自社サイトで商材を紹介し、ある程度のアクセスを得て顧客獲得につながってはいるものの、もっと幅広いターゲットにアプローチしたいとお考えの方へ。
その対策の1つにサテライトサイトの作成が挙げられます。
サテライトサイトは、自社サイトのコンセプトとは異なる見方で商材を紹介したり、外部サイトからのリンクを獲得したりするために運用します。
このページでは、サテライトサイトの役割とSEOへの影響、作成および運営方法について解説しています。
現在、Googleは被リンクについて厳しく管理を行っており、サテライトサイトを運営するには注意しなければならないポイントがあります。
これからサテライトサイトを立ち上げようとご検討中の方へ、注意点を含めて運営する上でのポイントをご紹介します。
サテライトサイトとは
サテライトサイトとは、本サイトとは別に作成、運営するWebサイトのことで、アクセス数を増やしたり、異なるターゲットへのアプローチをしたりするためのものです。
本サイトでは、自社商材に関するキーワードで上位表示を狙い、多くのユーザーに知ってもらうことで商材購入や成約を目指します。 一方、サテライトサイトでは、本サイトのターゲットとは異なる顧客層へアプローチし、異なる視点で自社商材をアピールするなどの多様な施策が打てます。
あえて本サイトとは別にサテライトサイトを作成することのメリット、それから考えられるデメリットについて次で詳しく解説します。
サテライトサイトを作るメリットとデメリット
サテライトサイトにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
それぞれ以下に詳しく解説します。
本サイトとは異なるターゲット(潜在顧客)獲得
1つ目のメリットは、本サイトで追っている顧客層とは異なるターゲットを獲得するためです。
サテライトサイトでは、自社商材に関連する情報を、本サイトとは異なる切り口でメインターゲット以外の顧客にアプローチできます。
具体的には、サテライトサイトで本サイトとは異なる対策キーワードをSEO対策することで、より幅広いユーザーに情報を届け、さらに多くの潜在顧客を獲得します。
例えば、本サイトで「SEO」に関する情報を発信しているなら、サテライトサイトでは「Webマーケティング」に関する情報を発信するなど、別のターゲットおよびキーワードを対策します。
被リンクにより本サイトの評価を上げる
2つ目のメリットは、サテライトサイトからの被リンクにより、本サイトの評価を上げるためです。
検索エンジンは、外部サイトからリンクが集まっているサイトを「信頼できるサイト」と判断し、そのサイトの評価を高めます。
サテライトサイトは、本サイトを置いているサーバーやドメインとは異なるため、検索エンジンから見れば「外部サイト」と判断されます。
そのため、サテライトサイトから、本サイトへリンクを貼ることで評価が高まる、ということになります。
リターゲティング広告のリストを拡充
3つ目のサテライトサイトを作るメリットは、リターゲティング広告を利用している場合にも役立つことです。
リターゲティングとは、1度サイトを訪れてくれたユーザーに自社の広告を見せ、再度、自社サイトへの訪問を促すものです。
上記でご案内した通り、サテライトサイトでは、本サイトでアプローチするターゲットとは別のユーザーを対象としているため、幅広いユーザーへのリターゲティングが可能になります。
より多くのユーザーがリターゲティングのリスト対象となるため、自社サイトへのアクセス数の増加につながります。
ペナルティを受けるリスクもあるサテライトサイト
外部サイトからの被リンクについて、Googleはガイドラインで厳しく管理しています。
サテライトサイトから本サイトにリンクを貼る行為は、被リンクとして評価されるメリットだけでなく、リンクスパムや誘導ページに該当するデメリットにもなる可能性があります。
その理由は、「本サイトのランキングを上げることや送客を目的とした被リンク」だと認識されてしまう可能性があるためです。
また、サテライトサイトを作成しても、質が低ければ、被リンクが評価されないため意味がありません。
本サイトと同じように、サテライトサイトもユーザーの役に立つ、高品質なコンテンツ作りを続けられなければ、本サイトの評価を下げる容認になりかねないことを知っておきましょう。
サテライトサイトを作成、運用するメリットとデメリットを確認していただいたところで、続いて作り方について解説します。
サテライトサイトの作り方
本サイトとは別に、サテライトサイトを作成するには何から始めれば良いのでしょうか。具体的なサテライトサイト作成方法をご紹介します。
独自ドメインを取得する
まず、自社サイトとは異なる独自ドメインを取得します。
本サイトと同じドメインでは、「同じサイト内のコンテンツ」となるためサテライトサイトにはなりません。
自社サイトには、社名や商材名などが入ったドメインを利用することが多いですが、サテライトサイトには全く異なる独自ドメインを取得しましょう。
本サイトと関連性のある内容にする
サテライトサイトは、本サイトと関連性を持たせる必要があります。
関係のないサイトになってしまうと、自社商材につながるユーザーは獲得できません。また、被リンク獲得のために本サイトとリンクで繋げても関係性がなければSEO効果を得られません。
注意点として、関係のあるテーマでサテライトサイトを運用する場合、コンテンツが類似してしまう可能性が出てきます。いわゆるコピーコンテンツが生まれないよう、テーマや対策キーワード選びは慎重に行いましょう。
