Googleサジェストとは、ユーザーが検索窓に入力したキーワードに関連するワードが表示されるGoogle検索の補助機能で、正しくはオートコンプリートと呼びます。
また、Googleサジェスト(オートコンプリート)は、ユーザーが検索する可能性があるキーワードを予測し候補として表示してくれます。
SEO対策において、Googleサジェストをうまく活用することで「ユーザーの検索意図」を把握することが可能です。
このページでは、Googleサジェストの特徴や仕組み、確認方法について解説します。また、Googleサジェストの活用方法や取得に役立つツール、Googleサジェストで表示されるキーワードの削除申請もご紹介します。
Googleサジェストに表示されるキーワードの仕組みを理解し、ユーザーの検索意図の把握やSEO対策に活用していきましょう。
この記事でわかること
Googleサジェストとは
Googleサジェストとは、ユーザーがGoogle検索の検索窓へキーワードを入力した際に、ユーザーが調べるであろうキーワードを予測し提案する「サジェスト(suggest)」に由来した機能の呼称で、正式名称はオートコンプリートといいます。
例えば、上記の画像のように、「SEO」と入力した際に表示される「SEO対策とは」や「SEOとは わかりやすく」がGoogleサジェストに該当します。
Googleサジェストに表示されるキーワードは、ユーザーが知りたい情報を見つける手助けをします。また、場合によっては、ユーザーが調べようとしていなかった関連情報を発見するきっかけにもなります。
Googleサジェストが表示される仕組み
Googleサジェストに表示されるキーワードは、「言語」や「場所」、「注目を集めている関心事」、「過去の検索」から候補を表示しているとGoogleは公表しています。
また、Googleは公言していないものの「検索ボリュームが多いキーワード」から表示されやすいことから、月間検索数も関係しているといえます。
検索した言語
Googleサジェストで表示するキーワードを決める1つ目の要素は、検索した言語です。
検索した言語は、そのままを意味し、この記事を読んでいる方の多くは「日本語」のキーワードが表示されます。また、検索エンジンの設定で「表示言語」と「検索結果の言語フィルタ」を変更することで、変更した言語でGoogleサジェストが表示されるようになります。
以下は、Google検索の検索窓に「SEO」と入力した際の「日本語」と「English(英語)」の違いです。
このように、同じ「SEO」というキーワードを入力した場合、日本語では「SEO対策とは」や「SEOとは わかりやすく」と表示されるのに対し、英語では「seo marketing」や「seo meaning」が候補にあがります。
ユーザーが検索した場所
Googleサジェストで表示するキーワードを決める2つ目の要素は、ユーザーが検索した場所や検索結果の設定地域です。
ユーザーが検索した場所では、パソコンやスマホを利用している地域に関連するキーワードが候補として表示されます。また、検索結果の設定地域に応じたキーワードが表示されるようになります。(日本で検索している場合は、基本的に日本に設定されています。)
Google検索では、ユーザーの位置情報に基づく検索が行われるため、例えば「警察署」のようなキーワードを入れると以下のような候補が表示されます。
また、位置情報を「アメリカ合衆国」に変更した場合で「supermarket」とキーワードを入力すると以下の画像のように地域に連動した候補が表示されます。
このように、通常はユーザーの位置情報に基づくキーワードがGoogleサジェストに表示されますが、検索結果の地域を変更することで、その地域に応じたキーワードが候補にあがるようになります。
検索語句に関連する関心事(トレンド)
Googleサジェストで表示するキーワードを決める3つ目の要素は、検索語句に関連する関心事(トレンド)です。
検索語句に関連する関心事(トレンド)とは、入力したユーザーが興味関心を持っているモノゴトではなく、世の中で良く検索されている(トレンドになっている)モノゴトが候補として表示されます。また、候補にあがるキーワードは、検索のタイミングや流行、最新ニュースによって変化します。
例えば、大きな台風が発生した際に、Google検索で「台風」と検索すると、Googleサジェストには、現在の位置や進路、リアルタイムなどの最新情報に関係するキーワードとして表示されます。
また上記の画像のように、最近では検索窓にキーワードを入力しなくても、急上昇ワードがGoogleサジェストとして表示されるようになりました。
