5分でわかる検索クエリとは?正しい意味やキーワードとの違いについて

検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンで入力した単語や文章などの語句すべてを指します。「キーワードと同じなのでは?」と思われがちですが、似て非なるものです。

検索クエリというワードは、SEO対策を行っているとGoogle AnalyticsやSearch Consoleなどのツールで見かけることになります。
意味を正しく理解することでユーザー動向を把握しやすくなり、効率的なSEO対策が可能です。

このページでは検索クエリの意味や調べ方、SEOを含むWebマーケティングでの活用方法をご紹介します。検索ユーザーが求める情報を見つける手がかりである検索クエリとは何かを一緒に確認していきましょう。
 

検索クエリとは?

検索エンジンで調べものをする際に、入力する単語や文章などを検索クエリといいます。
英語でクエリ(query)は、質問または疑問という意味があり、検索エンジンで調べたい単語や文章に関する質問や疑問と言い換えることができます。

一方、よく混同をされやすい「キーワード」と検索クエリは何が違うのでしょうか。続いては、検索クエリとキーワードの違いについて解説します。

検索クエリとキーワードの違い

SEO対策を進めていると、キーワードはユーザーが知りたい何かを調べるために検索エンジンに入力するものと思ってしまいがちです。しかし、本来、キーワードとは問題を解決するためのカギになる言葉、または何かを調べるための手がかりになる言葉を指します。

一方で検索クエリとは、検索エンジンを使ってデータ収集をするために入力する言葉であり、検索エンジンで使うためのワードです。

検索クエリとキーワードの違い
使用者 意味
検索クエリ ユーザー 検索エンジンにユーザーが入力する言葉 「東京でおすすめの夜景スポット」や「東京 夜景 おすすめ」など
キーワード
(SEO対策)
マーケター ユーザー検索意図を調べるための言葉 「東京 夜景スポット おすすめ」や「東京 夜景 名所」など

上記のように、検索クエリとキーワードはほぼ同じものを指しますが、主語をユーザーとした場合は、検索クエリとなります。

一方で、主語をマーケターにした場合、キーワードと表現するようになります。

また、検索クエリは1語だけでなく文章になることがありえるのに対し、キーワードは文章になることはなく、誤字脱字や表現のゆれを含みません。

以上が、検索クエリとキーワードの違いとなります。

検索意図に応じた検索クエリの分類

先程、検索クエリとキーワードの違いについて解説しましたが、検索クエリにはいくつかの種類に分けられます。
主に検索クエリは、ユーザーの検索意図によって以下の3種類に分類可能です。

検索クエリの種類
  • ナビゲーショナルクエリ(案内型)
  • トランザクショナルクエリ(取引型)
  • インフォメーショナルクエリ(情報型)

※参照元:Andrei BRODER,「 taxonomy of web search
それぞれを分かりやすく一覧表にしてみました。

検索クエリの分類
名称 目的 サンプル
ナビゲーショナルクエリ 特定のサイトへアクセスするための検索クエリ、Goクエリとも呼ばれる Amazon、Wikipedia、Yahoo!など
トランザクショナルクエリ 商品購入や問い合わせ、資料請求などを目的とした検索クエリ、Doクエリとも呼ばれる ノートパソコンおすすめ、留学 アメリカ、英会話教室パンフレット請求など
インフォメーショナルクエリ 何かの情報を知るための検索クエリ、Knowクエリとも呼ばれる SEO対策、料理作り方など

上記のように、ナビゲーショナルクエリは特定のサイトやページにアクセスするためのものになります。

例えば、AmazonやWikipediaのような、ユーザーがすでに情報を得ており、そのサイトやページに記載のある情報を見たいと思っているものが多いです。

次のトランザクショナルクエリは、何かを購入したい、やってみたいという行動を達成する際に検索されるものが該当し、コンバージョンにつながります。

例えば、「ノートパソコン おすすめ」や「留学 アメリカ」のように、すでに何かを購入したり、新しく始めたりするための基本情報は集めており、ユーザーが具体的な情報を知るためのワードが含まれる特徴があります。

