ペイドリンク(Paid Link)とは、文字通り、お金を払って得るリンクのことです。
以前は外部サイトからのリンク数が、検索順位に良い影響を与えることから、お金を払って被リンク(ペイドリンク)を獲得し、上位表示を目指すWebサイトがありました。
しかし、今ではペイドリンクを利用してもSEO効果は得られないだけでなく、スパム行為として禁止されています。
このページでは、ペイドリンクが生まれた理由や注意しなければならない外部サイトからの被リンクをご紹介します。
SEO効果を得られる、価値ある被リンクについても解説しているので、自社サイトの外部対策をご検討中の方はぜひ、最後までお付き合いください。
この記事でわかること
ペイドリンクとは
ペイドリンクとは、外部サイトの運営者に対し、金銭を支払うことで自社サイトへのリンクを貼ってもらうことを指す、いわゆるブラックハットSEOの1つです。
外部サイトからのリンクは、被リンクと呼ばれ、獲得することは容易ではありません。しかし、ペイドリンクであれば、お金さえ払えば、被リンクを簡単に獲得することが可能です。
続いて、なぜお金を払ってまで被リンクを集めるのか、SEOにおける被リンクの重要性について解説します。
SEOにおける被リンクの重要性
SEO(検索エンジン最適化)とは、検索エンジンに適切な評価をしてもらうための施策です。その施策の中でも、被リンクの獲得は、SEO対策において大きな意味を持っています。
というのも、本来、被リンクは外部サイトが特定のサイトの情報に対し「信頼できる」と判断してリンクを貼ります。そのため、検索エンジンは、外部サイトがリンクを貼っていることを信頼と認識し、被リンクを受けているWebサイトを評価します。
つまり、外部サイトから被リンクを多く貼られているサイトは、信頼できるサイトと検索エンジンから認識され評価が高くなるため、SEOにおいて被リンクは重要なのです。
しかし、他社サイトにリンクを貼ってもらうことは簡単なことではありません。そこで被リンク獲得の手段の1つとして出てきたのが、お金を払うことで自社サイトにリンクを貼ってもらうペイドリンクです。
続いて、ペイドリンクとブラックハットSEOの歴史について解説します。
ペイドリンクの歴史とブラックハットSEOについて
最初にご紹介したように、ペイドリンクは被リンクの重要性と獲得することの難しさから生まれた「ブラックハットSEO」の1つです。
Googleは、ユーザーの役に立つWebサイトを評価し、ユーザーが求める情報が網羅されたWebページを上位表示させます。そのためには、質の高いコンテンツの作成などの「ホワイトハットSEO」と呼ばれる対策が必須です。
しかし、ホワイトハットSEOを実践するにはSEOを熟知し、競合他社サイトの分析やユーザーの検索意図を徹底的に調べ、時間をかけて地道な作業を進めなければなりません。
一方、ブラックハットSEOとは、そうした労力や時間をかけるのではなく、検索エンジンのシステムの隙間を突き、金銭を収受して不正な方法で上位表示を狙うものです。
しかし、Googleはそうした不正をいつまでも放置せず、検索アルゴリズムをアップデートさせることで対策を行ってきました。具体的には、2011年のパンダアップデートでコンテンツの質を改善するアップデートを、そして2012年のペンギンアップデートでは被リンクの質を厳しく管理するアップデートを実施しました。
それまでペイドリンクで得られていた評価が、低評価につながるようになり、ペイドリンクで上位表示されていたWebサイトの多くが順位を落としました。
現在では、ペイドリンクを含むブラックハットSEOを行っている場合、ペナルティを受けてしまい、順位がつかなかったり、検索結果に表示されなかったりします。
ブラックハットSEOについては『ブラックハットSEOとは?施策の種類やホワイトハットSEOとの違いを解説』に詳しい情報をまとめています。
ペイドリンク以外のスパムリンク
ペイドリンクは、今や通用しなくなっており、SEO対策になるどころか逆効果になってしまいます。
そんなペイドリンクと同じように、Google検索セントラルに紹介されているリンクスパムの例をご紹介します。
リンクスパムとなる例
リンクスパム例 | |
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対象 | 内容 |
過度な相互リンク | リンクしてもらうからリンクを貼るなど、 意味のない過剰な相互リンク |
自動化されたプログラムを使ったリンク | IPアドレスやドメインを分散したページから 機械的に貼られたリンク |
自社サイトへのリンクに修飾属性を使わせない | nofollowやugc、sponsoredなどの属性を使わせないリンク |
口コミ・ランキングサイトからのリンク | 意図的に外部口コミ・ランキングサイトに 自社サイトへのリンクを入れた書き込みを行う |
アンカーテキストにキーワードを詰め込む | リンク元のアンカーテキストにキーワードを詰め込む |
広告掲載を行う際の過度なリンク | 広告元での過度なリンクや修飾属性がないリンク |
上記のようなリンクは、リンクスパムと判断されてしまい、自社サイトの評価を下げることにつながるため、注意しましょう。
次に、ペイドリンクではないものの、質の低い被リンクとはどういうものか、解説します。
ペイドリンクではないが低品質な被リンクの4つの特徴
ペイドリンクやリンクスパム以外にも、検索エンジンが低品質とする被リンクが4つほどあるのでご紹介します。
リンクサイトからの被リンク
1つ目は、リンクのみを掲載しているサイト、あるいはリンクばかりを集めたサイトからの被リンクです。
