Webマーケティングとは?

Webマーケティングとは、インターネット上での集客、接客や販売から購入、さらに契約をしてくれた顧客に口コミをもらうまで、これらの全てを指します。

自分が運営している事業をインターネット上で展開させるため、どのようなWebマーケティングを進めていけば良いのかお悩みの方へ。

SEOや広告、その他の手法の中から最適なものを選ぶコツとWebマーケティングの基礎と進め方を分かりやすく解説します。

すでにWebマーケティングを試してはいるものの、うまく成果につながらないことにお困りの場合も、問題点を見つけて改善するのに役立ちますので、ぜひ最後までお付き合いください。

Webマーケティングとは?

Webマーケティングとは、以下の項目すべてが該当するものを指します。

Webマーケティングに該当するもの
  • WebサイトやSNSなど、インターネット上で利用できるツールを駆使した集客やブランディング
  • オンラインでの接客や販売の実施
  • 購入や契約に至った顧客の満足度の向上および口コミを使ったリピータ獲得

何かを欲しいものを探すとき、消費者は今、スマートフォンやタブレットを使って簡単に情報を集められます。高額な商品、家電製品や自動車などを買う場合、時間をかけて徹底的に情報を集め、性能や価格を比較し、納得のいく商品を選んで購入します。

こうした現在の消費者の動きを踏まえ、多くの企業はWebマーケティングに注力し、インターネット上で自社商品やサービスをアピールしています。Webマーケティングを進め、オンラインで自社商材の魅力を知ってもらい、購入すると顧客にとってどのように役立つかをアピールして、購入や成約に結び付けています。

かつては新聞や雑誌、テレビなどの広告が、顧客との接点であり、広告宣伝費も高額でした。しかし、Webマーケティングなら、商材や予算に合わせた手法ですぐに始めることができ、伝えたい情報を直接、顧客に届けられます。

Webマーケティング手法には、自社サイトを運営してSEO対策を進める、Web広告を打つ、TwitterやInstagramなどのSNSや、Youtubeを運営するなど様々なものがあります。これらは、業界や商材によって相性の良し悪しがあるため、どれを採用しても良いというものではありません。

このページでは、Webマーケティングの基礎と、効率よくWebマーケティングを進めるための相性の良い手法の見つけ方をご紹介します。

Webマーケティングの必要性とデジタルマーケティングとの違い

Webマーケティングについて調べていると、「デジタルマーケティング」という似たようなワードにぶつかります。似ているようで異なるこの2つのワード、その違いは何なのでしょうか。

また、なぜ今、Webマーケティングの重要性が増しているのか、解説します。

デジタルマーケティングとは何が違う?

Webマーケティングとは、インターネットを使って集客から接客や販売を行い、その後の顧客管理まですることを指します。

具体的には、まず、WebサイトやSNSを運営し、自社へのアクセスを増やします。ユーザーには自社商材を使うことで、抱えているお悩みの解決に役立つことを理解してもらい、購入や成約をしてもらいます。その後は、実際に利用したユーザーからの口コミを紹介してもらう場を作り、更なる顧客獲得を目指します。

一方、デジタルマーケティングは、Webマーケティングを含め、AIやマーケティングツールなどのデジタルテクノロジーを使ったマーケティングを指します。

Webマーケティング、デジタルマーケティングで成果を出すためには、自社に最適な手法を選んで、効率よく回すことが重要です。

なぜWebマーケティングが必要なのか?

なぜ今、Webマーケティングが必要とされるのか、その理由には以下の5つが挙げられます。

Webマーケティングが必要な5つの理由
  1. インターネットの普及が進み、誰でも簡単にスマートフォンやタブレット、パソコンから求める情報を得られるようになった
  2. 自社商材を求めるターゲットにピンポイントなアプローチができる
  3. 広告宣伝費を大幅にカットでき、新しい情報をすぐに発信できる
  4. アクセス数やコンバージョン率などを数値で確認でき、改善点を見つけやすい
  5. 自社商材が国内だけでなく、海外でも求められていれば世界で新しい顧客取得もできる

