コンテンツマーケティングのメリット・デメリット

コンテンツマーケティングを始めたいけど、本当に始めるべきか迷っている、という方も多いのではないでしょうか。

このページでは、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。コンテンツマーケティングを始めるか迷っている方の助けになれば幸いです。

コンテンツマーケティングによくありがちな勘違い

コンテンツマーケティングのメリット・デメリットをみていく前に、「コンテンツマーケティングによくありがちな勘違い」について解説します。

まず、コンテンツマーケティングと聞いて多くのWeb担当者の方は「自社で運用するオウンドメディアやブログで記事を公開し、検索エンジンで上位表示を狙う施策」をイメージするのではないでしょうか。

そのような施策を「コンテンツSEO」と呼びますが、コンテンツSEOはあくまでもコンテンツマーケティングの施策の1つにすぎません。そもそも、コンテンツマーケティングとは、「顧客が抱えている悩みやニーズを解決するために、良質なコンテンツを発信することで顧客との接点を生み出し、顧客の獲得(リードジェネレーション)〜育成(リードナーチャリング)を図ること」が本質です。

コンテンツを用いて、顧客の獲得〜育成に繋がる手段は、全てコンテンツマーケティングの施策に含まれるので「コンテンツマーケティング=コンテンツSEOではない」ということをまずは理解しておく必要があります。

多様化するコンテンツマーケティング。適切なコミュニケーション手段を選ぶことが大切

コンテンツマーケティングの施策は、多様化しており、サイトだけでなくSNSやメルマガ(メールマーケティング)、YouTubeといった動画マーケティングやアプリもコンテンツマーケティングの施策として用いられます。

文章や画像、動画などコンテンツを通してユーザーとコミュニケーションを取れる手段であれば、全てコンテンツマーケティングの施策に含まれます。

ユーザーや顧客とどのようなコミュニケーション手法を取るのが最適なのかを見極める必要があるでしょう。

コンテンツマーケティングのメリット

1.コンテンツが資産化していく

ここでいうコンテンツとは、検索エンジンでの上位表示を狙うブログ記事もそうですが、SNSの投稿やフォロワー、YouTubeの動画コンテンツなど幅広いコンテンツの種類を指します。

コンテンツマーケティングで作成した良質なコンテンツは、見込み客を集客する資産となり、積み重ねれば積み重ねるほど自社の売上を増やしてくれます。コンテンツマーケティングのようなデジタルコンテンツビジネスのメリットは何といっても「コンテンツをストックできる性質」でしょう。

ただし、闇雲に適当にコンテンツを作っても思い通りにコンテンツが資産化しないのがコンテンツマーケティングの難しさでもあります。

常にユーザーのニーズや悩みに寄り添い、ユーザーのニーズや悩みを解決する高品質なコンテンツを作り続けないと、コストやリソースだけがかかり、逆に売上が伸び悩む原因になってしまいます。

2.予算をかけずに始められる

オンライン上での集客の手段としてよく使われるリスティング広告やディスプレイ広告といった「運用型広告」。広告費をかければ、すぐに見込み客を集客できます。

しかし、広告は「広告費を払っている配信期間しか集客できない」というデメリットがあります。広告費が尽きれば集客効果はなくなってしまいます。また最近では、競合性が高く、広告費が高騰する傾向になっています。

コンテンツマーケティングであれば、ライター費用やドメイン・サーバー代など限られた予算で、すぐに始めることができる上に、良質なコンテンツを発信し続ければ、継続的にユーザーを呼び込むことが可能です。

3.コンテンツSEOであれば、ニーズが顕在化したユーザーを刈り取れる

コンテンツSEOの対策をする際に、例えば「化粧品 おすすめ」など購入意欲の高いユーザー(ニーズが顕在化したユーザー)が検索する顕在キーワードでの上位表示を狙います。

「化粧品 おすすめ」で検索するユーザーは現状、肌に何らかのトラブルや悩みを抱えていたり、今使っている化粧品に不満を持っていたりする可能性があります。

そこで、自社メディアで肌のトラブルや化粧品の効果効能に関する良質な記事を作成することで、いざそのユーザーが化粧品の購入を比較・検討するフェーズに入ったとき、自社の商品・サービスを購入してくれる可能性(購入確度)を高めることができます

