SEO対策の効果が出るにはどのくらいの時間が必要?

「SEO対策をするとどんな効果が得られるの?」
「効果が出やすいSEO対策の方法って?」

SEO対策はやることが多いので、効果的な対策方法だけに絞って行いたいというのが本音ですよね。

このページでは、そんなWebサイト担当者の方の疑問にお答えすべく、SEO対策の中でも特に重要である基本の対策ポイントを、できるだけ専門用語を使わずにわかりやすく解説いたします。

初心者の方でもご理解いただける内容になっていますので、ぜひこの記事の内容を実践し、サイトの集客改善にお役立てください。

SEO対策の効果とは?

そもそもSEO対策の効果とは一体どんなものでしょうか。結論からいうと、SEO対策の主な効果は、検索結果の上位に表示されることです。

また、検索結果の上位に表示されることで、以下のような効果も期待できます。

サイトの集客数のアップ

検索順位が上がることで多くの人の目に触れ、サイトへの流入に繋がります。

仮に検索結果の1位になったとすると、どれくらいの集客が見込めるのでしょうか。クリック率の違いを元に見てみましょう。

2017年にInternet Marketing Ninja社が行った調査結果によると、検索順位によるクリック率の違いは以下の通りです。

検索順位によるクリック率の違い
  • 1位:約23%
  • 2位:約12%
  • 3位:約8%
  • 4位:約7%
  • 5位:約6%

出典:Announcing: 2017 Google Search Click Through Rate Study

例えば、月間検索数が1000のキーワードで1位を取得した場合、その23%の230人がサイトに流入する計算になります。

1つのキーワードであればそこまで効果は大きくはありませんが、複数のキーワードで検索順位を上げていくことで、大きな集客効果が期待できるのです。

ブランディング効果

先ほど紹介した順位によるクリック率の違いを見ると、多くのユーザーは検索順位を重視して訪問するWebサイトを選んでいることがわかります。

つまり、ある特定分野のキーワードで検索結果の上位に表示されるということは、「〇〇(分野)といったら●●」というように、その分野や業界における認知拡大や、Webサイトの信頼性の向上に繋がります。

Googleから評価されるまでの期間

『SEO対策は効果が出るまでに時間がかかる。』というのはブログ運営者、WEB担当者にとっては基本的な事実です。

ただ、時間がかかると言っても、1ヶ月なのか、2年なのかでは全くの別物。実際にSEO効果が出るまで、どれくらいの期間を要するのか、解説いたします。

なお、SEO効果が出るまでの期間を解説するにあたって、認識のずれをなくすために『SEO効果が出る』の定義を以下に定めます。

【定義】あるキーワード(ビッグワード、ミドルワード、ロングテールを含む)で1ページ目(1位から10位)にランクインすること。

ここでは、Ahrefsが200万ものキーワードを調査した結果をもとに、SEO効果が出る時期を見ていきましょう。

SEO対策の効果がでる期間は
サイトによって異なる

SEO効果が現れる時期は、サイトによって違います。なぜなら、SEO効果が出るまでの時間はサイト自体の強さ(ドメインの強さ)、キーワードの競合性などの要素によって変わってくるためです。

そのため一概に、◯ヶ月でSEO効果が出るとは言えないのが実情です。

Googleから評価されやすいサイトの共通項

Ahrefsの調査結果によれば、SEO効果が出るサイトには、ある共通項があるとのこと。

その共通項とは、サイトのドメイン年齢(ドメインエイジ)が古いことです。

GoogleはドメインエイジによるSEOの優位性を否定しています(参照:Google Search Central)。しかし、Ahrefsによると、1ページ目にいるページのドメイン年齢は平均650日以上で、より上位サイトの方が、ドメインが古い傾向にあると言います。

効果が出る期間に影響するドメイン年齢

サイトのドメイン年齢(ドメインエイジ)が古いということは、そのサイトが長期間運用されておりコンテンツの量や他のサイトからの被リンク数が多いことを示します

そのため、ドメインが古いサイトは作ったばかりのサイトに比べるとSEOで優位に立てることが多いのです。もちろん、質の高いコンテンツの作成や最新情報への更新(リライト)などは必要です。

