サブディレクトとサブドメインの違いや使い方について

サブディレクトリとは、一般的にルートドメインの中に作られたディレクトリを指します。

WebマーケティングやSEO対策において、新しい商品やサービスを展開する際に、「サブディレクトリ」で情報を発信するか、「サブドメイン」で情報を発信するかなどで悩まれる方が多くいます。

サブディレクトリの役割や効果を正しく理解していないと、時にはサイト全体の評価を下げる可能性もでるため注意が必要です。

この記事では、サブディレクトリの基本やサブドメインとの違い、サブディレクトリによるSEO効果、適切な設定方法について解説します。

サブディレクトリを作成するタイミングや使わない方が良いケースまで解説するので、ぜひ参考にしてください。

サブディレクトリとは

サブディレクトリとは、自社サイトのドメイン内に設置したルートドメインの下層に設置するディレクトリのことです。

例えば、「example.com」というサイトを運営している場合、「example.com/aaa/」の「/aaa/」がサブディレクトリとなります。また、「example.com/bbb/」のようになることもあるため、「/aaa/」や「/bbb/」を総称して、「example.com」のサブディレクトリといいます。

このように、WEBサイトやSEOの文脈で使われる「サブディレクトリ」は、サイトの構造や特定の下層ページを指す際に使用されます。

ただし、パソコンでデータを保存する際に作られるファイルを「ディレクトリ」、そのファイル内に作成されたファイルを「サブディレクトリ」と呼ぶこともあるため、どの文脈でサブディレクトリを使用しているかには注意しましょう。

続いて、サブディレクトリとサブドメインの違いについて解説します。

サブディレクトリとサブドメインの違い

そもそも、サブドメインとは、メインドメインに任意の文字列を追加したドメインのことです。

具体例にすると、Yahoo!の場合であれば、メインドメインが「yahoo.co.jp」に該当し、「shopping.yahoo.co.jp(ヤフーショッピング)」や「auctions.yahoo.co.jp (ヤフーオークション)」がサブドメインになります。(この「shoppoing.」や「auctions.」が任意の文字列です。)

サブドメインは、メインドメイン(親サイト)が運営している「サブのドメイン(子サイト)」として認識されますが、メインドメインとは「別のサイト」になります。

一方、サブディレクトリは、メインドメインの下層に設置するディレクトリを指すので、メインドメインの「一部」として認識されます。

このように、言葉は似ていますが、サブドメインとサブディレクトリは全くの別物となっています。

SEO評価の影響と使い分け

結論からお伝えすると、サブディレクトリは、メインドメインを大きくする際やSEO対策の強化に役立ち、サブドメインは、メインドメインとは異なる情報の発信や新しいサイトの立ち上げに役立ちます。

サブディレクトリは、メインドメインの「一部」として認識されるので、メインドメインのSEO評価を強化するのに役立つのは、言わずもがなでしょう。

一方、なぜサブドメインが新しいサイトの立ち上げなどに役立つかというと、サブドメインがメインドメインの評価を引き継げるからです。

通常、新規ドメインを取得しWebサイトを運営する場合、新規ドメインは新しいサイトとして認識されるため、検索順位を上げるのに時間がかかりますが、サブドメインの場合は、親サイト(メインドメイン)の子サイト(サブドメイン)と認識されることで、評価が受け継がれ、検索順位が上がりやすくなります。

ただし反対に、メインドメインがペナルティを受けていたり、あまり上位表示できていない(信頼されていない)場合は、サブドメインも同様に、信頼されにくくなります。

サブドメインは、メインドメインにおけるプラスとマイナスの評価のいずれも影響するため、低評価を受けているときのは注意しましょう。

サブディレクトリのメリット

ここからは、サブディレクトリを使用する3つのメリットについて解説していきます。

サブディレクトリは、主にメインドメインを強化することが可能となっていますが、それ以外にも以下のメリットがあります。

上位表示しやすい

サブディレクトリを利用するメリットの1つ目は、上位表示しやすいことです。

サイト全体でアクセス数が多く、検索エンジンから信頼を得ている場合、メインドメインの一部として認識されるサブディレクトリで発信するコンテンツは、上位表示しやすくなります。

また、メインテーマに関連するコンテンツがドメイン内に増えると、検索エンジンから専門性の高いサイトと認識されやすくなるため、サイト全体のコンテンツ評価が高くなります。

別の切り口からアプローチできる

サブディレクトリを利用するメリットの2つ目は、メインターゲットに異なる観点からアプローチができることです。

例えば、メインテーマが「マーケティング」であれば、サブディレクトリで「広告」や「SEO」、「SNS」などに切り分けて情報を発信することで、同じ「マーケティング」に対し、異なるアプローチができます。

また、詳細なテーマ(サブディレクトリ)がキレイに整理されていると、Webサイト運営者は情報を管理しやすく、アクセスするユーザーは求める情報まで辿り着きやすくなるため、一石二鳥です。