ユーザーの検索履歴
Googleサジェストで表示するキーワードを決める4つ目の要素は、ユーザーの検索履歴です。
ユーザーの検索履歴とは、過去にGoogle検索で入力したキーワードを指しており、過去に調べたキーワードや、過去に検索したキーワードに基づき、どのようなことに関心があるか(知りたいか)を判断したキーワードが表示されます。
そのため、検索履歴に基づくGoogleサジェストキーワードは、ユーザーによって異なります。
こうした個人の検索履歴に基づくキーワードの候補ではなく、一般的なキーワードの候補をしたい場合は、「シークレットモードでの検索」または「検索履歴の保存をオフ」にすることで変更可能です。
月間検索数(検索ボリューム)が多いキーワード
Googleサジェストで表示するキーワードを決める5つ目の要素は、月間検索数(検索ボリューム)が多いキーワードです。
月間検索数が多いキーワードは、入力したキーワードに関連し、多くの他のユーザーが良く検索しているキーワードを指します。例えば、「SEO」と検索した場合は、「SEO対策」や「SEOとは」といったキーワードがGoogleサジェストに表示されます。
これは、3つ目に紹介した一時的に検索するユーザーが多いことを指す「トレンド」とは異なり、恒久的に検索するユーザーが多いキーワードが表示されるものです。
例えば、上記にあげた「SEO」を入力した際に表示される「SEO対策」や「SEOとは」、「seoとは わかりやすく」などの月間検索数は以下の表のようになっています。
Googleサジェストに表示されるキーワードのボリューム※ | |
---|---|
seo | 49,500 |
seo対策 | 27,100 |
seoとは | 22,200 |
seoとは わかりやすく | 1,600 |
※2024年6月時点の月間検索数
このように、入力したキーワードに関連し、多くのユーザーがよく検索している(検索ボリュームが多い)キーワードがGoogleサジェストに表示されます。
Googleサジェストキーワードを確認する方法
ここからは、Googleサジェストキーワードを確認する方法を2つご紹介します。
先ほど、Googleサジェストに表示されるキーワードの仕組みで解説したように、ユーザーが検索する場所や過去の検索履歴、トレンドによって変化するため、複数の方法で確認することをおすすめします。
検索窓に調べたいキーワードを入力する
1つ目のGoogleサジェストキーワードを確認する方法は、Googleの検索窓に調べたいキーワードを入力することです。
検索窓にキーワードを入力し確認する方法は、手っ取り早く、簡単にキーワードを確認できます。ただし、通常の方法で確認すると「ユーザーの位置情報」や「過去の検索履歴」が反映されてしまうため、「シークレットウィンドウ」モードで確認することをおすすめします。
シークレットウィンドウモードは、パソコンであれば「Ctrl+Shift+N」、スマホであれば「プライベートタブ」または設定より「新しいシークレットタブ」を選択することで、変更可能です。
サジェストキーワード取得ツールを使う
2つ目のGoogleサジェストキーワードを確認する方法は、キーワード取得ツールを使う方法です。
例えば、上記の画像のように、「ラッコキーワード」という無料のキーワード取得ツールを使って、Googleサジェストで表示されるキーワードを取得することが可能です。
ラッコキーワードでGoogleサジェストキーワードを調べる場合、サイトの画面中央に表示される「キーワードを入力してください」という空欄に調べたいキーワードを入力し、右横にある空欄をから「サジェスト(Google)」を選択することで確認できます。
このように、キーワード取得ツールを使うことで、簡単にGoogleサジェストキーワードを確認可能です。
ただし、キーワード取得ツールには有料と無料があります。有料のキーワード取得ツールは、費用が発生する分、様々なキーワードを幅広く確認できるのに対し、無料のキーワード取得ツールは、表示されるキーワード数の制限や調査できる回数に制限があります。
Googleサジェストキーワードの取得に役立つ無料ツール4選
ここからはGoogleサジェストに表示されるキーワードの取得に役立つ無料ツールを4つご紹介します。
Googleキーワードプランナー
1つ目は、Googleキーワードプランナーです。
