検索エンジンで自社サイトを上位表示させるためのSEO対策に対し、MEO対策は「Googleマップでの検索で自社情報を上位表示させる」ための施策です。
MEO対策を進めることで、近隣地域で暮らすユーザーが食事やショッピング、怪我や疾病時にGoogleマップで検索行動をとった際、運営しているお店や病院の情報が上位表示されます。
「ローカルSEO」とも呼ばれるMEOは、一般的なSEOと比べてどのような違いがあるのでしょうか?
このページでは、MEOの仕組みやメリット&デメリット、対策を行う際の注意点についてわかりやすく解説します。
同じ地元で暮らすユーザーがターゲットなら、必ずMEO対策に取り組んだ方が良い、その理由が分かります。
この記事でわかること
MEO(Map Engine Optimization)とは
MEO(Map Engine Optimization)とは、日本語で「マップエンジン最適化」といい、地域密着型ビジネスや店舗型ビジネスで集客する場合、SEOと同じくらい重要な施策です。
MEOは、広い意味で言えばSEO対策の一部でもあることから、「ローカルSEO」とも呼ばれています。
地域での顧客獲得に特化した施策の1つで、Googleマップを使ってお店や場所を検索するユーザーにアプローチし、訪問してもらうために必要な情報を提供します。
Googleによると、レストランを探そうとするユーザーのうち、地域や年齢を問わず87%もの人が店舗検索機能を利用しています。
MEO対策を進め、必要な情報を入力しておくと、お店への経路や電話番号も表示され、地域のユーザーに自社情報を正しく伝えることができます。
その結果、Googleマップ上で空席状況の確認や予約獲得につながります。
同じ地域で暮らす顧客への集客効果を見込めるMEOは、SEOとどこが違うのでしょうか、次に解説します。
MEOとSEOの違い
MEO対策と同じように、インターネット上での集客のためのWebマーケティング手法に、SEO(Search Engine Optimization)対策が挙げられます。この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
MEOは、Googleマップ上でGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の内容を上位表示をさせるための対策です。 一方、SEOは、検索エンジンの結果画面(オーガニック検索)で自社サイトを上位表示させるための施策となります。
どちらも対策するのに必要なのは担当者(リソース)と時間のみ、Web広告のように高額な費用は必要ありません。
MEOは、「企業のある地域で暮らすユーザーへのアプローチ」に対し、SEOは「地域に縛られない一般ユーザーへ情報を伝える」ためのWebマーケティング手法、という違いがあります。
MEOとローカルSEOの違い
MEOとローカルSEOは、実は同じもので、MEOは日本国内の呼称であるのに対し、海外ではローカルSEOと呼ばれています。
MEOは、基本的にGoogleマップでの上位表示を目指すためのものですが、実はオーガニック検索にも反映されることがあります。
検索エンジンが、ユーザーの選んだ検索クエリから、求めている情報が「場所」だと判断されると、オーガニック検索の結果画面にマップ検索の上位3位を表示させます(上位3位が表示される部分をローカルパックといいます)。
自社サイトのSEO対策の一環として、MEO対策も重要な役割を果たしているわけです。
では、そのMEO対策を行うとどのようなメリットがあるのか、またデメリットには何が考えられるのかを続いてご紹介します。
MEO対策のメリットとデメリット
MEO対策を行うと、どのようなメリットおよびデメリットがあるのでしょうか。
来店意欲のあるユーザーにアプローチできる
1つ目は、来店意欲の高いユーザー(顕在顧客)にアプローチできます。
例えば、「地域名+料理」で検索するユーザーは、これから食事をしようと考えているといえます。そのため、Googleマップの検索結果で出てきたお店に向かう可能性が高いです。
つまり、MEO対策を進め自身の店舗情報などが上位表示されれば、顧客獲得につなげられるメリットがあります。
お店やオフィスの電話番号やアクセス情報を伝えられる
