グーグルトレンドの基本機能と使い方

Google トレンド(Google Trends)とは、インターネット検索に使用されるキーワードの人気度の動向や急上昇ワードなどを分析できるツールです。登録不要で使い方も簡単、誰でも無料で利用できます。

Googleトレンドは、一日数十億回以上の検索データをもとに、世界の各地域の情報を取得しています。マーケティングにおいて情報トレンドを追うことは欠かせないタスクであるため、Googleトレンドの使い方をマスターし、信頼性の高いトレンド情報を掴むことは欠かせない業務と言えます。

このページでは、Googleトレンドの機能や使い方をわかりやすく紹介しています。

実際のマーケティングに活用する方法についても解説しているので、ぜひ、自社ビジネスのマーケティング戦略の立案にお役立てください。

Googleトレンドとは

Googleトレンドとは、検索エンジンである世界中のGoogleユーザーが、検索に利用するキーワードから情報のトレンドに関する情報をチェックできるツールです。

Googleアカウントを作成していなくても、無料で利用することができ、Webサイトにアクセスすれば誰でも使うことができます。

検索キーワードごとに、検索回数や地域、期間ごとの情報トレンドを把握できるため、Webマーケティングに役立つツールとなっています。

Googleトレンドの機能

Googleトレンドには、主に3つの機能があります。

キーワードの検索ボリュームの推移を調べることができる

1つ目のGoogleトレンドの機能は、キーワードの検索ボリュームの推移を調べることができます。

インターネット検索に使われるキーワードは、それぞれ利用される回数が異なります。利用回数が多いほど、ユーザーが興味を示すキーワードであり、トレンドを調べる重要なデータと言えます。

Googleトレンドなら、地域や期間ごとに各キーワードの検索ボリュームがどのように推移しているか、調べることができます。これにより、キーワードのポテンシャルや競合度、季節ごとの需要を把握できます。

検索ボリュームが急に増えたキーワードを確認できる

2つ目は、検索数が急に増えたキーワードを確認することができる機能です。

キーワードの中には、季節の変化やイベントの実施などにより、検索ボリュームが急増するものがあります。例えば、夏の扇風機や冬のこたつ、オリンピックなどが挙げられます。

それぞれ、関連商品を提供している場合は、検索ボリュームが急上昇するキーワード対策を行うことで、商品購入につながるユーザーをWebサイトに導くこといができます。

過去のキーワードトレンドを知ることができる

3つ目は、過去のキーワードトレンドを知ることができる機能です。

Googleトレンドでは、過去10年のキーワードトレンドを調べることができます。この機能を活用すれば、先に挙げたような季節ごとのキーワード対策ができるだけでなく、未来に開催されるイベント関連のキーワード対策を行うことができます。

このように、Googleトレンドはマーケティングにおいて重要なトレンドの推移や急激な変動、過去のデータを調べる機能が搭載されています。

Googleトレンドの使い方や見方

それでは、Googleトレンドを実際に使用し、表示されるデータの見方を紹介します。ここでは、先に紹介した機能から以下、3つの情報を調べる方法を解説します。

Googleトレンドで得られる3つの情報
  1. キーワードのボリューム推移を元にした人気度の動向を分析
  2. 検索数が急上昇しているキーワードチェック
  3. 過去のキーワードトレンドの確認

キーワードの人気度動向

1つ目は、キーワードの人気度の動向です。

Googleトレンド開いたら、画面左上のメニューボタンを選択し、「調べる」をクリックします。すると、以下のような画面が表示されます。

Googleトレンドメニュー画像

検索窓に調べたいキーワードを入力すれば、操作は完了です。 試しに、「ChatGPT」と入力してみました。すると、以下のように、人気度の動向がグラフで表示されます。

ChatGPTについてGoogleトレンドで調べてみた

縦軸は、検索ワードの人気度が最も高かった時を100として、その人気度を相対的に表したものです。また、地域や期間を選択した絞込み検索もできます。検索キーワードは、「+比較」から最大5つまで追加でき、人気度の動向を複数キーワード同時に比較することも可能です。

埋め込み機能も便利

検索ワードのトレンド動向データをサイト内で使用したい場合、グラフ右上の(< >)から、埋め込みコードが取得できます。HTMLソースにコピーして貼り付けるだけで、キーワードのトレンド状況がリアルタイムで更新されるグラフをWebページに埋め込むことが可能です。

急上昇中ワード

2つ目は、急上昇中ワードです。

トップページ左上のメニューを開き、「急上昇中」をクリックします。

急上昇中のトレンドキーワードを調べる方法

デフォルトだと、その日の検索トレンドが表示されています。地域や期間、キーワードのカテゴリなどを指定し、検索することもできます。表示されたデータは、CSVデータでのダウンロード、またはクリップボードへのコピーが可能です。

表示されたキーワード一覧の中から気になるトレンドをクリックすると、人気度のデータやトレンドの内訳、関連ニュースが表示されます。

気になるキーワードをクリックすると詳細情報を表示

過去のキーワードトレンドをチェック

3つ目は、過去のキーワードトレンドです。

メニューの中から「Year in Search: 検索で振り返る」をクリックすると、その年のトレンド検索ワードが一覧でチェックできます。

過去のキーワードトレンドをチェックする方法

ここには、その年に検索数が急上昇したキーワードとカテゴリ別の急上昇キーワードが表示されます。全世界、国別に確認することが可能です。

2024年の日本のトレンドワードを見てみると、同年中の時事ネタや話題になった有名人の名前などがランキング上位に表示されていました。

2024年のトレンドキーワード

急上昇ワードの最新情報がほしいなら

「トレンドの最新動向を追いたいけど、常にアンテナを貼るのは無理」なら、Googleトレンドの通知機能を利用しましょう。

Googleアカウントにログインした状態でトップ画面をスクロールダウンすると、画面最下部に「登録」ボタンが表示されます。

調べたいキーワードのトレンドを登録する方法

この「登録」ボタンをクリックすれば、GoogleアカウントのメールアドレスにGoogleトレンドから毎日、ニュースレターが送られきます。

GoogleトレンドとGoogleキーワードプランナーは何が違う?

