SEOは、Webからの集客力を強化し、購買に繋げるために有効な手段ですが、適切な対策が行われていないと失敗する可能性が高くなります。
中でも、SEOで失敗するサイトの多くが、担当者がSEOの仕組みや抑えるべきポイントを理解していなかったり、体制が整っていなかったりします。
この記事では、SEO対策で起こりがちな失敗理由を13個ご紹介します。また、それに対処するための効果的な手段についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
【そもそも編】SEO対策で失敗する5つの理由
はじめに、多くのWEBサイトやサイト担当者が、SEO対策における仕組みや前提を理解できていないがゆえに起きる失敗を紹介します。
SEO対策を行う際は、SEO対策における前提の知識を押さえておきましょう。
Googleのガイドラインに違反している
SEO対策で失敗する1つ目の理由は、Googleが設けているガイドラインに違反していることです。
インターネットで「SEO」などのキーワードを検索すると、多くの場合、「SEOで行うべき施策」が紹介されています。
しかし、SEO対策を進める上で知っておくべき重要なことは、「Googleが設けているガイドラインに違反すると上位表示されない」ということです。
Googleでは、「Google検索の基本事項」と「品質評価ガイドライン」を公開しています。
そのガイドラインの中でも、サイトに対してはWEBサイトの運営で禁止しているスパム行為に関するポリシーの重要性を述べています。
また、コンテンツに対しては、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)およびTrustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったE-E-A-Tの重要性を述べています。
いずれの内容も、SEOを進める上で必ず知っておく必要がある内容となっているので、失敗しないためにも、Googleのガイドラインには目を通しておきましょう。
Webサイトの構造に問題がある
SEO対策で失敗する2つ目の理由は、Webサイトの構造に問題があることです。
よくWebサイトを公開する前に、ユーザーがアクセスできないように制限をかけている場合があります。
そのような場合に、サイト公開後もアクセス制限が残っていると、公開したWebページは検索エンジンにクローリングされないだけでなく、インデックスしてもらえないため、そもそも検索結果に表示されません。
また、そのような制限をかけていなかったとしても、サイトの階層構造が深く、入り組んだ作りになっていると、クローラーはサイト内の情報を見つけにくいため、検索結果に出にくくなります。
このように、サイトの設定自体や造りそのものに問題があるとSEOで失敗しやすくなります。
SEOで失敗しないためにも、metaタグや.htaccessファイル、robots.txtファイルでクローリングの拒否やインデックスさせない設定になっていないかを確認する必要があります。また、サイト内をクローラーがクローリングしやすいように、XMLサイトマップの設定やcanonicalタグの使用、適切なリダイレクトの設定を行いましょう。
他にも、2014年にGoogleは、SSL化したWebサイトを優遇することを発表したため、WEBサイトではSSL化が必須です。
SSL化が完了していない場合、ページを開く際に「セキュリティに関する警告文」が表示されてしまい、ユーザーの離脱につながるため、SSL化の対応を急ぎましょう。
SEO対策を実施すればすぐに結果が出ると思っている
SEOで失敗する3つ目の理由は、SEO対策を実施すれば結果がすぐに出ると勘違いしていることです。
SEO対策は、Web広告やSNS広告など、その他のWebマーケティング施策よりも着手しやすく、費用がかからないため、Webサイトを持つ企業の多くが取り組んでいます。
しかし、SEO対策は、他のWebマーケティング施策と比べ、施策を行ってから数値の変化がでるまでは早くて1ヶ月、平均で2ヶ月、長いと6ヶ月ほど時間がかかります。さらには、問い合わせや売上などの成果となるのに、半年から1年以上の時間がかかることもあります。
そのため、SEO担当者の中には、SEO対策を行い1、2ヶ月程度経った時点で「意味がなかった」と途中で止めてしまう人も少なくありません。
SEO対策は、1回やれば終わりというものではなく、また成果がすぐに出るものではないため、継続的に続けなければ成果が出ないと覚えておきましょう。
競合サイトが強すぎる
SEO対策で失敗する4つ目の理由は、自社と同じ業界やサービスでSEO対策を進める競合他社サイトが強すぎることです。