Googleキーワードプランナーは、Googleが提供している無料ツールの1つで、入力したキーワードに関連性が高いキーワードや類似キーワードを確認できます。また、各キーワードの月間平均検索ボリュームや競合性、検索ボリュームの推移もわかります。
ただし、各キーワードの検索ボリュームは、Google広告で一定の費用を利用していないと表示が曖昧(1,000~1万など)になります。Google広告を使っている方は大いに活用し、Google広告を使っていない方は無料の範囲内で活用しましょう。
ラッコキーワード
2つ目は、ラッコキーワードです。
ラッコキーワードは、株式会社ラッコが運営するキーワードチェックツールで、Googleサジェストキーワードを調べられるだけでなく、その他の検索エンジンのサジェストキーワードも調べられます。
ただし、無料でGoogleサジェストキーワードを調べられるのは、1日あたり50回までとなっています。ラッコキーワードの有料プラン(月額734円から)に加入すると、月間検索ボリュームなどを調査可能です。
UberSuggest
3つ目は、UberSuggestです。
UberSuggestは、アメリカにあるNEILPATEL社が運営するSEOツールで、Googleサジェストキーワードだけでなく、検索したキーワードの月間検索ボリュームやそのキーワードでGoogleの検索結果で上位表示させるSEOの難易度も調査できます。
UberSuggestは、1日3回までなら無料で利用でき、月額2,990円または買い切りで29,990円からの有料契約にすることで、より詳しい情報が制限なく確認・調査可能です。
Keyword Tool
4つ目は、Keyword Toolです。
Keyword Toolは、香港にあるKey Tools Limitedが運営するキーワード調査ツールで、検索エンジンや対象となるカテゴリ(Web全体やニュース、画像など)を指定し、Googleサジェストキーワードをはじめとする様々な検索エンジンで関連キーワードを検出できます。
キーワード一覧が表示されたら、画面端にあるダウンロードボタンをクリックするとエクセル、またはCSVデータとして保存することも可能です。なお、有料プラン(月額89USUSドルより)に加入すれば、各キーワードの検索ボリュームなどの詳細データを得られます。
Googleサジェストキーワードの取得に役立つ有料ツール2選
続いて、Googleサジェストキーワードの取得に役立つ有料ツールを2つご紹介します。
Ahrefs
Ahrefsは、シンガポールにあるAhrefs Pte.Ltdが運営するSEOツールです。
ツール内にある機能の1つ「キーワードエクスプローラー」を使うと、Googleサジェストキーワードだけでなく、Yahoo!やBingなど、その他の検索エンジンの関連キーワード調査はもちろん、各キーワードの月間検索ボリュームやSEO難易度も調べられます。
また、検索をかけたキーワードの検索結果(SERP)を表示し、上位表示されているWebサイトのドメインパワーや被リンク数なども表示します。
キーワードエクスプローラーをはじめ、いくつかのツールは無料で利用することもできますが、データの一部のみの閲覧となります。月額19,900円からの有料プランに加入することで、細かいデータを取得できます。
MOZ
MOZは、アメリカ西海岸シアトルにある株式会社MOZが運営するSEOツールです。
MOZのキーワード調査機能「キーワードエクスプローラー」を使うとGoogleサジェストキーワードやキーワードの検索ボリューム、SEO難易度を調べられます。また、MOZはAhrefsと同様に、独自の数値でドメインパワーを評価します。
他にも、対策すべきキーワードや実際にキーワードが検索された際のクリック率の予測値も表示されます。
MOZのキーワードエクスプローラーは無料でも使用可能ですが、月額99USドルからの有料プランに加入すると表示されるデータ量が増えます。
Googleサジェストの活用方法
ここからは、Google検索やキーワード取得ツールを活用し調べたGoogleサジェストキーワードの活用方法について解説します。
Googleサジェストキーワードは、「対策キーワード」や「ユーザーの検索意図の把握」、「既存記事のリライト」に活用できます。
対策キーワードにする
1つ目は、対策キーワードへの活用です。
Googleサジェストの候補にあがるキーワードは、世の中で注目を集めているモノゴトや他のユーザーがよく検索している関連情報が表示されるため、対策キーワードとして活用することで、アクセス数の増加につなげやすくなります。