ただ、これは作ったばかりのサイトでSEO効果が出ないというわけではありません。ドメイン年齢が1年未満でもSEO効果が出るケースがわずかながら存在します。

下記をご覧ください。横軸がドメインの古さ、縦軸がSEO効果が出たページの割合(%)を示しています。

ドメイン年齢が1年未満のSEO効果について

上図のように、ドメインが1年未満で1ページ目にいるのは、全体の約22%。つまり、ドメインが新しくてもSEO効果が出ると言うわけです。

また、SEO効果が出ているページの中でも*ドメインランクが強いページの方が、より上位にランクインする可能性が高いことが以下の図より見て取れます。

SEO効果が出ているページのドメインパワー*ドメインランク(DR):Ahrefs独自の指標で、相対的な"被リンク人気"を100ポイントまでの対数スケール(より高いほど強い)で示しています。

また、Ahrefsのクローラーに発見されてから1年未満の全ページにおいて、検索結果の1ページ目に入るサイトはたったの5.7%。

さらに、これらのページの約70%は、1ページ目にランクインするのに、61日~182日かかったと言います。

検索ボリューム数も効果に影響する

加えて、キーワードの検索ボリュームの多さも、SEO効果を発揮するのに密接な関係があることがわかっています。

検索ボリュームが大きいキーワードの方が、SEO効果が出にくく時間もかかるのです。

改めて、SEO効果がでるまでの期間についてまとめます。

SEO効果が出るまでの期間
  • ドメインの古さが1年未満のサイトは極端にSEO効果が出にくい(5.7%のみ)
  • その5.7%のページの大多数が2ヶ月~半年掛けてSEO効果を発揮する
  • 検索ボリュームが大きいキーワードはSEO効果が出にくい

以上のことを踏まえると、SEO対策は長期戦であることが改めておわかりいただけたのではないでしょうか。

しかし、SEO対策はニーズが顕在化しているユーザーを無料で集客できることから、非常に費用対効果の高いマーケティング方法です。

次に紹介する基本のやり方を押さえれば、あなたのWebサイトにおいても順位上昇などの効果が見られるはずです。

SEO対策で成果を出すためにできること

2024年、SEO対策において効果を出すためには一体どんな施策を行えばよいのでしょうか。

ここでは、基本のコンテンツ作成、内部リンクに関する対策方法や、現在注目を集めているSSL化、AMP対応、動画のSEO対策とその効果を解説致します。

SEOで効果的なコンテンツを作成する

SEOで最も大切になってくるのは、コンテンツです。SEO効果を高めるには、そのキーワードで検索してくるユーザーのニーズを満たすことに注力をしましょう。

ユーザーのニーズを把握するには、以下のような方法があります。

ユーザーニーズ把握方法
  • 検索結果上位の競合サイトをチェック
    検索結果で上位=ユーザーのニーズを満たせている証拠です。
  • サジェストキーワードをチェック
    検索窓の下部にでてくるサジェストキーワードをコンテンツ内に盛り込むとよいでしょう。
  • 関連キーワードをチェック
    サジェストキーワードの他にもより多くの関連キーワードを知るには、専用のツールを利用しましょう。有名どころの無料ツール「ラッコキーワード」がおすすめです。

以上を通してユーザーのニーズを把握し、そのニーズを満たすコンテンツを作成しましょう。

内部リンクの最適化

SEO対策において、コンテンツ作成と同等に重要なのが内部リンク対策です。

内部リンク対策とは、その名の通り、サイト内のリンクのことを言います。例えばグローバルナビゲーションパンくずリストページ内リンクなどが挙げられます。

グローバルナビゲーションやパンくずリストとは、以下の画像のようにユーザーの現在地の確認や、行きたいページに辿り着きやすいように設置するリンクです。

グロナビとパンくずリスト

ページ内リンクとは、そのページに訪れたユーザーが追加で知りたい情報など、関連性の高いページに遷移させる際にページ内に貼るリンクです。

ページ内リンクで大切なのは、アンカーテキストの整合性。アンカーテキストとリンク先ページの整合性をとることで、遷移したユーザーが迷いなくコンテンツを読み進めることができます。

