「オウンドメディアを立ち上げたい」
「失敗しないオウンドメディアの構築方法が知りたい」
このように、コンテンツマーケティング手法の1つとして注目を集めるオウンドメディアの立ち上げようを検討してはいるものの、「何から始めればいいの?」「構築にかかる工数や制作費用はどれくらい?」など、様々な疑問が湧いてきます。
このページでは、30以上のオウンドメディアを抱え、日本トップクラスの運用実績を誇る弊社EXIDEAが、オウンドメディアの構築方法や構築にかかる費用相場、失敗事例について解説します。
また、オウンドメディアとして自社サイト構築をする際、最重要項目であるコンテンツの作り方やメディア運営に必須の分析ツールもご紹介します。
この記事でわかること
運用を始める前に、まずはオウンドメディアの本質を理解しよう
インターネットでの買い物が当たり前になっている今、オウンドメディアをスタートさせたい企業は増え続けています。
オウンドメディアにかかる費用は、サーバー代やドメイン代などに限られるため、オウンドメディアの運用が軌道に乗れば、広告費をかけることなく多くのユーザーをWEBサイトに集められます。
また、オウンドメディアで発信するコンテンツは、ユーザーが繰り返しWEBサイトを訪問しファンになってくれるための資産となります。一過性の広告とは違い、ユーザーと長期的な関係を築くことが可能なことも、オウンドメディアの魅力です。
ユーザーの役に立つコンテンツを発信し続けることで、ファンを創出し会社をブランディングできるので、オウンドメディアは企業の大きな資産になり得るでしょう。
しかしながら、オウンドメディアにはデメリットも存在するので、あらかじめ理解しておかなければなりません。
必ずしもオウンドメディアが最適なマーケティング施策とは限らない
オウンドメディアには、「成果が出るまで時間がかかる」「見えないコストがかかる」というデメリットがあります。
成果が出るまでに時間がかかる
Web広告は、あらかじめ予算が必要ではあるものの、出稿を始めるとすぐに集客につながります。しかし、オウンドメディアの場合、集客効果が表れるまで時間がかかります。
多くのオウンドメディアの場合、集客チャネルはSEO(検索エンジン最適化)です。SEO対策を行っても、検索結果の上位に表示されなければ、集客を期待することができません。
質の高いコンテンツを作成したとしても、上位表示するためには最低でも1ヶ月、長くて半年~1年かかることも珍しくありません。
そのため、オウンドメディアで明確な成果を出すためには、最低でも1年は継続的に運用し続ける必要があります。
ただし、集客チャネルとしてSNSをうまく活用することで、初期から多くのユーザーの集客に成功しているオウンドメディアもあります。オウンドメディア運用の際は、自社サイトのSEO対策だけでなく、SNSを運用してファンを獲得することも検討してみましょう。
見えないコストがかかる
オウンドメディア運用は、サーバー代とドメイン代のみで運用できます。しかし、結果が出るまでの人件費など「見えないコスト」も発生します。
特に、コンテンツをSEOで上位表示させるためには、継続して更新し続けなければなりません。ユーザーの目線(=検索意図)に合わせて常にブラッシュアップし続ける必要があるので、リライトの費用も発生します。
このように、オウンドメディアは、リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告に比べて即効性がなく、成果が出るまで時間やコストも発生するので「今すぐにサービスの利用者を増やしたい」「お問い合わせを増やしたい」という企業には向いていません。
まずは「本当に自社にとってオウンドメディアが最適なマーケティング施策なのか」を見極め、それでもやる必要があると判断したら次の「【事前準備】オウンドメディアの作り方」を参考にすると良いでしょう。
オウンドメディアの作り方、事前準備編
「オウンドメディアの作り方」を解説する前に、まずは事前準備としてオウンドメディアの「運用目的」を明確にする必要があります。
目的を定めず運用を開始してしまうと、思うような成果が得られないケースがあります。
メディアのコンセプトや目的を明確にする
オウンドメディアを構築する前に、メディアコンセプトや目的を明確にすることが大切です。