SEO対策は、簡単にいうと、他のサイトと上位表示の座を取り合い、自社の検索順位を上げるものなので、競合サイトと比べて、サイト規模や対策キーワード数、被リンクの数などが負けているのであれば、上位表示は容易ではありません。
そのため、SEO対策を始める前に、競合サイトが「どの程度、SEO対策を行っているのか」や「自社で追い抜ける見込みがあるのか」を把握しておくことが重要です。
特に、長い運用歴を持ち、SEO対策を抜け漏れなく行なっている競合サイトがある場合、SEOでそのサイトに勝つためには、相当なコンテンツ作成や被リンク獲得などの対策が必要になります。
また、競合サイトも日々、上位表示させるためにSEO対策を進めているため、中途半端なコンテンツ作成やSEO対策では、追いつくことができず、成果がでません。
SEO対策を始める際は、競合サイトの調査を必ず行い、「勝てる見込みがあるか」「勝つためにどの程度対策が必要か」を把握したうえで、進めるようにしましょう。
もし、短期的に成果を出す必要がある場合や直ぐに勝てる見込みがない場合には、思い切って、SEO対策ではなく、他のマーケティング施策を選ぶことも大切です。
ターゲットが明確になっていない
SEO対策で失敗する5つ目の理由は、ターゲットが明確になっていないことです。
SEO対策に限らず、自社の商品やサービスに関するマーケティングを行う場合、商品やサービスに適した世代や性別、業種、地域などのターゲット設定を行う必要があります。加えて、SEO対策においては、それらターゲットの解像度を上げて、コンテンツ作成を行う必要があります。
しかし、それにも関わらず、ターゲットが決まっていない、あるいは不鮮明な状態では、SEO対策は上手くいきません。
というのも、例えば、ターゲットが20代の女性であれば、SNSを使った情報収集やレビューを見て、商品やサービスを選ぶことが多いため、SEO対策が最適解ではない場合があるからです。
SEO対策を始める前には、ターゲットとなるユーザーの年齢や性別だけでなく、職業や生活習慣までイメージし、検索エンジンを使った検索行動を行うのかを考えたうえで、SEO対策を検討しましょう。
【準備編】SEO対策で失敗する4つの理由
ここからは、SEO対策の準備段階が原因で失敗する理由を4つ紹介します。
そもそも編で紹介した競合サイトの調査やターゲット設定を行い、ガイドラインを守りつつ、中長期的にSEO対策を行っているものの、成果がでないと感じている方は、次の理由に該当していないか確認しましょう。
対策キーワードが決まっていない
SEO対策で失敗する6つ目の理由は、対策キーワードが決まっていない状態でコンテンツを作成することです。
コンテンツを作成する際に、記事のテーマや書くことを漠然と決めている、あるいはスタッフブログとして、日常的な内容を書いて公開しているだけでは成果につながりません。
SEOでは、対策キーワードを決めて、該当キーワードで検索するユーザーのニーズ(検索意図)を満たせるコンテンツを作る必要があります。
ただし、コンテンツを作るだけでは上位表示は出来ません。また、なんとなくでテーマを決めている場合も同様で、同じようなコンテンツ(重複コンテンツ)が増えてしまい、返ってマイナスになる可能性まであります。
SEO対策を行う場合は、対策キーワードをしっかりと選ぶことが重要です。
キーワードの選び方が適切ではない
SEO対策で失敗する7つ目の理由は、キーワード選びが適切でないことです。
例えば、サイトをスタートさせたばかりでアクセス数を増やすことが目的なら、月間検索数の多い認知に関連するキーワードから対策するのが適切といえますが、対策するキーワードの検索検索数が少ないものを選んでいると、いくら対策してもアクセス数は伸びません。
一方、SEO対策の目的が問い合わせを増やすことなのであれば、コンバージョンに近いキーワードを対策する必要がありますが、ユーザーが商品やサービスを検討する際に、検索するキーワードと対策キーワードがズレていたら、問い合わせにはつながりません。
このように、目的に合ったキーワードかつカスタマージャーニーに適したキーワードを対策しなければ、思うような成果が出せずSEOが失敗で終わってしまいます。
自社の商品に関するカスタマージャーニーを考え、目的に合ったキーワードを選びましょう。
上位表示サイトの調査をしていない
SEO対策で失敗する8つ目の理由は、予め上位表示サイトの調査を行っていないことです。
例えば、対策キーワードに「パソコン」や「デスクトップパソコン」などを選ぶ場合、SEO記事を書くのは適切とは言えません。
なぜなら、「デスクトップパソコン」で検索するユーザーは、「デスクトップのパソコンが欲しい」「デスクトップパソコンをいくつか見て、買うものを決めたい」と考えていることが想定でき、読み物ではなく、商品一覧などを求めていると考えられるためです。
