Webマーケティングは戦略が重要

インターネットを利用したWebマーケティングをあれこれ試してみたものの、成果につながらずお悩みの方へ。

Webマーケティングは、あらかじめ準備をして戦略を立てなければ、成果を出すことができません。

このページでは、Webマーケテイングをこれからスタートさせる、または戦略の立て直しをご検討中の方のため、Webマーケティングにおいて重要な「事前準備」と「戦略立案の基礎」について解説しています。

WebマーケティングにはSEOや広告運営などの様々な手法があり、商材ごとに相性の良し悪しが異なります。効率良く成果を得るための戦略立案に必要なノウハウをご紹介します。

そもそもWebマーケティングとは

Webマーケティングとは、インターネット上で行う集客や接客・販売、商品やサービスを購入してくれた顧客に再購入をしてもらえるよう促すためのものです。

Webマーケティング手法には、いくつかの種類があります。最も知られているWebマーケティング手法は、自社サイトを作って検索上位を狙うSEO(検索エンジン最適化)対策ではないでしょうか。

SEO対策を進めれば、安定した顧客の確保や自社ブランディングが可能です。SEO対策は知識のない初心者でもスタートできます。しかし、成果を出すためには時間が必要であり、抑えておかなければならないポイントもあります。

初心者がやりがちなSEO対策の悪い例に、内容が薄いページを量産し、作ったページをそのままにしているサイトを見かけます。質の低いコンテンツを、どれだけ多く作り続けても、成果にはつなげることは難しいです。また、作成後に成果が出ないからとコンテンツの情報を更新せず、そのままにしてしまうとSEOには悪い影響がでます。

Webマーケティング手法の中でも着手しやすいSEOは、サイトへアクセスするユーザーの検索意図を徹底的に知らべ、読んでもらったときに満足してもらえるコンテンツを用意しなければなりません。

SEOは成果が出るまでに時間がかかるものであり、短い期間で結果が出ないからと途中で止めてしまうと、それまでの努力が無駄になります。

時間をかけずに成果を得られるWebマーケティング手法には、広告運用があります。しかし、できるだけ早く結果につなげようとWeb広告を選んでも、専門知識がなければ広告費用が湯水のように消え、失敗してしまうことも少なくありません。

Webマーケティングをスタートさせる場合、まず自社および自社商材、ライバルとなる競合他社と顧客(市場)を分析し、その上で相性の良いWebマーケティング手法を選ぶ必要があります。

その上で、企業規模や予算に合った「戦略」を立てなければ、期待通りの成果を出すことは難しいです。

Webマーケティングにおいて最も重要なのは戦略

インターネットの普及に伴い、競合他社がサイトを作っているから、という理由で自社サイトを立ち上げたものの、そのままになっていませんか?

Webマーケティングは、戦略を立てていなければ成功させることは難しいです。

サイト作成はWebマーケティング戦略の第一歩です。しかし、自社サイトそのものは、サーバーやドメインを用意し、中に入れるもの(商材や会社概要などの情報)さえあれば作成できてしまいます。

戦略なしに自社サイトだけを作成してしまうと、その先に何をすれば良いのか分からなくなり、その結果、成果が出ないまま放置されてしまうサイトも少なくありません。

自社サイトを作りっぱなしで何もしないままでは、ユーザーのアクセス数が増えることはなく、ただインターネット上に存在するだけになります。情報収集にインターネットが使われる今、放置されていても、自社サイトはオンライン上での自社の「顔」であることを意識しなければなりません。最新のデザインを取り入れ、常に情報が変わっている競合他社サイトと比較されても、負けないサイトを運営する必要があります。

とりあえず自社サイトだけ作ってそのままにしてしまっているなら、自社の現状を踏まえて新しく戦略を立て、最新情報が常に更新されるサイト運営を目指しましょう。

まずはWebマーケティング戦略とはどのように組み立てるものなのか、その流れを確認してみましょう。

マーケティング戦略を作成する際の全体の流れ

Webマーケティングを成功させるために必要な戦略は、どのように組み立てれば良いのでしょうか。その流れをご紹介します。

1.現状を把握する

Webマーケティングを進める上で最初に知っておくべきことは、自社を含む現在の状況です。

現状把握には、自社(Company)と競合他社(Competitor)、それから顧客(Customor)を調べる3C分析と呼ばれるフレームワークを使います。自社の強み、競合他社の成功例や、顧客にアプローチしやすい方法を知ることからはじめましょう。

3C分析は、限られた時間やリソース、予算で最も効率よく結果を出せる方法を見つけるための下準備にも役立ちます。自社商材との相性が良いWebマーケティング手法はどのようなものなのかを知るためにも、現状分析は徹底的に行う必要があります。

