組みは迅速な情報提供を目的としていますが、情報の正確性にも注意を払う必要があることを理解しておきましょう。

PAAと強調スニペットの関係性

PAAは、Google検索結果に表示される強調スニペットの一種と考えられています。

というのも、GoogleはPAAの表示ロジックを公表していませんが、強調スニペットに表示される情報がPAAでも表示されるケースが多く見られます。実際、PAAの質問をクリックすると、その回答が強調スニペットとして表示されることがあるため、両者は同じ情報を共有していると推測されます。

PAAで表示された内容を検索すると強調スニペットで表示される

このため、強調スニペットに表示されるコンテンツを作成することは、PAAに表示される可能性を高める効果的な方法といえます。

PAAに表示されやすくなるコンテンツの対策方法

PAAに表示されるためには、適切なコンテンツの作成が欠かせません。 ここでは、5つの具体的な対策方法をご紹介します。

検索結果で上位表示させる

1つ目は、検索結果で上位表示させることです。

先述したように、PAAは強調スニペットに表示されるコンテンツが採用されることが多いため、強調スニペットに表示される条件を満たす必要があります。強調スニペットに選ばれるためには、検索結果で上位に表示されることが基本であり、これには高品質なコンテンツの作成が欠かせません。

高品質なコンテンツとは、ユーザーの検索意図を的確に捉え、具体的で有益な情報を提供するものです。また、競合との差別化を図るために、独自の視点やデータを含めることも効果的です。

このように、PAAに表示されるためには、ユーザーにとって価値ある情報を盛り込んだコンテンツを作成し、検索結果での上位表示を目指すことが重要です。

様々な情報のコンテンツを網羅的に作成する

2つ目は、様々な情報のコンテンツを網羅的に作成することです。

PAAは、検索キーワードに基づく関連する質問を表示する仕組みであるため、関連性の高い多角的な情報を提供することで、PAAに採用される可能性が高まります。

例えば、「SEO対策とは」と検索するユーザーは「SEO対策の仕事内容」や「SEO対策を行わないとどうなるのか」などの関連する質問にも関心を持つことが考えられるため、「SEO対策 仕事内容」というテーマのページや、「SEO やらない どうなる」のように、関連するコンテンツを作成することで、PAAに表示されるチャンスを増やすことができます。

コンテンツを網羅的に作成する場合には、関連キーワードを参考に、幅広くユーザーのニーズを把握することが大切です。

分かりやすく簡潔な回答にする

3つ目は、コンテンツ内容に分かりやすく簡潔な回答を記載することです。

PAAは、検索エンジンがユーザーの疑問に対して即座に答えを提供する目的で設置されているため、情報が整理されており、短く的確に要点を伝えるコンテンツが選ばれやすくなります。

具体的には、ユーザーが尋ねる可能性の高い質問に対し、最初の1~2文で直接的な答えを提示するのが効果的です。例えば、「SEOとは?」という質問に対しては、「SEOは検索エンジン最適化の略で、ウェブサイトの検索順位を向上させるための手法です。」といった明確な答えを冒頭に記載します。その後、必要に応じて詳細な説明や具体例を加えることで、回答の質を高めることができます。

さらに、適切な段落構成や簡潔な文章を意識することも大切です。冗長な説明や曖昧な表現は避け、ユーザーが短時間で理解できる内容を心がけましょう。このような工夫により、PAAに表示される可能性を高めるだけでなく、ユーザーの満足度も向上させることができます。

HTMLタグを正しく使用する

4つ目は、HTMLタグを正しく使用することです。

検索エンジンは、HTMLタグを基にページの構造や内容を理解しているため、適切にタグを使うことで、検索エンジンが情報を正確に把握しやすくなり、PAAに表示される可能性が高まります。

具体的には、質問形式の見出しをh2やh3タグで設定し、その回答部分は段落(pタグ)やリスト(ul、olタグ)を用いると効果的です。

例えば、「SEO対策の仕事内容は何ですか?」という質問をh2タグで囲み、その回答を箇条書きで説明する際にはulタグを活用します。また、表形式でデータを提供する場合はtableタグを使用すると、視覚的に分かりやすいだけでなく、検索エンジンにも内容を明確に伝えられます。

このようにHTMLタグを正しく使用することで、検索エンジンとユーザー双方にとって利便性の高いコンテンツを作成できます。

Googleのポリシーを守る

5つ目は、Googleのポリシーを守ることです。

Googleの強調スニペットに関する説明によると、スニペットに表示される内容は、ユーザーの検索意図にどれだけ適切か、どれほど役に立つかを基準に自動システムで選ばれます。しかし、これに加えて、Googleはコンテンツポリシーに違反するスニペットを表示しないようシステムを整えています。

強調スニペットを誰もが便利に使えるように、Google では、Google 検索のコンテンツ ポリシーや、次のような検索機能に関するポリシーに違反しているスニペットを表示しないようにするシステムを用意しています。
・危険なコンテンツ
・欺瞞行為
・ハラスメント コンテンツ
・ヘイト コンテンツ
・操作されたメディア
・医療のコンテンツ
・性的描写が露骨なコンテンツ
・テロに関するコンテンツ
・暴力や残虐行為
・下品な言葉や冒とく的表現
詳しくは、Google 検索のコンテンツ ポリシーをご覧ください。

強調スニペットには、以下の機能固有の追加ポリシーもあります。

・公共性の高いトピックにおいて合意が得られている内容に反している: 公共性の高いコンテンツに関する強調スニペットは、専門家が広く合意している内容や十分に確立された意見に反するものであってはなりません。たとえば、次のようなトピックがこれに当たります。
・社会問題
・医療問題
・科学論争
・歴史認識
事実として提示されている情報が、裏付けとなる証拠を欠き、重大な悪意ある行為をしたとして個人または団体を非難する内容である場合、その情報は削除される可能性があります。
ヒント: 上記のポリシーは、強調スニペットとして表示される内容にのみ適用されます。ウェブ検索の掲載には適用されず、削除も行われません。

引用元:https://support.google.com/websearch/answer/9351707

このポリシーでは、危険なコンテンツや欺瞞行為、暴力的な表現などが禁止されています。また、医療や社会問題、科学論争など公共性の高いトピックにおいて、専門家の合意に反する情報も除外される可能性があります。

そのため、PAAに表示されるためには、信頼性と正確性を担保したコンテンツを作成し、ポリシーに違反しない情報を提供する必要があります。

まとめ

PAA(People Also Ask)は、Googleの検索結果に表示される関連質問のリストで、ユーザーが検索中に追加の情報を簡単に見つけられる仕組みです。

このPAAは、強調スニペットと関連が深いと考えられており、強調スニペットに表示されるコンテンツがPAAにも反映される可能性があります。そのため、PAAに表示されるためには、まず検索結果で上位表示を目指し、強調スニペットを狙うことが重要です。

また、PAAの質問に対応できるよう、検索キーワードに関連するコンテンツを網羅的に作成することや、Googleのポリシーに違反しない正確で信頼性の高い情報を提供することも欠かせません。

質の高いコンテンツ作成を意識し、ユーザーに有益な情報を提供するSEO対策を進めていきましょう。