被リンクチェックツールは、自社サイトあるいは競合サイトに、外部リンク(被リンク)がどの程度あるのかを確認するためのツールです。
被リンクは、検索エンジンが検索順位を決める要因の1つにあたるため、自社サイトのSEO対策を強化する際に重要な要素といえます。中でも、被リンクは数よりも質が大きな影響を与えます。
このページでは、被リンクをチェックする理由や見るべきポイント、否認方法を解説します。また、被リンクを確認するためのチェックツールも無料と有料それぞれでご紹介します。
被リンクチェックツールを活用し、正しく自社サイトの被リンクを調査しましょう。
この記事でわかること
なぜ被リンクをチェックするのか?確認する理由
被リンクは、検索エンジンが検索順位を決定する要素の1つに該当しており、質が高い被リンクが多く集まるサイトほど上位表示しやすくなるためです。
そのため、被リンクの数や質をチェックすることは、自社サイトあるいは競合サイトの状態を把握する手段になるためSEO対策において重要といえます。
また、Googleが掲げる10の事実の1つに「ウェブ上の民主主義は機能する。」という一文があります。
この項目の説明で「ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最も良い情報源として投票されているかを分析します。」と書かれていることから、リンクを受けるページは、リンク元ページから投票(被リンク)という形で信頼を得ていると解釈できます。
つまり、被リンクを得ているWebサイトは、外部サイトから信頼を得ていると言い換えることができるため、Googleはその被リンクが集まるサイトを信頼できるサイトと判断し評価するということです。
このように、被リンクは検索エンジンがWEBサイトを評価し検索順位を決める要素の1つといえるため、被リンクチェックツールなどを使った被リンクの確認がSEO対策では重要となります。
被リンクで見るべき3つのチェックポイント
ここからは、自社サイトあるいは競合サイトの被リンクを確認する際に、見るべき3つのポイントを解説します。被リンクの何を見るべきかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
被リンクの数(量)
1つ目のチェックポイントは、被リンクの「数(量)」です。
被リンクの数(量)はそのままを意味し、自社または競合サイトに、どのくらいの数の被リンクがあるかを確認します。
先ほどもご説明したように、被リンクが多く集まるサイトは外部サイトから信頼を得ているといえ、検索エンジンから高い評価を得られます。また、被リンクが多く集まるサイトほど、検索順位があがりやすくなります。
そのため、自社サイトと競合サイトのそれぞれで、どの程度の被リンク数が集まっているのかをチェックし、比較することが重要です。
被リンクの質
2つ目のチェックポイントは、被リンクの「質」です。
被リンクの質は、自社サイトや競合サイトに貼られている被リンクが「ナチュラルリンクか否か」や「被リンク元のWEBサイトと被リンク先のWEBサイトの関連性が高いか否か」、「被リンク元のWEBサイトが評価されているか否か」の3つを確認します。
まず、ナチュラルリンクとは、外部サイトが自発的にリンク元となるページの情報を引用したり、おすすめしたりする際に、自然な形で発するリンクを指します。Googleは相互リンクや広告・宣伝(PR)の被リンクよりも、ナチュラルリンクをより高く評価するため、被リンクのチェックではナチュラルリンクかどうかが重要です。
次に、被リンクは関連性が高いサイトからの被リンクほど高く評価されるため、被リンク元のサイトと被リンク先のサイトの関連性を確認します。例えば、当サイトのようなSEOツールを提供しているサイトであれば、WebマーケティングやSEO対策に関する情報を発信するサイトからの被リンクほど有効といえます。
最後は、被リンク元のサイトが評価されているかどうかの確認です。Googleは、高い評価を持つサイトからの被リンクを評価し、逆にリンクを集めただけのサイトや、アクセスが全くないサイトからの被リンクは評価しないため、被リンク元のサイト評価の確認が必要といえます。
このように、被リンクは量だけでなく質の確認も重要です。
アンカーテキスト