2.課題や問題点の洗い出し

現状把握をすると、自社の強みやメリット、弱みや問題点も「ぼんやり」と見えてくるはずです。

ぼんやり見えてきた問題点を深堀するには「5Why」と呼ばれるフレームワークを使います。問題点に対し、5回の「なぜ?」を繰り返すことで、問題の根本的な原因が見えてきます。
Whyに対する回答は、分岐することもあるでしょう。その分岐点からロジックツリーを作成し、それぞれを深堀りすることで自社の抱える問題点の原因や解決するための課題を明確にしましょう。

3.緊急度や重要性に合わせて優先度を決める

現在抱えている課題、問題点はどれも解決しなくてはなりません。しかし、「どれ」から解決すべきか、優先順位を決める必要があります。

Webマーケティングにおいては「アクセス数」、「コンバージョン率(CVR)」、「顧客生涯価値(LTV)」のどれを優先するかによって、着手する問題点の順番が変わります。

自社サイトの規模やフェイズによって選ぶべき項目は変わります。サイト運営をスタートさせたばかりならアクセス数の増加、ある程度のアクセスがあるサイトならCVRの改善を優先項目にしましょう。

4.施策を決め実行する

どの問題点を解決するかが決まれば、次は解決のための具体的な施策を実行します。

自社サイトをスタートさせたばかりで「ユーザーのアクセス数」を増やすことが最初の課題の場合、まず自社商材と相性が良い施策を選びます。次に、いつまでに何をやるかを決めて実行しましょう。

例として、自社商材が「SEO対策サービス」の場合、顧客は主にサイト運営に悩む企業(BtoB)で、導入してもらうには時間がかかります。その場合、相性が良いWebマーケティング施策はSEO対策です。「12週間で60コンテンツを作成し、ユーザーアクセスを5000増やす」といった具体的な戦略を立て、施策を進めます。

5.結果を分析し改善する

施策実施後は、結果を分析し、次にどのように活かすかを考えることもWebマーケティングにおける重要なタスクです。

戦略を立て実施しても、思ったような成果が得られないこともあります。しかし、そこには結果が残り、失敗という学びがあります。その学びを次の計画に活かし、自社の成功パターンを見つけましょう。

計画から実行、その結果を確認、学びを得て次に活かすこのパターンをPDCA(Plan-Do-Check-Act)といい、ベストにたどり着くまでこのサイクルを繰り返します。

【実践編】Webマーケティングの戦略を立ててみよう

Webマーケティングの戦略立案の流れについて解説しました。

次は、それぞれの項目を「実践」してみましょう。

1.Googleアナリティクスを活用し現状の数値を把握

先にご紹介したWebマーケティングの戦略の流れに沿って、まずは現状把握から始めます。

Webマーケティングで、自社の現状を知る方法の1つが、Googleアナリティクスを使ったサイト情報の把握です。Googleアナリティクスは、インターネット上の公開したサイトへアクセスするユーザーの情報を取得できる無料ツールです。

自社サイトのどのページに、どのくらいのユーザーがアクセスしているか、数字で見ることができます。自然検索(オーガニック検索)や、広告といった流入元情報を確認できるため、SEOと広告、それぞれの効果も見ることができます。

その他にも、Googleアナリティクスを使えば、自社サイト内でユーザーアクセスが多いページや、各ページのコンバージョン率も調べられます。導線作りやクリック率の改善など、次に何をすべきか検討するのに役立てましょう。

2.3C分析で顧客(市場)・競合・自社を分析する

Webマーケティングの戦略立案には、自社(Company)だけでなく、顧客・市場(Customer)や競合他社(Competitor)の情報把握も重要です。3C分析を行い、それぞれの情報を確認しましょう。

自社分析については、SWOT分析を使って、強み(Strength)と弱み(Weakness)、それからOppoturnity(機会)とThreat(脅威)という2つの軸をクロスさせ、それぞれの項目に関する答えを出します。

SWOT分析とは?


例えば、自社の「強み」と「機会」から考えた場合に、「自社ならではの強みを活かし機会を最大にできる方法とは何か」を考えます。「弱み」と「脅威」なら「弱みによって生み出される脅威にどう立ち向かうか」を考え、状況に合わせた最善の方法を見出します。

競合他社について調べる場合は、ライバルとなる競合他社の1つをベンチマークに決めます。その企業がWebマーケティングにどの手法を取り入れているかを調べ、成功している部分を真似をしてみましょう。また、どのくらい成果を出しているのか確認し、自社の目標値の設定や、次の戦略立案に役立てます。

顧客(市場)は、マクロ視点でのPEST分析と、ミクロ視点での5フォース分析が有効です。

PEST分析は自社努力では変えることのできない政治(Politics)や経済(Economy)、社会(Society)とTechnology(技術)の変化に対し、自社がどのような対策をすべきかを考えます。

