LPOとは?その特徴やSEOとの違いについて

LPOとは、正式名称を「Landing Page Opotimization」といい、日本語で「ランディングページの最適化」を意味します。また、ユーザーが最初にアクセスしたWEBページ(ランディングページ)を最適化する施策を指します。

LPOは、Google広告やYahoo広告などWEB広告を出稿している方はもちろん、SEO対策を進める方にとっても重要な施策です。

このページでは、LPOに関する基礎知識だけでなく、SEOやEFOとLPOの違い、目的や流れ、具体的な対策手順について解説します。また、LPOを実施する際のポイントや注意点、役立つツールについてもご紹介します。

LPOは、Web広告やWEBページにおけるコンバージョン数を向上させることができるため、この機会に具体的な知識と手法を身につけましょう。

記事の監修者
株式会社EXIDEA 代表取締役社長
小川 卓真
SEO歴18年。2006年にSEOツールの開発企業を共同創業して以来、SEOを軸にデジタルマーケティングに従事。2013年に「株式会社EXIDEA」を設立。現在はEXIDEAの代表取締役社長として、Webメディア事業、マーケティングDX事業、SEOライティングツール「EmmaTools」の事業に携わる。
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LPOとは、ランディングページの最適化

LPOとは、英語のLanding Page Optimizationの頭文字を取ったもので、日本語では「ランディングページの最適化」を意味します。

具体的には、ユーザーが最初にアクセスしたWebページ(LP、ランディングページ)を、アクセスしたユーザーが離脱しないように、あるいは問い合わせにつながるように改善する施策のことです。

LPOの実施はユーザーの離脱率を下げ、回遊率やクリック率、コンバージョン率を向上させることが可能なことから、WEBマーケティングでは欠かせない施策の1つと言えます。

続いて、LPOにおけるLP(ランディングページ)の意味について解説します。

LP(ランディングページ)における広義と狭義の意味

ランディングページの意味と違い
意味 ページの特徴
広義 「アクセス経路を問わず」
ユーザーが最初にアクセスしたページ
コラムやサービスページ、会社案内など様々
狭義 「WEB広告やメルマガ」などから
ユーザーが最初にアクセスしたページ
コンバージョンの獲得に特化し、
問い合わせフォームや購入ボタンなどが含まれる縦長のページ

ランディングページ(Landing Page)とは、ユーザーがWEBページに「着地する(land)」ことから、自然検索やWEB広告、SNS、メルマガなどを経由して、ユーザーが最初にアクセスしたページを指します。また、ランディングページを省略して、「LP(エルピー)」と呼びます。

一般的に「LP」というと、WEB広告で出稿しているページ(広告経由で最初にアクセスするページ)で「コンバージョンの獲得に特化し、問い合わせフォームや購入ボタンなどが含まれる縦長のページ」を指すことが多いです。

しかし、厳密には検索エンジンの検索結果に表示されたページ(自然検索経由で最初にアクセスするページ)やSNS、メルマガなどを経由して最初にアクセスしたページなどの「ユーザーが最初にアクセスしたページ」がLPに該当します。

そのため「LP」や「LPO」という言葉が出た際には、どちらを意味するのか、どのような文脈で使われているかを確認する必要があると覚えておきましょう。

LPOとSEOやEFOの違い

Webマーケティングでよく使われる用語の中には、LPOに似た「SEO」や「EFO」などの英語三文字があります。ここでは、SEOやEFOとLPOの違いについて解説します。

SEOとLPOの違い

SEOとLPOの違い
対象 目的
SEO 検索エンジン WEBサイトへのアクセス数を増やす
LPO 訪問者(ユーザー) サイト訪問者(ユーザー)からのコンバージョンを増やす

SEOとは、正式名称を「Search Engine Optimization」といい、日本語で「検索エンジンの最適化」を意味します。

具体的には、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおける検索結果でWebサイトを上位に表示させるための取り組みを指し、コンテンツ作成やHTMLの最適化、被リンクの獲得などが該当します。

また、SEOの主な目的は「WEBサイトへのアクセス数を増やすこと」で「検索エンジン」に向けた施策です。

一方でLPOは、ユーザーが最初にアクセスしたページ(ランディングページ)を改善する取り組みを指し、デザインやレイアウトの変更、コピーライティングの修正、CTAの追加などが該当します。

