カスタマージャーニーは必要?作り方をご案内します

カスタマージャーニーとは、顧客が商材を知ってから情報収集・比較検討・購入・利用・再購入に至るまでの思考と行動の流れを、時系列で整理したものです。

この流れを見える化すると、どの段階で何に迷い、どの接点で意思決定が進むのかが分かります。単に「購入までの導線」を考えるのではなく、認知前後の不安、比較時の判断軸、購入後の満足や不満まで含めて設計するのがポイントです。

この記事では、カスタマージャーニーの基本概念から、カスタマージャーニーマップの見方、作り方、注意点、参考になる事例までを順番に整理します。自社のマーケティング施策にカスタマージャーニーを活かしたい方は、ここからはじめていきましょう。

この記事の監修者
株式会社EXIDEA 代表取締役社長
小川 卓真
SEO歴20年。2006年にSEOツールの開発企業を共同創業して以来、SEOを軸にデジタルマーケティングに従事。2013年に「株式会社EXIDEA」を設立。現在はEXIDEAの代表取締役社長として、Webメディア事業、マーケティングDX事業、オールインワンSEOツール「EmmaTools」の事業に携わる。
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EmmaBlog執筆者

この記事でわかること

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客の商材に対する思考や行動を時系列に沿って可視化したものです。

具体的には、顧客が商材と出会い、興味を持って情報を集め、複数の他社商材と比較した上で購入を決意し、実際に利用した後に満足してもらい再購入や友人、知人などへ情報拡散をしてもらうまでの流れを指します。

この間に、顧客がさまざまな「体験」をすることから旅に例え、カスタマージャーニー(日本語では顧客の旅)と呼ばれます。

実務では、この流れを単なる一直線の導線として扱わないことが重要です。たとえばBtoB商材では、資料請求の前に比較記事を読み、社内稟議の段階で再び検索し、導入後に活用方法を調べ直すことも珍しくありません。だからこそ、1回の接触だけでなく、複数回の接点を前提に設計するほうが現実に合います。

カスタマージャーニーは古い?

結論から言うと、カスタマージャーニーは2026年の今でも古くありません。むしろ、接点が増えた今だからこそ、顧客理解の土台として重要性が増しています。

顧客が商材を購入し、継続的な利用を続けるまでの流れはカスタマーエクスペリエンス(Customer Experience、CX)と呼ばれるもので、その設計にカスタマージャーニーが必要になります。

インターネットが普及しはじめた20世紀末ごろから広がったCXの考え方は、デジタル接点の増加とともに発展してきました。その一方で、昨今は「カスタマージャーニーはもう古い」「Webマーケティング全盛時代にそぐわない」という声も見かけます。

たしかに、スマートフォン、動画、SNS、口コミ、比較サイト、Web広告など接点が増えたことで、顧客は必ずしも教科書どおりの順番では動きません。たとえば、X(旧Twitter)や動画広告でキャンペーンを知り、そのままLPで購入するケースもあります。

しかし、カスタマージャーニーは顧客の実際の行動に合わせて更新していくものです。順番が前後したり、途中の比較検討が短くなったりしても、「どの接点で何を感じ、何が意思決定を後押ししたか」を整理する考え方そのものは変わりません。

そのため、カスタマージャーニーが古いということはなく、Webマーケティングにおいても重要であり、正しく活用すれば高い効果を期待できます。

当社でもコンテンツ改善や導線設計を見直す際、成果が伸びない原因は施策不足より「どの段階の顧客に向けた情報なのか」が曖昧なことにあるケースが少なくありません。カスタマージャーニーを整理すると、認知向けの記事なのに比較検討向けの訴求をしていた、といったズレが見つかりやすくなります。

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーを語る上で欠かせないものが、カスタマージャーニーマップです。

カスタマージャーニーマップとは、カスタマージャーニーを作成する際、顧客の心理が時系列によって変化していく様を表にしたものです。

例えば、①顧客と商材の出会いから、②興味を持ってもらい、③情報を集めることで購買意欲を高め、④複数の選択肢を比較しながら、⑤自分に合ったベストの商材を選びます。さらに、⑥実際に使用し、満足度が高ければ再購入や情報の拡散に至ります。

カスタマージャーニーは概念ですが、マップにすると「どのフェーズで」「どんな感情があり」「どの接点があり」「何を打ち手にするか」を1枚で共有できます。マーケティング部門だけでなく、営業、CS、開発、制作が同じ前提で会話しやすくなる点も大きな利点です。

