ロングテールキーワードって何?SEO対策初期ならまずはここからはじめよう

ロングテールキーワードとは、検索ボリューム(月間検索数)が1,000回未満のキーワードを指し、主に2単語から3単語以上を組み合わた語句です。

ロングテールキーワードは、検索ボリュームが少ないためアクセス数の増加には向きませんが、競合性が低いため上位表示しやすい特徴があります。また、キーワードに対するニーズが顕在化していることが多いため、コンバージョンに繋がりやすいといえます。

このページでは、ロングテールキーワードとは何か、特徴やメリット・デメリット、SEOに適した選び方を解説します。また、ロングテールキーワードを含めたキーワードの調査と選定におすすめのツールも紹介します。

これからWebサイトを立ち上げる方やSEO対策を始める方は、ロングテールキーワードの特徴や価値を理解し、SEO対策に活かしましょう。

ロングテールキーワードとは

月間検索ボリュームが少ない方が長い尾のようなイメージ

ロングテールキーワードとは、検索ボリューム(月間検索数)が1,000回未満で、複数のキーワードの組み合わせたものを指します。

具体的には、「SEO 対策 方法(Vol 260)」「SEO コンテンツ 作り方(Vol 40)」などが挙げられ、これらは「スモールキーワード」や「ニッチキーワード」とも呼ばれます。

この「ロングテール」と呼ばれる理由には、検索ボリュームが多いキーワードを恐竜の「頭」に見立てた際に、検索ボリュームが少ないキーワードが、まるで「長い尾」のように見えることが関係します。

上記の図のように、検索ボリュームが多いキーワードは上位表示するとアクセス数が大きく伸びることから、他のWebサイトも対策するため競合性が高くなります。一方、ロングテールキーワードは、検索ボリュームが少なく競合性が低いことから、SEO対策を行うと上位表示しやすい特徴があります。

ロングテールキーワード以外の種類について

キーワードには、検索ボリュームが10,000を超える「ビッグキーワード」や検索ボリュームが1,000以上、10,000未満となる「ミドルキーワード」、検索ボリュームが1,000未満の「ロングテールキーワード」の3種類があります。

これら3つのキーワードの特徴は、以下の表のようになります。

キーワードの種類と特徴
キーワードの種類 月間検索数 競合性 キーワード
ビッグキーワード 10,000以上 英語(450,000)
旅行(135,000)
SEO(49,500)
ミドルキーワード 1,000以上~10,000未満 英語 留学(9,900)
家族 旅行(8,100)
SEO ツール(2,900)
ロングテールキーワード ~1,000未満 英語 留学 安い(480)
家族 旅行 費用(260)
SEO ツール 無料(720)

上記のように、キーワードは検索ボリュームによって、3つに分類され、上位表示させる難易度(競合性)や単語数などに違いがあります。

ただし、業界によっては、ビッグキーワードやミドルキーワード、ロングテールキーワードに該当するそれぞれの検索ボリュームが変動します。

というのも、例えば「油圧ポンプ(Vol 2,900)」や「放射線透過試験(Vol 590)」のようなキーワードは、一般的な基準で見ると、いずれもミドルキーワードやロングテールキーワードに分類されてしまいます。

しかし、製造業などの一部の業界では、馴染みがあり広く知られている、そのようなキーワードは競合他社も対策するため、競合性が高くなります。

つまり、業界全体で各キーワードの検索ボリュームが相対的に少ない場合、その中でもボリュームが多いものをビッグキーワード、少ないものをロングテールキーワードのように捉えるので、必ずしも上記の表の月間検索数が該当しないもあります。

検索ボリュームに関する詳細は『検索ボリュームとは?調べ方やSEOへの活用方法をご紹介』にて情報をまとめていますので、ご一読ください。

ロングテールキーワードを対策する4つのメリット

ここからはロングテールキーワードを対策する4つのメリットをご紹介します。

SEO対策において、ロングテールキーワードの対策は必須ともいえるので、以下のメリットを押さえておきましょう。

競合性が低く上位表示しやすい

ロングテールキーワードを対策する1つ目のメリットは、競合性が低いため上位表示しやすいことです。

検索ボリュームが多いキーワードは、検索するユーザーが多いことから、上位表示した際にWEBサイトのアクセス数を大きく増やすことが可能ですが、それらのキーワードは当然、競合他社もSEO対策を行うため、対策の難易度が非常に高くなります。

