
強調スニペットとは、明確な回答が想定される質問を内包するようなキーワードで検索した際に、検索キーワードに対する端的な回答をGoogleが検索結果の最上部に強調して表示する仕組みのことです。
この強調スニペットは検索結果上に非常に目立つ形で表示されるので、ユーザーの注目を集めやすく強いSEO効果が得られます。
そのため、2021年のSEO対策において強調スニペットは非常に重要な対策項目の1つです。
WEB担当者やブログ運営者、SEO担当者であれば強調スニペットへの対策方法が気になるところでしょう。
そこで当ページでは、前半部で強調スニペットとは何か具体的な表示例を交えて解説し、なぜSEO対策においてとても重要なのか紹介した後、後半部で現在判明している強調スニペットへのSEO対策方法に関してお伝えしたいと思います。
SEO対策の最新トレンドが分かるとともに、簡単にできる強調スニペットへの対策方法をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
2020年1月24日に、Googleは強調スニペットの扱いを変更しました。その変更に関する記事はこちらをご覧いただければと思います。
目次
強調スニペット(Featured Snippets)とは?
強調スニペット(Featured Snippets:フィーチャードスニペット)とは、検索語句に対する明確な回答をGoogleがインデックスに登録した数多のウェブコンテンツの中から抽出し、検索結果の最上部に強調して端的に表示する仕組みのことです。
強調スニペットが表示される検索語句(検索キーワード、検索クエリ)は質問系の場合が多く、その回答となる部分をGoogle検索エンジンはテキスト部分に限らず、ページタイトルやURL、画像、動画など様々な要素から抽出してきて表示します。
実際に、Googleは強調スニペットについて次のように述べています。
一部の検索では、関連するウェブサイトのコンテンツ スニペットを使用して、簡単な回答やサマリーが提供されます。このような強調スニペットが表示される傾向が最も高いのは、検索が質問の形式で入力された場合です。
強調スニペットは、ウェブ検索結果から作られます。Google では、あるページが特定の検索リクエストに対してハイライト表示すべきスニペットとして適しているかどうかを、自動システムで判断します。
この強調スニペットが表示されていると、ユーザーは場合によっては検索結果ページ上だけで必要とする情報を手に入れることも可能。また、SEO担当者にとってはSEO対策の目標である「検索結果での1位表示」よりも上の位置、通称「ポジションゼロ(0位)」に相当目立つ形で自分のウェブサイト情報を表示できるため、より多くの集客が期待できます。
強調スニペットが表示された検索結果の例
試しに、『強調スニペット とは』とGoogle検索エンジンに入力して検索してみると、下記画像のように表示されました。(※2020年12月30日時点)
赤枠で囲んである箇所が強調スニペットです。
普段からGoogleの検索エンジンをお使いであれば、1度は見たことがあるでしょう。
上の画像のように強調スニペットは検索結果の1位よりも上の位置に表示されるため、SEO担当者の間では強調スニペットに表示されることを「ポジションゼロ(0位)」と呼んだりもします。
強調スニペットは非常に目立つ形で表示されるのでユーザーの注目を集めやすく、より多くの流入数が見込めるため、2020年のSEO対策おいて非常に重要です。
なお、この強調スニペットはすべての検索語句(検索キーワード、検索クエリ)に対して表示されるものではありません。強調スニペットが表示される検索クエリとしては、質問が内包するキーワードで多い傾向があります。
また、同じフレーズで検索しても強調スニペットが表示されたり、表示されなかったりする場合もあります。
このように強調スニペットは必ずしも表示されるわけではないため、どうしても強調スニペットへのSEO対策は後回しにしてしまいがち。しかし、SEO対策でWEBサイトへの流入数を増やしたいなら強調スニペットのメリットやSEO効果は無視できないのも事実です。
そこでまずは、強調スニペットにどのような種類があり、具体的にどのような形式で表示されるのか以下で確認してみましょう。
強調スニペットの種類と実際の表事例
強調スニペットに対するSEO対策をするために、まずは強調スニペットとして表示されるパターンの種類と、実際に強調スニペットが表示される例を見ていきましょう。
Googleは強調スニペットに含まれる情報について以下のように述べています。
強調スニペットに含まれるもの:
- 第三者のウェブサイトから引用された情報
- ページへのリンク
- ページのタイトル
- ページの URL
強調スニペット内の引用コンテンツは、段落、リストまたは手順、表などの形式で表示されます。
実際、検索結果で確認できる強調スニペットが表示されるパターンには、上で紹介した検索例を含めて主に以下の3種類が存在します。
- パラグラフ型(テキスト段落)
- テーブル型(表)