また、LPOの目的は「サイト訪問者(ユーザー)からのコンバージョンを増やすこと」で「訪問者(ユーザー)」に向けた施策です。

このように、SEOとLPOは目的と施策の対象が異なります。しかし、いずれもWebマーケティングでは重要な取り組みといえます。

SEOの詳細について確認したい方は『【2024年最新】SEOとは?意味やメリット、注意点、対策の種類、トレンドの徹底解説』をご一読ください。

EFOとLPOの違い

EFOとLPOの違い
目的 対象範囲
EFO コンバージョン数の向上・コンバージョン率の改善 資料請求や問い合わせ、商品購入などのフォームのみ
LPO コンバージョン数の向上・コンバージョン率の改善 ランディングページ全体

EFOとは、英語で「Entry Form Optimization」といい、日本語で「入力フォームの最適化」を意味します。また、目的は入力フォームにおけるユーザーの離脱率を減少させ、入力完了率を上げる「コンバージョン数の向上とコンバージョン率の改善」です。

具体例には、資料請求や問い合わせ、商品購入などで入力するフォームで、不必要な項目の削除や郵便番号を入力した際に住所を自動入力する補助機能、入力時にミスがあれば随時表示させる機能などが挙げられます。

一方でLPOは、EFOと同じく「コンバージョン数の向上とコンバージョン率の改善」が目的ですが、改善する範囲はランディングページ内にある要素すべてとなります。また、LPの中には入力フォームが埋め込まれているケースもあるため、LPOの中にEFOも含むことがあります。

このように、LPOとEFOの主な目的は同じですが、改善する範囲に違いがあります。LPOでは、LPにアクセスしたユーザーの離脱を抑止し、EFOではフォーム入力を開始したユーザーの離脱を防ぐものだと覚えておきましょう。

EFOについてもっと詳しく知りたい方は『EFOとは?入力フォームを最適化してコンバージョン率を上げるコツ』をご参照ください。

LPOの目的と重要性

LPOには、「訪問者の離脱率や直帰率を下げること」と「コンバージョン率を改善すること」の2つの目的があります。それぞれ詳細に解説します。

訪問者の離脱率や直帰率を下げる

LPOを行う1つ目の目的は、ユーザーの離脱率や直帰率を下げることです。

LPは、ユーザーが最初にアクセスするページなので、そのページの第一印象がユーザーの行動を左右するほど大きな影響をもちます。

例えば、ページの読み込み速度が遅かったり、内容が期待と異なったり、情報が整理されていなかったりすると、ユーザーはページからすぐに離れてしまいます。また、ユーザーの興味をひく内容が掲載されていなければ、他のページや商品購入ページに遷移してもらえず、直帰してしまいます。

そのような場合に、ページの表示速度の改善などのLPOを行うことで、LPがユーザーに与える印象をより良いものにすることができ、ユーザーの離脱や直帰する可能性を軽減することが可能です。

コンバージョン率を改善する

LPOを行う2つ目の目的は、コンバージョン率の改善です。

ユーザーがLPを見るということは、それまでに見たWEB広告やページタイトル、メルマガ、SNSなどの内容に興味関心があることを意味します。

例えば、WEB広告に表示されていた内容とLPの内容に相違があると、ユーザーは不審に思い、問い合わせや商品購入などのコンバージョンとなるアクションは行いません。また、広告と内容に相違がなかったとしても、LPのデザインや商品・サービスの内容に魅力を感じなければ、コンバージョンにはつながりません。

そのような場合に、ユーザーの検索意図や目的に適したLPに改善することで、コンバージョンする可能性を高めることが可能です。

LPへのアクセス数は多いのにもかかわらず、コンバージョンに至らない場合には、LPOを実施することで機会損失を防ぐことができます。

LPOの流れ

ここからは、LPOを実施する際の具体的な流れを解説します。

現状把握と課題点の洗い出し

LPOは、「現状把握」と「課題点の洗い出し」からスタートします。

これは、現状のセッション数とコンバージョンの割合によって対策すべきポイントを確認するために行います。

LPへのアクセス状況は、Google Analyticsを使い、Web広告や自然検索など各経路で発生したセッション数や、その経路から発生したコンバージョン数を書き出し、課題点を見つけます。

もし、セッション数は多いものの、コンバージョン数が少ない場合にはLPOを着手しましょう。一方で、そもそもセッション数が少ないのであれば、LPOの前にWeb広告の最適化やSEO対策の実施など、ランディングページの内容とキーワードの見直しが必要です。