運営時のIPアドレスを分散させる
サテライトサイト作成のため独自ドメインを取得し、本サイトと関係のあるテーマでSEO対策を進めようとする場合、もう1つ注意しなければならないのが運営時に利用するIPアドレスの分散です。
IPアドレスとは、Internet Protocol Addressの略称で、「インターネット通信を行う際に振り分けられる住所のようなもの」で、通常3桁の番号を4つ組み合わせたものです。
このIPアドレスが同じ、または近いサーバーで本サイトとサテライトサイトの運用を行うと、「同じ人物または組織」が運用しているサイトと判断されてしまい、ペナルティリスクが生じます。
そのため、サテライトサイトを運用する際は「クラスC以上」が異なるIPアドレスを使うようにしましょう。
IPアドレスの最初の3桁をクラスA、次をクラスB、3番目をクラスC、最後の3桁をクラスDと呼びます。例えば今ご利用になっている自社サイトを設置しているサーバーのIPアドレスが、111.222.333.444の場合、少なくとも111.222.333.までの数字が異なるIPアドレスを持つ別サーバーでサテライトサイトを運用します。
サテライトサイトを運営する際の注意点
より多くの顧客や被リンクの獲得に向け、サテライトサイトを作成、運営しようとご検討中の場合は、以下の知っておくべき注意点を覚えておきましょう。
最新情報を定期的に更新する
1つ目の注意点は、最新の情報に定期的に更新しなければならないことです。
サテライトサイト作成は、本サイトを作成したときと同じように、様々な種類のタスクが生じます。
最初は、対策キーワードも多く、サテライトサイトのコンテンツ更新をまめに行うのですが、本サイトの運営と並行すると、サテライトサイトの運用が疎かになってしまうことがあります。
サテライトサイトは、本サイトと同じように最新情報をユーザーに届け、定期的にコンテンツ内容を更新しなければなりません。手を抜いてしまうと少しずつ更新頻度が下がり、いつの間にか更新が止まってしまうこともあります。
サテライトサイトを作成する場合は、本サイトと同じように、リソースと時間が必要になることを確認しておきましょう。
最新情報を維持するためのリライトについて『SEOで効果的なリライト方法とは?検索順位を上げるコツや注意点を解説』にまとめているので、ぜひ、ご一読ください。
不自然なリンクを大量に貼らない
2つ目の注意点は、不自然なリンクを大量に貼らないようにすることです。
サテライトサイトを作る目的の1つとして、外部サイトからのリンク獲得のため本サイトにリンクを貼りますが、不自然に大量のリンクを貼らないように気を付けましょう。
サテライトサイトにいくつかのコンテンツを作成したら、内部リンクを最適化させた上で本サイトのページへのリンクをどこか1つ、設定すれば良いです。
複数のリンクがあっても、SEO効果に代わりはなく、不自然に置ければリンクを受ける側(本サイト)のSEOに悪影響もあるため注意してください。
ユーザーに役立つ質の高いコンテンツを作成する
3つ目の注意点は、質の高いコンテンツ作成することです。
サテライトサイトの情報更新の重要性のお話をしましたが、同様にコンテンツ作成にも手は抜けません。
対策キーワードを徹底的に分析し、ユーザーに役立つ情報を分かりやすく掲載した、質の高いコンテンツを作る必要があります。サテライトサイトのコンテンツの質が低ければ、本サイトへのリンクの意味も失われてしまいます。
本サイト、サテライトサイトの両方で質の高いコンテンツ作成を続けるのは、決して容易なことではありません。サテライトサイト作成を行う場合は、担当者を設け、本サイトと同じレベルでサイト運営、SEO対策を行いましょう。
SEO効果のある質の高いコンテンツの作成に必要なライティングのコツを『SEOライティングとは?基礎知識や意識すべき8つのポイント』にまとめていますので、お役立てください。
IPアドレスを分散させる
4つ目の注意点は、IPアドレスを分散させることです。
サテライトサイトを作成する際に、設定するサーバーを本サイトとは別のものを選び、IPアドレスを分散させることをお伝えしましたが、運用そのものを行う端末(パソコン)のIPアドレスも分散させておきましょう。
同じ端末のIPアドレスで本サイト、サテライトサイトの両方を運用していれば、「運用者が同じ=自作自演」であると検索エンジンに判断されてしまいます。端末のIPアドレスは、Webアクセスのポイントを変える(例えば会社内ルーターからのアクセスを、モバイルWIFIなどに切り替える)ことで変更できます。
まとめ
サテライトサイトを作成するメリットとデメリット、それから作り方のポイントと運営時の注意点について解説しました。
本サイトとは異なるターゲットを狙うことができ、リターゲティング広告にも恩恵があり、さらに外部サイトとして被リンク獲得にもつながるサテライトサイトですが、運用には本サイトと同じようにリソースや時間が必要です。
また、運用にはIPアドレスの異なる別サーバーを用意し、コンテンツを作成してアップロードする際にもIPアドレスの違う端末で行わなければなりません。
複数のリンクを不用意に貼ってしまったり、コンテンツの質や更新頻度を維持できなければサテライトコンテンツはお荷物になってしまいます。
SEO効果を得られるサテライトコンテンツですが、スタートさせる場合は、検討に検討を重ねた上で作成するようにしましょう。
最新のSEOトレンドや基礎知識、具体的な対策方法を以下のページで紹介しているので、ぜひ、ご一読ください。