4.SNSを活用すれば、潜在層・非認知層へのアプローチが可能

GoogleやYahoo!といった検索エンジンだけでなく、SNSを利用して情報収集するのも当たり前になりました。

ツイッターやInstagramでお気に入りのブランドのアカウントをフォローしている、もしくは投稿にリアクションしたことがある方も多いのではないでしょうか。

SNSを活用することで、コンテンツSEOではアプローチできない潜在層・非認知層に、自社をアピールすることができます。

SNSはユーザーが日常的に見るものです。

何気なくSNSを見ているユーザーのタイムラインに、興味や関心を煽るコンテンツを投下することで、自社のブランド商品やサービスを知らなかった非認知層、自分自身でニーズに気づいていなかった潜在層にアプローチできます。

コンテンツSEOで作成したコンテンツをSNSに投下するなど、複数の施策を連動させながら集客効果を倍増できることもコンテンツマーケティングのメリットです。
< h3>5.継続した記事での情報発信によるブランディング

コンテンツマーケティングを行う大きなメリットの1つに、ブランディングが挙げられます。ブランディングを行うことで、ユーザーをファン化し、長期的な関係を築くことが可能です。

コンテンツマーケティングの大前提は魅力的なコンテンツを発信すること。そうすることで、そのブログコンテンツを読んだり、動画コンテンツを見たりする人が増えます。そしてブランド化したコンテンツとの接触時間が長くなれば、ユーザーはファンとなっていくでしょう。

ファンは顧客であると同時に、あなたの商品やサービスを発信し、更にファンを獲得する発信者にも成り得ます。このように、コンテンツマーケティングは商品やサービスを買う、楽しむその一瞬のみならず、長い目で見た際に、企業をブランディングしてくれる財産となっていくのです。

6.ソーシャルメディアでの拡散力

現在、世界人口の約半数である38億人がソーシャルメディアを利用していると言われています。

コンテンツとソーシャルメディアとの相性は非常に良く、その拡散力で多くのユーザーにリーチできるところがメリットの1つです。

最近の例でいうと、インスタグラムのいいね!新記録を更新した卵の画像が挙げられるでしょう。

正体不明の投稿者 EGG GANGが投稿したなんの変哲もない一枚の卵の写真が、それまでの記録1800万Likesを遥かに超え、執筆時点で5462万Likesを獲得しています。

この卵の画像がどのような意図を持って投稿されたかは現時点ではわかりませんが、一枚の写真というコンテンツをこれだけ多くのオーディエンスに届けられる可能性を、ソーシャルメディアは持っているのです。

7.コンテンツマーケティングは社内にも貢献できる

コンテンツマーケティングを進めることは、Webマーケティング以外でもメリットがあります。カスタマーサービスチームを例に取ってみましょう。

貴社のカスタマーサービスチームは毎日電話やメールでの対応に追われていませんか?パスワードのリセットの仕方や、商品の使い方、返品の方法など、多くの質問が同じことも多いでしょう。

そんな時は、WebサイトにFAQを作り、そこで答えを出してあげましょう。FAQも立派なコンテンツです。

ユーザーにとっては問い合わせをする手間と時間を省くことができ、カスタマーサービスチームのストレスを軽減できるメリットがあります。

8.リターゲティングリストを作り、広告でアプローチできる

コンテンツマーケティングの最後のメリットは、オウンドメディアやWebサイトを運営している場合、リターゲティングリストを作り、顧客の再獲得ができること。

みなさんも、オンラインショッピングで、買い物かごに入れたけど、結局買わないままサイトを後にした経験があるのではないでしょうか。

そのようなユーザーにリターゲティング(リマーケティング)広告を出すことで、高い確率で成約や購入に至ることは様々な事例でも証明されています。

もし自社サイトを運営しているのであれば、訪問者をリスト化し、リターゲティングすることが可能。つまり、コンテンツマーケティングはリターゲティングリストを作成し、一度逃した顧客の獲得にもつなげることができるのです。

コンテンツマーケティングの5つのデメリットとは?