課題に対する仮説立て

次に、見つけた課題に対し「仮説」を立てます。

LPに多くのユーザーが到達しているものの、コンバージョンには至らない場合には、以下のような理由が考えられます。

状況と考えられること
状況 考えられること(仮説)
LPの上部で離脱している アイキャッチや初めにある文章がユーザーの興味をそそらない
LPの中部で離脱している 内容に魅力を感じていない、不信感を抱いている
LPの下部で離脱している ボタンなどのCTAに問題がある

このように、コンバージョンに至らない状況に対し、仮説を立てることが重要です。

特に、LPのどのあたりでユーザーが離脱してしまっているのかを把握することは、仮説や次に行う改善策の実施を進める上で重要となります。

改善策の実行

次は、改善策の実行と効果検証です。

問題点に対し仮説ができたら、それらの改善に向けた具体的な対策を考えます。以下は、状況別の改善策の一例です。

状況と考えられること
問題点 改善策(例)
LP上部での離脱 ・アイキャッチ画像の変更
・リード文(書き出し)の修正
・広告出稿文やメルマガの内容などの調整や修正
LP中部での離脱 ・CTAの追加
・無駄な情報などを削る
LP下部での離脱 ・CTAのデザイン変更
・良い口コミの追加
・導入事例や成功事例の追加
入力フォーム部分での離脱 ・入力必須項目を削る
・不要な入力を省く
・自動入力など補助機能を付ける

例えば、LP上部で離脱するユーザーが多い場合には、アイキャッチ画像を変更したり、書き出しの文章を書き変えたりすることで、改善策として挙げられます。また、LPの中部で離脱するユーザーが多い場合には、ページが長すぎることなどが考えられるため、CTAを追加したり、無駄な情報を削ったりすることが、改善策となります。

また、ポイントとして、これらの改善策は時間をかけすぎず、速度感を持って実行することが重要です。

効果検証とABテスト

最後は、効果検証とABテストです。

LPOに限らず、Webマーケティングの多くは対策を行っても、必ずしも良い方向に変わるわけではありません。場合によっては、改善前よりも数値が下がることもあります。その場合は、対策前の状態に戻し、あらためて仮説を立て、別の改善策を立案し、その効果を検証しましょう。

また、LPOを一度実施して終わりにせず、複数のパターンを用意しABテストを行うことも大切です。ABテストを行う際は、複数の要素を同時に変更するとどの要素が効果を生んだのか特定できなくなるため、変更する要素を一つに絞って検証を行いましょう。

LPOで抑えておくべき7つのポイント

ここからは、LPOを実施する際に押さえておくべき7つのポイントを紹介します。

ファーストビューの重要性を理解しておく

1つ目にLPOで押さえておくべきポイントは、ファーストビューの重要性を理解しておくことです。

ファーストビューとは、ユーザーがWEBページを開き、最初に目にする画面を指します。このファーストビューでユーザーの興味を引くことができなければ、直ぐに離脱してしまいます。

ファーストビューでは、WEB広告や自然検索、SNS、メルマガなどの経路にあわせてアイキャッチ画像を作成し、自社の商品やサービスのポイントをアピールすることが重要です。

また、ファーストビューにCTAを含ませておくことも重要です。ファーストビューをぱっと見て、良い印象を持ったユーザーが、すぐに問い合わせをしようとしても、クリックすべきボタン類がなければ離脱する可能性があります。

ファーストビューは、LPの内容に即した華やかなデザインを用意し、ユーザーに問い合わせをするとどんなメリットがあるのかを伝えるテキストを含むボタンを分かりやすい場所に設定しておきましょう。

ストーリー性の追加

2つ目にLPOで押さえておくべきポイントは、ストーリー性を追加することです。

LP上で情報がただ羅列されているだけでは、ユーザーはその情報に共感したり、納得したりすることは少ないため、コンバージョンの可能性が下がります。そのため、LPでは、ユーザーが自分自身を投影できるようなストーリー性の追加が効果的です。

例えば、ユーザーに「こんなお悩みをお持ちではないですか?」という共感からスタートし、そのお悩みを商品・サービスで解決できることを説明、さらに実際に使用した顧客の成功事例を掲載するなど、ページの上から下へ、ストーリー性があるように紹介すると良いといえます。

また、ストーリーの流れを視覚的にサポートするために、画像や動画を活用することも効果的です。視覚的なコンテンツは、ユーザーの注意を引きつけ、メッセージをより強く印象づける手段となります。