一方、検索ボリュームが少ないロングテールキーワードは、上位表示してもあまりアクセス数は増やせないことから、他社は対策に注力しないため、競合性は低く上位表示させやすい特徴があります。

つまり、ロングテールキーワードは、競合性が低いため、上位表示しやすく狙い目といえるでしょう。

また、実はロングテールキーワードでの上位表示が増えると、検索エンジンからの評価が集まり、ミドルキーワードで上位表示しやすくなります。さらには、ミドルキーワードで上位表示できるようになると、ビッグキーワードでも上位表示できるようになるため、おすすめです。

ニーズが顕在化していてコンバージョンしやすい

ロングテールキーワードを対策する2つ目のメリットは、ニーズが顕在化しているためコンバージョンしやすいことです。

例えば、「SEO(Vol 49,500)」よりも「SEO ツール 無料(Vol 720)」の方が、コンバージョンしやすいといえます。

というのも「SEO」を検索するユーザーの検索意図には「SEOとはそもそも何か?」、「SEOでは何をすればいいか?」のように、SEOについて様々な情報を広く浅く知りたいと考えられます。それに対し「SEO ツール 無料」の場合は、「無料のSEOツールを探している(契約したい)」のように、特定のモノゴトについて知りたい、解決したいと考えられます。

つまり、「SEO ツール 無料」のようなロングテールキーワードで上位表示し、ユーザーのニーズに応えることができれば、そのままツールの契約(コンバージョン)をしてもらえる可能性が高いです。

このように、ユーザーのニーズが具体的になっているロングテールキーワードは、コンバージョンにつながりやすいため、コンバージョン数を増やしたいと思っている場合におすすめの対策といえます

検索意図を把握しやすくコンテンツを作りやすい

ロングテールキーワードを対策する3つ目のメリットは、検索意図がわかりやすくコンテンツを作成しやすいことです。

例えば、「WEBマーケティング 本(Vol 880)」)のようなキーワードを対策する場合、ユーザーは「WEBマーケティングの本」を探していることがわかるので、WEBマーケティングに関する本を紹介したコンテンツを作成すれば良いとわかります。

このように、ロングテールキーワードは複数の語句で成り立つものが多いため、キーワードから検索意図を把握しやすいです。また、ユーザーの検索意図がわかれば、コンテンツの方向性や内容もハッキリするので、コンテンツが書きやすいといえます。

コンテンツの作成が苦手な方は、検索意図をイメージしやすいロングテールキーワードのページから作成すると良いでしょう。

音声検索の対策になる

ロングテールキーワードを対策する4つ目のメリットは、音声検索の対策につながることです。

スマホやスマートスピーカーなどのデバイスに対し、声や音を入れて会話のような形で情報を調べる音声検索では、「SEOってどういう意味?」のような話し言葉が検索されます。

この「SEOってどういう意味?」を分解すると、「seo 意味」のように複数のキーワードで成り立っているといえるため、ロングテールキーワードだとわかります。

つまり、ロングテールキーワードの対策は、こうした会話のような複数の単語を含む音声検索の対策につながるといえます。

最近では、スマホやスマートスピーカーユーザーが増えているため、音声検索の対策が必要です。音声検索の対策を一緒に行うためにも、ロングテールキーワードの対策を進めましょう。

ロングテールキーワードのデメリット

続いて、ロングテールキーワードを対策する際に知っておくべきデメリットを解説します。

上位表示しやすいことや、コンバージョンにつながりやすいからとロングテールキーワードの対策ばかりを進めていると、SEO対策が失敗に終わる可能性もあるため、以下のデメリットは覚えておきましょう。

大きなアクセス数の増加は期待できない

1つ目のデメリットは、大きなアクセス数の増加が期待できないことです。

検索ボリュームが1,000未満のロングテールキーワードは、検索結果の上位に表示されたとしても、そもそも検索するユーザーが少ないため、大きなアクセス数の増加は期待できません。

というのも、検索エンジンでは掲載順位ごとにクリック率(CTR)が決まっており、順位が1位でもクリック率は12%程度となるため、検索ボリュームが800ほどのロングテールキーワードで1位を獲得したとしても、見込めるアクセス数は96(クリック)ほどしかありません。

このように、検索ボリュームが少ないロングテールキーワードは、上位表示しやすい反面、アクセス数の増加を目的とした対策には不向きといえます。

ロングテールキーワードの対策は、アクセス数を増やすためではなく、コンバージョン数の増加や、WEBサイト全体の強化とミドルキーワードやビッグキーワードで上位表示させるためと、理解しておきましょう。

