オウンドメディアを使った集客方法

オウンドメディアを運用しようと思っている、または既に運用をしている方で「どのように集客に繋げればいいんだろう?」とお悩みの方は多いかと思います。

オウンドメディアの集客方法は多岐にわたり、また、それらを理解しようと思っても専門用語が多く初心者が理解するにはあまり易しくありません。

そこでこのページでは、30以上のオウンドメディア運用経験を持つ弊社が、実際にオウンドメディアを運用してわかった集客方法や、集客に繋がりやすいコンテンツの作り方、成功事例を紹介します。

オウンドメディア集客にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

オウンドメディアマーケティングの優位性

そもそもオウンドメディアとは

オウンドメディアとは、企業が所有するメディアの総称。企業のコーポレートサイトやブログなどがオウンドメディアに該当します。

オウンドメディアと関連度の高い言葉に、トリプルメディアがあります。

これは、①オウンドメディア、②アーンドメディア(SNSなどのユーザーの評判がわかるメディア)、③ペイドメディア(広告などの費用を支払って掲載するメディア)、の3つを差す言葉です。

トリプルメディア
種類 ①オウンドメディア ②アーンドメディア ③ペイドメディア
定義 企業が保有する発信媒体 顧客などの第三者が発信するメディア 企業が広告費を支払いして掲載してもらうメディア
・企業の記事ブログ ・インフルエンサーのソーシャルメデイア・オンラインのレビュー(レストランはRetty、商品はAmazonなど) ・Google広告
・Facebook、インスタグラムなどのソーシャル(SNS)広告
特徴 ・企業によるコンテンツのコントロールが可能
・長期継続が可能
・コストパフォマンスに長けている
・企業による発信コンテンツのコントロールができない
・第三者が発信するため、情報源として信頼されている
・即効性が高い
・ユーザーの広告離れが進んでいる

Webマーケティングで成果を出すには、これらのメディアのメリット・デメリットを理解し、ターゲットや目的に合わせて活用することが重要になります。

では、オウンドメディアのメリット・デメリットとはどんなものでしょうか。見ていきましょう。

オウンドメディアのメリット

オウンドメディアの最大のメリットは、幅広い目的や課題に合わせた集客方法が行えるということです。

「つまりどういうこと?」と疑問を持つ方もいますよね。より理解しやすくするために、以下の図をご覧ください。

AIDMA モデル

ターゲットとなるユーザーを集客に繋げるまでは、以上のような心理・行動フローを辿ります。

例えばテレビCMやYoutubeなどの動画広告は、その媒体を見ているユーザーに幅広くリーチができるので、認知拡大には効果を発揮します。

一方、ニーズが顕在化している(商品Aを既に検討している)ユーザーに対してピンポイントでリーチすることは不得意です。

では、オウンドメディアはどうでしょうか。

オウンドメディアはコンテンツの自由度が高く、認知段階からニーズが顕在化したユーザーまで、どのファネルにいるユーザーに対してもコンテンツを作成することが可能です。

例えば、商品Aで収益を得ることを目的としたオウンドメディアがあるとします。

この場合、商品を知らない潜在顧客に関しては、オウンドメディア内で関連するお役立ちコンテンツを作成し、その中で商品Aを紹介して認知を広めることができます。

また、商品を認知しているユーザーに対しては、「商品Aとは」がわかるコンテンツを作成して、購買に繋げることが可能です。

ポイントに合わせたコンテンツ作り

以上のように、オウンドメディアはどのファネルにいるユーザーに対しても、アプローチできる柔軟性があるのです。

さらに、オウンドメディアは集客方法の選択肢が広いというメリットもあります。

例えば、SEOを狙ったコンテンツを作成して集客をする、コンテンツを広告に出して集客をするなど、状況や目的に応じて様々な集客方法が実施可能です。

オウンドメディアのデメリット

以上のようなメリットのあるオウンメディアですが、もちろんデメリットもあります。それは、集客に繋げるためには運用リソースが必要ということです。

オウンドメディアは、Webサイトを制作をして終わりではなく、コンテンツを継続的に上げることや、作成したコンテンツを改善していくことで徐々に効果を発揮します。

実は、オウンドメディアを立ち上げた会社で、「社内の運用リソースがなかった」「運用方法がわからない」という会社は意外と多いのです。

オウンドメディアで集客をするには運用リソースが必要であるということは、しっかりと認識しておきましょう。

では、実際にオウンドメディアで集客したいとなった場合、どんな方法があるのでしょうか。ここからは、オウンドメディアでの集客方法を具体的に見ていきましょう。

オウンドメディアの集客方法を考える前に

集客方法をご紹介する前に、担当者が意識しておくべきことがあります。それは、「オウンドメディアのゴール(運用目的)を明確に定義し、常に意識すること」です。

オウンドメディアを継続的に運用していくとアクセスが徐々に増えていき、多くのユーザーの目に留まるようになります。

するといつの間にか、「アクセスが増える=オウンドメディアの成功」と、勘違いしてしまうことがよくあります

しかし、オウンドメディアの運用は、新規顧客の獲得や商品の購入、問い合わせの増加など自社で抱えている何らかの課題を解決するために行うもので、それが「自社オウンドメディアのゴール」であるはずです。