LPOを行う際には、LPを上から下に読み進めてそれぞれの情報が連鎖しているかを確認しましょう。

ページの表示速度

3つ目にLPOで押さえておくべきポイントは、ページの表示速度です。

ユーザーがWEB広告や自然検索、SNSなどからLPへ遷移するボタンをクリックしても、LPの表示速度が遅いとページが開く前に離脱します。また、Googleの広告パートナーが調査したデータによると、ページが表示されるまでに3秒かかると32%ほど離脱率が上昇し、10秒経過するころには離脱率が123%にまで上がるといわれています。

ページの表示速度と離脱率の関係

引用元:https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-strategies/app-and-mobile/mobile-page-speed-new-industry-benchmarks/

このように、ページの表示速度が遅いだけで、ユーザーが離脱する可能性が大きく高まるため、表示速度を早くすることは必須と言えます。

LPでは画像や動画を掲載することも多いため、ページの表示速度が遅くないかPageSpeed Insightsを使ってページの表示速度を確認しておきましょう。

CTAを含む全体的なデザイン

4つ目にLPOで押さえておくべきポイントは、CTAを含む全体的なデザインの改善です。

最初に紹介したポイントのファーストビューやストーリー性の追加を含め、LP全体のデザインは統一感を持たせることが大切といえます。

というのも、色合いは派手すぎるとテキストが読みづらいだけでなく、誇張や嘘くさく感じさせてしまいます。また、逆に色合いが地味すぎるとLP全体の雰囲気が暗くなってしまい、ユーザーにアクションを促せずに終わる可能性があります。

そのため、LPOを行う際には、テキストやCTAのサイズや色合い、レイアウトなど、LP全体で統一感があるデザインにしましょう。

専門性や権威性があるデータの掲載

5つ目にLPOで押さえておくべきポイントは、専門性や権威性のある根拠となるデータの掲載です。

信頼性のあるデータや統計情報をランディングページに含めることで、ユーザーの信頼を得るとともに、コンバージョン率の向上に影響を与えます。例えば、業界標準や関連する研究結果、第三者機関のレポートなどを引用することが効果的です。

また、「この製品を使用した顧客の80%が満足している」などの具体的な数値やグラフを用いることや、権威ある専門家のコメントや推薦文を掲載することで、情報の透明性を高めることができます。

LPに限らず、Webページに掲載する情報には、根拠や証拠を併記することが重要といえるため、データの出典を明確にすることも忘れずに行いましょう。

スマホやタブレットでの見やすさ

6つ目にLPOで押さえておくべきポイントは、スマホやタブレットなどのモバイル端末での見やすさです。

スマホやタブレットなどのモバイル端末でインターネットを利用するユーザーが増加していることから、GoogleはモバイルフレンドリーなWebサイトを評価するようになっています。そのため、スマホやタブレットでの見やすさを改善することは、LPOにおいて重要な要素の1つです。

具体的には、モバイル端末でLPを見るユーザーが画面を読みやすいように、画面サイズに応じてコンテンツのレイアウトが自動的に調整されるレスポンシブデザインの導入がおすすめです。またスマホやタブレットは画面が小さいため、読みやすいフォントサイズと、指でタップしやすい大きさのボタンを設定することも大切です。

LPを公開する前には、実際にスマホやタブレットなどでどのように表示されるかを必ず確認するようにしましょう。

口コミやUGC、事例の掲載

7つ目にLPOで押さえておくべきポイントは、口コミやUGC(User Generated Content、ユーザーが作るコンテンツ)、事例の掲載です。

LPで商品・サービスのメリットや利便性を並べるだけでは、ユーザーに真偽性を疑われてしまいます。そのため、商品を購入した顧客から口コミや外部のランキングサイトにあるコメントなど、実際に利用した人の声を掲載し、第3者の意見としてユーザーに利点を伝えられることが重要です。

また、サービスを利用したことによる成功事例の掲載も効果的です。LPを見ているユーザーは、同じような課題を持つ他の顧客がどのようにして製品やサービスを利用して成功を収めたかの事例を読むことで、具体的にイメージがわき、行動に移しやすくなります。

