キーワードのもつ多様性に対応するQDD

QDD(Query Deserves Diversity)は、検索クエリに対し多様性を評価するアルゴリズムです。具体的には、複数の意味や検索意図を持つ語句がGoogleで検索された場合に、多様性のある検索結果が表示される仕組みを指します。

QDDが適用されている検索クエリの対策は、SEO対策の中でも難しい対策の1つになります。しかし、QDDが適用されていると見極めることができれば、SEO対策の優先度を変更したり、コンテンツの作成方法を変更したりすることが可能です。

このページでは、QDDという検索結果の仕組みに対する考え方やSEOへの影響、QDDを対策するメリット、注意点について解説していきます。

QDDに関する理解を深め、適切なSEO対策を進めていきましょう。

QDD(Query Deserves Diversity)とは?

冒頭でもお伝えしましたが、QDD(Query Deserves Diversity)とは、検索クエリに対し多様性を評価するアルゴリズムの1つで、複数の意味やニーズを持つキーワードに対し多様性のある検索結果を出す仕組みです。

具体的には「ディズニー」で検索した場合に、「ディズニーリゾート」や「ディズニー映画」、「ディズニーのグッズ」などが検索結果に出てくることなどが該当します。

これは「ディズニー」について調べるユーザーには、「休日にディズニーランドに行きたい人」もいれば、「もうすぐ公開になる映画の情報を知りたい人」、「期間限定グッズの購入方法を調べたい人」など、様々なユーザーニーズがあると考えられるからです。

ただし、QDDというアルゴリズムは、Googleが公式で言及しているものではありません。

あくまでも、検索結果に多様性がある検索クエリがあるという傾向と、QDDと似ているQDF(Query Deserves Freshness)というアルゴリズムをGoogleが認めていることから、QDDという考え方をするようになりました。

Google非公認のQDDですが、検索クエリによる多様性がある場合、検索結果にどのような影響が出ているのか、次で検証してみます。

QDDは検索結果にどのような影響をもたらすのか

Googleで検索する際、ユーザーは様々な検索クエリを入力します。

中には具体的で細かいものもあれば、漠然とした抽象的なキーワードまで様々です。その中でも、ユーザーの検索するキーワードが複数の意味や答えを持つ場合、Googleはユーザーが満足できる答えとして、複数の異なるWebページを検索結果に表示します。


例えば「さくら」という検索クエリの場合、検索結果には花の種類である「桜」の説明やサーバーサービスを行う「さくらインターネット」、その他にも芸能人の名前や「さくら」がタイトルに入る曲名などが表示されます。

商品名や人物名、花の名前などの多様性に対応

このようにQDDは、検索クエリが複数の意味とユーザーニーズを持つ場合に、それぞれのユーザーニーズに適切な情報を提供する役割があります。

QDDはGoogleのアルゴリズムではない

ユーザーの検索行動の助けとなるQDDですが、先に述べたようにGoogleはアルゴリズムとしてQDDが存在しているとは説明していません。

あくまでSEOに携わる専門家や業者が、多様性がある場合、それに対応するアルゴリズムがあるであろう、と推測しているだけです。

しかし、QDDのように、多様性のある検索クエリに対して、回答が1つだけに偏って提示してしまうと、別の回答を求めるユーザーにとっては便利なものではなくなってしまいます。

Googleが重視しているのはユーザーの利便性であり、この検索クエリに対する多様性を無視し、偏った検索結果を表示するとは考えにくいです。

複数の意味を持つキーワードで検索をかけると、様々な検索意図から検索結果を表示していることからも、「検索クエリの多様性」に対応していることは間違いないでしょう。

多様性への対応となるQDDは、対策することでメリットがあるのでしょうか、次にご紹介します。

QDDを意識して対策するメリットはあるのか

QDDを意識し、対策を行うとどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

検索結果から思わぬ検索意図が分かることもある

1つ目は、検索結果から複数の検索意図を把握することが可能です。

SEO対策としてコンテンツを作成する際、重要なポイントの1つに対策キーワードに対する検索意図の把握があります。

ユーザーが検索エンジンに入力するキーワードから、何を求め、どのような情報を掲載すべきか考えなければなりません。QDDという考えは、検索結果から複数の検索意図を把握するのに役立ちます。

もし、対策しようとしているキーワードの検索結果にQDDが適用されていると感じた場合には、全てのユーザーニーズを満たせるような網羅性の高いコンテンツが必要だと覚えておきましょう。

ミドルワードやロングテールで上位表示される可能性がある

2つ目はミドルワードやロングテールワードで上位表示される可能性があることです。

QDDを意識し、様々な検索意図を練り込んだコンテンツを作成すると、対策キーワードだけでなく関連するミドルワードやロングテールワードでも順位を取れる可能性があります。

対策キーワードに複数の意図が考えられる場合には、できる限り網羅的な情報を記事内に取り込み、幅広い検索意図への対策をしておきましょう。

QDDの検索クエリで上位表示している際の注意点

QDDを意識し作成したコンテンツで上位表示できた場合、注意しておかなければならないポイントがあるので紹介しておきます。

コアアルゴリズムのアップデートで順位が変化する可能性が高い

1つ目は、コアアルゴリズムのアップデートで順位が変化する可能性が高いことです。

Googleは、ユーザーに役立つ結果を表示できるよう常に検索エンジンのアルゴリズムをアップデートしています。

中でも検索アルゴリズムの根幹となるコアアルゴリズムアップデートは年に数度行われており、その度に上位表示されていたWebページが順位を落とすことも少なくありません。

QDDが適用されているキーワードで上位表示しているWebページは、このコアアルゴリズムアップデートの影響を受けやすく、順位が大きく変わることが多いです。

なぜなら、コアアルゴリズムアップデートが起きると、検索クエリを理解する精度が改善されたり、検索エンジンのキーワードに対する認識が変わったりするためです。

対策キーワードではなく、QDD対策として含めたキーワードで上位表示され、アクセス数が増えたページはコアアルゴリズムアップデート前後の順位変動に注意するようにしましょう。

時間経過とともに検索結果が変化する可能性が高い

2つ目は、時間経過とともに検索結果が変化する可能性が高いことです。

QDDが適用されているキーワードに対する検索結果は、時間経過も関係があります。

例えば、先ほどご紹介した「さくら」は、春になると「桜の開花予想」や「お花見の場所」に関する情報を求めるユーザーが増加しますが、桜が散った後はQDDの候補から花の種類の1つとしての「桜」に関して検索するユーザーが減少します。

時事性のある季節やイベント、ニュースなどの情報は、時間経過によって認識やニーズが変わることを知っておきましょう。

まとめ

SEO対策としてコンテンツを作成する際、対策キーワードが複数の意味を持ちえる場合はQDDを意識し、検索意図を徹底的に調べてみましょう。

Googleが上位表示させるのは、ユーザーの検索意図に沿った、役立つ情報です。その検索意図が多岐に渡るのであれば、それぞれの回答を記載するべきです。

Googleは、QDDをアルゴリズムとして認めていませんが、ユーザーの検索意図に沿った回答を提供するという意味で、検索クエリに多様性が考えられる場合は異なる複数の答えを検索結果として表示しています。ユーザーが求める様々な情報を掲載したコンテンツを作成するためにもQDDの考え方を理解しておきましょう。