ユーザーだけでなくクローラーにも効果があるリード文

記事を作成する際に、リード文の書き方や定義が分からない、ということはありませんか?

リード文とは、記事の本文が始まる前に作成される文章であり、新聞や小説、ブログなど様々なコンテンツで導入文として利用されます。

リード文の役割や重要性を知らず、「何となく設置していない」「間違った書き方をしている」と、ユーザーの興味関心が薄れて離脱が高まってしまいます。

そこで、このページではリード文の重要性や読者の興味をひくリード文の書き方について詳しく解説します。

また、誰でも魅力的なリード文が作れるテンプレートも紹介しています。
さらには、「自分で考えるのが面倒」「ライティングの効率を上げたい」という方には、AIやライティングツールもご紹介していますので、是非最後までご一読ください!

リード文とは

リード文は、先導(Lead)が語源になっており、読者を本文へ誘う重要な役割を果たします。

また、リード文は、記事のタイトルと目次の間に表示されることが多く、本文全体の要約や要点をまとめた文章を書くことが一般的です。

しかし、ウェブコンテンツによっては、リード文に該当する文章がなく、直ぐに目次や見出し、本文が始まるケースも少なくありません。

これは、リード文がないコンテンツが正しくないというわけではなく、コンテンツの作り方やウェブサイトの方針による違いだけで、コンテンツそのものの良し悪しには関係しません。

見出しとの違い

リード文と見出しは、読者がコンテンツに引き込まれるかどうかを左右する重要な要素ですが、その役割と機能には明確な違いがあります。

見出しは、コンテンツの主題やセクションの内容を簡潔に伝える役割を持ち、読者がコンテンツをざっと見たときに何について書かれているのかをすぐに理解できるようなものです。

具体的に、見出しは<hタグ>といったHTMLタグで指定し、コンテンツの構成となる要素です。

これに対し、リード文は見出しで提示されたトピックを要約し、読者がなぜこのページに注目すべきかを説明し、興味を持たせるための文章になります。

このように、見出しとリード文は互いに補完関係にありながら、コンテンツ内で異なる目的や機能を果たしており、どちらもWebライティングに効果的な要素です。

それでは、次にリード文を入れることの目的やメリットを解説します。

リード文を設定する目的やメリット

多くのWebページでは、本文から始まるのではなくリード文からスタートしていることがほとんどですが、なぜリード文をいれるのでしょうか。

ユーザーの離脱を防ぐため

1つ目の目的は、ユーザーの離脱を防ぐためです。

リード文がないコンテンツでも、本文を読み進めるユーザーは一定数います。しかし、ユーザーの多くはWebページにアクセスし、最初に目に入る情報(ファーストビュー)で、求める情報が得られるかを確認し、見つからなさそうであれば、Webサイトから離脱し、他のWebページを検索します。

リード文がない場合、ユーザーはタイトルやアイキャッチ画像、目次からコンテンツの内容を「推測」し、求めている情報の有無を判断しています。一方で、リード文がある場合、それらにプラスして「リード文」を通してユーザーへ、コンテンツの内容を伝えることが可能です。

ページにアクセスしたユーザーが離脱してしまう前に、少しでも多くの情報を伝え、離脱の可能性を抑えることがリード文を記載する目的となります。

クローラーにページの内容を伝えるため

2つ目の目的は、検索エンジンのクローラーにページの概要を伝えるためです。

GoogleやYahoo!などの検索エンジンでは、クローラー(ロボット)がWebページの情報を「上から」順に収集しています。具体的には、最初にページ上部のヘッダー、次にページタイトルやh1、続いて見出しとなるh2、その後は各見出しのと本文と読み込んでいきます。

このクローリングに対し、ページタイトルやh1と1つ目の見出し(h2)の間に、リード文を記載することで、コンテンツ全体が何について書かれているかを伝えることができるため、クローラーは効率良くページの内容を理解できるようになります。

クローラーが効率よくページの内容を理解できるということは、クローラビリティの向上につながるため、SEO対策にもなります。

ユーザーにページを読む価値を伝えるため

3つ目の目的は、ユーザーにページを読む価値を伝えるためです。

1つ目の目的「離脱を防ぐ」と同じでは?と感じる方もいるかと思いますが、似て非なるものです。というのも、1つ目の目的だけにとらわれると、「リード文を書けば良い」と考えてしまいがちです。

しかし、ただコンテンツの内容を羅列することは、かえって冗長と感じさせるため、離脱を助長してしまう可能性があります。リード文には、ユーザーへの共感やコンテンツを読む価値、利益を書くことが重要です。