異なる商品やサービスを容易に管理できる

サブディレクトリを利用するメリットの3つ目は、異なる商品やサービスを容易に管理できることです。

具体的には、ジャンルが異なる複数の商品やサービスを展開している場合に、サブディレクトリごとにターゲットや商品、サービスを決めて、情報の発信と管理を行うのに役立ちます。

例えば、マーケティング支援のサービスを複数もっているのであれば、「コンサルティング」や「広告運用」、「営業代行」のようにサブディレクトリで分けることで、ページの管理や情報発信が簡単になります。

他にも、「電気」や「ガス」、「水道」、「インターネット回線」のように複数の商品を取り扱う場合に、それぞれに対応するサブディレクトリを作成することで簡単に管理できます。

サブディレクトリのデメリット

ここからは、サブディレクトリのデメリットを3つご紹介していきます。

サブディレクトリを使う際に、適切なコンテンツ管理を行っていけば、デメリットにはならないものもあるため、ぜひ覚えておきましょう。

低評価の影響を受けやすい

1つ目の注意しなければいけないデメリットは、低評価の影響を受けやすい点です。

具体的には、サイト全体の評価が低い場合やSEOペナルティを受けている場合、コンテンツの検索順位が低い場合、サブディレクトリ内で発信するコンテンツの順位が上がりにくくなります。

これは、サブディレクトリが上位表示しやすいという点と表裏一体で、SEOペナルティを受けていたり、低品質なコンテンツとして評価が下がっていたりすると、メインドメインの一部として認識されるサブディレクトリも評価が下がってしまうからです。

そのため、サイト内にあるコンテンツの管理がしっかりとできていないようであれば、サブディレクトリを使用したコンテンツの発信は、おすすめではありません。

コンテンツの内容が既存ページと重複しやすい

2つ目の注意しなければいけないデメリットは、既存ページと重複しやすい点です。

サブディレクトリに追加するコンテンツの多くは、メインテーマに関連する情報となるため、表現方法が似やすく内容が重複したコンテンツになる可能性が高くなります。

サイト内に内容が重複したコンテンツが増えると、読者は「同じことばかり書いている」と感じるため、他の記事を読まなくなってしまう可能性があります。また、重複したコンテンツがあると、検索エンジンからの評価が分散してしまい適切な評価が受けられないため、SEO対策的にも好ましくありません。

サイト内でどういった情報を発信しているのか、コンテンツの管理シートなどを作成し、内容が重複しないよう気を付けましょう。

メインテーマからズレたコンテンツになってしまう

3つ目の注意しなければいけないデメリットは、メインテーマからズレたコンテンツになってしまうことです。

サブディレクトリを使い、様々なターゲットや商品に対して、異なる切り口でアプローチできることはメリットですが、それらを広げすぎてしまうことが、かえってデメリットになる場合があります。

というのも、検索エンジンは、Webサイト内で発信している内容から「サイトの専門性」を把握しているため、異なる情報を発信しすぎるとサイトの専門性を損なう可能性があるからです。

具体的には、「SEO」について発信しているのであれば「SEOの専門的なWebサイト」と検索エンジンが認識するのに対し、SEOに関する発信と混在して、グルメや観光に関する情報を発信していると、何の専門サイトなのか分からなくなってしまうことなどが該当します。

最近の検索エンジンは、専門性が高いサイトを評価する傾向があるため、基本的に関連性のない情報はサブディレクトリで発信しないようにしましょう。

サブディレクトリを使うべきタイミング

ここからは、先ほど紹介したデメリットを避けるため、サブディレクトリを使うべきタイミングについて解説していきます。

サブディレクトリを活用するべきタイミングは、大きく次の3つになります。

メインテーマと関連性が強いとき

1つ目のサブディレクトリを使うべきタイミングは、新しく追加する情報がサイトのメインテーマと関連性が強いときです。

検索エンジンは、Webサイトの専門性や権威性、信頼性などをWebサイト内で発信している情報をもとに評価しているため、特定のジャンルなどに特化し、常に関連性が強い情報を発信しているサイトは、評価されやすくなります。

例えば、SEOに関する情報だけを発信しているWebサイトと、SEOの情報だけでなく検索エンジンやWEBサイトなどのSEOに関連性がある情報も発信しているサイトがあった場合、後者のほうが専門性が高いと認識され上位表示しやすいというものです。

これらの点から、メインテーマと関連性の強いコンテンツの発信を考えているときは、サブディレクトリがおすすめといえます。

メインテーマのSEO対策が好調なとき

2つ目は、メインテーマのSEO対策が順調なときです。

メインテーマの検索順位やアクセス数が好調な場合は、検索エンジンからの評価が高く、クローラーが巡回しやすいため、新しくコンテンツを追加した際に、インデックスされやすくなります。

これはサブディレクトリでコンテンツを追加する場合も同様で、サブディレクトリ内のコンテンツの質が高ければ、検索結果で上位表示できる可能性が高まります。

メインテーマのSEO対策が順調で、検索エンジンから良い評価を受けている場合は、サブディレクトリによるコンテンツの追加がおすすめです。

管理コストを抑えたいとき

 
最後は、サイトの管理コストを抑えたいときです。

サブドメインを取得して新しいサイトを運用する場合、管理するサイトが増えるため、リソースを割き管理する、運用コストが増えます。一方、サブディレクトリの場合、既存のサイト内への情報の追加なので、これまでと同じコストでサイト運用を続けられます。

ただし、コンテンツを作成したり、管理したりする工数(コスト)は、サブドメインでもサブディレクトリでも同じことなので、あくまで一緒に管理できる分、管理コストが下がる程度のものです。

サブドメインを作成した際に、サイトを管理する人材の確保や費用を増やすのが難しい場合は、サブディレクトリにしましょう。

サブディレクトリの使用を避けるべきケースとは?