実際に利用したユーザーからの感想、口コミを掲載することで、LPにアクセスしたユーザーの不安を払拭し信頼を築くことができると覚えておきましょう。

LPOが失敗してしまう、4つの避けるべきこと

LPOは、必ず成功するわけではなく、失敗することもあります。

ここで紹介する4つの例は、LPOでの失敗につながりやすいポイントです。LPOを進める前に、この4つのポイントを把握し、避けるように心がけましょう。

定量的なデータを活用しない勘や経験による分析

1つ目の避けるべきポイントは、定量的なデータを用いず、勘や経験に頼った分析をしてしまうことです。

業界の経験が長い人の勘や経験に頼ると、LPOが失敗する確率は高まります。勘や経験は確かに有益な情報源となり得ますが、個々の経験や直感は主観的であり、全てのユーザーに共通するものではないことから、それだけに頼ることは危険です。

実際のユーザーの行動や反応を正確に把握するためには、定量的なデータの収集と分析が不可欠です。具体的には、Google Analyticsやヒートマップツールを活用し、訪問者の滞在時間、クリック率、離脱率などのデータを詳しく解析することが求められます。

これにより、どの要素がユーザーに好まれているのか、または逆にどの要素が離脱を引き起こしているのかを明確に理解できます。

LPOを進めるのであれば、具体的なデータに基づいた分析と改善を行うようにしましょう。

目的や導線の詰め込み

2つ目の避けるべきポイントは、目的や導線の詰め込みです。

LPOの目的は、ユーザーをコンバージョンに導くことですが、そのためにLPへ様々な目的や導線を詰め込むと、ユーザーは混乱し最終的に何も行動を起こさない可能性が高まります。そのため、LPを作成あるいは改善する際には、一つの明確な目的に絞ることが重要です。

例えば、商品の購入、資料請求、メルマガ登録など、LPを見たユーザーに期待するアクションを一つに絞ることで、ユーザーは迷わずに行動を起こしやすくなります。

加えて、ページ内のナビゲーションをシンプルに保つことも大切です。例えば、ページ全体に複数のリンクやボタンを配置すると、ユーザーはどこをクリックすればよいのか分からず、最終的にページを離れてしまう可能性が高まります。

ユーザーが商品の購入や問い合わせなどをしやすいように、できるだけプロセスを短く、分かりやすくし、その周囲に無駄なリンクや情報を置かないようにしましょう。

ファーストビューで広告を掲載する

3つ目の避けるべきポイントは、ファーストビューで広告を掲載することです。

ファーストビューは、ユーザーが最初に目にする部分であり、LPOの成功において極めて重要な役割を果たします。しかし、この重要なスペースに広告を掲載することは避けるべきといえます。

というのも、ユーザーは訪問した際にまず自分が求める情報を探し、それを元に次の行動を決定します。ファーストビューに広告があると、ユーザーは「このページは自分にとって有益でない」と感じ、すぐに離脱してしまう可能性が高まります。

広告はしばしばユーザーに対して押しつけがましい印象を与え、信頼性を損なう原因となります。特に初めて訪れるユーザーにとっては、ファーストビューに広告が表示されることで、WEBサイト全体が広告目的であると誤解されるかもしれません。第一印象が悪化し、ユーザーの信頼を失うリスクが高まります。

さらに、広告がファーストビューにあると、ユーザーがページの核心的なコンテンツにアクセスしづらくなります。ユーザーが求める情報にすぐにアクセスできない場合、直帰率が上昇し、コンバージョン率が低下します。

LPOの目的は、ユーザーを効率的に誘導し、コンバージョンを促進することなので、ファーストビューにはユーザーのニーズに即した価値のある情報を優先的に配置することが求められます。

過剰なリンク設置

4つ目の避けるべきポイントは、過剰なリンクの設置です。

リンクが多すぎると、ユーザーは目的の情報を探しにくくなり、結果として直帰率や離脱率が高まるリスクが生じます。というのも、ユーザーは一度に多くの情報を処理できないため、必要以上のリンクが存在すると、どれをクリックすべきか迷ってしまい、最終的にはページを離れてしまう可能性が高いからです。

さらに、過剰なリンクはSEOの観点からも問題といえます。過剰なリンクを設置すると、検索エンジンからスパムと見なされるリスクが高まります。特に、関連性の低いリンクや、アンカーテキストが不明瞭なリンクが多いと、検索エンジンはページの評価を下げる可能性があります。