インターネット検索に利用されるキーワードについて、GoogleはGoogleトレンドの他、Googleキーワードプランナーを提供しています。

すでに紹介した通り、Googleトレンドはアカウントを持っていなくても無料で利用できるツールです。一方、Googleキーワードプランナーは、Googleアカウントを作成し、Google広告にログインしなければ利用できません。

また、Googleトレンドが、キーワードごとの人気やトレンドを調べるツールに対し、Googleキーワードプランナーには以下の機能があります。

GoogleトレンドとGoogleキーワードの違い
  • キーワードごとの月間検索数を確認できる(Google広告を利用していないと抽象的な数字で表示、広告を出稿すると具体的な数字が分かる)
  • Google広告に出稿する場合の競合度やクリック単価を確認できる
  • キーワードに関連性のあるキーワードを調べることができる

これらの機能は、Webマーケティング施策であるSEOやWeb広告対策などを行う際に必要な情報です。Googleトレンドを使ってキーワードの兆候をチェックし、具体的な対策を打つ際、Googleキーワードプランナーを利用することから、この2つは利用目的が違います。

GoogleトレンドをSEOに活用する具体的な方法

ここまでGoogleトレンドの機能や使い方について解説しました。

続いて、実際のマーケティングにGoogleトレンドを活用する具体的な方法を紹介します。

急上昇中ワードで流入数増加を目指す

Googleトレンドには、急上昇中ワードを確認できる機能があるため、それらの対策ページを作成して上位表示させることができれば、Webサイトやブログへの流入数を増やせます。

しかし、「そんなにうまく上位表示されるの?」という疑問が湧くはずです。結論から言うと、時事性のあるキーワードに関するコンテンツは上位表示されやすい傾向があります。これは、Googleの「QDF」というアルゴリズムによる影響があるためです。

Googleのアルゴリズム「QDF」とは

QDFとは、Query Deserves Freshnessの略で、日本語に訳すと「新鮮さのあるクエリ」という意味です。 QDFはGoogleの検索アルゴリズムの1つで、ユーザーが新鮮な情報を求めていると判断した場合、新鮮な情報を検索結果の上位に表示させます。 例えば、政治や芸能などの時事ネタがこれに該当します。QDFによる検索結果の変動は基本的に一定期間のみ有効です。QDFについては『QDF(Query Deserves Freshness)とは?意味や記事作成に活かす方法、注意点』で詳しく解説していますので、ぜひ、ご参照ください。

新鮮で正確な情報を最速で発信できれば、ユーザーからの信頼度を高めることもできます。

ただし、注意点としてWebサイトで訴求している情報と関係のないキーワードでコンテンツを作っても、上位表示されることはありません。Googleトレンドをこまめにチェックしつつ、運営するWebサイトで紹介できそうな情報を選び出すことが重要です。

急上昇中キーワードから需要を予測する

急上昇中ワードには、それに関連するキーワードの検索数を上げる可能性があります。例えば、以下のような場合です。

  1. "コロナ"というキーワードがトレンドワードに入っている
  2. マスクが必要になる
  3. マスクをするとメガネがくもる
  4. 「くもり止め」の検索ボリューム数が増える

上記のように、急上昇中ワードから思考を広げ、そこから先の需要を予測して、Webマーケティングに活用しましょう。

季節性のあるキーワードで確実に集客に繋げる

Googleトレンドを使い、キーワードの過去の動向を確認し、分析することで季節性のあるキーワード対策を打つことができます。

分析の結果、「このキーワードおよび関連キーワードでは、毎年同じ時期に人気度が急上昇している」「逆にこの期間はほぼ検索されていない」等の情報を得ることができます。例えば、春から夏に向け、気温が上がり始めると「エアコン」というキーワードの需要が高まります。夏になってからではなく、夏前にエアコンに関するコンテンツやキャンペーンを打つことで、効果的な集客を期待できます。

こうしたGoogleトレンドによって得られる季節性のあるデータは、いつ、どのようなコンテンツを発信すべきかを決定する重要な要素になります。

対策しているキーワードの検索数をチェックする

Webサイトやブログで対策しているキーワードをGoogleトレンドでチェックすると、検索ボリューム数の動向を確認できます。

検索ボリュームが増えている場合は、SEO対策を継続し、上位表示を目指します。一方、対策キーワードの検索数が減ると、上位表示をされても、アクセス数が減少します。

Googleトレンドを利用して対策キーワードの動向をチェックし、検索ボリュームが減り、市場が縮小している場合は、検索数に変化のない関連キーワードに注力して上位表示を目指すなど、早めに対策を行いましょう。

まとめ

Googleトレンドの機能や使い方について解説しました。

Googleトレンドは、Webサイトやブログで対策しているキーワードの検索ボリュームや検索数が急上昇中のキーワードの確認、さらに過去のキーワードトレンドを無料で調べることができる非常に便利なツールです。

Webマーケティングでは、顧客の動向を知ることが非常に重要であり、Googleトレンドを活用できれば、ニーズにマッチした情報を発信できます。

Webサイト運営やWebマーケティングを担当していらっしゃる方はぜひ、このページで紹介した情報を活かし、ユーザーが求める情報を提供するWebサイト作りにお役立てください。

Googleトレンドで見つかるキーワードや運営するWebサイトで対策すべきキーワードなど、SEO対策に必要なキーワードの調べ方については以下のページをご参照ください。