どんなに素晴らしいコンテンツでも、アクセスしたユーザーが本文を読み進めてくれなければ、有益な情報をユーザーに伝えることはできません。リード文は、アクセスしたユーザーにコンテンツを読むと何が得られるかを伝え、本文へと導く重要な案内役なのです。

リード文を設定する理由や重要性をお伝えしたところで、次は、リード文がSEO対策にもたらす影響について、解説します。

SEO対策への影響

前述で解説した通り、リード文には「離脱の防止」や「クローラビリティの向上」というメリットがあり、これらはSEO対策の観点からみてもメリットになります。

例えば、検索エンジンは、多くのユーザーに有益だとされるコンテンツを評価し、検索順位を上げる傾向にあります。
検索エンジンから「有益」と判断される指標の中には、「離脱の数」や「クローラビリティ」も含まれているため、リード文を適切に設定することはSEO対策にも繋がるという訳です。

リード文は単に記事を紹介するだけでなく、SEO対策の観点からも重要な役割を果たしていることを抑えておきましょう。

それでは、実際にどのような文章を用意すれば良いのか、次の見出しで解説します。

リード文の書き方やコツについて

ユーザーがWebページを読もうかなと思うリード文とは、どのような文章なのでしょうか。ここからは、リード文の基本的な書き方やコツをご紹介します。

記事の作成が完了した後に書く

まず1つ目に抑えておきたいことは、記事の作成が完了した後に書くことです。
そもそも、リード文は記事全体の内容を要約し、ユーザーに分かりやすく伝える役割があるため、記事を書き終えた後に書くことがお勧めです。

もし、記事の作成が完了する前にリード文を作成すると、記事内で伝えたい内容と違ったり、読者の興味を最大限に引き出すことが難しくなります。

記事作成は上から順に進めたいところですが、リード文は一旦記事の作成が完了した後に考えるようにしましょう。

QUESTフォーミュラの法則を意識する

2つ目に抑えておきたいコツは、QUESTフォーミュラを意識することです。

QUESTフォーミュラとは、以下の5つの頭文字を集めたライティングの際に意識すべきポイントのことです。

「QUEST」5項目
  1. Qualify:ターゲットの絞り込み
  2. Understand:ユーザーの希望や悩みを理解し、共感する
  3. Educate:解決方法の紹介および商材のアピール
  4. Stimulate:商材の購入意欲を刺激
  5. Transition:ユーザーから顧客への変化

QUESTフォーミュラは、本文を書く時でも意識すべきポイントですが、リード文にも同じことが言えます。

実は本記事のリード文にもQUESTフォーミュラの法則を用いてリード文を作成しています。具体例とともに、それぞれの項目を解説していきます。

Qualify:ターゲットの絞り込み

ターゲットの絞り込みとは、「読者となるユーザーを意識し、誰に向けて書くか」を示すことです。
例えば、本記事内のリード文においては、下記の1文が当てはまります。

「誰しも」に当てはまる書き方をするのではなく、「特定の悩みや状態になっている人」に向けた記事であることをリード文で伝えると良いでしょう。具体的には、「~でお悩みの方」「~について知りたい方」「~が出来る商品をお探しの方」などです。

これはコンテンツを作成する際に、該当のキーワード(検索クエリ)を検索しているユーザーは、どんな悩みを持っているのか、なぜ検索しているのか、を具体的にすることが重要です。

年齢や性別、職業だけでなく、検索に至った経緯やバックボーンなどを出来るだけ詳しく設定し、読者が抱える悩みや知りたいこと、購入しようとしている商品についてリード文で言及しましょう。

Understand:ユーザーの希望や悩みを理解し、共感する

次に、ユーザーが抱える悩みや知りたい情報に「共感」することが大切です。
例えば、本記事内のリード文においては、下記の1文が当てはまります。

読者がなぜその情報を求めているのかを理解し、共感することでより興味を惹きつけることができます。
また、共感だけでなく、このまま問題が悪化すればどんなデメリットやリスクがあるのかを訴求することで、解決したいという欲求に変化します。

基本的に人間は、「自分の不利益などを回避する」か「自分の快楽を満たす」のいずれかで行動をしていると考えられています。先にご説明した「読むことで得られる利益」は、後者の快楽を満たすことに該当し、「読むべき理由を書く」ことは、前者の不利益の回避することに該当します。