- リスト型
それぞれの強調スニペットのタイプについて実際に検索結果で表事される例も併せてご紹介します。
パラグラフ型(テキスト段落)
先程の強調スニペットは文章と画像で構成される最もスタンダードなパラグラフ型(テキスト段落)の強調スニペット。『◯◯ とは?』といったタイプの検索語句で表示される傾向にあります。
この場合は『強調スニペット とは』という質問に対して、端的な回答を掲載しているページから抽出した文章と画像が表示されています。
テーブル型(表)
続いては、テーブル型。その名の通り、テーブル(表)で表示される強調スニペットのことです。主に、『〇〇 料金』や『〇〇 時刻表』といった検索語句に対して表示されます。
この画像は『東京 大阪 新幹線 料金』の検索語句に対して表示された強調スニペットです。
この強調スニペットに表示されたページを訪れてみると、このようなテーブルがありました。
このようにGoogleは、ページ内にある料金テーブル(表)の一部を引用して、強調スニペットの中で回答として表示しているのです。
リスト型
リスト型の強調スニペットは、『〇〇 手順』や『〇〇 方法』といった検索語句で検索した際に表示されることが多いです。
こちらの画像は『パスワード変更 方法』で検索した際に表示された強調スニペットとなります。
この強調スニペットに表示されたページを確認すると以下のようなリストがありました。
このページではリストのHTMLタグで手順が記述されており、Googleはこの箇所を引用しています。
表示例のように、リスト型強調スニペットに表示されるのは、基本的にリストタグのHTMLコードで記述しているものや、見出しタグ<h2>で記述されている部分です。
このように強調スニペットは、文字と画像のスタンダード型、表で表されるテーブル型、リスト型の主に3種類から成り立つものです。
ナレッジグラフやリッチスニペット、リッチリザルトとの違い
強調スニペットと同様に検索結果外に表示されるものの中にはナレッジグラフや、名前が似ているリッチスニペット、リッチリザルトなどがあり、これらは強調スニペットと混同されることが多いです。
それぞれSEO対策では重要な要素ですが構造や表示形式に違いがあります。
ここでは、強調スニペットとナレッジグラフの違い、強調スニペットとリッチスニペットの違い、強調スニペットとリッチリザルトの違いをそれぞれ解説致します。
強調スニペットとナレッジグラフの違い
ナレッジグラフとは、検索語句からGoogleがユーザーが知りたいであろう関連性のあるデータを整理して提供するもの。ユーザーが他のサイトを訪問して自分で情報収集を行わなくても、疑問が解決できるようにするのが目的です。
次の例は、『アラジン』と検索した際に表示されたナレッジグラフとなります。
公開年、ジャンル、映画の長さなどの基本情報から、評価、音楽、キャストの情報までひと目で分かるようにGoogleがまとめてあるのがナレッジグラフです。
一見すると、強調スニペットとナレッジグラフは似ていますよね。しかし、その構造は似て非なるものです。
強調スニペットとナレッジグラフの主な3つ違いまとめましたのでご覧ください。
強調スニペット | ナレッジグラフ | |
---|---|---|
表示場所 | 最上部 | 右側(モバイルでは上部) |
掲載方法 | あるWEBサイトの一部を抜粋 | Googleが関連情報をまとめる |
内容変更 | できない | できる |
このように、表示される形式が似ているために混同されがちな強調スニペットとナレッジグラフですが、両者は全く別のものです。
中でも一番の違いは、強調スニペットがあるWEBサイトの一部を抜粋するものであるのに対して、ナレッジグラフはGoogleが関連情報をまとめたものであるという点。
つまり、ナレッジグラフは対策のしようがありません。
強調スニペットとリッチスニペットの違い
強調スニペットとリッチスニペットは言葉が似ているために混同されやすいですが、ひと目で分かる別物です。下記の赤枠で囲ってあるのがリッチスニペットの例となります。
このようにリッチスニペットとは、ページタイトルの下に表示される通常のスニペット(3行ほどの説明文)を発展させたもので、レビューや価格帯などを表示するものです。
強調スニペットとは、表示される場所も、内容も異なります。
強調スニペットとリッチリザルトの違い
強調スニペットについて調べていると「リッチリザルト」というワードも目にします。
実はリッチリザルトはリッチスニペットと同じ。これまでリッチスニペットやリッチカードと呼ばれていたものを統一した名称がリッチリザルトです。
そのため、強調スニペットとリッチリザルトも別物です。
リッチリザルト
視覚的な機能や操作機能が追加された、Google 検索結果です。以前は「リッチカード」または「リッチ スニペット」として知られていました。リッチ スニペット
視覚的機能が追加された検索結果です。「Rich result」という名称に変わりました。
-リッチリザルト - Search Console ヘルプより