インターネットが普及する前は、雑誌や新聞、テレビといった広告媒体に高額な広告宣伝費を支払い、不特定多数の顧客に商材に関する情報を届けていました。しかし、Webマーケティングなら、広告宣伝費を使わなくても、ターゲットを絞って届けたい情報を発信できます。

Webマーケティング手法の1つ、SEO対策では、自社サイトを訪れるユーザーを増やし、安定した顧客獲得やブランディングを目指します。また、Web広告なら、年齢や性別、住んでいる地域などを絞って、自社商材を必要としているであろうターゲットにアプローチできます。

新聞やテレビ広告では、どのくらいの顧客に情報が届いてるか、正確な数値を把握できませんでした。Webマーケティングなら分析ツールを使ってアクセス数を解析すれば、どのくらいの人数がサイトを訪れ、実際に資料請求や問い合わせまで発展した数字も把握できます。

各ページごとのアクセス数や、コンバージョン率も確認できるため、改善すべき課題も見えやすいメリットもあります。

インターネットの普及が進み、Webマーケティングに取り組むことで、顧客対象が日本国内だけでなく、商材によっては世界中の顧客にアプローチができるようになっています。Webマーケティングを進めれば、大きなチャンスを掴める可能性があります。

Webマーケティングのメリットについては別ページで詳しく解説しています。以下のページをご参照ください。

Webマーケティングの施策の種類

Webマーケティングには様々な施策があります。それぞれの施策の種類と特徴について解説します。

未経験でも始められるSEO対策(検索エンジン最適化)

SEO対策(検索エンジン最適化)とは、自社Webサイトを作成し、自社商材との結び付きの強いキーワードで上位表示を目指す、Webマーケティングの代表的な施策の1つです。

ユーザーの検索意図を調べ、求められる情報を掲載したコンテンツを作成します。ユーザーの役に立つ、質の高いコンテンツが増やしながら、自社サイト内の結びつきの強いページ同士を内部リンクでつなげ、ユーザーが次に求める情報が掲載されたページに移動できるような構造を作ります(内部リンク最適化といいます)。

また、質の高いコンテンツを作成し続け、外部サイトからの自然なリンクを貼ってもらい(被リンクといいます)、検索エンジンからの評価を得なければなりません。

内部リンクの最適化が進み、外部サイトからの被リンクが獲得できれば、月間検索ボリュームが多く、上位表示をさせるのが難しいキーワードでも検索結果画面で上位表示されるようになります。

SEO対策に必要なのは時間と担当者のみ、専門的な知識がないウェブ初心者でもスタートさせられます。ただし、SEO対策は、成果につながるまでに時間がかかるWebマーケティング施策です。

短期間で結果が出せず、途中で止めてしまうとすべてが無駄になるため、長期的な計画が必要なWebマーケティング施策であることを覚えておきましょう。

SEO対策に興味があるものの、何から始めれば良いか分からない、そんな方のために基礎知識を学べるページをご用意しています。以下のページをご参照ください。

広告運用もWebマーケティングの施策の1つ

Webマーケティング施策で即効性を求めるなら、広告運用がおすすめです。

広告運用は、SEO対策やコンテンツマーケティングと比較すると、成果が出るまでに時間がかかりません。しかし、広告運用にはあらかじめ費用が必要なります。また、担当者が広告運用未経験者では成果につながりにくいため、広告運用に関するノウハウを持つ人材が求められます。

Web広告には検索エンジンやSNS、外部サイトなどを使ったいくつかの掲載方法があるので、それぞれ紹介します。

リスティング広告

リスティング広告(検索連動型広告)は、検索エンジンで特定のキーワードが使われたときに表示される広告をいいます。

検索エンジンを使うと、検索結果画面には最初にリスティング広告で選ばれたページのタイトルとその概要が上位に表示されます(タイトル近くに「広告」などの表示があります)。

SEO対策で対策キーワードのためのコンテンツを作成し、自社サイトやページを上位表示させるためには時間がかかります。しかし、リスティング広告を使えばSEOで上位表示されるオーガニック検索(自然検索)の結果よりも見えやすい上部に表示されるメリットがあります。

ただし、リスティング広告の表示は、入札方式であり、競合他社がより高い費用で入札していると表示されても順位が下がる、または表示されないことがあります。また、月間検索ボリュームの多いキーワードや、商品購入につながりやすいキーワードは広告費用が高額になるので注意が必要です。