クリック率に関する詳細は『CTR(クリック率)とは?各検索順位の平均値と3つの改善方法を解説』で解説しております。

内容が重複したコンテンツが増える可能性がある

2つ目のデメリットは、内容が重複したコンテンツが増える可能性があることです。

ロングテールキーワードには、似たようなキーワードが複数ある場合があります。具体例として、「SEO ツール 無料」と「seo ツール おすすめ」で考えてみましょう。

例えば「SEO ツール 無料」の場合、「無料で使えるSEOツールを探している」と考えられ、また「SEO ツール おすすめ」の場合は「無料や有料を問わずおすすめのSEOツールを探している」と考えられます。

これは言い換えると、両方のコンテンツで「無料のSEOツールを紹介する必要がある」ため、内容が重複しやすいといえます。

内容が重複したコンテンツがサイト内にあると、検索エンジンからの評価が分散し、検索順位が下がったり、クローラビリティが悪化したりする可能性があるため注意が必要です。

ロングテールキーワードを対策する場合、同じような検索意図を持つキーワードがないかを確認し、内容が重複するコンテンツを作らないようにしましょう。

重複コンテンツに関する注意点や確認方法は『重複コンテンツとは?基準や調べ方、回避する対策方法について』で解説しているのでご参照ください。

ロングテールキーワードを調べるのに役立つ無料ツール5選

ここでは、ロングテールキーワードの調査や選定に役立つおすすめの無料ツールを5つご紹介します。

Googleキーワードプランナー

キーワードプランナーイメージ
引用元:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/

1つ目は、Googleキーワードプランナーです。

Googleキーワードプランナーは、Googleが提供している無料ツールで、Google広告(リスティング広告やディスプレイ広告など)を出稿する際に、それぞれのキーワードの検索ボリュームや競合性をチェックするため活用できます。また、関連キーワードやサジェストキーワードを見つけるのにも役立ちます。

ただし、Googleキーワードプランナーを無料で利用する場合、検索ボリュームの表示が曖昧な情報(検索ボリュームが数値ではなく、1万~10万などの幅で表示)となります。

Googleキーワードプランナーについては『キーワードプランナーとはどんなツール?基本機能と使い方を解説!』に詳しい情報をまとめていますので、ご参照ください。

Googleトレンド

Googleトレンドトップイメージ
引用元:https://trends.google.co.jp/trends/

2つ目は、Googleトレンドです。

Googleトレンドは、Googleキーワードプランナーと同じく、Googleが提供している無料ツールの1つで、キーワードの人気度を調査できます。

Web検索はもちろん、画像やニュース、動画(Youtube)で該当のキーワードがどのくらい使われているかを、過去の期間ごと(最大20年前まで)にチェック可能です。また、入力したいキーワードに関連するキーワードも表示されるため、検索回数が大きく変化したものも同時に調べられます。

Googleトレンドに関する詳しい情報は『Googleトレンドの使い方とマーケティングへの活用方法を解説』にて紹介しています。

UberSuggest

ubersuggestトップイメージ
引用元:https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/

3つ目は、UberSuggestです。

UberSuggestは、キーワードの検索ボリュームを一部無料で利用できるツールで、ロングテールキーワードを簡単に見つけられます。

また、関連キーワードや各キーワードの難易度を表示したり、他社がキーワードに対して作成しているコンテンツも表示してくれるため、自社でどのようなコンテンツを作れば良いか、調べられます。

ただし、無料の場合、利用可能な回数が1日あたり合計で3回までとなるため、本格的に利用する場合や利用回数が多くなる場合は、他のツールとの併用か有料で利用しましょう。

ラッコキーワード

関連キーワード取得ツール:ラッコキーワード
引用元:https://related-keywords.com/

4つ目は、ラッコキーワードです。

ラッコキーワードは無料で使えるキーワードツールで、調べたいキーワードを入力すると、関連キーワードが五十音順に表示されます。

また、関連キーワードの調査以外では、キーワードに対してどのような見出しが使われているかを調べたり、キーワードと一緒に検索される共起語を調べたりすることも可能です。

ただし、無料での利用は1日50回までの制限があり、検索ボリュームは表示されないため、別のツールと組み合わせて利用する必要があります。

aramakijake

キーワードの検索ボリュームを表示するツール
引用元:https://aramakijake.jp/

5つ目は、aramakijakeです。

aramakijakeは、キーワードの件sカウ数を予測する無料ツールで、検索ボリュームを調べたいキーワードを入力すると、月間検索数の予測や、検索順位ごとにどのくらいのアクセス数が見込めるかを表示してくれます。