2つ目は、お店やオフィスの詳細情報をユーザーに伝えられます。
今すぐにお店に行きたいわけではないユーザーも、ローカル検索で上位表示され、入力されている情報が充実していれば、タイミングが合った時に来店してくれる可能性が高くなります。
人気のあるお店なら、予約のための電話番号を掲載しておくことで顧客を獲得できます。まだ検討中で、他のお店と比べているユーザーは、写真や口コミを見て、比較することも可能です。
SEOに比べMEOは難易度が低く成果につながりやすい
3つ目は、MEOはSEOよりも難易度が低く、成果につながりやすいです。
SEOで上位表示させるには、地域だけでなく、インターネット上すべての競合他社に負けないサイト作りが必要です。
一方、MEOならライバルは地域の競合のみ、ライバルの数が減るため上位表示を狙いやすいメリットがあります。
上位表示されると視認されやすい
4つ目は、MEOで上位表示されると、ユーザーに視認されやすい点です。
Googleマップの検索結果は、上位にお店や会社の名前と一緒に、地図や写真も表示されます。現在地からのアクセス方法、商材や店舗写真などが表示されるため、ユーザーがフリックして飛ばす可能性が低く、視認されやすいです。
上記のようなメリットがあり、地域の人々に来店してもらうためのWebマーケティング手法としてMEO対策はおすすめではあるものの、注意しなければならないデメリットもあります。
辛辣な口コミが入る
1つ目は、ユーザーが簡単に口コミ投稿できるため、辛辣な意見が記載される可能性があります。
飲食店であれば、個人によって味覚が異なるため、口に合わなければ厳しいレポートが投稿されることもあります。
病院の場合は、患者数の多いところだと長時間待たされるなどのネガティブな口コミが入っているところも見受けられます。
100人中、100人に良い評価をしてもらうことはほぼ不可能ですが、顧客に役立つ情報を提供し続けていれば、多少のマイナス意見も覆せます。
顧客満足度の高いビジネスを心がけ、地域で暮らす多くの顧客から支持される経営を目指しましょう。
MEOは上位表示数に限りがある
2つ目は、検索結果画面の上位表示数に限りがある点です。
MEO対策を進め、上位3位内に入れば先に紹介した「ローカルパック」に含まれ、クリックされやすくなります。
しかし、4位以下だと、ユーザーが画面をスクロールさせなければ表示されないため、クリック率が下がります。
MEOはSEOよりも上位表示させやすいものの、3位以内を目指さなければならない難しさがあることを覚えておきましょう。
ガイドラインを守らないと削除される可能性がある
3つ目のデメリットは、ガイドラインを守らない場合、情報が削除される可能性がある点です。
MEOにもGoogleはガイドラインを設けています。
Googleビジネスプロフィールに情報を掲載する際、このガイドラインに該当していると、情報が削除される可能性があります。
MEOのメリット・デメリットをご紹介したところで、次にMEOはどのような仕組みで動いているのか、また抑えておかなければならないポイントについて解説します。
MEOの仕組みと抑えておくべきポイント
Googleマップで検索を行うと、どのような仕組みで上位表示される情報が選ばれているのでしょうか。
この点について、Googleビジネスプロフィールでは以下の3つの要素から、最適な検索結果を表示するとしています。
- 関連性
- 距離
- 視認性
それぞれ抑えておくべきポイントを解説します。
関連性
1つ目は、検索に使われたキーワードとの関連性です。
関連性とは、検索語句とローカルビジネスプロフィールが合致する度合いを指します。充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスについてのより的確な情報が提供されるため、プロフィールと検索語句との関連性を高めることができます。
自社のGoogleビジネスプロフィールの内容が、ユーザーの検索キーワードと意味が近いほど、上位表示されやすいです。自社商材と関連性の高いキーワードをあらかじめ確認し、検索意図を分析してGoogleビジネスプロフィールに記載しましょう。
距離
>2つ目は、ユーザーが検索をかけた場所からの距離です。