これらを曖昧にしたままオウンドメディアを制作すると、コンテンツ内での訴求にずれが生じたり、想定していたターゲットにリーチできなかったりと、様々な問題が発生します。
何のためにオウンドメディアを立ち上げるのか、どんな価値を世の中に提供していくのか等、オウンドメディア構築の目的をはっきりさせることが重要です。
- 新規リードの獲得
- ブランディング
- 購入者数の増加
- 採用力の今日か
目的やコンセプト、方針などは基本的に企業や個人次第ですが、なるべく既存サイトにはないオリジナルの価値観を生み出すことに重きを置きましょう。
なぜなら、方向性が等しい大規模サイトがある場合、そのサイトより上位表示させるには相当な期間と工数が求められるからです。
例えば、ひと口にグルメ系オウンドメディア と言っても、ユーザーの口コミ重視のオウンドメディア であったり、飲食店視点のオウンドメディアであったりと内容が異なります。
これは、オウンドメディアにおけるオリジナルの価値観を生み出すことで、他メディアとの差別化を図っているためです。
KPIを設定する
KPI(Key Performance Indicators)とは、「重要業績評価指標」を意味します。
例えば、オウンドメディアの運用目的を、資料請求やお問い合わせといったリードの獲得だとします。
では、一体、何件のリードを月に獲得すれば、オウンドメディアがうまくいっていると言えるのでしょうか?
その判断基準こそKPIです。
KPIを設定せずに運用を続けてしまうと、「アクセスが増えているから、運用がうまくいっている」「アクセスが減っているから、運用がうまくいっていない」といった曖昧な判断がされがちです。
そもそものオウンドメディアの運用目的に基づいた、KPIを設定することで、オウンドメディア運用の成果を正しく測ることができます。
インハウスかアウトソーシングか決める
オウンドメディアの作り方の中でも重要なポイントとなるのは「記事をどうやって更新していくか」です。
オウンドメディアで成果を出し続けるためには、定期的な記事制作や、既存記事のリライトを行っていかなければなりません。
この定期的なメンテナンス作業に必要な人員や予算をきちんと確保しておかなければ、メディアの運用がストップしてしまいます。
規模や目標、予算などを考慮しながら、自社で運用していく(インハウス)のか、一部あるいは全部を専門的な企業へ外注する(アウトソーシング)のかなどを慎重に決めましょう。
なお、外注をする場合には、運用を全て丸投げするのではなく、そもそものオウンドメディアの運用目的をしっかりと外注先に伝え、オウンドメディアの設計やコンサルティングを行ってもらうことが大切です。
3C分析、SWOT分析で戦略を練る
事業戦略などに用いられる3C分析は、オウンドメディア構築においても重要です。
3Cとは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの基軸を指します。
3C分析を実施することで、これから構築していくオウンドメディアに求められること、成長の可能性などを探ります。
Customer
一番最初に分析する項目です。ターゲットにする市場・顧客を最初に決めることで、オウンドメディアの方針が定まります。
Competitor
競合とは、「ターゲット」と「ターゲットニーズ」が重なるオウンドメディアです。同業他社のオウンドメディアではありません。
例えば「機器の安さ」と「操作の手軽さ」を特長としたカメラを売る場合、ハイエンドモデルのカメラメーカーよりも、カメラ機能があるスマホの方が競合となり得ます。
Company
単純に自社や製品、サービスの一般的な強みではなく、「Customer」「Competitor」を分析した上での自社の強み、独自性となります。
自社の強みほか、3C分析の結果を踏まえて方向性を明確にするのに効果的なのがSWOT分析です。
「Strengths(強み)」「 Weaknesses(弱み)」「 Opportunities(機会=新規参入の見込み)」「Threats(脅威 = 目標達成の障害となるもの)」をそれぞれ分析することで、これを実施することでオウンドメディアの方向性やルールが明確化します。
オウンドメディアを構築する前に、きちんと事前調査をし、分析を行うようにしましょう。
ターゲットを明確にする(ペルソナ設定)