5フォース分析は新規企業参入、業界内での自社のポジションや商材の代替品の出現と買い手および売りての交渉力を自社に対しての脅威(フォース)として捉えて、最も収益増加につなげやすいものは何かを検討するものです。

自社、競合他社および顧客(市場)の情報分析を徹底的に行い、課題点の発見や優先度の決定に役立てましょう。

3.FAB分析を行い自社商品やサービスの特徴や強みを理解する

Webマーケティング手法としてコンテンツを作成するにしても、広告運用をするにしても、ユーザーに自社を利用するメリットを伝えるためには、自社のアピールポイントを明確に打ち出す必要があります。FAB分析を行うと、自社商品やサービスについてより良く理解でき、利点を紹介しやすくなります。

FABはFeature(特徴)とAdvantage(利点)、Benefit(利益)の頭文字を取ったものです。自社商品やサービスにはどのような特徴があるのか、同業他社の商材と比べたときの利点と、利用したときに顧客はどのような利益を得られるのかを分析します。さらにもう1つ、Evidence(証拠)を加えられると信頼度が上がります。例えば、利益を証明できるデータや、学術的に証明されたものであればEvidenceとなりえます(Evidenceが加わるとFABE分析と呼ばれます)。

自社にどのような強みがあるのか、証拠と一緒にユーザーにアプローチし、ユーザーの抱える問題点を解決できることをアピールしましょう。

施策を洗い出し優先度を決める

自社とライバルとなる競合他社、ターゲットとなる顧客(市場)とそこに提供する自社商材を徹底的に分析したら、いよいよ相性の良いWebマーケティング手法を探します。
Webマーケティング手法は最初にご紹介した通り、取り扱う商品やサービスによって「相性」があります。

例えば、購入後に失敗したくない高級品(車など)は、事前に徹底的な情報収集や、価格比較を繰り返し、最終決定までに時間をかけます。また、自社商材のターゲットが企業となるBtoB商材の場合も、顧客となる企業は競合他社との違いを詳しく調べ、社内で何度も検討を重ねた上で契約に至るため、成約には時間を要します。

情報収集を慎重に行い、徹底的な比較検討をする商材は即時購入するものではなく、長期的な接触や、様々なお悩みに応じたアプローチが必須であり、Webマーケティング手法としては、自社サイトに情報を網羅させるSEO対策との相性が良いです。

SEO対策を行うことで、取り扱う商品・サービスに対するブランディングやポジショニングも可能になります。クライアントとなる企業が、商品・サービス名で検索をかけた際、自社サイトが上位表示されれば、その商材についての一般認知が進んでいることを印象付けられます。

顧客は、車や家電製品などを購入する時、インターネットで調べて情報が出てこない(または最初にご案内したような、サイトを作っただけで放置している)企業の商品よりも、最新の情報を発信し続けている企業が作った商品を選びます。

一方、取り扱う商材が購入に至るまで、検討時間がかからない場合は、とにかく認知度を上げて知ってもらうことが重要です。SEOは認知向上にもおすすめですが、成果が出るまでに時間のかかるWebマーケティング手法です。少しでも早く商材を知ってもらいたい場合、即効性を重視するなら広告運用が向いています。

広告運用は成果発生までの時間がかからない反面、予算と広告に関する知識を持つ担当者が必要です。

利用者の多いリスティング広告の場合、まず商材購入に結び付くキーワードを分析することから始めます。次に、広告に必要となるであろう予算を決め、期間別の費用を割り振ります。さらに、広告をクリックしたときに到着するランディングページ(LP)を作成しなければなりません。


例えば、化粧品ならユーザーが求めているのは「長い文章」による商品紹介のコンテンツよりも、実際に使うとどのような変化があるのか、使用前と使用後の「画像」を見せられるランディングページが有効です。

Webマーケティングでは、商材によって効率よく結果を出すための手法が変わります。まず徹底的な「現状把握・分析」を行い、最適なWebマーケティング手法を選びましょう。

どのWebマーケティング手法を選ぶかを決めたら、次は何から着手するか、優先順位を決めます。

自社分析の結果、自社サイトへのアクセス数が不足しているのであればコンテンツを作成し、検索エンジンの信頼を得ながら、上位表示を目指します。

すでにアクセス数は目標値に近いものの、コンバージョン率が低いのであれば、サイト内の導線見直しやボタンのデザイン、テキストなどをABテストを踏まえて改善します。

アクセス数もあり、コンバージョンもある程度増えているにも関わらず、リピーターが少ないなどのLTVに課題がある場合は、既存顧客へのステップメールや、対応窓口を増やすなどの対策を行いましょう。

