ユーザーだけでなくクローラーにも効果があるリード文

リード文は、本文が始まる前に書かれる文章を指します。また、導入文と呼ばれることもあります。

基本的にリード文では、コンテンツの内容をまとめた概要を書きます。しかし、単純にリード文へコンテンツの内容を記載するのではなく、ユーザーが読みたくなるような興味をひく文章でなければなりません。

そこで、このページでは、リード文の重要性や読者の興味をひくリード文の書き方について解説します。どのようなリード文を用意すれば、ユーザーの心を掴むことができるのでしょうか。

新規コンテンツを作成する際だけでなく、これまで作成したページも見直し、ユーザーの心に響く内容になっているか確認してみましょう。

リード文とは

リード文は、先導(Lead)が語源になっており、本文へと先導するための文章を指します。

また、リード文は、記事のタイトルと目次の間に表示されることが多く、本文全体の要約や要点をまとめた文章を書くことが一般的です。

しかし、コンテンツによっては、リード文に該当する文章がなく、直ぐに目次や本文が始まるケースも少なくありません。これは、リード文がないコンテンツが正しくないというわけではなく、コンテンツの作り方やサイトの方針によって異なるだけで、コンテンツそのものの良し悪しには関係しません。

ではなぜ、多くのコンテンツがリード文を入れているのか、その目的を次に解説します。

リード文を設定する目的

多くのWebページでは、本文から始まるのではなくリード文からスタートしていることがほとんどですが、なぜリード文をいれるのでしょうか。

ユーザーの離脱を防ぐため

1つ目の目的は、ユーザーの離脱を防ぐためです。

リード文がないコンテンツでも、本文を読み進めるユーザーは一定数います。しかし、ユーザーの多くはWebページにアクセスし、最初に目に入る情報(ファーストビュー)で、求める情報が得られるかを確認し、見つからなさそうであれば、Webサイトから離脱し、他のWebページを検索します。

リード文がない場合、ユーザーはタイトルやアイキャッチ画像、目次からコンテンツの内容を「推測」し、求めている情報の有無を判断しています。一方で、リード文がある場合、それらにプラスして「リード文」を通してユーザーへ、コンテンツの内容を伝えることが可能です。

ページにアクセスしたユーザーが離脱してしまう前に、少しでも多くの情報を伝え、離脱の可能性を抑えることがリード文を記載する目的となります。

クローラーにページの内容を伝えるため

2つ目の目的は、検索エンジンのクローラーにページの概要を伝えるためです。

GoogleやYahoo!などの検索エンジンでは、クローラー(ロボット)がWebページの情報を「上から」順に収集しています。具体的には、最初にページ上部のヘッダー、次にページタイトルやh1、続いて見出しとなるh2、その後は各見出しのと本文と読み込んでいきます。

このクローリングに対し、ページタイトルやh1と1つ目の見出し(h2)の間に、リード文を記載することで、コンテンツ全体が何について書かれているかを伝えることができるため、クローラーは効率良くページの内容を理解できるようになります。

クローラーが効率よくページの内容を理解できるということは、クローラビリティの向上につながるため、SEO対策にもなります。

ユーザーにページを読む価値を伝えるため

3つ目の目的は、ユーザーにページを読む価値を伝えるためです。

1つ目の目的「離脱を防ぐ」と同じでは?と感じる方もいるかと思いますが、似て非なるものです。というのも、1つ目の目的だけにとらわれると、「リード文を書けば良い」と考えてしまいがちです。

しかし、ただコンテンツの内容を羅列することは、かえって冗長と感じさせるため、離脱を助長してしまう可能性があります。リード文には、ユーザーへの共感やコンテンツを読む価値、利益を書くことが重要です。

どんなに素晴らしいコンテンツでも、アクセスしたユーザーが本文を読み進めてくれなければ、有益な情報をユーザーに伝えることはできません。リード文は、アクセスしたユーザーにコンテンツを読むと何が得られるかを伝え、本文へと導く重要な案内役なのです。

