相互リンクとは、Webサイト同士、またはWebサイト内のページ同士がお互いにリンクしていることを指します。
外部サイトから自社サイトへリンクが貼られると、信頼して貼ってもらえたものとして、検索エンジンからの評価が期待できます。そのため、昔は外部サイトからの被リンク数を稼ぐことを目的としたリンクの売買を行う業者がいたほどです。
これに対し、Googleは2012年にペンギンアップデートを実行し、意図的な被リンクをペナルティ対象としています。相互リンクは、SEO効果が見込めると同時に、ペナルティを受けるリスクもある、諸刃の剣です。
このページでは、相互リンクのメリットとデメリット、使い方の注意点について詳しく解説していきます。
この記事でわかること
相互リンクとは?
相互リンクは、2つのWebサイト、またはWebサイト内のページ同士が、お互いにリンクさせることを指します。
相互リンクで重要な点は、「リンクし合うサイトまたはページ同士に関連性があり、そのリンクがユーザーにとって有益かどうか」という点です。
全く関係のないサイト同士やページ同士がお互いにリンクを貼っても意味はなく、SEO効果は期待できません。関係性のないサイト同士の相互リンクは、むしろGoogleのウェブ検索のスパムに関するポリシーに抵触する可能性があり、ペナルティ対象になる可能性さえあります。
それでも、外部サイトから自社サイトへのリンク獲得は、SEO施策の中でも重要な施策の1つです。対策キーワードのためのコンテンツ作成や、内部リンク最適化と同じように、SEO対策として対策すべきものです。
外部サイトから自社サイト内のページへの被リンク獲得は、決して簡単なことではありません。しかし、お互いのサイトが被リンクを得られる相互リンクなら、双方にメリットがあるため、難易度のハードルが下がります。
相互リンクを貼る場合のメリットとデメリット、また注意しなければならないリンクに関するペナルティについて解説します。
相互リンクのメリット
2つのサイト同士をつなぐ、相互リンクにはどのようなメリットがあるのか、解説します。
外部サイトからのアクセス数が増える
相互リンクを貼る1つ目のメリットは、外部サイトからのユーザー流入の可能性が見込めることです。
外部サイトとの相互リンクがあれば、外部サイトからユーザーが自社サイトへアクセスしてくれる可能性が出ます。
サイト運営やSEO対策を始めたばかりだと、ユーザーのアクセス数がなかなか増やせず、新しく作ったページも上位表示されにくいです。良質なコンテンツを作成し続けていても、外部サイトからの自然な被リンクを得られることはほぼありません。
しかし、外部サイトが相互リンクをしたいと思えるようなユーザーの役に立つ質の高いコンテンツを作り続け、一方的なリンクではなく、相互リンクを貼りたいと申し出れば、リンクを貼ってもらえる可能性があります。
相互リンクを貼ってもらうメリットは、外部サイトからのユーザー流入だけではありません。
検索エンジンのクローラーが、自社サイトに回ってくる機会を増やすことができ、新しいページを作成した際にインデックスされやすくなるメリットもあります。
検索順位が上がる可能性がある
2つ目のメリットは、検索順位を上げられる可能性があることです。
自社サイトと関係性が高く、信頼性の高いサイトとの相互リンクが生まれれば、検索結果画面で上位表示される可能性があります。
外部サイトからリンク獲得できれば、検索エンジンは「リンク元サイト(外部サイト)から、リンク先サイト(自社サイト)への信頼が生まれている」と判断します。すなわち、検索エンジンから自社サイトへの評価が高まるため、作成したコンテンツの検索順位が上がる可能性があります。
SEO対策を進める上で、キーワードには月間検索ボリュームが大きく、簡単には上位表示されないものがあります。自社サイトに被リンクがないと、検索エンジンからの信頼が十分ではないことから、難易度の高いキーワードを上位表示させることは難しいです。
