静的ページと動的ページそれぞれの特徴について

HTMLやCSS、JavaScriptなどで作られているWebサイトは、誰が見てもいつも同じ情報が表示される静的サイト(静的なページ)と、ユーザーによって見た目に変化が生じる動的サイト(動的なページ)の2種類があります。

静的サイトと動的サイトには、それぞれメリットとデメリットがあるため、自社が伝えたい情報やターゲットとなるユーザーに適したものを選択しなければなりません。

このページでは、静的サイトと動的サイトそれぞれの特徴と、使い分けるポイントを解説します。

自社にとって静的サイトまたは動的サイトのどちらが最適なのかを検討した上で、ターゲットであるユーザーが便利で使いやすいWebサイト作りを目指しましょう。

静的サイトと動的サイトの特徴と違い

静的サイトと動的サイトとは、どのようなもなのでしょうか。それぞれの特徴と違いを以下、ご紹介します。

静的サイト(静的ページ)の特徴

静的サイト(静的ページ)とは、HTMLやCSS、JavaScriptで作成されたWebサイトまたはページを指し、全てのユーザーに同じ内容を表示させるものです。

具体的には、Webサイトのトップページ(ホームページ)や運営情報、会社概要など、運営していく上で根本的に内容が変わらないページを指し、静的ページといったりもします。

静的サイトは、サイト運営者が情報を更新しない限り、その内容が変化することはありません。ユーザーからURL入力やリンククリックによってリクエストされた情報が、他のプログラムなどの影響を受けず、そのまま表示されるものを指します。

動的サイト(動的ページ)の特徴

動的サイト(動的ページ)とは、ユーザーがアクセスする状況によって表示される内容が変化するWebサイトまたはページを指します。

例えば、ユーザーによる書き込みによって表示内容が変わっていく掲示板や質問サイト、お気に入りを登録しておくと次にアクセスした際に記録が残るショッピングサイトや会員登録をすることで閲覧できるページが変わるWebサイトが、動的サイトや動的ページといわれます。

動的サイトは、サイト運営者だけでなく、アクセスするユーザーによって内容が更新されます。アクセスごとに自分だけでなく、他のユーザーが更新した情報が新しく表示される特徴があります。

それぞれの特徴をお伝えしたところで、次は静的サイトまたは動的サイトを選ぶメリットおよびデメリットをご紹介します。

静的サイトのメリットとデメリット

HTMLなどであらかじめ用意した情報を、アクセスするユーザーすべてに変化させることなく表示する静的サイトのメリットおよびデメリットをご紹介します。

メリット① ページの表示速度が早い

静的サイトの1つ目のメリットは、サイトやページが表示される速度が速いことです。

基本的に情報が変わらず、固定されたデータが表示される静的サイトは表示速度が速く、ユーザーは快適にサイトを閲覧できます。

メリット② サーバーダウンが起こりにくい

2つ目は、サーバーダウンを起こしにくいことです。

ユーザーからのリクエストに対し、変わらない情報をそのまま表示させるだけの静的サイトはアクセスの度に内容を更新する必要がないためサーバーへの負担が少なく、サーバーダウンを起こしにくいというメリットがあります。

メリット③ セキュリティ対策しやすい

3つ目は、サイトのセキュリティ対策がしやすいことです。

サーバー内にあるHTMLで作られたページ以外にデータベースを持たず、情報漏洩するリスクがない静的サイトはセキュリティ対策がしやすいメリットがあります (※動的サイトと比較すると、セキュリティ対策しやすいだけなので、万全ではないことに注意しましょう) 。

以上が、静的サイトのメリットになります。ページの表示速度やセキュリティなど、ユーザー視点で考えると良い点が多いのが静的サイトの特徴です。続いてデメリットについて解説します。

デメリット① リアルタイムな情報更新に弱い

静的サイトのデメリット1つ目は、リアルタイムの情報更新に弱い点です。

先に解説した通り、静的サイトはサイト運営者が情報更新をしない限り、他の影響を受けず同じ情報が表示されます。自社で取り扱う商材に関して、新しいニュースが出たら、常に担当者が各ページの内容を更新しなければなりません。

また、どのページに何が表示されているかを把握していなければ、更新が抜けてしまう可能性もあるので注意が必要です

デメリット② ユーザーごとに異なる情報を表示できない

2つ目は、ユーザーごとに異なる情報を表示できない点です。

アクセスしたユーザーが、サイト内で気に入ったページを登録したり、表示されたページに関する情報交換したりができません。ページ内容に合わせ、静的ページにするか動的ページにしておくべきか考えてWebサイトの作成が必要です。