リード文を設定する理由や重要性をお伝えしたところで、次は、リード文にはどのような文章を用意すれば良いのか、解説します。

リード文の書き方

ユーザーがWebページを読もうかなと思うリード文とは、どのような文章なのでしょうか。ここからは、リード文の基本的な書き方をご紹介します。

「だれ」向けの記事かを明確にする

リード文を作成する際に重要な1つ目のポイントは、「だれ」に向けて書いた記事かを明確にすることです。

「誰しも」に当てはまる書き方をするのではなく、「特定の悩みや状態になっている人」に向けた記事であることをリード文で伝えると良いでしょう。具体的には、「~でお悩みの方」「~について知りたい方」「~が出来る商品をお探しの方」などです。

これはコンテンツを作成する際に、該当のキーワード(検索クエリ)を検索しているユーザーは、どんな悩みを持っているのか、なぜ検索しているのか、を具体的にすることが重要です。

年齢や性別、職業だけでなく、検索に至った経緯やバックボーンなどを出来るだけ詳しく設定し、読者が抱える悩みや知りたいこと、購入しようとしている商品についてリード文で言及しましょう。

リード文内で記事の内容を明確にする

2つ目は、記事の内容を明確かつ分かりやすくまとめることです。

リード文は、記事内にどのような情報が記載されているかや、どの程度で読むことができるのかを記載すると良いでしょう。

ただし、記事の内容をただ羅列したり、まとめたりすれば良いというわけではなく、要点や起承転結を意識してまとめることが大切です。リード文があまりにも長くなっている場合や、冗長な表現が多くなっていると、かえってユーザーの離脱につながるため注意が必要です。

記事を読むことで得られる利益を伝える

3つ目は、記事を読むことで得られる利益を伝えることです。

基本的に、ユーザーが本文を読み進めようと思ってくれるのは、記事内に求めている情報があると感じた時や、読みたいと思った場合のみです。これはwebページに限らず、本や新聞、雑誌などでも同じです。

ユーザーは記事を読むことで調べていた情報が見つかるか、抱えている悩みの原因が分かるか、または欲しい商品の詳しい情報が分かるかをリード文から瞬時に判断しています。

リード文で、ユーザーに「違うな」「読む価値がなさそうだな」と思われないように、読むことのメリットや価値を記載しましょう。

なぜユーザーが読むべきなのか理由を書く

4つ目は、なぜユーザーが読むべきなのか、理由を書くことです。

例えばですが、「この記事を読んだ人の〇割がもっと早く知りたかったと後悔している」や「この記事を読まないと最大〇円程度、損をする可能性がある」などとリード文に書かれていたらどうでしょうか。

基本的に人間は、「自分の不利益などを回避する」か「自分の快楽を満たす」のいずれかで行動をしていると考えられています。先にご説明した「読むことで得られる利益」は、後者の快楽を満たすことに該当し、「読むべき理由を書く」ことは、前者の不利益の回避することに該当します。

ただし、注意点として、嘘や誇張はNGとなります。あくまでも、事実や調査データなどの根拠に基づいた書き方が必要です。

筆者または監修者情報を記述する

5つ目はコンテンツの執筆者または監修者の情報を記述することです。

一例ですが、病気や法律に関する記事を読もうと思った時に、「素人が書いた記事」と「医者や弁護士が書いた記事」ではどちらが読みたいと思われるでしょうか。恐らく、大半の方は後者の記事を読むと答えるのではないかと思います。

これは読者の心理として、本当に正しい情報なのか、信じても問題ないのかを見極めるためです。つまり、記事の内容や専門性によっては、リード文あるいはリード文の近くに「執筆者」あるいは「監修者」を記載することが効果的といえます。

また、執筆者や監修者の情報を記載することは、GoogleがE-E-A-T(Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字)の観点から重視しており、SEO対策としても必須の情報であることを覚えておきましょう

以上、リード文に必要な情報、書き方をご紹介しました。続いて、ユーザーに伝わりやすくSEO効果を得やすいリード文作成のコツをご紹介します。

リード文を書くコツやポイント

リード文に必要な情報を踏まえ、ユーザーにより響きやすい書き方のコツを以下、ご紹介します。

QUESTフォーミュラの法則を意識する

1つ目に抑えておきたいコツは、QUESTフォーミュラを意識することです。

QUESTフォーミュラとは、以下の5つの頭文字を集めたライティングの際に意識すべきポイントのことです。

「QUEST」5項目
  1. Qualify:ターゲットの絞り込み
  2. Understand:ユーザーの希望や悩みを理解し、共感する
  3. Educate:解決方法の紹介および商材のアピール
  4. Stimulate:商材の購入意欲を刺激
  5. Transition:ユーザーから顧客への変化