具体的にカスタマージャーニーマップのサンプルを作成してみました。

カスタマ―ジャーニーマップサンプル

あくまで簡単な情報のみを掲載したカスタマージャーニーマップですが、このように可視化したことで、どのようなものかイメージは伝わったのではないかと思います。

カスタマージャーニーの目的

では、カスタマージャーニーを作成する目的は何なのでしょうか。ここでは、カスタマージャーニーを作成する目的を4つに分けて紹介します。

顧客の検索意図をより深く理解できる

1つ目のカスタマージャーニーを作る目的は、顧客の検索意図を深く理解できるからです。

カスタマージャーニーを作成すると、顧客の思考を段階ごとに把握できます。顧客が商材に関わるきっかけや興味を持って調べようとする際に、何を考え、知ろうとしているかを整理しやすくなります。

検索意図を把握することは、SEOを含むWebマーケティングにおいても非常に重要です。

カスタマージャーニーを作成することで、商材の購入に至るまで、ユーザーの心理が変化するそれぞれの段階でどのような検索意図を持っているか、深く理解することができます。

たとえば「SaaS 勤怠管理」で検索する人でも、認知段階なら「何ができるのか」を知りたいだけかもしれません。一方で比較段階なら「他社との違い」「料金」「導入の手間」を見ています。同じテーマでも、フェーズが違えば必要な情報は変わります。

Googleも、ユーザーが何を求めているかを理解したうえで役立つ情報を届けることを重視しています。

⇒検索意図の詳細は、検索意図とは?AI時代のニーズを知ることの重要性や種類、調査方法で詳しく解説しています。

顧客の心理変化に合わせた施策を明確化できる

2つ目の目的は、顧客の心理変化に合わせた施策を明確化できるからです。

商材購入に至るまで、顧客の心理は変化します。それぞれの心理に合わせてアプローチすることで、商材の購入を促しやすくなります。例えば、まだ商材を利用することで悩みを解決できるものの、その存在を知らない顧客には、検索広告やSNS広告、動画、比較記事などを通じて認知してもらう必要があります。

一方で、すでに興味を持っている顧客には、導入事例、料金表、FAQ、無料トライアル、問い合わせ導線のほうが効きます。つまり、同じ予算を使うとしても、どの段階の顧客に何を届けるかがずれると成果は出にくくなります。

このように、カスタマージャーニーを作成することで、顧客の心理変化に合わせた明確なマーケティング施策を用意できます。

社内で共通認識を持てる

3つ目の目的は、社内で共通意識を持てるためです。

マーケティングでは、商材の開発から告知や販売、カスタマーサービスまで共通認識を持つことが重要です。例えば、開発部は悩みを解決するための商材を作成します。営業担当はいかに悩みが解決できるかをアピールし、販売します。顧客から問い合わせがあれば、悩みを解決できることを伝えることで購入意欲を高めることができます。

このように、カスタマージャーニーを作成することで、社内で共通認識を持ち、一貫性のある対策を打つことができます。

実務でよくあるのは、広告では「手軽さ」を訴求しているのに、営業資料では「高機能さ」を前面に出し、導入後サポートでは別の価値を説明してしまう状態です。顧客から見ると、接点ごとに言っていることが違うように映ります。マップがあると、各部門の役割分担と訴求のつながりを揃えやすくなります。

顧客の信頼獲得につながる

4つ目は、顧客の信頼獲得につながるからです。

カスタマージャーニーを作成すると、顧客の信頼変化を段階的に俯瞰することができます。それぞれの段階で顧客に対し、適切なアプローチができていれば、商材に対する購入意欲が高まります。また、購入後の顧客対応を含め、一貫性のある対策を行うことで商材や自社に対する信頼を得ることができます。

もし、いずれかの段階でカスタマージャーニーから外れた案内をしてしまうと、違和感を感じた顧客は商材の購入をしないだけでなく、信頼を失う可能性にもつながります。

顧客の信頼獲得は、商材の購入だけでなく、認知拡大や口コミにも影響します。

マーケティング戦略を立案する際は、カスタマージャーニーを作成し、顧客の心理に合わせたアプローチを行い、商材や自社の信頼獲得につなげましょう。

このテーマで特に重要なのは、購入前だけでなく購入後まで含めて設計することです。問い合わせ前の説明が丁寧でも、導入後の案内が不足していると満足度は下がります。逆に、利用開始後の不安を先回りして解消できる企業は、継続率や紹介率まで伸ばしやすくなります。カスタマージャーニーは集客の図ではなく、関係構築の設計図として見ることが大切です。

カスタマージャーニーマップの作り方

それでは、カスタマージャーニーマップの作り方を紹介します。ここで紹介する手順を踏めば、初心者の方でもカスタマージャーニーマップを作成できるのでぜひ、トライしてみてください。