また、実際に検索して確認すると、商品ページや通販サイトが上位表示することから、やはりユーザーが求めているのはSEO記事ではなく、商品ページを作成することが適切だと分かります。
このように、上位に表示されるサイトを見ることで、適切な対策方法やユーザーの傾向が見えてきます。
対策キーワードを決めた後に、適当に記事を書いているだけでは上位表示できないため、上位表示しているサイトから、どのような記事が上位表示しやすいのかを確認し、適切な対策を行いましょう。
構成案(ディレクション)を作成していない
SEO対策で失敗する9つ目の理由は、コンテンツ作成前に構成案(ディレクション)を作成していないことです。
コンテンツを作成する際、構成案を作成せずに執筆することは、できないことではありませんが、おすすめしません。その理由は、書いている途中で内容がブレてしまったり、矛盾している内容になったり、全体の繋がりがおかしくなったりする可能性が高くなるためです。
他にも、何を書くかが決まっていないと、ユーザーの検索意図とズレる可能性もあります。
内容がブレていたり、矛盾したりしているコンテンツや、ユーザーの検索意図とズレたコンテンツは、問い合わせや売上などの成果に繋がりにくいだけでなく、上位表示が難しくなります。
1つ前の上位表示サイトの調査に併せ、他のサイトがどういった情報を発信しているかを確認し、自社のコンテンツに掲載する情報や流れを整理した上で構成案を作成するようにしましょう。
【運用体制編】SEO対策で失敗する4つの理由
続いて、SEO対策を進める運用体制に関する原因で失敗する理由を4つ紹介します。
SEO対策は「一度行ったら終わり」ではないため、成果がでないと感じてる方は、次の理由に該当していないかチェックしましょう。
順位の管理や分析をしていない
SEO対策で失敗する10個目の理由は、定期的な順位の計測や管理、分析を行っていないことです。
記事を公開することでSEO対策を一区切りとし、順位の確認や分析を行わない企業を見かけますが、これは適切なSEO対策ではありません。
また、WEBサイトの中には、記事を公開後、偶然、上位表示してアクセスが増えることはありますが、一時的なものにすぎないだけでなく、たまたま好順位になったことから、再現性がもてず、継続的な成果が出せず失敗に終わってしまうこともあります。
SEO対策では、上位表示させる再現性も持つためにも、常に順位の確認やコンテンツの管理、分析が必要です。
もし、良い順位を取れる記事があれば何故いい順位を取れたのか、逆に順位が低い記事はなぜ順位が上がらないのか、それらの違いや原因を分析することで、次の対策につながります。
また、順位を定期的に確認していると、突然順位が上がったり下がったりしたときの「変化」にもすぐに気が付くことができるので、対策しやすいです。
継続的な成果を出すためにも、SEO対策を進める際には定期的な順位の管理や分析を行いましょう。
定期的なリライトをしていない
SEO対策で失敗する11個目の理由は、作成後のコンテンツをそのままにしてしまい、リライトをしないことです。
SEO対策における記事は、公開して終わりではなく定期的な情報の更新や変更が必要となっています。
例えば、「最新のiPhone」について書いた記事があったとして、2020年に記事を公開していたのであれば、毎年、あるいは最新のiPhoneが発売されるタイミングで都度リライトしなければなりません。(ただし、「iPhone14」を対策したページの場合は、「iPhone15」の発売に合わせて書き換えるのではなく、「iPhone14」とは別の記事を作成する必要があるため、あくまでも「最新」のように都度、変わる記事のみ)
もし、上記の例のような記事がある場合、時間経過と共に「最新」の情報が変化するため、情報が間違いになってしまい、結果、順位が下がることになります。
他にも、対策キーワードに対するユーザーの検索意図が変わるタイミングや法改正、料金変更などにあわせて、都度リライトが必要です。
記事を公開したまま、放置していると順位が下がり、失敗につながってしまうので、定期的にリライトをしましょう。
記事の管理や作成する体制が整っていない
SEO対策で失敗する12個目の理由は、記事を作成する体制や公開後のページ管理ができる体制が整っていないことです。
10個目と11個目の失敗理由でもお伝えした通り、SEOでは記事を公開後、定期的な順位の計測やリライトが必要なので、それらを続けられる体制が整っていないと失敗につながります。
よくWebマーケティングチームが整っていない企業で、営業や事務の担当者が片手間にSEO対策や記事作成を進めることがありますが、これはおすすめできません。