サブディレクトリを選ぶと良い効果が得られるケースもあれば、避けるべきケースもあります。

ここからは、サブディレクトリを避けるべき具体的な2つのケースについて解説します。

YMYLと非YMYLが混在するケース

1つ目は、YMYLと非YMYLが混在するケースです。

YMYLとは、Your Money or Your Lifeの頭文字を取ったもので、「お金や健康、生命に関わる情報」を指します。

YMYLに関わるコンテンツは、人々のお金や健康、人生に大きな影響を与える可能性があるため、E-E-A-T(経験:Experience、専門性:Expertise、権威性:Authoritativeness、信頼性:Trustworthiness)が求められ、Googleの評価はその他のジャンルと比べ、厳しくなっています。

そのため、YMYLと非YMYLのコンテンツが混在した状態で運営すると、一部のYMYLの対象となるページが原因で、Googleからの評価が厳しくなってしまい、上位表示しにくくなる可能性があります。

もし、サイト内にYMYLに該当するコンテンツと、非YMYLのコンテンツが混在する場合は、サブディレクトリではなくサブドメインを選び、別ページとしてSEO対策を進めるのがおすすめです。

YMYLについては以下のページで詳しく解説していますので、追加しようとしている情報がYMYLに触れていないか、確認する際に参考にしてみてください。

メインテーマと関連性がないケース

2つ目は、メインテーマと関連性がない場合です。

新しく追加する情報が、メインテーマと関係が薄い、または全く関係ない場合はサブディレクトリを使用しないようにしましょう。

繰り返しになりますが、Googleは専門性の高さを発信している情報の一貫性で判断し、専門性が高いサイトを評価する傾向があるため、メインテーマと関連性が薄い内容を同一のドメイン上で発信することで、サイトの専門性を下げ、Googleからの評価を下げる恐れがあります。

サブディレクトリを追加する際は、自社サイトのメインテーマと関連性があるかを見極め、サブディレクトリとサブドメインのどちらを選ぶべきか慎重に決めましょう。

サブディレクトリの作り方

最後にサブディレクトリを追加する方法について解説します。

サブディレクトリの設定方法は、自社サイトの運用に利用しているCMS(Contents Management System)によって異なるため、この記事では、HTMLやCSS、その他のファイルを用意してサイトを運営している場合と、WordPressを利用している場合について解説します。

メインサイトを設置しているサーバー内にディレクトリを設置する

ルートディレクトリ内に新しいディレクトリを用意する

既にサーバー内で自社サイトに必要なファイルを作成、運用している場合は、ルートドメイン内に新しいディレクトリを用意する必要があります。

具体的には、サーバーにアクセスし、自社サイトの情報が置かれたディレクトリ(フォルダ)の中に、追加したい情報の名前を付けたサブディレクトリ(新規フォルダ)を作成し完了です。

ただし、上記はサーバー上に空のディレクトリが追加されるだけのため、ページにアクセスしたい場合には、メニューやコンテンツ内にリンクの追加が必要です。

WordPressを使っているなら固定ページを追加する

WP固定ページでサブディレクトリを作成するには

自社サイトの運営にWordPressを使用している場合は、「固定ページ」を作成することでサブディレクトリを追加できます。

WordPressの固定ページは、上層(親)・下層(子)ページの中から選べます。

WordPressにログインしたら、新しいジャンルに関する「親」となる固定ページを作成します。 次に、新ジャンルに関する新しいコンテンツを作成し、アップロード前に「親」ページを指定するだけでサブディレクトリが追加できます。

ただし、ユーザーに新しいジャンルのぺージへアクセスしてもらうには、ユーザーに気づいてもらうための導線が必要です。

メニューに新しいジャンルの「親」ページを追加し、ヘッダーやフッターなど、ユーザーの目につきやすい部分に設定するのを忘れないようにしましょう。

まとめ

本記事では、サブディレクトリの特徴や使い方、実際の設定方法について解説しました。

SEO対策として、自社サイトに新しいジャンルの情報を追加する場合、サブドメインとサブディレクトリのどちらを活用するべきか慎重に決める必要があります。

自社サイトのSEO対策が順調に進み、検索エンジンからの評価が得られていて、新しく追加したい情報がメインテーマと結びつきが強いなら、サブディレクトリを選びましょう。