ペルソナを具体的かつ明確にする

まず、商材を購入してもらうターゲットとなる「ペルソナ」を設定します。ペルソナとは、商材の理想的な顧客像を具体的に想定した人物像のことです。

ペルソナを設定する際は、主に以下の項目を具体化します。

ペルソナの設定項目
  • 性別
  • 年齢
  • 職業
  • 年収
  • 休日の過ごし方
  • 現在の悩み

商材をアピールするターゲットが明確になることで、心理変化に合わせた段階ごとのアプローチ方法を選びやすくなります。

ただし、項目を埋めること自体が目的ではありません。重要なのは、その人物が「どんな場面で困り」「何を比較し」「何が不安で止まるのか」まで見える状態にすることです。BtoBなら担当者個人だけでなく、上司や決裁者の視点も影響するため、実際には複数人の意思決定を前提に考えると精度が上がります。

フレームを作成する

具体的なカスタマ―ジャーニーマップ例

次に、カスタマージャーニーマップの型枠となるフレームを作成します。

先に紹介したカスタマージャーニーマップに段階(フェーズ)とそれぞれに合わせた施策の項目を加えたものです。縦軸は顧客の思考や行動、接点に変更し、横軸に時系列によって変化するフェーズ(段階)を認知、興味・関心、教育、比較・検討と購入、利用に変更しています。

フレームは複雑にしすぎないことが大切です。最初は「フェーズ」「行動」「感情」「接点」「施策」程度でも十分です。項目を増やしすぎると、作ることに時間がかかる一方で、運用されない表になりやすくなります。

ペルソナの行動や感情を洗い出す

続いて、各段階での顧客の思考や感情、取るであろう行動を入力します。

担当者同士でブレストを行い、リアルなカスタマージャーニーを目指します。それぞれの段階における顧客との接点がある部署に協力してもらうと、より現実に近いものになります。また、ペルソナと同じような年齢や性別、悩みを持つ同僚からの意見も重要になります。

その他、ペルソナの行動や感情を入力する際、新規顧客との商談時にヒアリングすることや既存顧客へアンケートを取る方法も効果的です。

ここで精度を上げるには、想像だけで埋めないことが重要です。問い合わせ内容、商談メモ、チャット履歴、レビュー、解約理由など、実際の顧客の言葉をできるだけ多く使うと、机上の空論になりにくくなります。当社でもこの工程では、社内の仮説だけで進めず、問い合わせ時の質問傾向や営業現場で出る比較ポイントを見直すことがあります。

ペルソナとの接点および施策を策定する

フレームの縦軸・横軸が入力したら、ペルソナと商材との接点を探ります。

Webサイトや広告、SNS、展示会など、どのようなチャネルで顧客が商材との接点を持つ可能性があるか、具体的な情報を入力します。その上で、接点ごとの施策を検討し、明確化します。例えば、まだ商材を知らない顧客と、すでに商材を知っており、購入意欲が芽生えている顧客は、接点もそれに対する施策も異なります。

各段階ごとの検索意図を分析し、最適な対策を用意しましょう。

2026年時点では、検索、SNS、動画、メール、コミュニティ、比較サイト、生成AI経由の情報接触など、接点はさらに分散しています。そのため、チャネルを並べるだけでなく、「その接点で顧客は何を期待しているか」までセットで考えることが重要です。たとえば検索では比較材料、SNSでは共感、導入後メールでは活用支援が求められやすい、といった違いがあります。

⇒Webマーケティングの戦略を整理したい場合は、Webマーケティングの戦略立案方法を解説も是非参照ください。

PDCAを回し施策を改善する

ここまでの流れで、カスタマージャーニーマップの基本形はできあがっているはずです。あとは、各施策に対してPDCA(Plan-Do-Check-Action)を繰り返し、失敗した部分は反省を活かしつつ、成果につながるものを残し、各項目における最善策を見つけ出しましょう。

また、結果に応じて適宜、カスタマージャーニーマップを見直すことも重要です。

特に見直したいのは、想定した導線と実際の行動がずれていないかです。認知向けコンテンツの直帰率が高い、比較ページの閲覧後に問い合わせへ進まない、購入後の解約率が高いといった数字は、ジャーニーのどこかに摩擦があるサインです。

2026年時点では、GA4の探索レポートやパス分析を使うと、フェーズごとの離脱ポイントを定量的に把握しやすくなります。たとえば「認知→興味」の段階で離脱率が高ければ、記事の内容ではなく導線やCTAの位置に問題がある可能性があります。また、生成AIを経由した流入が増えている領域では、従来の検索→記事→CVという導線とは異なるジャーニーパターンも出てきているため、流入経路別の行動を分けて見ることが重要です。マップは一度作って終わりではなく、運用しながら更新する前提で扱うのが現実的です。