最後のインフォメーショナルクエリは、文字通りデータ収集に使われるもので、知らないことについて知る際に検索されるものが該当します。

例えば、「~とは」や「使い方」など、意味や概念などを調べたい場合や、そのものの扱い方法などを知る為のワードが多いのが特徴です。

分類できない検索クエリ

検索クエリは必ずしも上記のいずれかにカテゴライズされるわけではなく、明確に分類できないこともあります。

例として「SEO」や「ノートパソコン」などの検索クエリが例外といえます。

検索クエリが「SEO」の場合、「SEOとは何かを知りたい」という検索意図からインフォメーショナルクエリといえる一方で、「SEOを進めたい」というトランザクショナルクエリともいえます。

「ノートパソコン」なら「最新のノートパソコン情報」というインフォメーショナルクエリと考えられるだけでなく、「買い替えるため、ノートパソコンの相場が知りたい」というトランザクショナルクエリも内包している可能性があります。

このように検索クエリは、検索意図(=目的)によってカテゴライズされます。新しくコンテンツを作成する場合は、対策キーワードがどのカテゴリーに分類されるかを意識し、ユーザーが求める情報、検索意図からズレないように書き進めましょう。

以上を踏まえ、この後に説明する検索クエリの調べ方と活用を確認していきましょう。

検索クエリの調べ方

自社サイトにユーザーがアクセスする際の検索クエリは、以下でご紹介する2つの無料ツールを使って分析可能です。

Search Console(サーチコンソール)を使った分析方法

Google Search Console

引用元:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja

まずは、ユーザーが自社サイトにアクセスする前の情報を集めることができるGoogle Search Consoleを使った検索クエリの調べ方から紹介します。

①Google Seaerch Consoleを開き、メニューバーから「検索パフォーマンス」内にある「検索結果」をクリックします。

②デフォルトで検索クエリが表示される設定になっているため、ユーザーが使用した検索クエリ一覧が表示されます。

各検索クエリの表示回数(検索エンジンを使ったユーザーの検索結果画面に表示された回数)とクリック数(検索結果画面から実際に自社サイトへアクセスした回数)も表示されます。

ページにアクセスしたユーザーがどのような検索クエリから流入しているかを調べる方法は、「検索パフォーマンス」をクリックし、「+新規」から「ページ」を選択します。検索クエリを調べたいページのURLをコピーして表示された空欄に貼り付けると一覧リストとして表示されます。

上記のように、Search Consoleを活用することで、サイト全体における検索クエリや各検索クエリの表示回数やクリック回数を確認することが可能です。

Google Analytics(グーグルアナリティクス)を使った分析方法

SEO分析ツール Google Analytics

引用元:https://analytics.google.com/analytics/web/#/

もう1つの検索クエリを確認する方法として、自社サイトへのアクセス情報を調査できるGoogle Analyticsをご紹介します。

先程ご紹介したGoogle Search ConsoleとGoogle Analyticsを連携することで、Google Analytics上でも検索クエリが確認可能です。Google Analyticsでは、ランディングページを基準に、各ページの検索クエリを確認できるため、ページ単位で検索クエリを把握する際に役立ちます。各ページごとの検索クエリを確認したい場合は、以下の手順から確認いただけます。

①まずはGoogle Analyticsを開き、管理画面からプロパティにある「プロパティ設定」からGoogle Search Console調整をクリックすると紐づけることができます。

②Search Consoleと紐づけできたら、Google Analyticsの左側メニューにある「集客」より「Search Console」をクリックします。

その後、「ランディングページ」をクリックすることで、自社サイトへ訪れたユーザーが、それぞれのページを検索した際に入力した検索クエリを確認できます。(左側メニューにある「検索クエリ」をクリックすることで、Search Consoleと同じように検索クエリを確認することも可能です。)

検索クエリの「other」とは?