アクセスだけが増え、肝心の新規顧客の獲得や商品の購入、問い合わせ増加が実現できず、オウンドメディアの施策自体がクローズしてしまうといったケースはいくつもあります。

そのため、集客方法を決める前に、まずは何のためにオウンドメディアを運用するのか、その目的を明確にしましょう。

運用目的から集客方法を考える

また運用の目的によって、最適な集客方法も異なってきます。例えば、認知獲得や顧客のファン化であれば、SNSは有効な施策ですし、顕在層の獲得であればSEOからの集客は効果的です。

オウンドメディア施策自体を成功に導くためにも、まずはゴールを明確にすること、そしてゴールを意識しながら運用を続けることが大切です。

オウンドメディアの集客方法

オウンドメディアの集客方法は、主に以下の3種類あります。

  • SEO(検索エンジン)からの集客
  • SNSからの集客
  • Web広告からの集客

それぞれ詳しく見ていきましょう。

SEO(検索エンジン)

多くのオウンドメディアで、集客方法として用いられているのが、SEO対策です。記事コンテンツを検索エンジンで上位表示させることで安定的に集客をすることが可能になります。

ユーザーが特定のキーワードで検索を行い、オウンドメディアに流入してくるため、「商品やサービスを探している」「課題や悩みを抱えている」といったニーズが顕在化したユーザーに効率よくリーチできます。

SEO対策において、最も重要なのが"ユーザーにとって有益なコンテンツを作成すること"。大量の記事を制作すれば、流入が増えるのではなく、ユーザーのニーズを満たす高品質な記事を制作することが大前提です。

有益なコンテンツであることを評価する要素には、以下のものがあります。

  • 記事の滞在時間
  • どこまで記事を読んだか
  • どの記事に遷移したか 等

検索したユーザーがその目的を達成できる(どの商品を買うべきかわかる、知りたい情報が得られる等)コンテンツを作成することで、それが評価され、検索順位の上位に表示され、結果オウンドメディアの集客につながるのです。

では、「上位表示すると、どれくらいの集客効果が見込めるの?」という話ですが、〇〇によると、検索結果1位の時、そのクリック率は平均20%にも昇ると報告されています。

検索順位とクリック率の違い

引用元:https://www.internetmarketingninjas.com/blog/google/announcing-2017-click-rate-study/

仮に月間検索ボリュームが10,000のキーワードで1位に表示された場合、オウンドメディアへの集客数は2,000になる計算です。(あくまでも目安で、Googleの他にYahoo!・Bingなどの検索エンジンを利用するユーザーもいるため、実際の流入数は2,000を超えることがほとんどです。)

デメリット

SEOは良質なコンテンツを作成することで、多くの良質なユーザーを集客することができるオウンドメディアの代表的な集客方法ですが、一方でデメリットもあります。

  • 上位表示するまでに時間がかかる
  • 順位変動が定期的に起こる
  • YMYL領域では高い権威性・専門性が求められる

まず、上位表示するまでに時間がかかることが挙げられます。

Googleにオウンドメディアの存在を認識して正しく評価を受ける必要があり、これに多くの時間を要します。

特に新規でドメインを取得してサイトを立ち上げる場合は、数ヶ月~1年程度の時間がかかりますので、継続的にオウンドメディアを運用する根気が求められます。

次に、Googleのコアアップデートと呼ばれる検索アルゴリズムの変更で順位変動が定期的に起こることもデメリットです。

いつどのタイミングで起こり、順位がどう変動するかも読めませんし、どう対策すればいいかもその都度考えなければなりませんので、手間がかかります。

最後に、YMYL領域(YourMoneyYourLifeの略)においては特に上位表示が難しいということも覚えておきましょう。

YMYL領域とは、健康・医療分野や金融など、お金や人生に影響を与える領域を指し、この分野で上位表示するには、その分野の専門家の監修を受けることを大前提とし、権威性・専門性が担保する必要があり、非常に難しいのです。

SNS(Twitter / Facebook / Instagramなど)

SEOと並び、オウンドメディアのメインとなる集客方法がSNSです。

Twitter、Facebook、Instagramなどの媒体で、オウンドメディアに紐付いたアカウントを作成・運用しフォロワーを獲得し、そのフォロワーに対して自社オウンドメディアの記事などを発信するという手法です。