LPでは、問い合わせフォームや購入ボタンなど、特定のアクションに誘導するためのリンクのみを設置し、それ以外のリンクは極力、排除するようにしましょう。

LPOを実施する上で意識すべきこと

最後に、LPOを進める際に意識すべき2つのポイントを紹介します。

顧客の解像度を高める

1つ目にLPOで意識するポイントは、顧客の解像度を高めておくことです。

顧客の解像度を高めるとは、ユーザーの行動やニーズ、関心をより詳細に把握することを意味します。具体的には、ユーザーがどのページを訪れてどのコンテンツに興味を持ち、どのような経路で離脱するのかを理解することが含まれます。

これにより、ユーザーの真の意図や問題点を捉えることができ、より効果的なランディングページの最適化が可能となります。

また、顧客の解像度を高める際は、性別や年齢だけでなく、職業や日々の暮らしなど、できる限り詳細な情報を含めることで、ターゲットにとって最も魅力的なコンテンツやデザインを提供できます。

流入経路や流入キーワードなどの様々な要素を把握する

2つ目にLPOで意識するポイントは、流入経路や流入キーワードなど、LPへのアクセスに関わる様々な要素を把握することです。

これらの情報は、ユーザーがどのようにしてLPにたどり着いたのか、そしてどのキーワードを使って検索したのかを明確にするための重要なデータとなります。

LPOでは、WEB広告や検索エンジン、SNS、メールマーケティングなど、どのチャネルを経由してランディングページに訪れたのかを理解することで、最も効果的な流入経路に焦点を当て、LPの改善が可能です。

また、流入キーワードを把握することは、ユーザーが何を求めているのか、どのような問題を解決したいのかを知る手がかりとなるだけでなく、高いコンバージョン率を誇るキーワードを特定し、それに関連するコンテンツをLP内に盛り込むことで、コンバージョン率の向上が見込めます。

LPOに役立つツール

ここからは、LPOを効率的かつ効果的に進めるためにおすすめのツールをご紹介します。

中でも、LPにアクセスしたユーザーの動向をチェックできるヒートマップツールは、LPOを行う際に必須のツールといえます。

Google アナリティクス

Google Analyticsトップイメージ

1つ目は、Google公式のアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」です。

無料で利用できるGoogleアナリティクスを使うと、Webサイトにアクセスしたユーザーの行動データを詳細に把握することができます。

どのページがよく訪問されているか、ユーザーがどのくらいの時間をかけてページを閲覧しているか、どのリンクがクリックされているかなどの情報を得ることができます。

これらのデータから、LPのどの部分が効果的であるか、逆にどの部分に改善の余地があるかを明確にすることができます。

Microsoft Clarity

Microsoft Clarityイメージ

2つ目は、Microsoft社が提供しているMicrosoft Clarityです。

Microsoft Clarityは、無料で利用できる高性能なヒートマップツールで、ユーザーがLPにアクセスした後にページのどの部分を集中的に見て、どのCTAでアクションを起こしたか、またスクロールの割合や離脱した部分も知ることができます。

その他にも、Webサイト内の各Webページへのアクセス数やクリック数が表示されるだけでなく、アクセスしたユーザーの行動をレコーディング機能によって記憶し、実際にどのようなアクションを取ったか確認できます。

EmmaTools

EmmaTools

3つ目は、弊社、株式会社EXIDEAが提供するEmmaToolsです。

EmmaToolsのヒートマップ機能では、ユーザーがクリックした箇所の可視化や離脱地点の計測はもちろんのこと、流入キーワードや遷移後のユーザー動向も確認することが可能です。また、ユーザーの動向を数値化した熟読スコアも搭載しているため、サイト全体でユーザー動向を改善すべきページを一目で判断可能となります。

他にも、対策キーワードごとにタイトルや見出し、コンテンツをAIが生成する自動生成機能も利用可能なため、コンテンツSEOに関する業務も効率化できます。

まとめ

LPOは、ユーザーが最初にアクセスしたページを改善しコンバージョン率を高める、ランディングページを最適化する取り組みです。

LPOでは、ファーストビューでユーザーを惹き付け、LP全体でストーリー性を追加し、根拠となるデータやユーザーの口コミを掲載することが、成功のカギとなります。

また、ページの表示速度の改善や、スマホやタブレットなどのモバイル端末での見やすさなどを改善することも効果的です。

予算を割いてWeb広告に出稿し、ユーザーをLPに導くことができても、コンバージョンしなければ成果にはつながりません。LPOは、LPにアクセスしたユーザーを離脱させることなく、コンバージョンまで導くための重要な対策です。

LPOがある程度できたと感じる場合には、EFO(エントリーフォームの最適化)を進めましょう。