3つ目のチェックポイントは、被リンクの「アンカーテキスト」です。
アンカーテキストとは、リンクが貼られた文字列(テキスト)のことで、どのようなテキストで被リンクが設置されているかを確認します。
検索エンジンのクローラーは、リンクに設定されているテキストからリンク先のページの情報を把握し、リンク元とリンク先の関連性を判断しているため、リンク先の情報にマッチしたアンカーテキストほど、良い評価を得られます。
例えば、当サイトへのリンク(https://emma.tools/ )を設置する際のアンカーテキストであれば、「EmmaTools」よりも「SEOライティングツールのEmmaTools」の方が、より評価されるというものです。
アンカーテキストは被リンクの効果を高める要素の1つといえるため、どのようなアンカーテキストでリンクが設定されているかも被リンクのチェック時に確認しましょう。
無料で使えるおすすめの被リンクチェックツール4選
ここからは、無料で使える被リンクチェックツールを4つご紹介します。
中でも、1つ目に紹介しているGoogleサーチコンソールはGoogleが公式で提供しているツールなので、おすすめです。
Googleサーチコンソール
1つ目の無料で使える被リンクチェックツールは、Googleサーチコンソールです。
Googleサーチコンソールは、Webサイトに関わる全ての運営者が、クロールやインデックス登録、検索結果が表示される仕組みに関する情報などを把握するために提供されているGoogle公式のツールになります。
Googleサーチコンソールでは、被リンクの数だけでなく、被リンクが集まっているページや被リンク元となるドメインを確認することができます。また、外部サイトがリンクを設定する際に使用されているアンカーテキストも確認可能です。
WEBサイトの運営にかかわる方であれば、必ず登録しておきたいツールの1つといえます。
Bing Webmaster Tools
2つ目の無料の被リンクチェックツールは、Bing Webmaster Toolsです。
Bing Webmaster Toolsは、Microsoftが提供している検索エンジン「Bing」の無料分析ツールで、Bing検索のパフォーマンスや、自社サイトへの被リンク(バックリンク)情報を調べることができます。また、リンク元ページのURLやアンカーテキスト、競合サイトの被リンクチェックも可能です。
Google検索のパフォーマンスを分析するのがGoogleサーチコンソールであり、Bing検索のパフォーマンスを分析するのがBing Webmaster Toolsとなります。BingのSEO対策を行っている場合には、必須のツールです。
hanasakigani
3つ目の無料で使える被リンクチェックツールは、hanasakiganiです。
hanasakiganiは株式会社ディーボが提供する無料の被リンクチェックサイトで、サイトにアクセス後、自社サイトのURLを入力するだけで被リンクのチェックが可能です。また、リンク元ページの詳細や元サイトからのリンクに「nofollow」タグが加えられているか、またそのリンク元ページからの発リンク数も確認できます。
CSVデータとしてダウンロードすることもできるため、初心者でも簡単に被リンクチェックおよび管理が行えます。
LYNX
4つ目の無料で使える被リンクチェックツールは、LYNXです。
LYNXは、リンクス・アンド・カンパニー・ジャパン合同会社が提供している被リンクチェックツールで、自社サイトへの被リンクに関する情報が一覧で表示し、リンク元ぺージのURLだけでなく、その中にnofollowタグがあればいくつあるかを検出します。
また、リンク元サイトの強さを数字で確認したり、低品質な被リンクの検出したりすることも可能なため、不要な被リンクの否認にも役立ちます。その他にも、SEO対策に必要な検索順位の確認やドメインパワーチェックなどの機能も揃っています。
Small SEO Tools
5つ目の無料で使える被リンクチェックツールは、Small SEO Toolsです。
Small SEO Toolsは、イギリス人のTausifAkram氏が制作した被リンクチェックツールで、調べたいURLを空欄に入力すると、被リンクのリストを一覧で確認できます。また、ドメインの評価も確認できるため、Webサイトの成長度合いを確認できます。