SNS広告とは異なり、広告費用をかけずにあくまでもアカウントの運用のみで集客します。

自社の商品やサービスと親和性の高い固定ファンを獲得することができ、例えばフォロワーが1万人いたとすれば、単純計算で1回の投稿で1万アクセスを獲得することも不可能ではありません。

いいね・シェア・リツイート等による拡散力の高さもSNSの魅力で、拡散されればされるほどフォロワー以外のユーザーの目にふれる機会も多くなり、それまで自社サービスやオウンドメディアの存在を知らなかった潜在層・非認知層へのアプローチもできるようになります。

デメリット

一方でSNSにもデメリットはあり、安定的な集客が難しいことが挙げられます。

そもそもフォロワーを獲得するのは簡単ではありません。

たとえば2016年の調査によれば、日本国内のTwitterアカウントの平均フォロワー数はわずか466人で、2,000人以上のアカウントは全体のわずか6%しかありません。

※参照元:http://facebook.boo.jp/twitter-user-survey-2016

また、バズとよばれる短期的かつ爆発的に話題を集める減少はSNSの大きな魅力ですが、バズを起こすには世の中のトレンドやフォロワーの心理状態、興味関心などを的確に捉え、タイミングも必要になるので、非常に高いセンスが求められます。

ときにはユーザーの怒りや不信感など負の感情を買ってしまう「炎上」も起こってしまう可能性もあり、爆発的な拡散力と引き換えに、運用の難しさと安定的なアクセスを得るのが難しいという側面があることを覚えておきましょう。

Web広告

3つ目の集客方法が、Web広告からの流入です。

Web広告の種類には、リスティング広告、SNS広告、動画広告など様々あります。ここでは簡単に各特徴を紹介します。

リスティング広告

リスティング広告とは検索エンジンで検索してきたユーザーに対して掲載する広告のこと。

検索してきたユーザーに対してリーチできるので、コンバージョンに近いユーザーを集客できる点がメリットです。

SEOと違い、運用開始からすぐに上位表示することが可能ですが、その分費用がかかる点はデメリットといえるでしょう。

費用はクリック課金型(クリックされなければ費用が発生しない)ので、少額から運用開始してみるのもよいでしょう。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、一度Webサイトに訪れたユーザーに対して出すWeb広告のことです。

「一度検索した商品がその後広告にでやすくなった」という経験をした方もいるのではないでしょうか。

リターゲティング広告は、何度もユーザーにアプローチを繰り返すことができるので、集客に繋がりやすいという特徴があります。

  2018年にEUで施行されたGDPR(General Data Protection Regulation)では、リターゲティングに使うCookie情報は個人情報であると新たに制定されています。これは、いずれ日本でも適用される見込みです。

適用後はCookie情報の取得にユーザーの同意が必要になるため、リターゲティング広告がなくなるのでは、という懸念の声も上がっています。

SNS広告

TwitterのタイムラインやInstagramのストーリー内にでてくる広告がこれに該当します。SNS広告は、性別や年齢以外にも趣味嗜好などで、細かくターゲットを設定できるのが特徴です。

動画広告

Youtubeなどを見ていると流れてくるような、動画コンテンツを配信するWeb広告です。

動画広告は短時間で伝えられる情報量が多く、近年注目されているマーケティング手法の一つ。認知拡大や潜在層のターゲットに相性のいい広告です。

デメリット

Web広告を使っての流入を考える場合は、当然ながら広告費が発生しますので、費用対効果を考えなければいけません。

特に最近では、機械学習などを通して誰でも気軽にWeb広告の運用ができるようになったため、競合性が高まっています。クリック単価(CPC)も高くなっており、かけている広告費に見合わないというケースは多々あります。

車や住宅・金融商品といった高単価・高利益商材の場合、Web広告の活用は有効ですが、そうでない業種・業界の場合は、自社のビジネスモデルと照らし合わせて、十分な費用対効果がえられるかを検討しましょう。

どう運用するのがおすすめ?