アンカーテキスト例

内部リンクについてより詳しく知りたい方は『内部リンクとは?最適化が与えるSEO効果や失敗しない貼り方、設置場所を解説』にまとめていますので、ご一読ください。

常時SSL化(HTTPS化)によるセキュリティー強化

2018年よりGoogle Chromeがhttpから始まるページに『このサイトへの接続は保護されていません』と警告を出すことを発表し、常時SSL化の導入に拍車がかかりました。

SSL化には導入したことですぐに検索順位が上がるような直接的なSEO効果はありません。

しかし、常時SSL化を導入していないと、『このサイトへの接続は保護されていません』と警告が出てユーザーが離脱する可能性が高くなることは事実。ユーザー動向に影響を与え、間接的なSEO効果があると考えることができます。

SSLについては『【Google推奨】SSL化(HTTPS)のSEO対策における効果とは?』で詳しく解説しますので、ご参照ください。

AMP対応によるスピード改善

AMPとはAccelerated Mobile Pagesの頭文字を取ったもので、モバイルページの高速表示させる仕組みのことを差します。Googleによると、こちらもSSL化と同様、直接的なSEO効果はないとされています。

有効で表示可能なAMPページが含まれているかどうかは、検索結果ページでのサイトのランキングには一切影響しません。違いは、サイトにAMP版が含まれていると、検索結果に The AMP logo アイコンが追加されることです。

*引用元:顧客のサイトを AMP化するための8つのヒント

検索順位には影響がないとしても、ページスピードが向上することは、ユーザー動向に良い影響を与えることが期待できます。

ページスピードによるプラスの評価

WEBページのスピードは、2021年のSEOにおける重要な指標の1つ。*Googleの調査によると、読み込み時間が1秒から5秒に増えると、直帰率は90%上昇するとのこと。

ページスピードによるプラスのSEO評価引用元:https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-resources/data-measurement/mobile-page-speed-new-industry-benchmarks/

直帰率が高いということは、ユーザーがそのページに対して満足できなかったということで、マイナスのSEO評価に繋がります。

逆に言えば、AMP対応をしていれば、ページスピードが理由で離脱されることなく、間接的なSEO効果が期待できるのです。

動画の埋め込み

GoogleのGary Illyesによると、動画を埋め込んでも、検索順位が上がるような直接的なSEO効果はないと言います。


しかし、2021年現在動画の需要は確実に伸びてきており、動画が持つ特性からも2つの間接的なSEO効果があると期待できます。

  • ユーザビリティの向上
    1分間の動画は、3600ページ分のテキストに相当するメッセージを伝達することができる
  • 滞在時間
    動画があることでよりユーザーがページに長く滞在する→長い滞在時間はユーザーがページをじっくり読み込んでいるということ→ユーザーにとって有益なページであるとGoogleに評価される

続いては、その2つのSEO効果を見ていきましょう。

ユーザビリティの向上

動画をコンテンツの中に入れることによるユーザビリティの向上、それに伴うSEO効果が期待できます。

1分間の動画は、180万語、3600のWEBページ分に相当する情報量を持つと言われており、それによってテキストでは伝わりきらなかったことを補ったり、ユーザーにより伝えやすくできたりというメリットがあるのです。

また、動画はより感情に響きやすいため、ユーザーの購買や、シェアなどの行動を喚起しやすくなるのもメリットの1つ。

動画は直接的でなくとも、ユーザビリティを向上させることで、プラスのSEO効果をもたらすことができるでしょう。

滞在時間

ユーザーが動画を視聴すれば、ページの滞在時間が増えます。滞在時間が長いということは、ユーザーのエンゲージメントが高いという証明です。

ユーザーのエンゲージメントが高いページは、それだけユーザーにとって有益であり、そのようなページは、SEOにおいてプラスの評価を受けます。

短期間でSEO効果が出る
対策方法とは?