距離とは、検索語句で指定された場所から検索結果のビジネス所在地までの距離を指します。検索語句で場所が指定されていない場合は、検索しているユーザーの現在地情報に基づいて距離が計算されます。
デリバリーサービスが可能な業種であれば、Googleビジネスプロフィールにサービス提供範囲も入力できます。
視認性の高さ(知名度)
3つ目は、一般的にどれくらい知られているか、知名度や視認性の高さが重要です。
視認性の高さとは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
自社で取り扱う商材に関し、ウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。
Googleでのクチコミ数やスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響するため、クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。
また、ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
地域で良く知られているお店や、インターネット上でよく見かける商材は上位表示されやすいです。もし自社サイトを持っていない場合は、作成してSEOを進め、自社の認知度を高めていきましょう。
MEOにおけるGoogleのガイドライン
Googleは、MEOに関して以下のようなガイドラインを設けています。
- ユーザーの誤解を招く情報
- 低品質な情報
- キャンペーンの記載
- URLの記載
「絶対に~になる」「100%成功する」など、ユーザーが誤解してしまうような情報を記載していると、Googleビジネスプロフィール情報が削除される可能性が高くなります。同じように記載内容に間違いが多い、誤字脱字が目立つ場合も注意が必要です。
また、Googleビジネスプロフィールには、キャンペーン等の記載が許可されていません。「今だけ~%オフ!」などの情報を記載しないように注意しましょう。
その他、Googleビジネスプロフィール内にURLを直接記載するとエラー表示されるため、実際に投稿は出来ませんが、自社サイトなどのURLを記載しないよう注意が必要です。
先にもご紹介しましたが、MEOには多くのメリットがある反面、扱いを間違えるとデメリットにつながる可能性があることを覚えておきましょう。
MEOがどのような仕組みで順位を決めているか分かったところで、どのような施策が効果的なのか、続いてご紹介します。
【2024年最新】MEO対策に効果的のある施策
MEO対策には、抑えておくべき3つのポイントがあることをご紹介しました。
では、MEO対策を進めようとした場合、何からはじめれば良いのでしょうか?
まだMEOに着手していない、または、すでに進めているものの対策している内容が間違っていないか心配な方へ、効果的なMEO対策の進め方をご紹介します。
Googleビジネスプロフィールを登録・認証する
まず、Googleビジネスプロフィールの登録・認証をします。Googleビジネスプロフィールでは以下の項目を入力します。
- ビジネス名
- ビジネスカテゴリ(指定)
- ユーザーが訪問できるかどうか(指定)
- 所在地・住所
- 出張型サービスの有無
- 電話番号、ウェブサイト
これらの情報を入力し終えると、最後にオーナー確認のためコードを取得する必要があります(ハガキでの郵送が一般的です)。コードを取得したら認証し、Googleビジネスプロフィールのアカウント作成が完了します。
ビジネス内容に適したカテゴリや基本情報の最適化
Googleビジネスプロフィールの内容は、取り扱うビジネスのカテゴリが一致し、情報にズレがないように正しく入力されていなければなりません。
カテゴリは、取り扱うビジネスに関するキーワードを何か入力すると、Googleが自動で登録済みにカテゴリを追加してくれます。取り扱う事業が多岐にわたる場合は、追加カテゴリを登録しておきましょう。
自社のビジネスに関する基本情報は間違いがないものを入力します。MEOのデメリットで紹介しましたが、Googleビジネスプロフィールには入力に関するガイドラインが設定されています。
誤った情報や、ユーザーが勘違いしてしまうような表記はくれぐれもしないように注意しましょう。
NAP情報を統一する