ただし、注意点として、嘘や誇張はNGとなります。あくまでも、事実や調査データなどの根拠に基づいた書き方が必要です。

Educate:解決方法の紹介および商材のアピール

次に、悩みを解決する方法を紹介していきます。誰しも悩みの共感で終わってしまうと、「結局どうすればいいの?」という疑問を持ちます。

そんな疑問に答える形で解決方法を提示すれば、この記事を読むことのメリットを感じてもらえます。
例えば、本記事内のリード文においては、下記の1文が当てはまります。

基本的に、ユーザーが本文を読み進めようと思ってくれるのは、記事内に求めている情報があると感じた時や、読みたいと思った場合のみです。これはwebページに限らず、本や新聞、雑誌などでも同じです。

ユーザーは記事を読むことで調べていた情報が見つかるか、抱えている悩みの原因が分かるか、または欲しい商品の詳しい情報が分かるかをリード文から瞬時に判断しています。

リード文で、ユーザーに「違うな」「読む価値がなさそうだな」と思われないように、読むことのメリットや価値を記載しましょう。簡単な解決方法であれば、簡易的な文章で問題ないですが、より専門的な悩みや難易度の高い悩みについては、根拠や信頼できるデータを並べることで信頼性を得ることができます。

Stimulate:商材の購入意欲を刺激

ユーザーにメリットを感じてもらえれば、次はベネフィットを訴求し、刺激を与えます。

例えば、本記事内のリード文においては、下記の1文が当てはまります。

何らかの商品やサービスなど、解決に繋がるものを手に入れることができると想像してもらい、モチベーションを上げることが重要です。

Transition:ユーザーから顧客への変化

最後に、ユーザーの行動を後押しします。

例えば、本記事内のリード文においては、下記の1文が当てはまります。

さらには、「自分で考えるのが面倒」「ライティングの効率を上げたい」という方には、AIやツールを活用したリード文作成の方法もご紹介しますので、是非最後までご一読ください!

ここでは、記事を読んでもらった後に、ユーザーに起こして欲しい行動を訴求することが重要です。
例えば、商品の購入や、お問い合わせの申込、他記事への誘導など、記事の最後にCTA(click to action)で設置している内容が当てはまります。

唐突にCTAの内容を訴求しても、興味のないユーザーには逆効果となってしまい、読むことを割ける可能性があります。
しかし、QUESTフォーミュラの法則に従えば自然な流れで訴求でき、自身が求める行動をユーザーに起こしてもらえる可能性が高まります。

リード文内で記事の内容を明確にする

リード文の書き方の3つ目は、記事の内容を明確かつ分かりやすくまとめることです。
リード文は、記事内にどのような情報が記載されているかや、どの程度で読むことができるのかを記載すると良いでしょう。

ただし、記事の内容をただ羅列したり、まとめたりすれば良いというわけではなく、要点や起承転結を意識してまとめることが大切です。リード文があまりにも長くなっている場合や、冗長な表現が多くなっていると、かえってユーザーの離脱につながるため注意が必要です。

筆者または監修者情報を記述する

4つ目はコンテンツの執筆者または監修者の情報を記述することです。

一例ですが、病気や法律に関する記事を読もうと思った時に、「素人が書いた記事」と「医者や弁護士が書いた記事」ではどちらが読みたいと思われるでしょうか。恐らく、大半の方は後者の記事を読むと答えるのではないかと思います。

これは読者の心理として、本当に正しい情報なのか、信じても問題ないのかを見極めるためです。つまり、記事の内容や専門性によっては、リード文あるいはリード文の近くに「執筆者」あるいは「監修者」を記載することが効果的といえます。

また、執筆者や監修者の情報を記載することは、GoogleがE-E-A-T(Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字)の観点から重視しており、SEO対策としても必須の情報であることを覚えておきましょう

E-E-A-Tは、検索順位に影響を与える重要な要素の1つです。詳しくは『E-E-A-T(旧E-A-T)とは?Googleが重視する評価基準とその対策方法を解説』で解説していますのでご参照ください。

以上、リード文に必要な情報、書き方をご紹介しました。続いて、ユーザーに伝わりやすくSEO効果を得やすいリード文作成のコツをご紹介します。

対策キーワードを適度に使用する

最後は、対策キーワードを「適度に」使用することです。

SEO対策を進める上で対策キーワードをコンテンツ内に使用することはもちろんですが、リード文でも同様です。リード文内で、適度に対策キーワードを使うことは、クローラーに対し、何について書かれたコンテンツなのかを伝えられます。

ただし、初心者の方にありがちなミスとしてキーワードの詰め込みが考えれます。あくまで「適度に」キーワードを含めることは重要ですが、詰め込み過ぎはSEOに逆効果となり、場合によってはスタッフィング(詰め込み)によるペナルティの対象になることもあります。

