YMYLの重要性

YMYLとは、Your Money or Your Lifeの頭文字を取ったもので、Googleの品質評価ガイドラインに記載されている項目です。

文字通り「お金や生活に関係するジャンル」を指しており、自社サイトがYMYLに該当していると、Googleの定めた基準を知らずにSEO対策を進めても上位表示させるのは難しいです。

このページでは、どのような領域がYMYLに該当するのか、Googleが重視するユーザーの幸福や生活をより良いものにするために守るための基準とはどのようなものかをご紹介します。

YMYLに関するサイトを運営し、SEO対策を進める上で注意すべきポイントとは何か、把握しておきましょう。

YMYLとは

YMYL(Your Money or Your Life)とは、お金や生活、健康に関連するジャンルを指し、Googleが品質評価ガイドラインで厳しく評価をしている項目です。

経済的な安定をもたらすお金や、健やかな毎日を送るために必要な健康、幸せな生活に求められる情報は間違いなく正しいものでなければなりません。YMYLは、そうしたお金や健康、幸福に結びつく情報をインターネット上で紹介する場合に守らなければならない基準です。

YMYLに関連するジャンルと知らず、基準を守らずにSEO対策やコンテンツ作成を進めても、検索エンジンからの評価を得られず上位表示される可能性が高いです。

ユーザーを幸せに導くためのコンテンツ作りには、どのような条件が求められるのでしょうか?

最初に、なぜ今、YMYLに重きが置かれるようになったのか、そこから解説します。

なぜYMYLが品質評価基準の1つになったのか

YMYLに関連するサイトやページが、厳しい品質評価を受けるようになった背景には、Googleの理念である「Googleが掲げる10の事実」が大きく関係しています。

Googleが掲げる10の事実

  1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
  2. 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
  3. 遅いより速いほうがいい。
  4. ウェブ上の民主主義は機能します。
  5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
  6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
  7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
  8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
  9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
  10. 「すばらしい」では足りない。

Googleは、ユーザーの利便性を何より大切にしており、ユーザーの生活や幸せに結びつくYMYLを、特別に重要な項目としています。

生きていくために必要なお金や健康な身体について、もし誤った情報を上位表示すると、どんなことが起こりえるでしょうか?検索結果に表示された情報が間違っていると、ユーザーは大金を失ったり、体調を崩す可能性があります。

逆に、ユーザーが自分の幸せを追求するためお金や健康に関して情報を求め、検索結果に表示された情報が間違いのない正しいものであれば、その記事を読んだユーザーの役に立ち、幸せになれるはずです。

インターネットで情報収集するのが当たり前になった今だからこそ、Googleは誰もが求める幸せな生活に結び付きの強いYMYLを、より厳しく評価しています。

YMYLの対象となる7つのジャンル

YMYLとは何を指し、なぜ重視されるようになったかをお伝えしました。それでは、具体的にどのようなジャンルがYMYLに当てはまるのでしょうか。

該当する項目のご紹介とそれぞれについて解説します。

1.金融情報

1つ目は、お金に関連する金融情報です。

Googleは、お金に結び付く金融情報をYMYLジャンルとして選んでいます。株や為替、保険、税金に関するコンテンツについて、ユーザーが正しく理解できるように、Googleは厳しくチェックしています。

データに基づく客観的な事実ではなく、間違った情報を信じてユーザーが株やFXに手を出せば、お金を稼げないどころか大損する可能性もあります。また、企業のお金を管理する財務情報に誤りがあれば、企業の信頼度は大きく揺らぎます。

お金に関する情報をコンテンツに記載する場合は、信用できる情報を証明できるデータと一緒に記載し、信頼性を示す必要があります。

2.ショッピング

2つ目は、ショッピングサイトです。

今やオンライン上の店舗から、ワンクリックでショッピングを簡単に楽しめるようになりました。しかし、気になっていたものを購入したものの、Webサイト上の表示価格と、実際に支払う金額が異なっていれば、ユーザーは損をします。

商品の金額が高くなるものは特に厳しい審査の対象となるため、コンテンツに誤りや嘘がない情報を掲載しなければなりません。

3.医療情報(健康と安全)

3つ目は、医療や健康に関する情報です。

怪我や病気に関する情報をインターネットで検索し、出てきた応急措置や治療方法に間違いがあれば、人の命に関わる重大な事件につながる可能性があります。

医療、薬品やメンタルヘルスを含む健康に関する内容や、安全に関するコンテンツには、学術的根拠に基づく正しい情報でなければなりません。同じように化粧品を含む美容関連商品や、筋トレやダイエット商材などの健康維持に関する商品紹介も、過度な効果を紹介していないか厳しく管理されています。

医療や健康情報を含むコンテンツを作成する際は、参照した学術論文などを引用しながら、医師や専門家による執筆、または監修をしてもらいましょう。

4.法律や政治

4つ目は、法律や政治に関する情報です。

離婚や養子縁組、遺言書などの法律や選挙、政府機関に関する情報はYMYLの対象です。これらの情報に関するコンテンツを作成する際は、根拠も一緒に提示しましょう。万が一、掲載上に誤りがあると人生に大きな影響を与えてしまうため、慎重にコンテンツを書き進めましょう。