Google Analyticsで検索クエリを調べていると、(other)と表示される項目が出ることがあります。
この(other)という項目は、Google Analyticsの計測上限数(無料版の場合50,000件)を超えた場合に表示され、集計外の検索クエリ(その他)があることを表します。

コンテンツ数の増加に伴い、検索クエリが増えてother表示が出てしまった場合、Google Analyticsをプレミアムアカウントにアップグレードすることで最大75,000件までの上限に変更できます。

以上が、検索クエリの調査方法となります。
 

検索クエリの活用方法

自社サイトへの検索クエリを調査すると、コンテンツSEOやリスティング広告、UI/UXへの活用が可能です。ここからは、具体的な検索クエリの活用方法を紹介します。

検索クエリの活用方法
  • コンテンツSEOに活用する場合
  • リスティング広告に活用する場合
  • UI/UXに活用する場合

コンテンツSEOに活用する場合

SEO対策を目的としたコンテンツを作成する場合に、検索クエリは既存のページがユーザーの検索意図と一致している否かを確かめるために活用できます。

対策キーワードを決めて作成したページにアクセスが発生している場合、正しくSEO対策ができていれば、検索クエリは対策キーワード、またはその関連キーワードとなります。

しかし、検索クエリの中に対策キーワードが含まれていないのであれば、ユーザーの検索意図からズレたページになっている可能性が高く、正しくSEO対策ができていない記事といえるでしょう。

もし、既存のページが本来の対策キーワードとは異なる他の検索クエリからアクセスが発生している場合、本来対策したかったキーワードに対する新規ページの作成が必要です。

加えて、本来の対策キーワードと検索クエリが大きく外れ、アクセスも発生していないページの場合は、対策キーワードに対するユーザーの検索意図を再考し、構成や情報を書き換える(リライト)作業を進めましょう。

その他に、検索クエリを見て新しく対策すべきキーワードの候補として活用することも可能です。検索クエリの月間検索数を調べ、検索ボリュームが多く、アクセス数の増加に繋がりそうなキーワードを見つけたら、新しいコンテンツを作成して自社サイトを成長させましょう。

リスティング広告に活用する場合

検索クエリはコンテンツ作成だけでなく、リスティング広告の効率化にも活用できます。

リスティング広告では、広告内容とユーザーの検索意図が近いほど品質スコアが高くなります。検索クエリを元にユーザーの検索意図を把握し、出稿キーワードの選定やランディングページの作成をすることで、広告効果を高めることが可能です。

リスティング広告の運用をお考えの場合は、自社サイトの検索クエリを常に把握し役立てましょう。

UI/UXに活用する場合

最後に、検索クエリはUIおよびUXに活用することもできます。UIはUser Interface(ユーザーが接触する部分)、UXはUser Experience(ユーザーの経験)の略です。

検索クエリが分かれば、そこからユーザーの検索意図を把握することができるため、ページのデザインや構成(流れ)、訴求分(キャッチコピー)をユーザーが求めている内容に寄せることができます。

例えば「SEOツール」の対策ページを作成し、その検索クエリに「SEOツール 順位チェック」や「SEOツール 競合分析」があるなら、コンテンツの内容を各機能ごとにツールを紹介する構成に変えることで、アクセスしているユーザーが欲しい情報に伝えることができるようになります。

また、サイトのトップページの検索クエリが「BtoB マーケティング コンサルティング」なら、トップページのキャッチコピーやサービス紹介に「BtoBマーケティングのコンサルティングに特化した~」などのフレーズを入れることで、UI/UXを変えられます。

他にも、ECサイトで商品ページの検索クエリに「ジャケット黒」「ジャケット赤」などがあれば、サイト内の検索フィルターや商品カテゴリを検索クエリごとにわけることで、ユーザーの利便性を向上できます。

上記のように、ページを作成した後に検索クエリを調べることで、それぞれのページにアクセスするユーザーの検索意図が見えやすくなり、ユーザーにとって有益な情報が提供できるため、UI/UXともに満足してもらえるページ作りが可能になります。
 

まとめ:検索クエリに応じたSEO対策を進めよう

検索クエリはキーワードとは異なり、大きく分け「ナビゲーショナルクエリ」「トランザクショナルクエリ」「インフォメーショナルクエリ」の3種類に分けられます。

それぞれの検索クエリに応じて、ユーザーが求める情報を正しくコンテンツに反映することができれば、検索結果の上位が見込め、アクセス数の増加を狙うことができます。

また、アクセスしてくれたユーザーも離脱することなく最後まで読み進めてくれることでしょう。

本記事を参考に検索クエリの最適化を図り、効率的なSEO対策を進めていきましょう。

下記ページでは、SEOプロフェッショナルの当社が、「SEO対策を始めたい初心者の方」向けにSEO対策のやり方を解説しているので、興味がある方は是非チェックしてみてください。