KGI及びKPIを決定

やるべき施策が決まったら最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)、およびKGI達成に向けた小目標となるKPI(Key Performance Indicator)を決定めます。

Webマーケティング手法は、SEOのようにお金はかからないものの時間がかかるもの、逆に時間はかからないが費用が必要な広告など様々です。

時間がかかることを前提にKGIを立てる場合、WebマーケティングをスタートさせたばかりでSEO対策を始めるのであれば、期限までにユーザーアクセス数をいくつまで伸ばすかを目標値としてKGIに設定します。そのKGIを1年で達成させるためには、月割りでどのくらいのコンテンツを作成し、アクセスユーザー数を増やさなければならないかが自然と見えてきます。キーワードの月間検索ボリュームを調べ、目標値達成に近づけるために狙えるものを選んでコンテンツを作成し、上位表示を目指します。

時間をかけず予算を割いて結果を出す場合、広告を例に挙げるとKGIには最終的な利益、KPIには月予算が割り振られます。予算達成に必要となる広告運用のための費用を調べ、小目標とその先の最終目標を目指します。

大切なのは「施策が決めったら目標と期限を決めて、いつまでに何をどのように行うことで予算を達成するか」です。Webマーケティングに限らず、戦略は立案するだけでは意味がなく、期限までに実施し、結果を得て次に活かさなければ意味がありません。KGI、KPIは施策が決まったらすぐに決めるようにしましょう。

戦略を立てる際によく使われるフレームワーク

Webマーケティング戦略立案から施策実施までの流れをご紹介しました。戦略立案においては「分析」が重要です。

Webマーケティング戦略立案の分析に役立つフレームワークを以下、ご紹介します。

4C分析または5C分析

3C分析は顧客(市場)、競合、自社を調べるものですが、その他に4C分析および5C分析と呼ばれるものもあります。

4C分析は、アメリカの経済学者ロバート・ラウターボーンが提唱するユーザー目線での分析方法です。Customer Value(顧客価値)、Cost(コスト)、Convenience(利便性)とCommunication(コミュニケーション)からユーザーへのアプローチ方法を考えます。

自社の取り扱う商材はついて、以下の4要素を確認します。

4C分析の各項目について
  1. ユーザーにとってどれだけ価値のあるものか
  2. 入手するのに必要なコストはいくらかかるのか
  3. 入手するのは簡単か
  4. 商材の情報を得る手段は豊富かどうか

この4要素を踏まえ、Webマーケティング手法を選びます。

5C分析は、3C分析にCustomer(中間顧客)とCommunity(地域)を加えたものです。

中間顧客とは、実際に商材を購入する顧客との中間に入る販売代理店や流通業者を指します。商材を顧客の元まで届けるための中間顧客を分析しておくことで、最も効果的な協力方法を決められます。

5Cにおける地域(Community)は、外部要因を指し、PEST分析で得られる情報と同じく自社で変えられない社会的な要因を踏まえ、対策を考えます。

MECE(ミーシー)

MECEは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字を取ったもので日本語訳として「漏れなくダブりなく」というワードがあてられています。

イメージとしては、いくつかの情報の集まりがより大きな概念の集合の中で重なることなく集まっている状態です。大きな情報を要素で切り、さらにその要素をより細かくする感じです。

埋めていくべき情報が重なるとそこに無駄が生まれます。逆に漏れがあれば目標達成のために必要な情報が抜けてしまいます。それらの問題が起こらないようMECE分析が必要となるのです。

MECEは、例として3C分析が挙げられます。商品・サービスを提供する側(自社・競合他社)と、消費する側(顧客)に分けてその中身をさらに細かく調査し、1つの商材またはサービスについて「漏れなくダブりなく」分析することで自社が担う役割、やるべき施策を見出します。

まとめ

Webマーケティングの重要性が高まり続ける今、手探りであれこれ試しても、簡単にうまくいくことはありません。

Webマーケティングで成功している企業の多くは、自社および他社、それから顧客を徹底的に分析し、戦略を立てて目標達成を目指しています。これからWebマーケティングに着手しようと考えている、またはすでにSEOやSNS、広告運用を試しているものの結果が出せず新しい戦略を検討しているなら、まずは自社を含む3C分析からはじめてみましょう。

現在の自社の状況や競合他社の成功例、顧客へのアプローチに最も適したWebマーケティング手法を調べて戦略を立て、明確な目標(KGIおよびKPI)を決めて実践します。もしうまく結果につながらなくても、その結果をまた分析し、次の戦略を立て実践するPDCAを繰り返し、自社にベストとなるWebマーケティング戦略を見つけましょう。

Webマーケティングをこれから始めようとお考えの方や、試してはいるものの成果がうまく出ないことにお悩みなら、以下のページで基礎情報を学び、戦略を立てなおしてみましょう。