その他にも、SEOに必要な剽窃※チェッカーやスペルチェッカーなどのテキスト確認ツールや、生成AIによるコンテンツの自動生成ツール、画像編集ツールといったWebサイト運営に役立つツールが用意されています。
※剽窃(ひょうせつ)とは、他人の著作から全部または部分的に文章、図表、語句、話の筋、思想などを盗み、自作の中に自分のものとして用いること(引用元:https://www.kindai.ac.jp/campus-life/guide/plagiarism/)
被リンクチェックにおすすめの有料ツール5つ
続いて、有料の被リンクチェックツール5つご紹介します。
有料のSEOツールは、キーワード分析や競合調査など被リンクチェック以外の機能も備わっているため、総合的なSEO対策や分析が可能です。
Ahrefs
1つ目の有料の被リンクチェックツールは、Ahrefsです。
ahrefsは、シンガポールのAhrefs Pte.Ltd社が運営するSEOツールで、被リンクを受けているページやリンク元のサイト名、さらにそのサイトのドメインランク(ドメインの強さ)も表示されます。
また、被リンクのチェックだけでなく、該当のWEBサイトで順位がついているキーワードやアクセス予測数値、広告出稿キーワードなども確認可能です。
ただし、詳細な情報を確認する場合には、有料アカウント(月額19,900円から)への登録が必要となります。無料で使用することもできますが、表示される情報が制限されるのでご注意ください。
MOZ
2つ目の有料の被リンクチェックツールは、MOZです。
MOZはアメリカ西海岸シアトルにあるMOZ社が提供しているSEOツールで、Link Explorerを使うと、被リンクを受けているページとリンク元ページの詳細情報を得られます。
Link Explorerは、MOZのアカウントを作成すると無料で使用可能です。ただし、無料の場合、1ヶ月10回までの使用回数制限があります。また、MOZのアカウントを作成する際には、クレジットカード情報となります。
Majestic
3つ目の有料の被リンクチェックツールは、Majestic SEOです。
Majestic SEOはイギリスにあるMajestic社が運営するSEOツールで、被リンクの一覧や被リンク元ページのドメインの強さを確認できます。また、被リンクの「質」を数値化し、高品質な被リンクが多ければスコアが高く、低品質なリンクが多いと低スコアが表示されます。
Majestic SEOでは、無料トライアルも用意されていますが、月額49.99USドルから利用できます。
UberSuggest
4つ目の有料の被リンクチェックツールは、UberSuggestです。
UberSuggestは、アメリカのNEILPATEL社が提供しているSEOツールで、被リンクの数や被リンク元のURLをチェックできます。また、リンク元サイトの情報や競合他社サイトの調査、Webサイトのドメインパワーの確認なども可能です。
UberSuggestは無料で使用可能ですが、1日の使用回数が3回までとなっています。UberSuggestの有料プランは、月額タイプ(2,990円から)と買い切りタイプ(29,900円)の2種類が用意されています。
SERanking
5つ目の有料の被リンクチェックツールは、SERankingです。
SERankingは、株式会社アレグロマーケティングが提供するSEOツールで、被リンク数やアンカーテキスト、リンク元ページのドメインの強さなどを調べられます。また、キーワード別の順位チェッカーや競合他社サイトの調査ツール、SEO対策に必要なキーワードサジェストツールなども含まれています。
SErankingは、アカウントを作成することで14日間の無料トライアルから利用が開始でき、有料プランは月額3,900円から利用可能です。
被リンクチェックツールを使う際の注意点
被リンクチェックツールを使う際は、「ツールにより数値が異なること」と「DR(ドメインランク)やDT(ドメイントラスト)などの指標はGoogleが公式に認めているものではないこと」を留意する必要があります。
被リンクチェックツールの多くは、調べたいWebサイトのURLを入力するだけで、被リンクに関するデータを確認可能です。しかし、各ツールごとに被リンクデータの取得方法や集計、分析方法が異なるため、数値に違いが出ることがよくあります。