リード文内にキーワードを入れる際は、文章として違和感なく、読みやすい流れの中に入れ込みましょう。

リード文が上手く書けないときのテクニックや代替案

前述では、リード文の書き方やコツについて詳しく解説しました。

本記事でも解説している通り、基本的にリード文は全記事に設置することをおすすめしますが、毎回前述の作り方を参考にするのが面倒だという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、続いてはより簡易的にリード文を作成するテクニックや方法をご紹介します。

上位サイトのリード文を読む

1つ目は、対策キーワードに対し上位表示している競合他社サイトのリード文を読むことです。

検索順位が高いページのリード文の多くは、ユーザーが本文を読み進められるよう上手に促しています。同じキーワードでコンテンツを作成する場合は、競合他社がユーザーの関心をどのように刺激しているか、また上記で紹介したリード文に必要な情報を表現しているか確認することが良いでしょう。

ただし、同じ表現や書き方をしてしまうのは、コピーコンテンツになるためNGです。コピーにはならないように、参考程度に確認し、上手なリード文の書き方を身に着けましょう。

AIやライティングツールを利用する

2つ目は、AIやライティングツールを活用して自動的にリード文を作成することです。

リード文の作成に苦労している場合、AIやライティングツールの活用は大きな助けとなります。
特に、内容を効果的に伝えるために必要なポイントを自動的に組み込んでくれるため、手間と時間を節約できます。

たとえば、ChatGPTなどのAIを使えば記事のタイトルや見出し、訴求したい内容を指定して、「リード文を生成してください」といった具体的なプロンプトを入力するだけで良いのです。

また、ライティングツールを用いれば、リード文はもちろんのこと、見出しの作成や文章の作成なども簡易的に作成することが可能になります。

例えば当社では、AI機能を搭載したSEOライティングツール「EmmaTools」を提供しています。
EmmaTools

EmmaToolsは、プロンプトを用意しなくても記事作成が可能で、SEO初心者でも対策ができるツールです。
また、AIにより記事作成の短縮化ができ、従来の1/3に工数を削減できます。

時間やリソースが限られている中でも、SEOに強い記事作成に取り組みたい方におすすめのツールです。

ブログやコラムで使えるリード文のテンプレートと例文

最後に実践として、どのような文章を用意すれば良いかテンプレートをご紹介します。
リード文は、検索クエリの種類によって書き方が変わります。

検索クエリは、「知りたい情報を集めるためのインフォ―メーショナルクエリ」、「商品購入のためのトランザクショナルクエリ」、「特定の場所やサイトへ行くためのナビゲーショナルクエリ」の大きく3種に分かれます。

このうち、インフォメーショナルクエリとトランザクショナルクエリのリード文を作成する際に役立つテンプレートを以下、ご紹介します。

テンプレート1.インフォメーショナルクエリの例

「○○とは何か知りたい」
「最近よく耳にする○○って何?」と、○○について調べて、この記事をご覧になっている方もいるのではないでしょうか。

○○は、△△や□□などがあり、××××なので、××××です。

そこで、このページでは、○○に関する××や××について、ご紹介します。最後には、○○が理解でき××××となるでしょう。
○○を××年間調べ、使い続けてきた筆者が詳しく解説しますので、ぜひご一読ください。

テンプレート2.トランザクショナルクエリ

「○○が解決できなくて困っている」
「○○をもっと効率化させたい」と、○○について悩んでいる方が多くいらっしゃいます。

○○は、××××なので、△△△や□□□などの失敗をしてしまう場合があります。

そこで、××××とならないように、このページでは、○○の正しい選び方や解決策、○○の方法を解説していきます。また、○○を実際に使った××××の××××なども一緒にご紹介します。

ページの最後には、○○におすすめな××××もご紹介していますので、ぜひご一読ください。

まとめ

リード文は、コンテンツにおいてユーザーの目に最初に入ってくる読む文章です。文字数は長すぎると読んでもらえなくなる可能性が高くなることから、300文字程度が良いとされています。

その限られた文章内で、このページでご紹介した情報を埋め込み、ユーザーの気持ちを掴むことができなければ、本文を読み進める前に離脱してしまう可能性が高いため、リード文は非常に重要です。

抑えておくべきポイントを踏まえ、より効果的なリード文を作成できれば、ユーザーはコンテンツを読み進め、運営側が用意する導線からサイト内の別ぺージに遷移し、コンバージョンにつながる可能性が高まります。

これまで、なんとなく要点をまとめた文章をリード文にしていたのであれば、見直してをしてみましょう。

リード文を含め、SEO効果のあるコンテンツを作成するためのライティング方法を以下のページで紹介していますので、ぜひ、お役立てください。