例えば以下のような動画型もリッチリザルトの1例です。
動画型
この画像は『テント 張り方 ロープ』と検索した際の検索結果となります。
その他のリッチリザルトのタイプについてはGoogleがタイプ別にリスト形式で紹介しています。
検索ギャラリーとリッチリザルトを見る | Google 検索セントラル | Google Developers
強調スニペットが表示されるメリットとSEO効果
検索結果のランキング1位のWEBサイトよりも上部の目立つ位置に表示される強調スニペットには、大きく2つのメリットがあります。
それぞれのメリットをSEO効果も踏まえて見てみましょう。
検索結果からの流入数増加が期待できる
強調スニペットは非常に目立つ形式で検索結果の最上部に表示されるため、より多くの流入が期待できます。
検索結果に強調スニペットが表示されるメリットには「WEBサイト運営者(SEO担当者)にとってのメリット」と「検索ユーザーにとってのメリット」があります。
WEBサイト運営者(SEO担当者)にとってのメリット
たとえ検索結果の8位や9位に表示されていたWEBサイトでも、強調スニペットとしてGoogleに引用されたタイミングで検索結果の最上部に表示されます。
そのため、強調スニペットに表示されることは、SEO対策で苦労して検索ランキング1位を獲得するのと同様の効果が期待できます。もちろんクリック数の増加も期待できるので、WEBサイトへの多くの自然検索流入が見込めます。
また、強調スニペットは通常の検索結果で表示されるよりも、コンテンツに含まれる情報をより多く最適な形で表示しているため、ユーザーの信頼も得やすくクリックしてもらいやすくなります。
検索ユーザーにとってのメリット
ユーザーは検索結果の中から自分が求める情報を掲載しているWEBサイトをページタイトルや説明文から探さなければなりません。
強調スニペットが表示されている場合、ユーザーは欲しい情報が掲載されたウェブサイトをすぐに特定して回答を得ることができます。場合によってはユーザーは検索結果ページ上だけで必要とする情報を手に入れることも可能です。
また、ユーザーが強調スニペットをクリックすると、Googleは強調スニペットに表示されているページの該当セクションに直接ユーザーを移動するので、検索行動にかかる時間や労力を削減できるメリットもあります。
音声検索で強調スニペットが使われる場合がある
Googleによると強調スニペットは音声検索でも使用されるとのこと。
強調スニペットは、検索結果の上部にある専用ボックスの中にあり、リンクの上には説明文が表示されます。Google アシスタントで検索すると、強調スニペットが音声出力されることもあります。ほとんどの場合、強調スニペットにはリスティングが 1 つしか含まれません。
GoogleアシスタントやAlexa(アレクサ)などを利用して音声検索をするユーザーは、その場で最適な回答(情報)を求めていると想定されます。
強調スニペットは検索語句に対する明確で端的な回答を引用したものなので、こうした音声検索の場合にも最適な回答を返すことが可能となります。
強調スニペットが表示されるとクリック率が下がる?
しかし一方で、以下のように強調スニペットが表示されることでクリック率が減少してしまう可能性を示唆したデータもあります。
-Ahrefs' Study Of 2 Million Featured Snippets: 10 Important Takeawaysより
実際に強調スニペットが表示されていれば、ユーザーはページをクリックせずとも検索結果上で欲しい回答を得ることが可能となるため、そもそもクリック数が下がるのは当然の結果と言えます。
一見デメリットにも思えますが、強調スニペットに自分のWEBサイトが表示されているということは、ユーザーにとって有益な情報をわかりやすく掲載できているということなので、自信を持って引き続き良質なSEOコンテンツを作成していきましょう。
もしどうしても強調スニペットに表示したくないという場合は、強調スニペットからオプトアウト(ブロック)する方法をGoogleが公開しているので確認してみてください。
さてここまでは、強調スニペットの基本情報に関して解説してきました。続いて、強調スニペットの対策方法を紹介したいと思います。
SEO担当者必見!検索結果に表示する方法と対策
ahrefsが200万もの強調スニペットを研究した結果によれば、たとえSEO対策をしてランキング1位を獲得せずとも、強調スニペットに表示されれば最大8.6%ものクリック率(CTR)が見込めるとのこと。そのクリック率からも強調スニペットに入ることがどれだけのSEO効果をもたらすか明らかでしょう。
ここでは、「では、どうすれば強調スニペットに入れるの?」という疑問に対して、ahrefsで紹介されている方法を解説していきたいと思います。
*参考:https://ahrefs.com/blog/find-featured-snippets/
強調スニペットチャンスを見つける
前述のahrefsの調査によると、強調スニペットに入るページは1位~10位の中から 99.58%の確率で選ばれると言います。