毎日、毎月、新しい記事を書いたり、全ての記事をリライトする必要はないものの、最低でも6ヶ月に1回程度は記事の情報が最新のものかを確認し、トレンドに合わせた記事のリライトや、新規記事の拡充がSEOでは重要です。
SEOを担当するリソースがあらかじめ確保できていない場合、途中で対策が止まってしまい、失敗に終わることが多くなっています。
SEO対策を進める際には、継続的かつ中長期的に続けられる社内体制を作りましょう。
適切な記事の制作会社やSEO会社に依頼できていない
SEO対策で失敗する13個目の理由は、記事作成やSEO対策を依頼する会社を上手に選べていないことです。
もし、記事作成を外注していて、思うような成果が出ていないようであれば、残念ながら制作会社のスキルや成果が、足りていない可能性があります。同様に、コンサルティングを外注している場合も、思うような成果が出ない場合には、その依頼先の実力が不十分な可能性が高いです。
このような場合、依頼先を変更することで成果が出ることがあります。
ただし、中には、SEO対策や記事作成に限界があり、既に対策し終わっているようであれば、そもそも外注したとしても伸びにくい可能性もあります。また、業界やサービスによっては、SEO対策が最適ではない場合もあるので、マーケティング戦略から見直さなければなりません。
本来、記事制作もコンサルティングも、サービスを提供している会社はプロのはずなのですが、「絶対」ではありません。
思うような成果が出ないときは、途中で外部への依頼を止めてしまうのではなく、別のSEO会社に相談してみると良いでしょう。
SEOで失敗しないために重要な3つのポイント
ここまで、SEOでよくある失敗について、13個の理由を紹介しました。
最後に、これからSEO対策を始める方、あるいは現在進めている方が失敗しないために、押さえておくべき3つのポイントを解説します。今日からでも遅くないので、できていないものはこの機会に見直していきましょう。
社内体制の見直し
1つ目のポイントは、社内体制の見直しです。
12個目のSEOが失敗する理由でもお伝えしましたが、SEO対策を進めるには、社内体制を整えることから始めましょう。
社内体制を整える際の理想は、キーワードの選定や構成案の作成、サイトの分析を行うディレクター1名、ライターを複数名のチームを作ることです。もし、社内のリソースの確保が難しい場合は、最低でもWebマーケティングまたはSEOの専任者を1名以上つけるとよいでしょう。
一般的に、記事を1つ作るのに1営業日から2営業日(時間に直すと20時間弱)はかかることが多いので、1ヶ月あたりどの程度記事を書く必要があるのかを逆算し、必要な時間と人数を考えると失敗しません。
また、専任の担当者をつけるのが難しい場合は、外部のライターやSEOコンサルタントを利用することを検討しましょう。
Googleガイドラインに沿ったコンテンツの作成
2つ目のポイントは、Googleガイドラインに沿ったコンテンツの作成です。
失敗理由でも紹介しましたが、Googleガイドラインに違反するとペナルティを受けSEOが失敗に終わるため、Gogoleガイドラインは守る必要があります。
その中でも、品質評価ガイドラインにある「E-E-A-T」の経験(Experience)にあたる、実際に商品やサービスを利用または体験した人だからわかる情報を入れることで、安定した順位を獲得できる記事になります。
記事を作成する際は、ガイドラインを守り、独自の経験や情報を載せるようにしましょう。
適切なSEOツールや実績あるコンサルタント会社選び
3つ目のポイントは適切なSEOツールやコンサルティング会社選びです。
SEOでは、キーワードの選定や競合サイトの分析、構成案の作成、ライティングなどいろいろな業務を行わなければいけないため、無料ツールや手作業、社内リソースだけで行うのは、時間がかかるだけでなく、限界があります。
そのため、サイトの分析からライティングまでの業務を効率化できるSEOツールや、業務の一部を効率化するツールなどを導入すると失敗しにくくなります。また、外部の企業にコンサルを依頼する場合には、費用も重要ですが、実績を見た上で会社を選ぶと失敗しません。
中でも、自社の商品やサービスに近いWebサイトを運営している、あるいは運営経験があるコンサル企業に依頼すると成果がでやすいです。
もし、そういった企業が見つからなければ、一旦、3ヶ月から半年で依頼し、成果が出るかを見極めると良いでしょう。
まとめ
SEO対策は、必ずしも上手くいくものではなく、失敗することもあります。
もし、現在、SEO対策が上手くいっていない場合には、この記事で紹介した失敗する理由が当てはまっていないか確認してみましょう。
SEOに関する知識があまりないが、対策の必要性を感じているのであれば、ぜひ一度、以下のSEOに関する基礎を紹介した別ページをご一読ください。