事前調査を終えたら、オウンドメディアのターゲットを明確にします。具体的に言えば、どんな人間なのかその属性を紐付ける「ペルソナ」を設定しましょう。
ペルソナを設計すべき理由は主に下記の2つの理由からです。
- ターゲットへの理解を深め、インサイト(ニーズやウォンツ)を把握することで目標達成まで最短距離で進むため
- 制作メンバー間で一貫したターゲット像を共有する。それによりスムーズな制作進行、統一感のあるオウンドメディアの構築が可能となるため
ペルソナが抽象的過ぎたり、ブレてしまったりするとオウンドメディアの方向性が定まらないため、出来るだけ具体的で詳細に設定しましょう。
SEO対策:キーワードを選定する
目標、ターゲット設定が完了した後にオウンドメディアで狙うべきSEOキーワードを選定します。
オウンドメディアの集客方法にはSEO対策、広告、SNSなどがありますが、SEO対策は検索ニーズが顕在化しており費用もかからないため、対策しやすいというメリットがあります。
ここで重要なことは、適切なキーワードを選定することです。設定したターゲットがどんなキーワードで検索をしているのかの洗い出しや、コンバージョンするにはどのキーワードから記事制作をすべきか等、戦略を考えます。
【サイト制作】オウンドメディアの作り方
オウンドメディア用のサーバーを選定する
キーワード選定まで終わったら、環境設定に移りましょう。
オウンドメディアは、コーポレートサイトなどと違いプレスリリースの配信やSNSでの拡散が起きやすいため、短いスパンでPV数が増減しやすいWebメディアです。
そのため容量や必要な機能を素早く柔軟に変更できるサーバーを選ぶようにしましょう。
近年はクラウド型のサーバーが主流となっており、多くは機能・容量の変更がし易いものが多くなっています。
ドメインの種類を決定する
構築するオウンドメディアの役割によって変わりますが、企業として取り組み始めるオウンドメディアには、新規ドメインを取得するよりも既存ドメインにサブドメイン、またはディレクトリ分割を活用するのがおすすめです。
ドメインを新規にするか、既存のサブドメイン、ディレクトリ分割にするのかはそれぞれメリット、デメリットがありますが、今回おすすめする理由としては以下の3点が挙げられます。
- ドメインの維持費、設定に手間がかからない
- 検索エンジンへの評価されるための時間を短縮できる
- 企業サイトの問い合わせにつなげやすい
またオウンドメディアをアプリ化する企業もありますが、メディア運用経験の少ない企業にはおすすめできません。
なぜなら、アップグレードの手間やOS(WindowsやMac)などへの細やかな対応など、工数が必要であること、またユーザーにはインストーラーを使ってアプリをインストールする手間がかかるためです。
これからオウンドメディアを構築する企業の場合、まずはブラウザベースのメディアにしておく方が安心です。
サイトデザイン、CMSの決定
サーバーやドメインといった裏側の準備が整ったら、表側のサイトデザインを決めましょう。
全体の色使いや記事の置き方、文字フォントやロゴなどは、ターゲットからの印象を左右する重要な要素です。これまで決めきた目標や方向性と乖離のないデザインを慎重に決めていきましょう。
一般的には「CMS(Contents Management System)」と呼ばれる基本的な枠組みや各種機能がはじめから揃っているものを使っているのがほとんどです。社内・外にエンジニアを用意できる場合は独自のCMSを構築することも可能です。
CMSには無料のものから優良なものまで多種多様ですが、「WordPress」が扱いやすく人気があります。
様々なテーマ(デザイン)が用意されており、一からサイトデザインを決める手間がかかりません。
オウンドメディア内でのルールの統一化
全体的な枠組みが決定した後に、運用前にかならず決めておきたいことがルールの徹底です。オウンドメディアはPDCAサイクルを回して、その都度変更が求められるものです。最初に統一して置くことで、後から全面的なリニューアルを避けることができ、無駄な工数を減らせます。
例えば、以下のようなことはルール化しておきましょう。
- 書き手のキャラクター
- 写真のテイスト
- 記事の文体
- 禁則事項
以上のようなトンマナをそろえずにオウンドメディア運用を行った場合、後々大幅な修正を行うことになってしまいます。余計な工数がかかるので、ルール設定は必ず行いましょう。