つまり、強調スニペットに入るには、SEO対策したい検索語句(キーワード)で10位以内に入っていることが大前提。
また、強調スニペットが表示されるタイプの検索語句であることも必要不可欠な条件です。
まとめると、まずやるべきことは下記の2つです。
- SEO対策したい検索語句で10位内にランクインしているWEBページを探す
- 強調スニペットが表示されるタイプの検索語句を探す
これは、ahrefsを利用して以下の手順で進めましょう。
- ページ上部の『サイトエクスプローラー』をクリック
↓ - 検索窓に『ドメインを入力』して検索
↓ - ページ左部欄の『オーガニックキーワード』をクリック
↓ - 『順位1~10位』に設定
↓ - 『SERP機能』をクリック
↓ - 『Featured snippet』を含めるにチェック
↓ - 『適用』をクリックして表示する
すると、今現在10位以内にランクインしていて、かつ強調スニペットが表示されている検索語句が表示されます。
これらの検索語句では、あなたのWEBページ、もしくはライバルのWEBページが強調スニペットになっているはずです。
もし、強調スニペットに載っているのがあなたのWEBページではない場合、以下の2つを試して強調スニペットを奪い取れるようにしましょう。
検索語句に対してシンプルで的を射た明確な回答をする
検索エンジンにわかりやすいよう簡潔な文章を用意します。もし、ライバルのWEBページが強調スニペットになっている場合は、自ページと比較して、次ページは何が劣っているのかを探り、改善しましょう。
また、強調スニペットに載るためには、『まとめ』を作るのも1つの手です。パラフラフ型の強調スニペットは基本的に100~120字で構成されているため、100~120字のまとめを作成して、強調スニペットにピックアップされる仕掛けを作るのです。
HTMLのマークアップを見直す
Googleの検索エンジンはHTMLを読み取って記事コンテンツを理解します。そのため、HTMLを正しく使えていない場合には、いくら内容が良くても強調スニペットに入ることはないでしょう。
HTML項目は下記を確認することをおすすめ致します。
- 【パラグラフタイプ】文章のかたまりがわかるように<p>タグで段落ごとに正しく囲っているか
- 【テーブルタイプ】表は画像ではなく、<table>タグを使って正しく記述できているか
- 【リストタイプ】hタグや<li>タグを正しく使っているか(順序を示しているのに<ol>タグではなく、順不同の<ul>タグを使用していないかなど)
構造化データマークアップは必要?
強調スニペットを表示することだけで言えば、強調スニペットの表示に構造化データマークアップは必要ありません。
しかし、Googleの検索エンジンに対してコンテンツの内容を正しく認識できるようにしたり、リッチリザルトを表示したりするために構造化データマークアップは必要です。
正しく構造化データマークアップができていればSEO対策でも有効に働くので、設定可能な項目には日頃から構造化データを設定するようにしましょう。
Googleの強調スニペットに関するポリシーに準拠する
Googleは、強調スニペットを表示しない場合について「強調スニペットに関するポリシー」を掲げており、このポリシーに準拠していないウェブサイトは強調スニペットに表示されることはありません。
これらの項目は、普段から適切なSEO対策をしていれば抵触することはないでしょう。
Googleの自動システムは、ポリシーに準拠していない強調スニペットは表示しないように設計されています。
強調スニペットに関するポリシー
- 露骨な性表現
- 差別的である
- 暴力的である
- 有害で危険である
- 公共性の高いトピックにおいて広く合意が得られている内容と反している
まとめ:2021年のSEOトレンドを押さえて、ライバルに差をつけよう!
強調スニペットからは8.6%ものクリック率を見込めるため、2020年のSEO対策において欠かせない要素の1つです。
ahrefsなどのツールを使って強調スニペットに載るチャンスがある検索語句と自サイトのページを洗い出し、最適なSEO対策を実施しましょう。
また、当サイトでは強調スニペット以外のSEOに関する対策もご紹介しています。もっと詳しくSEO対策について知りたいという方は下記も併せてお読みください。
さらに当社では、経営陣が13年以上Webマーケティングをやっている中で手に入れたノウハウをチェックリスト形式でわかりやすくまとめた「SEO対策チェックリスト(ebook)」を公開しております。
「SEO対策をやっているけれど、なかなか成果が見られない…何がダメなんだろう」
「これからオウンドメディアの集客はもっとSEOを意識していきたい」
「自サイトのSEOは何ができていて、これからどんな対策をしていけば良いのか知りたい」
このようにお考えの方には特にご覧いただきたい内容です。
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