また、該当キーワードに対し、他社サイトがどのくらいのアクセス数を得ているかを予測することも可能です。

aramakijakeは、ラッコキーワードのような関連キーワードが表示されるものの、検索ボリュームがわからないツールと組み合わせれ利用するとよいでしょう。

ロングテールキーワードの選び方と対策方法

ロングテールキーワードは、上位表示しやすくミドルキーワードやビッグキーワードのSEO対策にも有効なため、これからSEO対策を始めようとしているのであれば、ロングテールキーワードの対策から始めることがおすすめです。

ここからは、ロングテールキーワードの選び方や対策方法を解説していきます。

メインキーワードを決める

まず、自社サイトで対策するメインキーワードを決めます。

この時点で月間検索ボリュームなど考える必要はないため、会社や取り扱う商品、サービスと関連性があるキーワードを列挙し、リストにします。

例えば、当サイトのような取り扱うサービスが「SEOツール」の場合、「SEOツール」だけでなく「SEO対策」や「seo ライティング」、「Webマーケティング」など、様々なキーワードを思い浮かべます。

なお、ここでは、なるべく多くのキーワードの列挙しておくとよいでしょう。

メインキーワードの関連キーワードやロングテールキーワードを洗い出す

次に、メインキーワードの関連キーワードやロングテールキーワードを洗い出しを行います。

関連キーワードやロングテールキーワードを調べるには、先にご紹介した5つの無料ツールが役立ちます。例えば、Googleキーワードプランナーを使うと、以下のような情報が表示されます。

Googleキーワードプランナー使用例

このように、関連キーワードとその大まかな検索ボリュームが表示されるので、先ほどメインキーワードを列挙したメモに関連キーワードを追加しましょう。なお、詳しい検索ボリュームを調べたい場合は、aramakijakeなどを利用するとそれぞれの数値が調べられます。

検索意図が近いキーワードをまとめる

そして、メインキーワードおよび関連キーワードやロングテールキーワードを洗い出したら、それぞれの検索意図が近いキーワードごとにまとめます。

ここでは、それぞれのキーワードにおけるユーザーの検索意図(知りたいこと)を似ているものでグループ分けし、重複したコンテンツの作成を防ぎます。

検索意図に合わせてグループ化

例えば、「seo ツール 無料(Vol 720)」や「seo ツール おすすめ(Vol 170)」などは、いずれも「SEOツールを見つけたい」という検索意図があることから、ひとまとめにします。

ロングテールキーワードで検索し検索結果を確認する

最後は、検索意図ごとにまとめたキーワードを実際に検索し、検索結果の上位に表示されるページが一致するか否かを確認します。

例として「seo ライティング やり方(Vol 10)」と「seo ライティング コツ(Vol 10)」で見てみましょう。実際にそれぞれを検索すると、検索結果の上位に表示されるWEBページはほぼ同じになっていることがわかります。

検索結果から検索意図が 「同じ」ことを確認する

このような場合は、ユーザーの検索意図が「同じ」だといえるため、「seo ライティング やり方」と「seo ライティング コツ」は1つの記事で対策するのが適切です。

一方で、もし、検索結果の上位に表示されるページが異なる場合は、ユーザーの検索意図が「異なる」といえるため、別々の記事を作成し対策する必要があります。

以上、ここまでを確認したうえで、それぞれロングテールキーワードの対策ページを作成していきましょう。

まとめ

ロングテールキーワードは、キーワードの月間検索数や競合性をグラフで表した際に、恐竜の長い尾に似ていることから、つけられた呼称です。また、特徴として、検索ボリュームが低く競合性が少ないことから上位表示させやすいことが挙げられます。

新しくWebサイトを立ち上げたばかりやSEO対策を始めたばかりでは、ビッグキーワードで上位表示をさせることは難しいため、ニーズがキーワードから把握しやすく、コンバージョンにつながりやすいロングテールキーワードから対策するのがおすすめです。

ただし、検索意図が近くなりやすく、内容が重複しやすいため、重複コンテンツを作成しないように注意しましょう。

ロングテールキーワードを選んだあとのライティング方法や、上位表示しやすい記事の作成方法は以下のページで詳しく解説しているのでぜひ、ご一読ください。