QUESTフォーミュラは、本文を書く時でも意識すべきポイントですが、リード文にも同じことが言えます。

「誰に」書くかは読者となるユーザーを意識し、ユーザーが抱える悩みや知りたい情報に「共感」し、読むことのメリットや読まないことのデメリットで「刺激と・教育」、記事の内容や要点をまとめることで「行動」してもらえると覚えるとよいでしょう。

対策キーワードを適度に使用する

2つ目は、対策キーワードを「適度に」使用することです。

SEO対策を進める上で対策キーワードをコンテンツ内に使用することはもちろんですが、リード文でも同様です。リード文内で、適度に対策キーワードを使うことは、クローラーに対し、何について書かれたコンテンツなのかを伝えられます。

ただし、初心者の方にありがちなミスとしてキーワードの詰め込みが考えれます。あくまで「適度に」キーワードを含めることは重要ですが、詰め込み過ぎはSEOに逆効果となり、場合によってはスタッフィング(詰め込み)によるペナルティの対象になることもあります。

リード文内にキーワードを入れる際は、文章として違和感なく、読みやすい流れの中に入れ込みましょう。

上位サイトのリード文を読む

3つ目は、対策キーワードに対し上位表示している競合他社サイトのリード文を読むことです。

検索順位が高いページのリード文の多くは、ユーザーが本文を読み進められるよう上手に促しています。同じキーワードでコンテンツを作成する場合は、競合他社がユーザーの関心をどのように刺激しているか、また上記で紹介したリード文に必要な情報を表現しているか確認することが良いでしょう。

ただし、同じ表現や書き方をしてしまうのは、コピーコンテンツになるためNGです。コピーにはならないように、参考程度に確認し、上手なリード文の書き方を身に着けましょう。

以上、リード文を作成する際のコツを抑えたら、最後に実践として、どのような文章を用意すれば良いかテンプレートをご紹介します。

ブログやコラムで使えるリード文のテンプレートと例文

リード文は、検索クエリの種類によって書き方が変わります。

検索クエリは、「知りたい情報を集めるためのインフォ―メーショナルクエリ」、「商品購入のためのトランザクショナルクエリ」、「特定の場所やサイトへ行くためのナビゲーショナルクエリ」の大きく3種に分かれます。

このうち、インフォメーショナルクエリとトランザクショナルクエリのリード文を作成する際に役立つテンプレートを以下、ご紹介します。

テンプレート1.インフォメーショナルクエリの例

「○○とは何か知りたい」
「最近よく耳にする○○って何?」と、○○について調べて、この記事をご覧になっている方もいるのではないでしょうか。

○○は、△△や□□などがあり、××××なので、××××です。

そこで、このページでは、○○に関する××や××について、ご紹介します。最後には、○○が理解でき××××となるでしょう。
○○を××年間調べ、使い続けてきた筆者が詳しく解説しますので、ぜひご一読ください。

テンプレート2.トランザクショナルクエリ

「○○が解決できなくて困っている」
「○○をもっと効率化させたい」と、○○について悩んでいる方が多くいらっしゃいます。

○○は、××××なので、△△△や□□□などの失敗をしてしまう場合があります。

そこで、××××とならないように、このページでは、○○の正しい選び方や解決策、○○の方法を解説していきます。また、○○を実際に使った××××の××××なども一緒にご紹介します。

ページの最後には、○○におすすめな××××もご紹介していますので、ぜひご一読ください。

まとめ

リード文は、コンテンツにおいてユーザーの目に最初に入ってくる読む文章です。文字数は長すぎると読んでもらえなくなる可能性が高くなることから、300文字程度が良いとされています。 

その限られた文章内で、このページでご紹介した情報を埋め込み、ユーザーの気持ちを掴むことができなければ、本文を読み進める前に離脱してしまう可能性が高いため、リード文は非常に重要です。

抑えておくべきポイントを踏まえ、より効果的なリード文を作成できれば、ユーザーはコンテンツを読み進め、運営側が用意する導線からサイト内の別ぺージに遷移し、コンバージョンにつながる可能性が高まります。

これまで、なんとなく要点をまとめた文章をリード文にしていたのであれば、見直してをしてみましょう。