1.コンテンツSEOなどは効果が出るまで時間がかかる

コンテンツマーケティングを始める場合、デメリットとして覚悟しなければいけないことがあります。それは、金銭的なコストが掛からない代わりに、時間がかかることです。

特にコンテンツSEOの場合は、始めて数カ月は基本的に結果が見えません。成果が出るまで一年以上かかる場合もあることでしょう。

そのため、コンテンツマーケティングに取り組む場合は結果が出なくても、忍耐強くコンテンツを作成し続けることが必要です。

2.様々な種類の手法を学ぶのが困難

コンテンツマーケティングには、Webの知識、SEOの知見、コピーライティング力、コーディング能力など、幅広いスキルが必要とされており、習得が難しいのもデメリットの1つです。闇雲に自分が面白いと思うコンテンツを作り続ければいいというわけではありません。

望むような結果を出すためには、以下の2ステップでコンテンツマーケティングを実行していく必要があります。

コンテンツマーケティングのステップ
  1. コンテンツマーケティングのベストプラクティス(最適な手法)を理解する
  2. 行った施策のモニタリングをし、最適化(改善)を続ける

そして忘れてはならないのが、スキルの習得には時間がかかるということです。地道にコツコツ努力していくほか道はありません。

また、1からコンテンツマーケティングを学んで、取り組んでいく余裕がないのであれば、外注するのも1つの手です。以下の記事も参考にしてみてください。

3.見えないコスト時間と人件費

メリットとして、金銭的なコストが掛からないことを挙げましたが、見えないコスト(時間と人件費)がかかることはデメリットとして理解しておくべきでしょう。

前述の通り、コンテンツマーケティングで結果を出すには、週に1度の更新では足りません。日々、ユーザーの興味を惹くコンテンツを作成し、投稿した後も効果測定を続ける必要があります。

広告費としてのコストは0かもしれませんが、コンテンツ作成にかかる人件費とコストとしての時間はデメリットとして挙げられるでしょう。

4.結果となる指標が難しい

従来のマーケティングよりも数字での効果測定がしやすいコンテンツマーケティング。このデメリットは一見矛盾しているように見えるかもしれません。

しかし、実際のところ、完璧には効果測定ができないのが現実です。


例えば、オーガニック検索によるトラフィックが増えたりすれば、努力の結果が見えると思うかもしれません。しかし実際には、繁忙期などの条件の変化が起きた可能性があります。また、時間など、グレーエリアとも言えるコストも存在します。

つまり、コンテンツマーケティングは確実にROI(費用対効果)が出るわけではないというところが、デメリットと言えるでしょう。

5.変化するスピードが速い

最後のデメリットとしては、業界の変化の速さが挙げられるでしょう。競合も多く、常に結果を出すことが大変な業界です。

例えば、技術革新によって、今日行っている施策が明日には使い物にならないかもしれません。

そのような世界で結果を残したいと思うのであれば、常に変化に敏感であり、かつ学び続ける姿勢を身につける必要があります。デメリットであるかはあなた次第ですが、大変であることは間違いないでしょう。

まとめ:コンテンツマーケティングは本当に始めるべき?

コンテンツマーケテイングを始めた方がいいか迷っている企業は、非常に増えています。

コア業務を抱えている企業にとって、コンテンツマーケテイングは時間と労力がかかる施策です。会社全体で取り組まないと軌道に乗せることが難しいので、役員や社長の承認を得る必要もあります。仮にコンテンツマーケテイングを始めたとしても必ず成功するとは限りません。

しかしながら、ここ数年でユーザーの情報収集の種類はかなり多様化しました。プッシュ型マーケティングの費用対効果が下がり、プル型マーケティングが主流になりました。

今までのやり方が通用しなくなった今だからこそ、コンテンツマーケテイングに挑戦する価値があるのです。事実コンテンツマーケティングの市場規模は年々増加しており、最新のマーケティング戦略となっています。

もしコンテンツマーケテイングを導入したいと考えているなら、まずは、「ユーザーが求める質の高い情報(コンテンツ)を継続して作り続けるための組織づくりに取り組むこと」が成功のコツです。もしリソースや体力がない場合は、外部コンサルタントや業者、ツールを活用したコンテンツマーケティングがおすすめです。

コンテンツマーケティングは正しいwebマーケティング戦略のもと労力や時間をかけないと軌道に乗りません。ターゲット選定やブログマーケティングの企画、コンテンツ制作やコンテンツマーケティングの始め方や手順などをコンサルティングしてくれるパートナーの存在は欠かせません。