以下の施策は、比較的短期間でSEO効果が出ると言われています。もし、ブログ等の即時的なSEO効果が目的の場合は、積極的に試しても良いかも知れません。

比較的短期間でSEO効果が出る施策

SEOで逆効果になる対策

まだ、検索エンジンがそれほど洗練されていなかった時代(2000年代)は、Googleのシステムの穴を突くようなテクニカルなSEO(ブラックハットSEO)が効果を発揮していました。

しかし、2021年現在では、ブラックハットSEOはほとんど意味をなさないどころか、Googleが定めるペナルティの対象となっており、検索ランキングの圏外に飛ばされてしまいます。

特に、Googleの公式ガイドラインにある、以下のようなブラックハットSEOはもはやリスクでしかありません。

  • コンテンツの自動生成
  • リンクプログラムへの参加
  • オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しないページの作成
  • クローキング
  • 不正なリダイレクト
  • 隠しテキストや隠しリンク
  • 誘導ページ
  • コンテンツの無断複製
  • 十分な付加価値のないアフィリエイトサイト
  • ページへのコンテンツに関係のないキーワードの詰め込み
  • フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、その他のマルウェアのインストールといった悪意のある動作を伴うページの作成
  • リッチスニペット マークアップの悪用
  • Google への自動化されたクエリの送信

*引用元:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)

ここでは、SEO対策の方法について見てきました。ではそもそも、SEO効果とはどのように測定するのでしょうか?

すぐに思い浮かぶものだと「検索順位」がありますが、実はそれ以外にも、SEO効果を測定する方法があるのです。

これを知っておくだけで、SEO対策の改善施策の幅がぐんと広がります。

効果の測定方法とツール紹介

SEO効果の測定するには、対策キーワードに対する順位をチェックするのが基本です。しかし、それ以外にも、SEO効果の測定方法があるのをご存知でしょうか。

検索順位はもちろん一つの手法になりますが、その先の目的となる集客やコンバージョンに繋がらなければ意味がありません。

ここではSEO順位チェックツールの紹介と合わせ、その他のSEO効果の測定方法であるアクセス解析のやり方について紹介いたします。

SEO順位のチェックツール

まずはSEO効果の測定方法の主流である、順位チェックツールについて紹介します。

検索順位チェッカー

検索順位チェッカーは無料で使えるSEO分析ツールです。順位を調査したいURLとキーワードを入力すると、Google,Yahoo,Bingそれぞれの現在の検索順位が一覧で表示されます。

GRC

GRCはサイトとキーワードを登録することで、検索順位とその推移がグラフでチェックできるツールです。

有料(一部無料あり)ですが、検索順位の推移が見れるツールでは比較的費用が安いのが特徴です。

検索順位の推移は、Webサイトの健康状態をチェックする重要な指標です。Webサイト担当者であれば必ず追っておきましょう。

アクセス解析・分析方法

検索順位チェックの他にSEO効果を測定するには、アクセス解析が有効です。その方法は、主に以下の2種類があります。

流入のある検索キーワード数をチェック

1つ目は、オーガニック検索でアクセスのあるキーワード数の増減を見る方法です。アクセスのあるキーワード数が増えているほど、ロングテールキーワードで集客ができている証拠となります。

調査方法は以下の通り。

Google Analyticsの左にあるレポートの『集客』→『すべてのトラフィック』→『チャネル』→『Organic Search』

そうすると、右下の表示する行数のところで、流入のあるキーワード数を調べることができます。この場合は、451ものキーワードで集客ができていることが判明しました。

流入のあるキーワード数

流入キーワードをチェックし、未対策のキーワードが見つかったら、新しくコンテンツを作成して、さらにSEO効果を高めましょう。

ランディングページのチェック

SEO効果の測定方法2つ目は、ユーザーが閲覧開始したページの数をチェックすることです。ページ数が多い方がユーザーに対する窓口が広く、様々なページで集客ができている証拠となります。

また、集客の窓口が多いことは、アクセスの安定にも繋がるため、非常に重要な指標です。
調査の方法は以下です。

Google Analyticsの左にあるレポートの『行動』→『サイトコンテンツ』→『ランディングページ』

ここでもまた、右下を確認します。このページの場合は、185ページからの流入があるということがわかります。

閲覧開始したページの数

対策は焦らないことがポイント

当ページでは、SEO効果に関して解説してまいりました。SEO対策は費用をかければ結果がでる広告とは違い、効果を出すには長期的な視点による戦略構築が必要になります。

また、SEO効果を高めるためには、コンテンツ作成はもちろん、様々な視点で施策を打つことが重要です。

「SEO効果の高い対策・施策ってどうやればいいの?」とお悩みの方は、以下の記事も合わせてご覧ください。