オウンドメディア構築にかかる費用相場
オウンドメディアの構築にかかる費用相場について見ていきましょう。まず、オウンドメディアの構築には以下の費用がかかります。
- サーバー、ドメイン費用
- オウンドメディア制作の外注費用
- 立ち上げ後にかかる費用
それぞれの費用相場について、詳しく見ていきましょう。
サーバーおよびドメイン費用
オウンドメディアを制作するには、まずレンタルサーバーの契約とドメイン取得が必須です。基本的には月額、年額単位で固定費用としてかかります。各費用の相場は、以下の通りです。
- サーバー:年額1万円
- ドメイン:年額1,000~1,500円
コーポレートサイト下層でサブドメインを取得して、オウンドメディアを構築する方法もあります。この方法であれば、新たにサーバー費用を支払う必要はありません。
ただし、コーポレートサイト下層でのサイト構築が適切でない場合もありますので、コンサル会社や外注先に相談の上、決めましょう。
オウンドメディア制作の外注費用
オウンドメディアを作ってもらう場合の費用相場は、先にご紹介したCMSを使うかどうかで大きく変わります。
運用フローやコストを考えると、基本的にはCMSを使って制作するのがいいでしょう。オウンドメディアの制作費用の相場は、以下の通りです。
オウンドメディア制作費用相場 | |||
---|---|---|---|
目的 | 外注費用 | 運用費の目安 | 制作期間 |
低コストでオウンドメディアを制作したい | 20~30万円 | 無料 〜1万円 |
1週間 〜1ヶ月 |
オリジナルデザインやコンテンツのオウンドメディアを制作したい | 20万円 ~100万円 |
1万円 〜5万円 |
1ヶ月 〜2ヶ月 |
集客や企業ブランディングのために本格的なオウンドメディアを制作、戦略からサポートしてほしい | 100万円 〜300万円 |
5万円 〜20万円 |
2ヶ月 〜4ヶ月 |
立ち上げ後にかかる費用
オウンドメディアは構築がゴールではありません。しっかりと集客に繋げるには、継続的な記事の更新や、サイト分析が必要不可欠。運用には以下の費用がかかることも想定しておきましょう。
メディアの分析ツール費用
オウンドメディアを運営するには、SEO対策が必須ですが、ツールを利用することで各段に効率を上げることができます。
費用はオウンドメディアの運用フェーズによりピンキリですが、年間で10~100万円程度は見込んでおくのが良いでしょう。
ライターへの外注費用
オウンドメディアの立ち上げ期は、特に記事制作に労力がかかります。目安の制作時間は、1記事あたり6~7時間。
社内にそれだけのリソースがあるかの確認と、ない場合はライターへの外注を検討しましょう。ライターへの外注費用相場は、ライターのレベル、ライティング内容の専門性によって様々です。基本的には文字単価で決定します。
目安の文字単価は以下の表をご覧ください。
ライティング外部注文費用相場 | ||
---|---|---|
記事制作者 | 一般的 | 専門的 |
初心者 | 0.5円~ | 1円~ |
プロレベル | 2円~ | 5円~ |
SEOでは「コンテンツ作者」の質も求められます。医療や経済などの専門知識が必要なジャンルだとライターが初心者では難しく、プロの中でも専門知識を持ったライターに依頼することになります。
オウンドメディア構築における費用相場が確認出来たら、次はオウンドメディア構築に必要な作業項目について見ていきましょう。
記事の作成方法と使える分析ツール
オウンドメディアは構築して終わりではありません。先ほどお伝えしたように、記事作成やサイト分析・改善など、運営するリソースが必要です。
ここでは、オウンドメディア構築において肝となる記事の作り方や、作成時に使えるツールについて紹介します。
オウンドメディアの記事作成のポイント
オウンドメディアの構築において最も重要になってくるのは、記事コンテンツの作成です。 記事作成における基本原則は、「ユーザーに求められている記事を作成すること」。
やみくもに作成するのではなく、ニーズが顕在化しているSEOキーワードの対策を行うことで、ターゲットとするユーザーの集客に繋がります。 SEO記事の作り方の基本は、対策キーワードを決め、そのキーワードで検索したターゲットのニーズに沿った記事を作成することです。