続いて、動的サイトにはどのようなメリット、デメリットがあるのか見ていきましょう。

動的サイトのメリットとデメリット

動的サイトにすることで得られるメリットおよびデメリットには何があるのか、解説します。

メリット① ユーザーがアクセスする度に最新情報が表示される

動的サイトのメリット1つ目は、アクセスする度にユーザーに最新情報を表示させられます。

動的サイトなら、ユーザーがアクセスする状況やタイミングによって、表示される情報が常に更新されます。

既存ページにユーザー自身がコメントや口コミを投稿すると反映されたり、質問サイトで訊きたいことを投げかけると他のユーザーが回答を入力してくれたりしますが、これらは全て動的ページになります。

メリット① ユーザーごとに最適化した情報を表示できる

2つ目のメリットは、ユーザーごとに最適化した情報が表示できることです。

アクセスしたユーザーが、サイト内に次も見てみたいと感じたページを登録しておいたり、サイト内での回遊情報を元におすすめページを表示させたりできます。会員制サイトで、登録したユーザーだけがアクセスできるのは動的ページで作られています。

デメリット① ページの表示速度が遅い

動的サイトのデメリット1つ目は、表示速度が遅くなってしまうことです。

アクセスする度に情報更新が行われるため、動的サイトは表示速度が遅くなってしまいます。これは、動的ページの表示内容を更新するプログラムがサーバー内でされるためで、CPUに負担がかかって処理に時間が必要になることが原因です。

デメリット② サーバーダウンにつながる可能性がある

2つ目のデメリットは、サーバーがダウンする可能性があることです。

アクセス数によっては、動的ページのプログラムが実行されることでサーバーCPUへの負担が限度を超え、サーバーダウンにつながることが考えられます。

例えば、ユーザーが問い合わせぺージに必要項目を入力していてサーバーダウンが起こると、そのユーザーは離脱し、戻ってくる可能性は低いです。

ユーザーの情報交換の場にもなる動的なページですが、上記のようにページ表示速度が落ちてユーザーのストレスになってしまったり、サーバーダウンを起こして得られるはずのコンバージョンを逃がしてしまう可能性があることを知っておきましょう。

静的サイトおよび動的サイトにはそれぞれメリット、デメリットがあることをご紹介しました。

それでは、自社サイトにはどちらを選ぶべきなのか、2つを比較しながら使い分ける方法をご紹介します。

どっち向き?静的サイトと動的サイトの比較と使い分け

ここまでご紹介してきた情報を見ると、静的サイトと動的サイトにはどちらにも魅力的な部分がある反面、運営に関する難点もあります。

自社にはどっちが向いているのか分からず迷ってしまうWeb担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

Webサイトの運営にはリソースや予算も関係があるため、それぞれの観点から比較してみます。

自社サイトの運用や情報更新が楽なのはWordPressなどの動的サイト

Webサイトをこれから作成するにあたり、あまりリソースを多く用意できない、費用もかけられないのであれば動的サイトで作成すると良いです。

動的サイトをゼロから作るとHTMLやCSSなどのWebサイト作成に必要な基礎知識以上に、phpなどの言語を理解していなければなりません。

しかし、WordPressをはじめとするCMS(Contents Management System)を利用すれば、直感的なWebサイト作りが可能です。テーマを選び、プラグインを活用すればユーザーからWebページへの投稿や、問い合わせなども比較的簡単に用意できます。

セキュリティ面を重視、予算も確保できているなら静的サイトでも良い

Webマーケティングに注力するため、あらかじめ予算やリソースを用意し、セキュリティ面にも力を入れたいのであれば、静的なWebサイトを立ち上げると良いでしょう。

自社で人材を確保できない場合は、外部企業にオーダーし、Webマーケティング戦略に合わせたWebサイトを作成します。サーバーダウンなどでユーザーからの信頼を失わず、ユーザーに快適な速度でWebページを見てもらえます。

これから企業として成長を目指すものの、まだ自社サイト運営に人もお金も割けないのであればCMSを利用した動的サイトでの運営、すでに企業として数年の運営実績があり、スタッフや予算を予め用意できるのであれば、静的サイトを作成・運用すると良いでしょう。

まとめ

SEO観点からすると、静的サイトも動的サイトも「評価の差」はありません。

静的なサイトやページは読み込みが早く、サーバー負荷が少ない反面、新しくなる情報を更新するリソースを確保する必要があります。

一方、動的なサイトやページは、ユーザーがアクセスする度にプログラムが情報を更新するため、ページ読み込みに時間がかかるものの、ユーザーごとに表示できるページを変えられます。

静的サイトと動的サイトのどちらが正しいという答えがあるものではありません。用意できる予算や時間、リソースに合わせて自社商材やターゲットのアクセスを獲得できるよう最適な自社サイト運営を目指しましょう。