NAPとは、Name(名前)、Address(住所)およびPhone(電話)の頭文字です。
これら3つの情報は、MEOだけでなく、自社サイトでも表記させる際に必ず同じ表記、統一させましょう。
NAPを統一させておくことで、MEOでの上位表示における重要な要素の1つ、視認性・認知度を高められます。
Googleビジネスプロフィールに記載する情報と、自社サイトやSNSで使う自社情報にズレがないか、必ず確認しておきましょう。
写真や動画などのイメージを拡充
基本情報を登録し終えたら、次は写真や動画などユーザーの目を引くものを用意します。
飲食店であれば美味しそうな料理の写真、企業の紹介なら清潔感のあるオフィスの写真を用意しましょう。SEOとは違い、ユーザーが検索エンジンを使い、検索結果が表示された時点で目に入る画像です。魅力的な画像を用意することでクリック率をアップさせましょう。
動画をアップロードする際は、最大30秒までのもので、ファイルサイズは100MBまでとなっています。テキストや画像を挿入する場合は、画面端の10%に限り使用できます。
動画が荒いとユーザーには見づらくなるため、解像度は最低でも720pが必要となることを覚えておきましょう。
口コミや評価レビューを集める
MEOをスタートさせて、顧客獲得ができるようになったら口コミや評価レビューを入れてもらいましょう。
先にご紹介したように、MEOで上位表示させるためには、口コミや評価が重要です。来店してくれた顧客には、Googleビジネスプロフィールがあることをアピールし、口コミやレビューを入力してもらいましょう。
以上、MEO対策の具体的な施策をご紹介しました。最後に、これらの施策を進める上で、知っておくべき注意点があるので、解説します。
MEO対策での注意点
MEO対策には、守らなければならない注意点があります。
これからGoogleビジネスプロフィールを作成する方だけでなく、すでにアカウントを持っていてMEO対策を進めている方も、以下にご紹介するいずれかに触れていないか、チェックしてみましょう。
Googleビジネスプロフィールのコンテンツガイドラインを守る
先にご紹介させていただいた通り、Googleビジネスプロフィールには守らなければならないガイドラインが設けられています。
違反すると突然、情報が消えてしまうペナルティを受けることもあります。 ユーザーを混乱させるような情報や、情報量の薄い内容、キャンペーンやURLを記載してはいけません。
ガイドラインを守りつつ、出来る限り自社について詳細な情報をGoogleビジネスプロフィール上に記載しておきましょう。
掲載情報を常に最新のものへ更新し続ける
MEO対策の重要なポイントに、「情報を最新の状態に維持すること」があります。
Googleビジネスプロフィールの登録が無料のツールであり、MEO対策にもリソースと時間が必要ではあるものの、Web広告のように高額なランニングコストはかかりません。
Googleマップ上に表記される内容である住所や電話番号は、頻繁に変わることはありません。
しかし、だからといって何年もの間、Googleビジネスプロフィールの情報が更新されないままでは、ユーザーへの印象が悪くなります。
小さな変化でも、更新できる内容やニュースがあれば情報を新しいもの替え、写真や動画を掲載しているならこまめに最新のものをアップし、最新情報を維持し続けましょう。
まとめ
MEOは、ターゲット(=顧客)が同じ地域で暮らすユーザーの場合、このページでご紹介したポイントを抑えながら対策を進めることで、SEOよりも上位表示させやすく、成果につながりやすいWebマーケティング手法です。
実店舗を持つ企業にとって、メリットの多い施策であり、SEO対策と並行して進めていくべき施策と言えます。
「MEO」や「ローカルSEO」については耳にしていたものの、着手すべきか迷っていらっしゃるなら、ぜひ今すぐにGoogleビジネスプロフィールに登録しましょう。
顧客を第一に考えた運営をしている企業なら、上位表示を狙えます。 MEOで地域No.1を目指しつつ、SEO対策にも注力し、業界No.1を目指しましょう。
MEO、ローカルSEOのファーストステップとなるGoogleビジネスプロフィールの登録方法については、以下のページに詳しくまとめていますので、ぜひ、ご一読ください。