リスティング広告は、表示されるだけでは費用が発生せず、クリックされたときに課金されます。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)は、Webサイト内の広告枠に表示される画像やバナー広告を指します。

リスティング広告は、商材に関わるキーワードを選んで設定することから、購入を検討しているユーザーへのアプローチになるのに対し、ディスプレイ広告は商材の良さをまだ知らない潜在顧客へのアプローチに役立ちます。

ディスプレイ広告にはGoogle(GDN)とYahoo(YDN)があり、それぞれが契約しているサイトの広告枠に表示されます。リスティング広告同様、ディスプレイ広告の費用は、表示されるだけでは発生せず、クリックされたときに費用が発生し、予算の上限を決められます。

ディスプレイ広告は、画像で表示されるためユーザーの目につきやすく、費用もリスティング広告に比べて安いというメリットがあります。一方で、最終目的である商品購入には簡単につながりにくいというデメリットもあります。

ディスプレイ広告には、後述するリターゲティング(リタゲ、またはリマケ)ができるメリットもあり、一度ページを見てくれたユーザーに再アプローチして商品購入へ導くことが可能です。

ネットワーク広告

アドネットワーク広告は、複数のWeb広告媒体に対してまとめて出稿できる広告です。

先に紹介したディスプレイ広告に使われているGoogleのGDNや、YahooのYDNも、このアドネットワーク広告に該当します。GoogleやYahooが契約しているメディア、Webサイトやアプリの広告枠に自社広告を掲載できます。

各メディアに個別出稿するのではなく、まとめて広告出稿管理ができるため、それぞれのシステムを学ぶ必要がないので便利です。

しかし、利用する会社ごとにアドネットワーク広告のシステムが異なっているため、慣れるまで時間がかかります。また、自社サイトのイメージやブランドとは異なるサイトやアプリに広告が出てしまうデメリットもあります。

純広告

純広告とは、特定のWebサイトの広告枠に指定の広告を掲載させることをいいます。

テキストやバナー、動画をアクセスの多いポータルサイトの目立つ部分に掲載し、ユーザーにクリックしてもらいます。広告費用は媒体によって契約期間やクリック数などで異なります。

有名でアクセスが多く、自社商材にイメージの近いサイトを選んで、指定位置に出稿できるのが純広告のメリットですが、他の広告と比べると費用が高くなりやすいデメリットがあります。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は、成果報酬型広告とも呼ばれており、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)と契約のあるアフィリエイターのサイトやブログに広告が表示されます。広告がクリックされた後、目標達成行動(資料請求や商品購入)まで結びついたときに費用が発生します。

ASPに出稿した後、登録しているアフィリエイターが自社の広告を選んで設定を行うことでサイトやブログに表示されます。広告をクリックするだけでなく、その先の目標行動を達成して初めて費用が発生するため、費用対効果が良いのがアフィリエイト広告のメリットです。

一方で、ASPは、登録費用および掲載期間に合わせた費用がそれぞれ発生するため、アフィリエイターが自社広告を選んで掲載してくれなければ基本費用だけがかかり続けてしまうデメリットもあるので注意が必要です。

SNS広告

SNS広告は、FacebookやTwitter、Instagramなどに出向できるディスプレイ広告です。

タイムラインやストーリーズに表示されるため目につきやすく、ターゲットを絞って広告を出せるのがSNS広告の強みです。

年齢や性別、職業とユーザーの上の動向を踏まえて広告を出すことが出来るため、商材のメインターゲットが明確な場合には高い効果を得られます。ターゲットの中には、広告内容を見てはじめてニーズに気づく潜在顧客も含まれます。ステップメールやオンライン講座(ウェビナー)でナーチャリングを行いつつ、商材購入意欲を高め、成約に結び付けましょう。

リターゲティング広告

リターゲティング(GDN)、またはリマーケティング広告(YDN)とは、自社サイトへアクセスしたユーザーに再度広告を表示させる方法をいいます。

アドネットワーク広告で自社サイトにアクセスしたユーザーのブラウザに残るcookie情報を元に、再度自社の広告を表示させ、ユーザーにアプローチして目標行動を達成してもらいます。