⇒アクセス解析については、アクセス解析とは?目的や指標の見方、注意点を解説も参考にしてみてください。

カスタマージャーニーを作る際の3つの注意点

続いて、カスタマージャーニーを作る際、やってしまいがちな3つの注意点を紹介します。

企業目線で作成しない

カスタマージャーニー作成時の注意点、1つ目は、企業目線でカスタマージャーニーを作成しないことです。

カスタマージャーニーは、顧客視点で作るからこそ商材を購入するまでの顧客の心理や行動の変化がわかります。企業目線でカスタマージャーニーを作ってしまうと、どうしても営業意識が強くなってしまい、顧客の思考や取るであろう行動が見えづらくなります。また、営業のみを意識してしまうと、顧客に売りたいものを押し付ける形になり、顧客が求めるものが何かを無視してしまう可能性もあります。そうしたアプローチは、成約率を下げるだけでなく、商材や自社への信頼を失うことにつながります。

カスタマージャーニーは、1人の顧客になったつもりで「何を知りたいか」「どういうことができると嬉しいか」を考えながら作成しましょう。

最初から細かく作り込み過ぎない

2つ目の注意点は、最初から細かく作り込みをしないことです。

前提として、カスタマージャーニーに「正解」はありません。また、カスタマージャーニーの型枠は同じでも、細かな思考や行動、それに対する施策はペルソナごとに異なります。

そのため、カスタマージャーニーはできる限りシンプルなものを作成し、施策を打つことを優先させます。実際に施策を打ち、結果に合わせて内容をブラッシュアップさせ、ベストなカスタマージャーニーを生み出すことが最も重要です。

最初から細かく作り込みすぎてしまうと、作成の途中で挫折したり、柔軟な対応ができなくなったりする恐れがあるので注意してください。時間をかけすぎずシンプルなカスタマージャーニーを作り、それに従った施策を打って改善し続け、最善の結果を得るよう心がけましょう。

カスタマージャーニーの作成で満足しない

3つ目の注意点は、カスタマージャーニーを作成したことで満足しないことです。

シンプルなカスタマージャーニーであっても、作成には時間を要します。時間をかけて作成していると、いつの間にか「カスタマージャーニーを作ること」が目的になってしまうことがあります。

カスタマージャーニーは、マーケティング施策を打つための準備に過ぎません。作成したカスタマージャーニーに沿った施策を打つことが重要であることを忘れないでください。

ペルソナの設定やカスタマージャーニーマップの作成などの作業そのものに満足せず、そこから「最善のカスタマージャーニー完成に向けスタートする」ということを理解しておきましょう。

【テンプレート紹介】カスタマージャーニーマップの例

カスタマージャーニーマップを作成するにあたり、実際に企業で使われたカスタマージャーニーマップのサンプルを3つ、紹介します。業界やペルソナなどの違いはありますが、自社のカスタマージャーニーマップ作成に向けたインスピレーション獲得にお役立てください。

中部国際空港セントレア

カスタマ―ジャーニー事例中部国際空港セントレア
引用元:https://noren.ashisuto.co.jp/seminar/report/1187443_1574.html

1つ目は、愛知県の中部国際空港セントレアがWebサイトを立ち上げる際に作成したカスタマージャーニーマップです。

横軸を時系列(フェーズ)、縦軸にユーザーの思考や行動、インサイトが並んでいます。週末に楽しめる場所を探すカップルが空港でも遊べることを知り、何ができるかを確認した上で、どうすれば到着できるか、また到着後に満足してもらえる情報とは何かをそれぞれの段階に対する施策としています。

非常に分かりやすいサンプルなので、初めてカスタマージャーニーマップ作成にチャレンジする初心者の方はぜひ、参照にしてみてください。

この事例の参考になる点は、移動施設としての空港ではなく、「週末の過ごし方を探す」という上流のニーズから設計していることです。自社の商品カテゴリだけを見るのではなく、顧客がその前段階でどんな目的を持っているかまで広げて考えると、認知施策の精度が上がります。

スターバックス

カスタマ―ジャーニー事例スターバックス
引用元:https://medium.com/nyc-design/are-you-getting-the-right-starbucks-experience-redesigning-the-starbucks-singapore-app-2cd07e1ff53d