優良な外部サイトと相互リンクを貼り、検索エンジンからの評価を高めることができれば、上位表示が難しいキーワードでも検索順位を上げられます。
ただし、注意しなければならない点として、Googleはガイドラインで意図的なリンクを厳しく取り締まっています。これは、かつて被リンクの価値を悪用したSEOが横行していたためです。相互リンクの場合も、サイト同士の関係性が低ければ、スパムリンクと認識されてしまい、ペナルティを受ける可能性があることを覚えておきましょう。
相互リンクのデメリット
相互リンクは、SEO効果が見込めるメリットがある反面、デメリットになる可能性も含んでいます。
ペナルティのリスクがある
1つ目のデメリットは、先のメリットでも注意点としてご紹介しましたが、相互リンクにはペナルティを受けるリスクがあります。
相互リンクは、リンク元がリンク先と関係性があり、コンテンツ内容が信頼できるもので、ユーザーに役立つものになる場合のみ設置しなければなりません。
もし、外部サイトから相互リンクを貼りたいと依頼を受けても、内容確認をしないまま、OKは出さないように注意しましょう。
ユーザーの立場から、相手サイトのページを見て、内容が分かりやすく書かれている内容に嘘がないかをチェックします。
内容がいい加減で、低品質なコンテンツを量産していたり、リンクばかりを集めたページが目立つサイトとの相互リンクは、ペナルティを受けるというデメリットしかありません。
自社サイトとの関係性がない、または内容が薄いページばかりのサイトからの相互リンク依頼は、否認しましょう。
Googleガイドラインでは、過度の被リンクおよび不自然な被リンクを禁止しています。リンク元が有料なサイトとの相互リンクであっても、あまり多いサイトとつなげないように注意しましょう。
検索順位が下がる可能性がある
2つ目のデメリットは、相互リンクを貼ることで検索順位が下がる可能性ある点です。
相互リンクは、自社サイトの評価を高める可能性もあれば、下げる可能性も含んでいます。
低品質なコンテンツの多いサイトと相互リンクを貼ってしまい、自社サイトの評価が下がると、これまで作成した自社サイト内の上位表示されているページの順位を下げてしまいます。
相互リンクは、自社サイトの内容と関連性があり、高品質なページを作成し続けている外部サイトと貼りあうことで、はじめてSEO効果を期待できます。相手サイトのページの中に、質が良いものもあれば、あまり良くないものもあるなどバランスが悪い場合は、相互リンクを貼るべきかどうかの判断が難しくなります。
この判断は、自社から質の高い外部サイトへ相互リンクを依頼する場合にも、相手が判断することです。自社サイトのコンテンツ作成やリライトは、常に手を抜かず、ベストな状態をキープし続けましょう。
先に紹介した通り、Googleのリンクに対する考え方を踏まえると、質の高いコンテンツを作り続けているサイトでない限り、相互リンクは控えるべきです。
Googleのリンクに対する考え方
Googleは、サイトやページをつなぐ「リンク」に対し、どのような考え方を持っているのでしょうか。
Googleはガイドラインでリンクに関し、「Webページの関連性を判断するための重要な要素」としています。また、検索結果順位を操作するための「過剰な相互リンク」や「リンクの売買」などをリンクスパムとし、ペナルティの対象としています。
つまり、リンクを検索順位を判定するための重要な要素として認めながらも、リンクそのものが検索結果順位に影響を与えるためのものであるべきではなく、あくまでユーザーの役に立つものとして設置されなければならないとしているわけです。
相互リンクは、SEO目的で使うのではなく、ユーザーがお互いのサイトを行き来することで、有益な情報が得られるために使うことが重要であるということを覚えておきましょう。
SEO効果がある相互リンクとは?