リターゲティング広告のメリットは、サイトを見て興味を持ってくれたユーザーに再度アプローチできることため、コンバージョン率が高いことです。一方で、何度も広告が表示されてしまうため、ユーザーによってはしつこさを感じてしまい、嫌悪感を与えてしまうリスクもあります。

SWebマーケティング対策としてのSNS運用

Twitterやinstagram、Facebook、YoutubeなどのSNSを運営することで、集客や自社の認知向上につながります。

SNS運用もWebマーケティング施策の1つであり、テキストだけでなく画像や動画でアピールでき、ユーザーとコミュニケーションを取ることもできます。

テキストだけでなく、画像や動画でのアピールが可能なSNSは、情報が拡散しやすい特徴を持ち、ファンが獲得できればユーザー同士のつながりからアクセス数を増やせます。

ファンが獲得できれば安定した顧客獲得につながり、ブランディング効果も得やすいSNSですが、運営する際は炎上しないよう情報発信時に細心の注意が必要となります。

コンプライアンスに注意しながら、画像や動画を編集し、アップロードを続けなければならないため、SEOと同じように時間と根気が必要なWebマーケティング手法です。

プレスリリース

プレスリリースは、自社の情報を第3者からインターネット上に広げられるため、集客やブランディングに向いているWebマーケティング施策です。

自社で新しい商材を開発、販売する際にはプレスリリースを利用して、幅広い情報発信をしましょう。

新しくユーザーに伝えたい情報をまとめて、プレスリリースを行う会社へ情報を伝えることで、ニュースサイトなどで取り上げられます。自社サイトを持っていない状態でも、プレスリリースを使えば、インターネット上に自社に関する情報を第3者が発信してくれます。

ただし、プレスリリースを行う場合、必ずしもメディアページで記事にされる保証がありません。また、自社で発信している情報に基づいて作成される、各メディアの発信内容はコントロールできないデメリットがあります。

第三者メディアへの掲載

第三者メディアとは、アーンドメディア(Earned Media)とも呼ばれる、ユーザーや消費者による口コミやSNSのことをいいます。

何か商品を買うときに知りたいのは、その商品自体のスペックだけでなく、実際に使ってみたときの使用感や満足度も重要なポイントです。口コミサイトや個人のSNSで自社商材に良い評価がつけば、購入を検討しているユーザーの購入意欲を後押ししてくれます。

商品を購入してくれた顧客にサンクスメールを送る際は、同時に商品を使った感想や口コミをもらえるよう促しておきましょう。アーンドメディアへの掲載を増やせる可能性があります。購入後の顧客フォローや管理も、Webマーケティングでは非常に重要であることを覚えておきましょう。

メールマガジンを使ったWebマーケティング

メールマガジンは、その他のWebマーケティング手法で獲得した顧客に自社商材の情報を送り、成約に結び付けるための施策です。

自社サイトにアクセスして問い合わせや資料請求をしてくれた顧客には、商品に関する最新の情報やキャンペーンについてメールマガジンを送り、商材購入を促しましょう。

資料請求はしたものの、そんままにしておくと購入熱が冷めてしまうことは少なくありません。そのままにしてしまうと、あらためて商材についての検討を考えたときに、競合他社サイトに流れてしまう可能性もあります。

メールマガジンで新商品やお得なキャンペーンに関する情報を送っていれば、顧客に商材のイメージを残し続けることができ、商品購入に結び付くこともあります。顧客管理ツールを使ってアクセスしてくれた顧客を漏れなくフォローし、可能な限り成約まで結びつけられるよう対策しましょう。

ウェビナー(オンラインセミナー)

ウェビナー(オンラインセミナー)は、自社商材を使うメリットや、詳しい使い方を紹介し、ユーザーの抱える問題を解決できることを伝え、購入や成約に導く施策です。

自社で扱う商材やサービスについて扱いが難しい、効果的に使うためにはコツがいるなどの場合は、オンラインセミナー(ウェビナー)を積極的に実施しましょう。商材を使うメリットや使い勝手の良さ、効果などをわかりやすく伝えることができます。