これは、どのツールが間違っているなどはなく、それぞれのツールが異なる方法でデータを取得しているため、全て正しい数値といえます。
また、AhrefsやMOZをはじめとした有料の被リンクチェックツールで確認できるサイトの評価を数値化したDR(ドメインランク)やDT(ドメイントラスト)は、Googleが公式に認めているものではありません。
DRやDTという指標は、被リンクによるWEBサイトの信頼度を各ツールが独自データに基づいて数値化したものであって、Googleのランキングに使用されることはないとJohn Muller氏は発言しています。
上記のように、被リンクチェックツールで確認できる数値には、ツール差があることや独自の数値だと理解したうえで参考程度に活用しましょう。
Googleサーチコンソールを使った被リンクのチェック方法
ここからは、Googleサーチコンソールを使った被リンクのチェック手順を解説します。
Googleサーチコンソールを開き、メニューから「リンク」を選択すると、外部リンクおよび内部リンクに関する情報が表示されます。
その中の「上位のリンク元サイト」の詳細情報をクリックすると、被リンク元となるWebサイトのURLが一覧で表示されます。
スパムリンクがあった場合は被リンクを否認する
自社サイトの被リンクをチェックした際に、リンクを集めているだけのサイトからのリンクや自動生成された記事からのリンクなどの、リンクスパムを見つけた場合には、その被リンクの否認をおすすめします。
Googleはリンクスパムを厳しく監視しており、最悪の場合、ペナルティの対象となります。通常、リンクスパムと思われるものはGoogleが自動ではじいており、否認をしていないからペナルティを受けるということはありません。しかし、自発的にスパムリンクに該当する「金銭や商品の授受による意図的なもの」といった被リンクがある場合には、被リンクの否認が必須です。
被リンクの否認は、Googleサーチコンソールのリンク否認ツールから否認が可能です。
低品質な被リンクを拒否するファイルの書き方と流れ
まず、自社サイトに貼られたスパムリンク元となるWebページのURLを、メモなどのテキストファイル(.txtファイル)に記述します。
記述方法は、否認したいURLまたはドメインを1行につき1つ指定し(サブパス(例:emma.tools/example/など)全体の否認はできません)、ドメイン(またはサブドメイン)を否認したい場合は、「domain:」を前に書き加える必要があります。また、行の先頭に「#」を付けることでコメントを追加できます(「#」で始まる行は無視されます)。
以下、記述例です。
# 否認するページ 2 件 http://example.com/spam.html http://example.com/page/paid-links.html # 否認するドメイン 1 件 domain:spamsite.com
注意点として、被リンクを否認するテキストファイルは、「ファイル名の末尾は「.txt」にすること」と「URL1つあたり最大長は2,048文字まで」、「最大ファイルサイズは100,000 行(空白行とコメント行を含む)および2MBまで」となっています。
その後、作成したテキストファイルを、上記の画面のようにリンク否認ツールの「否認リストをアップロード」で指定し、アップロードすれば完了です。
複数のプロパティを一括管理している場合、プロパティを指定した上で被リンクを拒否するファイルをアップロードが必要だと覚えておきましょう。
まとめ
被リンクは、検索順位を決める要素の1つに該当するため、自社や競合他社サイトがどの程度の被リンクを持っているかを確認することは重要です。ただし、どのような被リンクでも良いわけではありません。
被リンクは自社と関連性がある外部サイトや、検索エンジンから評価されているWEBサイトからの被リンクが評価されます。また、被リンクは数を多く獲得するよりも前述のような質の高い被リンクが有効です。
被リンクチェックツールを活用し、自社サイトあるいは競合サイトの被リンクをチェックしましょう。
なお、被リンクチェックツールには無料と有料がありますが、目的と使用範囲を明確にし各ツールを比較することをおすすめします。