リンクサイトは、WEBサイトとしても、コンテンツとしても、質が低く有益ではないため、Googleの評価も低くなります。そのような、評価が低いリンクサイトからの被リンクも、同様に質の低い被リンクと見なされてしまいます。
不自然にキーワードを詰め込んだアンカーテキストの被リンク
2つ目は、不自然にキーワードを詰め込んだアンカーテキストの被リンクです。
Googleがスパムリンクの1つとしている、リンク元のアンカーテキストにキーワードを詰め込み過ぎていると、質の低い被リンクとみなします。
例えば、自社サイト内へのリンク先ページが「SEO対策」について書かれたページである場合、アンカーテキストが「SEO対策について詳しく知る」程度であれば良いですが、「SEO対策に必要な対策キーワードやSEOに有効な関連キーワードはこちら」などのアンカーテキストは冗長かつ、キーワードの詰め込みすぎになります。
この場合、自社サイトへの被リンクは低品質なものと判断されてしまい、評価されません。それだけでなく、上記リンクを掲載している外部サイトは、スパムリンクとみなされてしまい、ペナルティの対象になる可能性があります。
被リンクを受けている場合は、リンク元ページのアンカーテキストをチェックし、キーワードの詰め込みがなされていないか確認しておきましょう。
自社と関連性のないサイトからの被リンク
3つ目は、自社サイトと関係のないサイトからの被リンクです。
例えば自社サイトでは「SEO」について紹介しているのに、「コーヒー」についてのコンテンツが多い外部サイトから被リンクを受けても価値がありません。
Googleは、同じ内容について解説している外部ページが、自社サイト内のページに価値あるページを見つけてリンクを貼ってくれることではじめて、自社サイトへの信頼を外部サイトから受けていると判断します。
相互リンクについても言えることですが、自社サイトと関係のない情報を提供する外部サイトからの被リンクには意味がないので、相手サイトの情報を調査しておきましょう。
コピーコンテンツからの被リンク
4つ目は、コピーコンテンツからの被リンクです。
コピーコンテンツとは、別サイトに掲載されている記事の内容が似ている、または同じ内容を記載しているコンテンツのことです。検索エンジンに、別サイトの内容のコピーコンテンツだと判断されてしまうと、そのページの評価は下がり、そこからの被リンクも価値がありません。
もし、自社への被リンクが貼られているコンテンツに、コピーコンテンツの疑いがある場合は、CopyContentDetectorなどのコピーコンテンツチェッカーを使って確認をしておきましょう。
ペイドリンク以外の低品質な被リンクについてご紹介しましたが、次は質の高い被リンクをご紹介します。
質の高い被リンクとは?
SEO効果が得られる質の高い被リンクとは、どのようなものを指すのでしょうか。以下、3つをご紹介します。
コンテンツの内容が外部サイトに認められ自然に貼られたリンク
1つ目は、正しいSEO対策(ホワイトハットSEO)を進め、外部サイトがユーザーの役に立つと認めた自然に貼ってもらう被リンクです。
この被リンクは「ナチュラルリンク」とも呼ばれ、他社には載っていない有益な情報を発信しているサイトに対し、外部サイトが自分たちのサイトでも掲載したいと思って、はじめて被リンクが貼られるため、獲得することが非常に難しいです。
しかし、本当の意味で自社サイトを信頼し、貼ってもらえるためSEO効果も高く、一番狙っていきたい被リンクと言えます。
対策方法は、1つ1つのコンテンツの質を高め、読み終えたユーザーの満足度を得られる記事を作成することです。
自社サイトと関連性が高いサイトからの被リンク獲得
2つ目は、自社サイトで紹介している内容と関連性のある外部サイトからの被リンクです。
自社サイトの内容と同じ、または関連性の高いテーマを追っている外部サイトから被リンクを受けられれば、SEO効果が高いです。なぜなら、同じジャンルの情報を提供している外部サイトから「信頼」を受けてリンクを貼ってもらえるためです。
もちろん、同じテーマで作成された外部サイトでも、コンテンツ内容の質が低ければ被リンクに価値はありません。上位表示されているような競合他社からの被リンクを勝ち取れるよう、ユーザーの役に立つコンテンツを作り続けましょう。
専門性や権威性のあるサイトからの被リンク
3つ目は、専門性や権威性のあるサイトからの被リンクです。
自社サイトで紹介しているテーマの専門家や権威のある方が運営するWebサイトからの被リンクは、SEO効果が高いです。
検索エンジンは、ランキング要素としてE-E-A-T(Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)およびTrustworthiness(信頼性)の頭文字)を重視しており、テーマに対する専門家や権威のある人も認めるサイトを作れば、高い評価を得られます。
例えば、歴史に関する情報を発信する個人ブログの内容に興味を持った専門的な研究者が、自身のサイトで面白い記事としてそのブログを紹介し、リンクを貼ってもらえれば「専門家が認めたページ」として評価される、などです。
まとめ
ペイドリンクは、今では通用しないブラックハットSEOの1つであり、利用すべきものではありません。
しかし、被リンクの獲得は今なおSEO対策において重要な対策の1つであり、正しく認識して同じテーマを追う外部サイトに自社サイトへのリンクを貼ってもらうことはSEO対策において大きな意味を持ちます。
時間と手間はかかりますが、ユーザーの検索意図を調べ、質の高いコンテンツをコツコツと作り続けるホワイトハットSEOを続けることで価値ある被リンクの獲得を目指しましょう。
ペイドリンク以外にもブラックハットSEOに該当するスパム行為はいくつかあります。以下のページでどのようなものがスパム行為に該当するのか、確認しておきましょう。