「質が良い」外部サイトとの相互リンクならSEO効果が期待できることを解説しました。
では、どのような外部サイトなら、「質が良い」と判断して良いのでしょうか。その基準に、サイトの「ドメインパワー」と「信頼性」に注目してみます。
ドメインパワーが強く関係性のあるサイトとの相互リンク
相互リンクを貼る場合に大切なのは、自社サイトと関連性が強く、ドメインパワーのある外部サイトを選ぶようにしましょう。
ドメインパワーとは、検索エンジンからの評価度合いを数値化したものです。ドメインパワーが強いサイトは、すなわち検索エンジンが高く評価をしているサイトと言えます。ドメインパワーが高いサイトは、新しいページを作成したときも検索順位が上がりやすいです。
ドメインパワーを計測する場合は、パワーランクチェックツールなどの無料ツールを使うと、どのくらい評価を受けているかを数値で確認できます。
ドメインパワーに関しては『ドメインパワーとは?SEOでの重要性と確認・強化方法について』で詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。
自社サイトと関係性のある外部サイトを見つけたら、ドメインパワーを確認し、高い評価を受けたサイトであれば相互リンクを依頼してみましょう。
信頼性の高いサイトとの相互リンク
もう1点、相互リンクを貼る場合には、相手側サイトの内容が信頼できるものか、確認をしておきましょう。
関係性のあるサイトとの相互リンクを貼る場合、同じキーワード対策のために作成しているコンテンツがあることも少なくありません。相手側サイトにあるページの内容が薄かったり、キーワードの詰め込みのようなものになっていたりしていないか、相互リンクを貼る前に必ず確認しましょう。
リンクを貼るページだけでなく、その他のページもサイト独自の調査で手に入れた確かなデータを元に、ユーザーが求めている情報を専門的な知識を持った人が作成し続けているサイトかどうかチェックしましょう。
相互リンクを貼るため、自社で作成している記事内容と関係性のあるサイトの内容を確認する場合、自社サイトでも似ている内容を調べているわけですから、相手サイトのページに記載された情報が信頼に足るものか判断しやすいはずです。
サイト内を調べ、低品質なページや、リンクを詰め込んでいてペナルティを受けていそうなページがある場合は、相互リンクはしない方が良いです。
相互リンク施策を行う際の方法と注意点
外部サイトからの被リンク獲得の手段として、相互リンクを検討する際に、注意すべき点をご紹介します。
自社サイトと関連性があるサイトのみリンクする
相互リンクをする場合に大切なのは、自社サイトと相互リンクさせたい外部サイトに関係性があるかどうかです。
一番良いのは、関係性の強いコンテンツを作成している外部サイト担当者から相互リンク依頼をしてもらえることです。しかし、自社サイトをスタートさせたばかりだと、その可能性は低いです(逆の立場で考えても、あえて力のない外部サイトに相互リンク依頼を出すことはないでしょう)。
自社サイト内のページと関係性のあるサイトを見つけてコンテンツを読み、思わず読み進めてしまうような、分かりやすく読みやすいページを作っているなら、相互リンクをしてもらえないか、依頼してみましょう。
相手サイトが自社サイトの内容を確認する際、内容の薄い低品質なページが多いと相互リンクを断れる可能性が高いです。
自社サイト内のページを相手サイトが相互リンクしても良いと判断できるような、高品質なコンテンツを作成し続けましょう。
状況に応じた「rel=nofollow」の設定やリンク削除依頼
自社サイトとの関連性があるサイトから相互リンクを依頼されたものの、相手サイトのコンテンツに信頼度が欠けている場合は、相互リンクを断るか、「rel=nofollow」をリンクタグ内に入れるように依頼しましょう。
相互リンク依頼があったタイミングだけでなく、Google Search Consoleで定期的に被リンクをチェックし、質の悪いサイトからのリンクが見つけたら、同じように「rel=nofollow」、またはリンク削除を依頼します。
nofollowとは何か、設定方法を含め『nofollow属性とは?SEOにおける役割や設定方法について』にまとめているのでご覧ください。
対策キーワードを徹底的に調べ、ユーザーの検索意図を確認して時間をかけて作成したコンテンツが、外部サイトからの被リンクで価値を落としてしまうことがないよう気を付けましょう。
自然と良質なリンクが集まるサイトづくりを心がけよう
相互リンクは、簡単には得ることのできない外部サイトからの自社サイトへのリンクを獲得する方法の1つです。
お互いのサイトの内容に関係性があり、質の良いコンテンツを作り続けているサイト同士がお互いにリンクを貼りあうことで、初めてSEO効果が得られます。
リンク設置は、あくまでユーザーに役立つためのものであることが前提であり、被リンクによって検索エンジンからの評価を高めようとすべきではありません。また、被リンク数は多ければ良いわけではなく、不自然なリンクになっていればペナルティを受ける可能性があることも覚えておきましょう。
被リンクは、SEO効果が得られるものではありますが、その意味を理解しておく必要があります。相互リンクを貼る際は、相手サイトをよく調べ、少しでも難点がある場合は設置しないようにしましょう。