対策キーワードを決める
キーワードは、以下のステップで決定します。
- 想定ターゲットが検索しそうなキーワードを洗い出す:
コンバージョンに近いキーワードや、ユーザーの意思決定において重要なキーワードを抽出します。 - 検索ボリュームを調べて対策キーワードを決定する:
検索数から市場の規模を想定した上で対策するか否かを決定させます。検索数が少なければ、流入は見込めません。
キーワード選びに役立つツールをご紹介します。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、任意のキーワードに対する、関連キーワードを取得でき、ユーザーニーズを把握するのに役立ちます。
キーワード検索数チェックツール
キーワード検索数チェックツールは、特定のキーワードの検索ボリューム数を調査することができます。
Ahrefs(エイチレフス)
Ahrefs(エイチレフス)は、有料ながら競合サイトの想定流入キーワード等を調査できるので、新たなキーワード発見に役立ちます。
コンテンツを作成する
対策キーワードが決まったら、実際に記事を作成します。記事作成において重要なのは「ユーザーにとってよいコンテンツ」であることです。
そのためには、検索上位表示をしている競合サイトや関連キーワード取得ツールを用いて、ユーザーのニーズを把握しましょう。詳しいSEOコンテンツの作り方やキーワードの選び方については、SEOライティングのコツについての以下の記事も合わせてご覧ください。
内製化と外注どっちがおすすめ?
記事の制作方法には、内製化か外注、2つの選択肢がありますが、どちらがおすすめといえるのでしょうか?結論から言うと、おすすめなのは内製化です。
なぜなら、外注は社内にノウハウが溜まらないため、一生費用を支払い続けなければなりません。また、外注ライターのライティングスキルはピンキリ。
特に専門性の高いメディアの場合、社内の詳しい者がコンテンツを作成した方が流入に繋がりやすい場合があるのです。
そのため、社内リソースがあるのであれば、記事制作は内製化がおすすめです。もしくは、記事のディレクションだけ社内で行い、ライティングだけ外注するという方法もあります。いずれにしても、全て丸投げという方法は避けた方が無難です。
とはいっても、「社内でライティングができる人がいない」とお悩みの方もいると思います。そんな方は、記事制作に特化したライティングツールを活用してみるのもよいでしょう。
例えば、以下のようにSEOで評価されるコンテンツがスコアリングされるツールを使えば、初心者の方でもSEO効果の高いライティングができます。
こういったツールを使うことで、オウンドメディアの内製化が非常にやりやすくなります。
記事制作を内製化させたいという企業にはおすすめのツールなので、オウンドメディア構築の際はぜひご活用ください。
メディア立ち上げ期によくある失敗事例
ここまでオウンドメディアの作り方の基本となる部分を説明してきました。本章ではオウンドメディア構築時に起こりうる失敗事例をご紹介します。
記事のネタが尽きてオウンドメディア運用がストップしてしまったAさん
企業のプロモーション担当者としてブログを更新・運用していたAさんは、社内の予算を得て、オウンドメディアの構築を任されることに。
Webサイトの作り方、オウンドメディアの運用方法のノウハウもなかったが、自社ブログを更新していた際に自身で記事を毎日1本更新していたので、記事を書くことには自信がありました。
しかし、いざオウンドメディアの記事を上げ始めると、途端に記事のネタが尽きてしまい、更新できない事態に。
業者に記事制作を依頼しようにも、外注予算を確保しておらず、どんな記事を書いてほしいかの指示も出せないため、依頼を断念。
社内の人間に記事制作を依頼しようにもノウハウがなく、これまで時間をかけたわりにPV数が伸びず、オウンドメディアを立ち上げて半年で運用がストップしてしまう事態に。
こういったケースは、正しいオウンドメディアの作り方を理解しないままに構築した際に良く起こるケースです。適切なオウンドメディアの運営方法がわかっていれば、Aさんのようにネタが尽きるという事態に陥ることにはなりません。
では、Aさんはどのようにオウンドメディアを運営すればよかったのでしょうか?