特に高額商品の場合、ユーザーは購入するためにあらゆる情報を集めます。ウェビナーでユーザーが抱えるであろうお悩みや問題をクローズアップし、商材を使って解決する方法を紹介し、成約を目指しましょう。

以上、Webマーケティングの施策の種類をご紹介しました。もっと詳しく知りたい方へ、以下のページにWebマーケティング手法と施策についてまとめました。

Webマーケティングを始める際の7つのステップ

Webマーケティングを成功させるために必要な7つのステップをご紹介します。1つずつ着実に進め、ブレない戦略を立てましょう。

1.目標・目的を明確に定める

まずはWebマーケティングで何をどこまで成し遂げるか、目標や目的を明確に決めることから始めます。自社商材の年間売上予算のうち、Webマーケティングで達成させる割合を決めましょう。その上で、SEO対策を進めて月間ユーザーアクセス数を目標数まで到達させるなど、具体的な目標を設定します。

例えば、自社サイトを始めて自社商材の売上のうち、20%をWebマーケティングで獲得することを目標とします。

自社の売り上げ20%を達成させるためには、売上数がいくつ必要になるかを算出し、商材に合わせたWebマーケティングを進めます。商材にもよりますが、20%という数字は非常に大きく、SEO対策で時間をかけていては、目標達成に間に合わない可能性もあります。

その場合、即効性のある広告を打つのも施策の1つになりますが、広告運用に割ける予算がどのくらい必要になるかを算出する必要があります。

長時間をかけて将来的に売り上げの20%を達成させる、という前提であればSEO対策に注力しても良いです。

目標や目的に合わせ、Webマーケティングにかけられる時間や費用、リソースを組み合わせて最適かつ最も効果的な施策を選ぶことが重要です。

2.ターゲットを決める

次は、自社商材を紹介したいターゲットがどのような人なのかを考えます。商材によってターゲットは大きく代わり、ターゲットが明確でなければWebマーケティングでアプローチする対象がぼやけてしまいます。ターゲット設定は、可能な限り細かく決めておくことが重要です。Webマーケティングでは、このターゲットを「ペルソナ」と呼びます。

そのペルソナが普段どのような生活を送っているのか、年齢や性別、職業や生活習慣などを細かく決め、シミュレーションします。幅広く色々なタイプのターゲットがいる場合は、それに合わせてペルソナも複数設定します。

Webマーケティングの施策を実施している途中でターゲットを変更すると、戦略が崩れます。成果が出ないまま施策をやり直すことになるので、ペルソナ設定は慎重に行うようにしましょう。

3.カスタマージャーニーを策定する

ペルソナを決めたら、次は自社商材情報との接点から購入、さらにその後の動向までを描いたカスタマージャーニーを作成します。

テキストで作成するのではなく、「行動」と「時間」を表にして、各ペルソナを作成しておくと良いです。

行動と時間を表にしてカスタマ―ジャーニーを作成

時間軸には、ペルソナが自社商材を知る「接点」からスタートします。

次は、自社サイトで商材がどのようなものかを調べ、資料請求や問い合わせをしてもらう「興味・関心」があります。

続いて、問い合わせからステップメールやウェビナーで、さらに商材の利点やすでにご利用中の顧客からの口コミを紹介して購入意欲を高める「教育」に進めましょう。

商材には同業他社製品もあるため、顧客は機能や費用を「比較・検討」し、ニーズにマッチしていることで「購入」にたどり着きます。

購入してもらったら終わりではなく、実際に「利用」してもらった感想・口コミを集め、再購入や次の顧客獲得に結び付けます。

行動軸では、それぞれの時間軸で取るであろうペルソナの「行動」や「心理的状態」を予測します。各タイミングでの顧客との関わり方、「接点」や「アプローチ内容」を決めておきましょう。

時間が進むにつれ、ペルソナは求めている情報を具体化するため検索するキーワードも変化します。商材を知らない、またはぼんやり知っている、時間軸での最初の「接点」と、「比較・検討」まで進んでいて商材の機能性や費用まで調べている状態では検索クエリが異なるため、それぞれのタイミングに合ったキーワード対策を進めておくことも重要です。