5.時事問題

5つ目は、時事問題に関する情報です。

政治・政策、国際的なイベントやビジネスに関する時事問題、ニュースも対象ジャンルになります。地震や戦争など、人命に影響する情報に間違いがあることは許されません。

ただし、エンターテイメントやスポーツ、日常生活に関わるニュースは対象外と考えて良いでしょう。

6.人権問題

6つ目は、人権問題に関する情報です。

作成しているコンテンツが、人種・民族や宗教、障害に関わるものや、年齢・性別、LGBTなど人の集団に関係するものはYMYL対象です。

7. その他、生活に関係すること

つ目として、生活に関する情報の中にもYMYL対象となるものがあります。

YMYLとみなされるその他の項目には以下のものが挙げられます。

YMYLに該当するその他の項目
  • 大学
  • 就職
  • 不動産、住宅情報
  • フィットネス

このように、人が暮らしていく上で決断が必要な側面に関わるジャンルはYMYL対象になります。

YMYLジャンルにおけるSEO対策の5つのポイント

評価の厳しいYMYLに関係するコンテンツを作成し、上位表示を狙うためには、これから紹介する5つのポイントを抑えておく必要があります。

1.同一サイト内でYMYLと非YMYLを対策しない

1つ目は、YMYLに関連する情報と非YMYL情報をごちゃまぜにしないことです。

YMYLのいずれかのジャンルに触れるサイトを運営していく上で重要なポイントが、「非YMYLコンテンツを混在させないこと」です。

人のお金や生活に結び付くコンテンツと、そうではないコンテンツが混在すると、サイトとして何をユーザーに伝えたいのかが明確になりません。

Googleも、サイトがYMYLのためのものなのか、非YMYLなのかが判別しづらくなるため、表示順位が不安定になります。YMYLジャンルのいずれかに関わるサイト運営をする際は、ターゲットとしているYMYLジャンル1本に絞ってコンテンツ作成を進めましょう。

2.専門知識のある人による執筆または監修

2つ目は、執筆者または監修者に権威のある専門家を選ぶことです。

YMYLは人のお金、健康や命に関わるジャンルです。知識のない人がインターネットで集めた情報をまとめたようなコンテンツでは、内容の真偽を確かめにくく、ユーザーにとって本当に役立つかどうかも分かりません。

YMYLに関するジャンルのコンテンツを作成する場合は、専門知識のある人やその分野で権威のある人に書いてもらう、または監修してもらうようにしましょう。

3.サイト全体の品質を高める

3つ目は、品質の高いコンテンツを作成し続け、サイトそのものの品質も高めることです。

YMYLに関わるジャンルのサイトを運営する場合、サイト全体の品質を高める必要もあります。

YMYLに関連するコンテンツを作成する際は、対策キーワードからユーザーの検索意図を分析し、求められている情報を根拠となるデータなどと一緒に提示します。専門的で難しい内容が多くなりますが、分かりやすくユーザーの役に立つコンテンツを作り続けなければなりません。

高品質なコンテンツを作り続け、同じジャンルに関わるサイトを運営する外部サイトからリンクを貼ってもらい、そのジャンルでの信頼を獲得することも重要です。

また、SSL化によるセキュリティアップもサイトの質を高めることにつながります。

ECサイトなどは、クレジットカードなどの情報を入力することもあり、個人情報を保護するためにもSSL化が必須です。SSL化は、インターネットでのデータ送受信を暗号化する技術であり、ユーザーがカード情報などを入力する際、SSL化されているサイトであれば安心できます。

Googleもサイト運営に関し、SSL化を推奨しています。SEOにも影響するSSL化については以下のページでご紹介していますのでご参照ください。

健康面について問い合わせをする際に個人情報を入力しなければならない場合も、SSL化がされていないサイトだとユーザーが安心して利用できません。SSL化することでユーザーが安心して利用できるサイトにしましょう。

4.運営者情報や情報源などを明記する

4つ目は、コンテンツ内容の情報源や、サイト運営者情報を明記することです。

項目2にも関わるポイントになりますが、サイトの運営者やコンテンツの執筆者の情報が分かるようにしておくことも重要です。

YMYLに関わるジャンルのサイト運営者やコンテンツ執筆者には、その分野の素人ではなく、知識や権威を持っている人が執筆する、または監修することを伝え、ユーザーからの信頼を得ましょう。運営者情報ページの作成、コンテンツに執筆者情報を表示する枠を用意すると良いです。

また、コンテンツ内容に掲載している情報の真偽を証明のため、情報源となる文献やWebサイトを引用元として明記しましょう。

5.情報の正しさや鮮度を高水準に保つ

5つ目は、情報の正しさや鮮度を高水準に保っておくことです。

YMYLに関わる情報は人のお金や健康、幸せにつながります。コンテンツに記載している情報が間違っていたり、時間が経過して古くなっていると、それが原因でユーザーは大金を失ったり、健康を損ねたりする可能性があります。

関連している情報を常に追いかけ、最新のものをコンテンツに記載し、アップデートしましょう。また、情報の正しさを証明できるように、必ず情報源を引用元として記載することも忘れないようにしましょう。

まとめ:YMYLにおいてE-E-A-Tが最も重要です

自社サイトが、このページでご紹介したYMYLに関わるジャンルに関するものであれば、運営はGoogleのガイドラインを遵守して行う必要があります。

間違いなく正しい情報を、専門家が執筆または監修しなければならないという点は、Google検索品質評価ガイドラインで触れているE-E-A-Tでも紹介されています。

E-E-A-Tとは
  • 【E】Experience、経験に基づいているか
  • 【E】Expertise、専門性はあるか
  • 【A】Authoritativeness、権威性があるか
  • 【T】Trustworthiness、信頼性できるか

YMYLに関わるサイトを運営する場合は、このE-E-A-Tを特に重視し、コンテンツ作成時には各項目が満たされているか確認しましょう。

E-E-A-Tについては以下のページで詳しく解説しています、ご参照ください。

自社サイトがYMYLに関連している場合、Googleの評価は厳しく、上位表示が難しいです。しかし、ユーザーの幸せにつながる高品質なコンテンツを、ポイントを抑えて作成し続ければ、成果につながります。Googleのモットーのように、人を幸せにできるサイト運営を目指しましょう。