失敗から学ぶメディア運営の心得
オウンドメディアの記事制作には、キーワード戦略が必須
Aさんが失敗してしまった要因は、ブログ記事とオウンドメディアに上げる記事を同じものと捉えてしまったことにあります。
オウンドメディアで集客するには、ただ闇雲に記事を制作するだけではなく、SEO対策を考慮して記事制作をしなければなりません。
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジン上で記事を上位表示させるマーケティング手法のこと。オウンドメディアの記事制作時には、必須の考え方です。
Aさんは、まず初めにどんなキーワードで上位表示をしたいのか、キーワード戦略を立てる必要がありました。
一人でメディアを運用するのは至難の業
もう一つ大きな失敗の要因があります。それは、「オウンドメディアの運営は記事制作をするだけ」だと思い、外注費用を取らずにいたことです。。
オウンドメディアの運営には、キーワードの戦略設計、コンテンツの作成、日々の順位チェックや既存記事の更新、コンバージョンの改善などやることがたくさん。
また、SEOで上位表示するための記事制作には、1記事当たり最低でも5時間はかかります。オウンドメディアの運営には、外注をうまく利用することも必要なのです。
失敗から立て直す方法
Aさんのようにメディア運営に失敗してしまった場合は、以下のような対策をとりましょう。
1.オウンドメディアの運用計画・運用体制の練り直し
オウンドメディアのターゲットは誰か、SEOの対象となるキーワードを設定したうえで、記事の制作数・頻度はどの程度で、誰がどんな記事を書くのか、予算の中で出来る最適な作り方を検討しなおしましょう。
出来れば数値化、リスト化して社内で共有しておくとよいでしょう。社内にノウハウがない場合は、プロに相談するのがおすすめです。
2.オウンドメディアに投入する予算計画の練り直し
中長期的にサイトのPV数を稼ぎ続けるには、オウンドメディアの運用方法を理解しているスタッフや、記事制作ができるライターを用意し、恒常的にメディアを更新し続けなければなりません。
安定して記事を書き続けるために、オウンドメディアの作り方、運用方法を知る専門企業、ライティングのプロに作成を依頼するための予算を確保できないか、検討してみましょう。
ケースによっては、先の章でお伝えした「オウンドメディアの構築・作り方」のステップ(1)に戻って、オウンドメディアの設計から見直すことも必要かもしれません。
繰り返しになりますが、オウンドメディアの作り方で一番大切なことは、立ち上げ時にしっかりとサイト設計や記事の方針決めを行い、ある程度の記事数を上げ続けて行くことです。
まとめ:目的や役割によってメディアの作り方は異なる
オウンドメディアの構築にかかる費用や、構築方法、記事の作り方を紹介してきました。オウンドメディアを構築し運用をするには、多くの工数がかかることがおわかりいただけたと思います。
また、オウンドメディアの作り方は、目的や役割によって変わります。今回紹介した構築の基本ステップを参考にしていただき、オウンドメディアを作れたら、SEO対策を進めましょう。