4.具体的な施策を洗い出して優先度をつける

対象となる顧客を決め、何をすべきか施策が見えてきたら、続いてタスクの優先度を決めます。何をどこから始めるべきか、施策の洗い出しと優先順位を決定しましょう。

カスタマージャーニーを作成すると、時間軸で用意しておかなければならないものが分かりやすく、優先順位もつけやすいです。

認知獲得や「接点」作りにはSEOや広告、SNSが効果的です。なぜなら、SEO対策を進めればアクセス数が増え、自社を知ってもらえる機会が増えます。

広告は費用が必要ではあるものの、時間をかけずに多くのユーザーに自社サイトや商材を知ってもらうことができます。

SNSもファンが獲得出来ていれば、写真や動画を公開し続けることで情報が拡散されます。

顧客が、自社商材に「興味・関心」を持ち、資料請求や問い合わせをしてくれている場合は、メールマガジンやウェビナーを積極的に実施し、自社及び自社商材のメリットを伝え、購入したいと思ってもらえるよう「教育」を進めましょう。

メールマガジンでは、キャンペーンなどを直接、顧客に伝えられるため、「比較・検討」に役立ち、お得な価格が提示できていれば「購入」につながります。

自社で進めているWebマーケティングによって、顧客がどのフェーズまで進み、次のステップに進めないでいるかを判断して、施策の優先度を変えましょう。

5.予算とリソースを確保する

どの施策に重きを置き、Webマーケティングを進めるか戦略が決まれば、次は予算の割り振りとリソースの確保です。

Webマーケティングの施策としてSEOを選ぶ場合、サイトを設置するサーバーとドメインの取得費用が必要です。また、コンテンツの作成や更新のため、担当者が最低でも1名は必要となります。しかし、SEO対策にはその他の継続的な費用は必要ありません。

広告を選ぶ場合は、初期費用は不要なものの、継続的に月単位での予算が必要となります。予算や期間を設定すると、自動配信されるため継続的なリソースは必要ありません。しかし、成果を最大化させるためには、広告に関するノウハウを持つ担当者が必要です。

SNS運用を行う場合、初期費用や、継続的な費用も必要ありません。しかし、SEOと同じくコンテンツ作成や画像、動画の編集およびアップロードを行うための担当者が最低1人は必要です。SNSには炎上というリスクを伴うため、情報を公開する前には担当者だけでなく、その他のスタッフが内容確認を行うことをおすすめします。

メールマガジンの作成・配信は、HTMLメールを送る場合にはシステム設置費用が必要です。リソースはSEOや広告、SNS担当者が兼任でも良いでしょう。

ウェビナーを実施する場合、ホストには専門知識が求められます。自社スタッフだけでなく、パネリストを招致して参加してもらう場合には予算も必要です。また、配信用にZOOMなどのWeb会議・ミーティング用ツールの使用費用も用意しなければなりません。

6.スケジュールに落とし込み実行する

やることが決まり、担当者が決まったら「いつまでに」施策を遂行するか、スケジュールを決めます。

SEOの場合、成果につながるまで半年以上かかることも少なくありません。

最終目的となるコンバージョン数や、ユーザーアクセス数を達成するのための対策キーワードおよび関連キーワードの数を確認しましょう。その上で、各月に最低でも何ページ作成しなければならないかを決めます。

ページを作成し、SEO対策を進めなければユーザーのアクセスは増えません。当然、コンバージョンにもつながらないため、速度感を大切にしながら、ユーザーの検索意図に沿ったページを作り続けましょう。

広告運用は、設定を終わらせ、予算を割り振ればすぐに成果につながる施策です。

効果計測をしながら、予算を調整します。最も効果が得られる対策をしていても、状況次第で成果ががらっと変わってしまうため、担当者は予算配分や広告内容をこまめにチェックしなければなりません。

SNSでのファン獲得も、SEO同様に時間がかかるものです。スケジュールを決めてどのような内容をアップするか、また画像や動画をいつまでに用意しなければならないか、速度感を忘れないように運営しましょう。