2つ目は、コーヒーショップ「スターバックス」のカスタマージャーニーマップです。

これまで紹介したカスタマージャーニーマップと見た目の違いはありますが、上段のStageが段階(フェーズ)、下段のActivityがペルソナの取る行動となっています。

お店に向かう顧客が友人に電話し、来店後は友人と席を見つけてオーダー、列に並んで支払いを済ませ、飲み物を受け取って席に着くまで、非常に細かく顧客の心理変化を記載しています。最下部には、顧客の各段階ごとの心理変化として、抱えるであろう悩みやトラブルに触れ、満足度の変化を示しています。これらを解決する施策を打つことで顧客満足度を高め、さらなる集客やブランドに対する信頼度獲得を目指しています。

飲食関係のビジネスを立ち上げる際に役立つサンプルとなっています。

このタイプの事例は、購入前より利用中の体験設計に強みがあります。席探し、待ち時間、受け取り導線のように、売上に直結しにくく見える細部が満足度を左右するため、店舗型ビジネスでは特に参考になります。

レイルヨーロッパ

カスタマ―ジャーニー事例レイルヨーロッパ
引用元:https://www.uxforthemasses.com/wp-content/uploads/2017/01/RailEurope_AdaptivePath_CXMap_FINAL.pdf

3つ目は、ヨーロッパの鉄道チケットを販売するレイルヨーロッパのWebサイト立ち上げに、Adaptive Pathというコンサルティング会社が用意したカスタマージャーニーマップです。

横軸は旅行に関する時系列ごとの段階(フェーズ)、縦軸はそれぞれの段階におけるユーザーの心理や思考、取るであろう行動と、それぞれの接点で顧客に対し、何を考えるべきかが記載されています。

旅行を計画し、鉄道チケットを予約、実際に鉄道を利用してもらい、その後、利用しなかったチケットの払い戻しについて言及しており、それぞれのタイミングでどのように対応すれば顧客満足度を高めることができるか、質問形式で並んでいます。

上記の3つの事例からもお分かりいただけるように、カスタマージャーニーマップの基本的な枠組み、ペルソナの設定と段階(フェーズ)および心理や行動の変化、それらに合わせた施策の準備という枠組みに大きな変わりはありません。

基本的な枠組みからカスタマージャーニーマップを作り、その内容に従って施策を実行する中で、適宜アップデートしつつ、実際に運用してみましょう。

⇒オウンドメディアでの活用を考えたい方は、オウンドメディアのSEO対策方法もあわせてご覧ください。

よくある質問

カスタマージャーニーとペルソナの違いは何ですか?

ペルソナは理想的な顧客像で、カスタマージャーニーはその顧客が認知から購入後までどう動くかを整理した流れです。誰に向けるかがペルソナ、どう動くかがカスタマージャーニーと考えると分かりやすいです。

カスタマージャーニーマップはBtoBでも必要ですか?

必要です。BtoBは検討期間が長く、担当者・上司・決裁者など複数人が関わるため、むしろ整理の効果が出やすいです。資料請求前後や稟議段階の不安まで含めて設計すると、施策の抜け漏れを防ぎやすくなります。

カスタマージャーニーはどのくらい細かく作ればよいですか?

最初は大まかで十分です。認知、興味関心、比較検討、購入、利用後のように主要フェーズを整理し、実際の運用データを見ながら細かくしていく進め方がおすすめです。

カスタマージャーニーとカスタマーエクスペリエンスの違いは何ですか?

カスタマーエクスペリエンスは顧客が企業との接点全体で得る体験そのものです。カスタマージャーニーは、その体験がどの順番で起きるかを整理するための考え方や設計図に近いものです。

カスタマージャーニーを作っても成果が出ないのはなぜですか?

作成しただけで施策や検証に落とし込めていないケースが多いです。また、顧客視点ではなく社内の仮説だけで作っていると、実際の行動とずれやすくなります。運用データや顧客の声をもとに更新していくことが重要です。

まとめ

カスタマージャーニーは、顧客が認知から購入、利用後までどのように考え、行動するかを整理するための考え方です。2026年の今も古い概念ではなく、接点が複雑になったからこそ、施策の優先順位を決める土台として役立ちます。

大切なのは、最初から完璧なマップを作ることではなく、シンプルに作って実際の施策と検証につなげることです。顧客視点で見直しを続ければ、検索意図の理解、導線改善、社内連携の精度が上がっていきます。

カスタマージャーニーをこれから設計したい方は、まずは1つの商材と1人のペルソナに絞って、小さく作るところから始めてみてください。これまで多くのWebメディアを作成し、成功に導いてきた弊社が作成した、SEO対策を含むカスタマージャーニーの作り方をまとめた資料も以下からご活用いただけます。