ここまでオウンドメディアの集客方法について紹介してきました。では、自社サイトで実際に集客をする場合、どう運用していくのがベストでしょうか。

以下に各集客方法ごとのメリットデメリットや、運用方法をまとめました。方針決定の際にお役立てください。

SEO対策 有料広告 SNS
費用 無料 有料
(クリック課金)
無料
メリット 一度上位表示すると安定的な集客が見込める 即効性がある ブランディング、認知拡大に相性がいい
デメリット 効果がでるまでに数ヵ月かかる、SEOの専門知識が必要 費用がかかる フォロワー獲得に時間がかかる、必須ではないが企業ブランディングには効果的。
運用方法 長期的な視点で運用していく。集客数などの最終目標を決め、そこから逆算して対策キーワードや目標順位を決定する。 まずは少額から運用、結果を見て費用対効果が良いことがわかれば、費用を追加する ターゲットにより、利用するSNSを決定する。他のマーケティング同様、目的や目標の設定(オウンドメディアへの流入数や購入率など)を設定したのち運用を行う

有料広告は即効性がありますが、費用をかけ続けなければ、集客が途絶えてしまいます。そのため、SEO対策も同時に行い、安定的な集客に繋げるのがおすすめの運用方法です。

また、いずれの集客方法においても必要になってくるのが"コンテンツ"。では、オウンドメディアで集客を成功させるには、どのようなコンテンツを作成すればよいのでしょうか。

次項目より見ていきましょう。

集客効果を最大化させるコンテンツの作り方

ここまで紹介したオウンドメディアの集客効果を最大化させるには、質のいいコンテンツを作成することが重要です。

では、質の高いコンテンツはどう作るのでしょうか。見ていきましょう。

ペルソナを明確にする

コンテンツ作成において重要になるのが、ペルソナの設定です。ペルソナとは、ターゲットとなる人物像を明文化したもの。

年齢や性別に加え、趣味嗜好や利用しているアプリまで、細かく設定します。

・鈴木花子
・29歳
・都内在住
・夫、息子(2歳)と暮らしている
・Webマーケティング会社で働く
・休日はYoutubeで子育て系の動画を見る
・利用しているSNSはTwitter,Instagram

ペルソナを詳細に設定することで、「この人物はこんな悩みを抱えているから、商品のこのポイントを打ち出そう」など、コンテンツの企画がしやすくなります。

逆にここが曖昧なままだと、コンテンツを作成しても思うように集客に繋がらない可能性があるので、しっかりと設定をしましょう。

コンテンツを企画

ターゲットとなるペルソナが決定したら、その心理・行動状況に応じた元にコンテンツを企画していきます。

先ほど紹介したように、ユーザーが顧客化するまでには、以下のようなフローを辿ります。

集客に至るまでのユーザーの思考や行動変化

設定したペルソナが、各フローでどんなメディアや媒体を使い、何を検索しているのか等を書き出していきましょう。

そして、どんなメッセージが刺さるのかを考え、オウンドメディア内でできるコンテンツを企画します。

SEOコンテンツの作り方

企画ができたら、実際のコンテンツ作成をしていきます。中でも基本となるSEOコンテンツの作り方について簡単に紹介します。

SEOコンテンツ作成の流れ
    • キーワードを設定する

ペルソナの悩みから、どんなキーワードで検索しているのかを考え、キーワードを決定します。

    • 記事の構成を決める

キーワードの検索意図に沿った記事構成を作成します。

    • ライティングをする

記事構成に沿って、ライティングを行います。

以上が基本のSEOコンテンツの作成方法です。さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

SEOコンテンツの作成方法について詳しく見る

成功企業の事例紹介

オウンドメディアで集客を成功させている会社の事例を紹介します。

Mercan(メルカン)

メルカリのオウンドメディア

Mercanは、株式会社メルカリが採用マーケティングの一貫として立ち上げたオウンドメディアです。

メルカリで働く人へのインタビューや社内イベントの様子など、会社のリアルが伝わるコンテンツが数多くアップされています。

こういった採用系のオウンドメディアは、会社のブランディングやファンづくりに繋がることはもちろん、よりカルチャーにあった人を採用することにも繋がります。

また、会社のリアルな部分を知れることで、入社後のギャップが生まれにくいといったメリットもあります。

株式会社LIG(リグ)

LIGのオウンドメディア
株式会社LIGは都内のWeb制作会社です。コーポレートサイト内のドメイン下で、様々なコンテンツを作成し集客を成功させています。

例えば、お役立ちコンテンツを作成してSEOからの集客、面白コンテンツなどを作成してSNSでバズを起こし認知を拡大させる等、オウンドメディアの様々な集客方法を上手く活用しています。

結果、現在はIT業界では知らない人がいないほどの知名度を誇る企業となりました。

上記のオウンドメディアの成功事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

オウンドメディアの成功事例7選

オウンドメディアの集客方法まとめ

オウンドメディアの集客方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

オウンドメディアの集客には様々な手法があり、各特徴を理解した上で運用を進める必要があります。中でもメインになるのはSEO対策による集客です。

SEO対策はその方法が多岐にわたりますが、一度検索結果で上位になれば、安定的な集客が見込めます。無料で行えるマーケティング手法の一つなので、ぜひ取り組むことをおすすめします。