いつまでに、何をしておくかのスケジュールと同じように、変わり続ける状況に常に対応し、より高い成果を出せるようにしましょう。

7.各施策ごとに効果計測と振り返りを行う

最後は、施策を実施したあとの効果計測と振り返りを行います。

Webマーケティングには、結果を具体的な数値で見れるメリットがあります。SEOならアクセス数やコンバージョン数、広告なら利益そのものを明確に数値化できます。

Webマーケティングは1つの施策を打って満足して終わるものではありません。良い施策を打ったことで良い結果が出たら、さらに高い効果を得るために改善できるポイントは何かを探します。分析した上でスケジュール通り施策は打てたものの、結果が悪いのであれば何が原因だったのかを知り、修正することで予算達成を目指すことが出来ます。

良い結果に満足して留まらず、悪い結果に悩んで考えるのを止めるのはNGです。施策を打ったら必ずそこに学びを見つけ、次に生かしてより大きな成果を目指しましょう。

以上がWebマーケティングにおける戦略立案の流れです。より詳しく知りたい方は、以下のページをぜひご覧ください。

あると便利なWebマーケティングに関するツール

これからWebマーケティングを始める方に、便利なおすすめツールを紹介します。

PDCAを回す上でも必要となるデータ収集や、サイトを簡単に運営できるシステム、アクセスしてくれたユーザーを管理するためのツールをご案内します。

アクセス解析ツール

質の高いコンテンツを作成し続け、いくつかのページが検索エンジンに評価されると、上位表示されるようになり、アクセス数も増えはじめます。無料で利用できるGoogle AnalyticsGoogle Search Consoleを使い、こまめに自社サイトへのアクセスを解析しましょう。

Google Analyticsでは、以下のデータを確認できます。

グーグルアナリティクスで出来ること
  • 期間・ページ別のアクセス数
  • ユーザーの流入経路
  • サイト内回遊率・離脱率
  • コンバージョン率
  • ランディングページや遷移先ページ

自社サイト内のどのページがユーザーに多く読まれているのか、またコンバージョンにつながりやすく、成果に結びつきやすいのはどのページなのかを確認できます。アクセス数はあるものの、コンバージョンにつながらないページがあれば、コンバージョンしやすいページへどう導くかを検討できます。

Gogole Search Consoleでは、以下が確認できます。

サーチコンソールで出来ること
  • ページごとの使用された検索クエリ
  • 検索クエリごとの表示順位
  • インデックス状況
  • 外部サイトからのリンク(被リンク)
  • 内部リンク
  • XMLサイトマップ指定
  • サイト内の問題点確認

アクセス数が伸びないページは、ユーザーの検索意図と内容がマッチしていない可能性があります。Google Search Consoleを使い、作成したコンテンツが対策キーワードで上位表示されているかを確認してみましょう。上位表示されていない場合は、コンテンツ内容が検索意図からズレている可能性が高いので、書き直し(リライト)を実施しましょう。

Google Search Consoleは、Google Analyticsと結びつけることができ、Google Analytics上でも検索クエリや検索結果画面での表示回数をチェック可能です。

すでに自社サイトを運営しているなら、現在のアクセスやコンバージョンの状況を把握するのに役立ち、これからSEOやサイト運営をスタートさせるならサイト内で何が成長しているか、また対策しなければならないポイントがどこなのかを確認できます。

Webマーケティングがうまく成果につながっていない場合は、Google AnalyticsとGoogle Search Consoleで自社サイト内のページの状況を把握しましょう。どこに問題があるのか、見つかります。

CMS(コンテンツマネジメントシステム)

CMSとは、サイトを作成・運営するための管理ツールです。

インターネット上のWebサイトはHTML言語で作成されており、ゼロからすべてを組み立てるのは大変です。知識がなければ非常に難しくプロに高いお金を出して作ってもらうのが当たり前でした。そんな中、2003年にリリースされたオープンソース型の無料CMS、WordPressが状況を変えました。

WordPressは、インターフェイスが見やすく、何をどこに入力するかが分かりやすい上、HTMLタグを使わなくてもWebサイトを運営できます。ページ内の文字の大きさや画像を入れたり、動画を埋め込むことも簡単に行えます。