また、Googleサジェストキーワードは、入力したキーワードと関連性が強いキーワードが表示されることから、SEO対策の点で適しています。
コンテンツ作成を考えている方や、新たな対策キーワードを探している方は、Googleサジェストに表示されるキーワードを優先的に対策するようにしましょう。
ユーザーの検索意図を把握する
2つ目は、ユーザーの検索意図を把握する際の活用です。
Googleサジェストに表示されるキーワードは、検索ボリュームのやトレンドの影響を受けますが、同時に多くのユーザーが知ろうとしている情報のヒントがあります。
例えば、「SEO対策」のサジェストキーワードには、「SEO対策とは わかりやすく」や「SEO対策 自分で」、「SEO対策 基本」、「SEO対策 費用」などが候補にあがります。
これは言い換えると、「SEO対策」について調べているユーザーは、「わかりやすくSEO対策とは何かを知りたい」や「自分でSEO対策をしようと考えている」、「SEO対策の基本や費用を知りたい」などといえます。
また、「SEO対策」の記事ではそれらの情報を網羅的に解説することで、ユーザーのニーズを満たすことが可能です。
このように、記事を作成する際にユーザーの検索意図やニーズを把握する際にGoogleサジェストのキーワードを活用できます。
既存記事のリライトに使う
3つ目は、既存記事をリライトする際の活用です。
Googleサジェストにあがるキーワードの候補は、検索したタイミングやその時期で、検索回数が多いキーワードやトレンド(話題)になっているキーワードなので、既に公開している記事の情報更新に役立ちます。
例えば、 「生成AI」について記事を書いていた場合、「画像」や「動画」、「問題点」などサジェストキーワードに表示される情報を、既存記事に追加することで、ユーザーニーズにマッチした記事にすることが可能です。
SEO対策では、時間の経過と共に変化するユーザーのニーズに合わせて、定期的に情報を更新したり、内容を変更したりする必要があります。一度公開した記事をリライトせずに放置していると、段々と検索順位が低下する可能性があるため、定期的なリライトが重要です。
Googleサジェストの汚染と対処法
Googleサジェストの汚染とは、自社(会社)や、自社の商品・サービスを検索した際、ネガティブなサジェストキーワードが表示されてしまう状態のことです。
具体的には、Googleサジェストキーワードに「○○ 使えない」や「○○ 後悔」、「○○ デメリット」などといったネガティブなものが表示されることを指します。
検索エンジンを使うユーザーの多くは、商品の購入後やサービスの契約後に失敗しないように、事前にネガティブな口コミや情報がないか、不安を払拭しようとするため、ネガティブなワードでの検索が増えます。また、その結果、Googleサジェストにポジティブなキーワードよりも、これらネガティブなキーワードが表示されることになります。
このように、Googleサジェストが汚染されると、ネガティブな事実がなかったとしても、ユーザーは企業そのものや商品、サービスにマイナスなイメージを抱きやすくなるため注意が必要です。
「不適切な検索候補の報告」を行う
会社や企業名、商品名、サービス名を検索した際に、ネガティブなキーワードが表示されるサジェスト汚染があった場合には、Googleサジェエスト右下の端に表示される「不適切な検索候補の報告」から、Googleに対し非表示のリクエストを送ることが可能です。
「不適切な検索候補の報告」をクリックすると、表示されたサジェストキーワードの中から不適切な検索候補を選択する画面になるので、対象となるキーワードを選択し、その原因となる項目(関連性の低いコンテンツ、暴力的または残虐な描写など)を選び報告が完了となります。
ただし、必ずしもGoogleサジェストキーワードが非表示になるとは限りませんので、Googleが対応してくれるまで待ちましょう。
まとめ
Googleサジェストは、ユーザーが調べるであろうキーワードの候補が表示されるGoogle検索の便利な機能です。
Googleサジェストにあがるキーワードは、ユーザーの検索履歴や検索した場所などに基づいたキーワードだけでなく、検索ボリュームが多いキーワードやトレンドとなっているキーワードが表示されるため、SEO対策にも活用できます。
コンテンツを作成する際や既存の記事をリライトする際など、ユーザーニーズの確認や、ユーザーの検索意図を把握する際にGoogleサジェストキーワードを確認しましょう。
また、以下のページでは、SEO対策におけるキーワードの選び方や対策の方法などを解説していますので、ぜひ参考にしてください。