テーマと呼ばれるデザインフレームを選び、画像や動画を埋め込むことでイメージ通りのおしゃれなサイト作りも可能です。細かな枠組みなどを変更するには専門知識が必要ですが、プラグインを加えることで新しい機能を追加できます。

CMSにはWordPressの他にも、2019年から日本でも使用できるようになったドラッグ&ドロップで簡単にページを作成できる無料CMSのWixや、有料・パッケージタイプで国産、国内シェア率の高いMovable Typeがあります。

費用面や拡張機能の多さや、使いやすさを含め、最も便利なCMSを選ぶようにしましょう。

MA(マーケティングオートメーション)

Webマーケティングが好調に進めば、自社サイトにユーザーアクセスが増え、問い合わせやお見積り、資料請求などで顧客が得られるようになります。

次は、コンバージョンした顧客に、購入や成約に向けたアプローチを行わなければなりません。顧客数が少ないうちは良いものの、順調にサイトが成長し、コンバージョンが増加すると、アナログ管理ではどうしても案内漏れが発生します。

MA(マーケティングオートメーション)は、Webマーケティングで得た貴重な顧客へのアプローチを漏れなく行うための便利なシステムです。

お問合せから登録された顧客に、タイミングを見計らったステップメールを送信します。問い合わせ内容に関連するウェビナーを実施する場合は、自動参加案内を行います。

営業担当が問い合わせのあった顧客に案内メールを送ったものの、最後がいつだったか、どのような内容を送信したか忘れてしまいそのままになってしまう、などの顧客損失リスクを減らせます。

ステップメールでは商材に関する案内、購入や成約してもらった場合のメリットや使い方説明、すでに導入いただいた顧客からの口コミなどを送信し、顧客ナーチャリングを行い、顧客の購入意欲をアップさせて成約に結び付けます。

お問合せ件数が増えてきたら、メール営業でリソースを割くよりも、漏れなく効率の良い案内をしてくれるMA(マーケティングオートメンション)の導入を検討してみましょう。

Webマーケティングで注意するべきこと

オンラインで簡単に情報収集から商品購入までワンクリックで出来ることを考えると、Webマーケティングの需要は、これからも成長し続けます。

これからWebマーケティングに取り組みたいとお考えのご担当者の方へ。Webマーケティングには、「やってしまいがちな注意点」もあるのでご紹介します。

Webマーケティング手法であるSEO対策やWeb広告には、それぞれ効果に違いがあります。

SEO対策、コンテンツ作成は成果に繋がればブランディングや安定した顧客獲得につながります。しかし、そのメリットばかりが強調されてしまい、成果が出るまでに長い時間がかかることは忘られてしまいがちです。

対策キーワードを決め、コンテンツを増やして内部リンクの最適化や外部サイトからの被リンクを得ても、検索結果画面でなかなか上位表示されず、アクセス数が増えないことも少なくありません。

成果を出すまでに時間をかけられないため、広告から始める場合も、対策キーワードの月間ボリュームが多いため単価が高く、クリックされても成果につながらないまま運用費用だけが増え、赤字になることもあります。

失敗しないためにも、自社および自社商材を徹底的に分析し、相性の良いWebマーケティング施策を選びましょう。その上で、相性の良いWebマーケティング手法を選んでも、計画が甘いと結果が出にくくなってしまいます。年間目標となるKPI、その最終目標に到達するため、各月ごとの小目標であるKGIを達成させましょう。

なかなか結果が出ないからと途中で挫折したり、手を抜いてしまうと、すべてが台無しになります。タスクに手を抜かないこともWebマーケティングでは重要であることを覚えておいてください。

まとめ

Webマーケティングの基本と施策の種類、Webマーケティング進めるための手順を解説しました。

何かを調べると、検索結果画面には、求めている情報が得られるページがすぐに出てきます。何気なくインターネットを見ていても、気づかぬ間に画面の端にちらほら見かける広告を見かけることもあります。これらは、各企業がWebマーケティングに尽力し、結実した成果です。同じように、自社商材をユーザーに届けるため、相性の良いWebマーケティング手法を選び、目標に沿って計画的にタスクを実行しましょう。

Webマーケティングにこれから取り組む、または着手しているけど成果が出ない場合は、このページで紹介した内容を実践してみてください。